横浜ビー・コルセアーズのチアリーダーズB-ROSEが地元都筑区の障がい者たちとボッチャ大会で交流


ボッチャを通じた心温まる交流に笑顔溢れる

昨年12月12日、横浜ビー・コルセアーズのチアリーダーズB-ROSEのSayaka、Maria、kotone、Meiと植田哲也代表取締役が、ホームタウン都筑区にある障害者研修保養センター横浜あゆみ荘でおこなわれた『てつなぎつづきボッチャ大会』のオープニングイベントに参加した。

同大会は、都筑区内の障がい福祉施設が集まった『てつなぎつづき』が主催し、同区内の障がい者たちが出場しておこなわれたもので今回で6回目の開催。ビーコルの参加は今回が初めてとなる。

ビーコルが初めて参加した横浜あゆみ荘での『てつなぎつづきボッチャ大会』

パラリンピックの正式種目にもなっているボッチャをB-ROSEもエンジョイ

ボッチャは、重度脳性麻痺者ないしは、同程度の四肢重度機能障がい者のために考案されたスポーツでパラリンピックの正式種目にもなっている。ボッチャは、ジャックボールという白いボールに青と赤のボールを投げ合って、ジャックボールとの近さを競うスポーツで、障がいがある人でも、専用の器具を使って、介護者を介してプレー出来るようになっているのが特徴だ。

今回の大会では、このボッチャを分かりやすく、簡単に出来るようにしたターゲットボッチャが採用されていた。ルールもジャックボールを使わず、青と赤のボールを、青いシート上に記された3つの円に向かって投げ合い、一番得点が高い真ん中の円を狙って得点を競うものになっていた。ボールをぶつけて、真ん中の円に近づけたり、相手のボールにぶつけて邪魔をすることも出来て、エキサイティングな要素も盛り込まれている。

大会の前には、植田代表取締役の挨拶に続いてB-ROSEがダンスパフォーマンスを披露。待ちに待ったB-ROSEの登場に会場からは大きな拍手が沸き起こった。

ボッチャ大会の前にはB-ROSEのダンスパフォーマンスが披露された


このあと、B-ROSEと植田代表取締役はターゲットボッチャにも挑戦。初めてプレーしたターゲットボッチャに悪戦苦闘しながらも楽しんでいた様子だった。

「動作自体はシンプルなんですけど、戦術などもあって奥が深いと思いました。少しやっただけで熱くなれるスポーツでした」(B-ROSE・Sayaka)

「最初は難しいと思ったんですけど、最後には3点取れたので凄いうれしかったです!」(B-ROSE・Maria)

「難しかったです。ただボールを投げるだけではなく、仲間と作戦を練り合うこともあって、楽しむことが出来ました」(B-ROSE・Kotone)

「力加減が難しかったです。皆さん上手に入れていたので、コツを教えていただきたいです。熱くなり過ぎてしまって、思わず『いけ~っ!』って叫んでいました(笑)」(B-ROSE・Mei)

今大会では、ボッチャを分かりやすく簡単にしたターゲットボッチャが用いられた。シート上に記された一番得点が高い真ん中の円を狙ってボールを投げる。これがなかなか難しい。


B-ROSEの4人は、その後おこなわれた参加者代表チームとのエキシビションゲームにも参加して一喜一憂。初めてのボッチャに苦戦していたが、4人で力を合わせてようやく勝った時には飛び跳ねながら喜びを表していた。

みんなが同じレベルで楽しめるボッチャ

ボッチャは、B-ROSEの4人が口を揃えて「難しい」と言っていたように、健常者でも難易度の高いスポーツだった。今回の大会を運営した都筑区内で高次脳機能障がい者の支援をおこなっている『クラブハウスすてっぷなな』の統括所長・野々垣睦美(ののがき むつみ)さんは「そういった意味では、障がい者も健常者も、みんなが同じレベルで楽しめたのではないかと思います」と話す。

この大会には、高次脳機能障がい者の選手たちが集まって参加している。「高次脳機能障がい者というのは、生まれつきの障がいではないんです。事故や病気で脳に損傷を受けるまでは、元気に仕事をしたり、学生をしていた人たちが、後遺症から障がいを持つようになった人をいうのですが、障がいを持つまでの人生経験は私たちと同じで、ある日突然、高次脳機能障がい者になってしまった人たちなんです。中には、もともとバスケットボールや野球、サッカーなどのスポーツをやっていたけど、怪我や病気をしたことで出来なくなってしまった人も多いんです。ですから、みんな今日のイベントを凄く楽しみにしていたんです」(野々垣さん)

『クラブハウスすてっぷなな』統括所長・野々垣睦美さん

一緒にやるなら地元都筑のビーコルと!

今回ビーコルが参加したきっかけを植田代表取締役はこのように説明する。「我々がお世話になっている都筑区の商店街連合会に仲町台商業振興会があるのですが、そこでずっと交流があった野々垣さんから、いつかビーコルと一緒にイベントをやりたいというお話を頂いていたんです」(植田代表取締役)

また、野々垣さんは「障がい者の人たちにとって、スポーツが好きなんだけれども、体が不自由なためにやりたくても出来ない。スポーツをする機会自体もないのが現状です。横浜のプロスポーツチームと一緒に何かが出来ないかと考えていました」と話す。地元都筑にビーコルがあることを知っていた野々垣さんは、植田代表取締役に相談した。「都筑区に拠点を置くビーコルさんだからこそ、都筑区内の障がい者の人たちとの大会を一緒にやりたかったんです。彼らにとって、地域との繋がりが薄くなってしまったりすることがあるんですけど、今後もビーコルさんとのイベントで、彼らが地域での繋がりを作るチャンスが出来てくれたらと思っています」(野々垣さん)

植田代表取締役の一投を見守る参加者とB-ROSEたち。ボッチャは観ている側も楽しめる

笑顔溢れる温かい雰囲気に包まれたあゆみ荘の会場

野々垣さんの思いが叶ってビーコルの参加が実現した今回のボッチャ大会は、B-ROSEが参加したことで大きな盛り上がりになり、会場には大会参加者に加えて、関係者にも笑顔が溢れ、心温まる空間が出来上がっていた。

「今回、B-ROSEの皆さんがパフォーマンスをしている時に、みんなが体を動かしたりして喜んでくれていました。ああいったことは珍しいことなんです。これまでにも、いろんなイベントをやってきましたが、みんな、さほど集中して見ていなかったんです。それが今回は、みんなが食い入るように見ていたんです。私たち自身も良い光景を見せていただきました」(野々垣さん)

待ちに待ったB-ROSEのパフォーマンスに参加者みんなが元気になり、笑顔になった

「皆さんが温かく迎えてくれた」(B-ROSE)

今回の参加は、B-ROSEにとっても貴重な経験になったようだ。

「短い時間ではありましたが、ボッチャというスポーツを通して、皆さんとの仲が深まるような会だったと思います。とても温かい雰囲気の中で踊らせていただいたので、私自身も楽しむことが出来ました」(B-ROSE・Sayaka)

「皆さんが楽しさを表現してくださったり、『また来てください』と声をかけてくれてうれしかったです」(B-ROSE・Maria)

「私たちが会場に入った時から皆さんに温かい手拍子で迎えていただきましたし、『I LOVE 横浜』でも大きく手を振ってくれて、とてもうれしかったです。感謝しています。ボッチャをやっている皆さんの姿は素敵でした。また次回ある時には参加したいです」(B-ROSE・Kotone)

「1年に1回の大切な交流の時間に私たちが参加させていただいて、スポーツを通じて、皆さんと楽しい空間を分かち合うというところに意味があると思いました。とても良い経験が出来てありがたく思っています」(B-ROSE・Mei)

今回参加したB-ROSEメンバー(左から)Sayaka、Maria、Mei、Kotone

これからも継続してビーコルが存在する意義を作っていきたい

植田代表取締役は、今回のボッチャ大会に参加した感想をこう話す。「我々ビーコルの活動理念に、障がいがある方に対してのサポートがあるのですが、今回、こういった形でご一緒させていただくことが出来て、我々自身も楽しめ、非常に良いイベントだったと思います。皆さんが喜んでいらっしゃるのを見て、僕らもうれしかったです。スポーツは、みんながひとつになれますし、お互いに盛り上がることが出来ます。それがスポーツの良さだと思っています。今後も継続して、我々が存在することで、喜んでいただける方を増やしていかないといけないと思っています。今回とはまた違った形でも、毎年ここにお邪魔させていただきたいです。継続していくということが大事。今後も続けていきたいと思っています」(植田代表取締役)

早速ビーコルは、今回会場となった横浜あゆみ荘でB-ROSEが講師を務める障がいのある子どもたちに向けたチア教室を2月24日に開催することになっている(詳細は以下リンクから)。

さらに植田代表取締役はこれからの展開を「今度は皆さまに我々の試合をぜひ観て欲しいです。何か観戦企画を作りたいと思います」と、今度はスポーツが持つ力で勇気を与えたいと考えている。

「継続していくということが大事」と話した植田代表取締役の言葉通り、ビーコルは障がい者支援に向けた取り組みを今後も続けていく。

【取材・写真・記事/おおかめともき】

・クラブハウスすてっぷなな
http://stepnana.org

・横浜あゆみ荘 – 横浜市社会福祉協議会
https://www.yokohamashakyo.jp/ayumiso/

・横浜あゆみ荘『障害のあるお子さんのためのチア教室』開催のご案内』
https://www.yokohamashakyo.jp/ayumiso/news/#536

 


 

Written by geki_ookame