一度は引退した39歳のベテランが達成した努力と情熱の偉業達成!
横浜ビー・コルセアーズの竹田 謙(39)が、3月28日ホーム横浜国際プール今季最終戦での三遠ネオフェニックス戦で、自身の記録キャリア通算3,000得点を達成した。
竹田は三遠戦の前、同じ横浜国際プールでおこなわれたシーホース三河戦GAME1で2Pシュートを決めて、自身の記録にあと「1」としていた。
海賊が誇るベテランの偉業はいきなり達成された。ゲーム開始早々から軽快な動きでアグレッシブなディフェンスを仕掛けていた竹田は、1Qの出だし9分25秒にディフェンスから素速いトランジションをみせると田渡修人のパスをカットしてスティールを奪ったあと、そのまま怒濤のドライブで一気にレイアップにまで持っていき、同9分22秒に渾身の2Pシュートを沈めて3,000得点を達成させた。
チームはこの三遠戦前にチーム最多連敗タイの10連敗をしており、チーム全体に何としても勝ちたい、今季ラストゲームの国際プールで何としてもビーコルブースターに勝利を届けたいと燃えに燃えていた。
竹田もまた同じ想いだった。試合前のシューティングから気合いと気力に満ちた表情をみせ、軽快にショットを打ち続けていた。
もう負けられないビーコルは、この試合で39歳のベテラン竹田 謙をスターティング5に抜擢。ディフェンスを買っての起用だった。
竹田はこの2Pシュートのあとに3Pシュートも沈めて、チームに勢いをもたらした。ディフェンスだけでなく、オフェンスでも貢献したことはチームにとって嬉しい誤算だったようだ。
尺野将太HCは試合後に竹田の抜擢についてこう語っている。
「ディフェンスは、もちろん期待していましたが、1Qの出だしでスティールからの速攻でいきなり2Pが出たり、3Pがゲームの頭で来たり、オフェンスでもチームに勢いをつけてくれました」
「スタッツ上では(5得点で)大きな得点を挙げてはいませんが、スタッツには残らない見えない部分での活躍は、今日の3点差(での勝利)以上に価値があるプレーをしてくれました」
竹田はこの試合での17分8秒に渡って出場したが、1Qでの連続シュート後はディフェンスに徹したために、この2本のシュート5得点だけに留まったが、存在感が光る得点になった。
竹田は、2014年に一度は引退し、現役を退いていた。2015年は女子バレーボールデンソーアイリスのコーチを務めていたが、2016年にビーコルに入団して現役復帰を果たした。
今季は、11月12日富山戦GAME2の試合中に、左手首の骨を折る怪我を負った。それでも不屈の精神で12月23日の北海道戦で復帰し、以降はプレータイムも次第に長くなり、ここぞの活躍をみせている。
達成した3,000得点には、竹田の努力とバスケットボールへの情熱が染み込んでいる。そして自身の偉業を決めた2Pシュートは、何としても勝ちたいという竹田の気持ちと想いが強く感じられたショットだった。
チームは三遠との激しい接戦を見事制し勝利。豊橋での三遠戦から始まった連敗を10で止めた。今季のラストゲームとなった横浜国際プールは今季一番の大歓喜に包まれた。
その歓喜の余韻が残る試合後のコートで竹田はビーコルブースターに向けて喜びを爆発された。
「勝ちましたぁ!!残り試合を全部勝てるようにみんなで頑張ります!まだまだビーコル行きますんで、よろしくお願いします!」
チームの闘いは、ここからB1残留プレーオフ回避を掛けて富山、西宮、大阪、京都、名古屋へと続く。突入する大事な山場を迎える4月決戦で、竹田 謙のいぶし銀の技とプレーは欠かせないものになる。39歳チーム最年長のベテランはビーコルブースターと共にバスケの情熱を持って突き進み、4月の決戦に挑む。
【写真・記事/おおかめともき】