ビーコル、シーホース三河とのGAME1で勝利ならず。


川村復帰も今季最多を更新する9連敗。竹田 謙がキャリア通算3,000得点達成まであと1に迫る。

横浜ビー・コルセアーズ 70-92 シーホース三河(3月24日・横浜国際プール)
18-25|17-23|25-24|10-20

横浜ビー・コルセアーズは、ホーム横浜国際プールで中地区優勝目前のシーホース三河とGAME1を闘い22点差で敗れ、今季の最多連敗を更新する9連敗を喫した。

連敗の出口は遠いのか。選手たちは、プライドを持って中地区優勝マジック3としていたシーホース三河に対し、勇猛果敢に立ち向かい、終始アグレッシブなバスケで挑んだ。3Qで25得点を奪いこのクォーターをリードしたが、4Qではわずか10得点。最後の最後まで諦めなかった40分間の奮戦猛追は実らず、22点差をつけられ三河とのGAME1を落とした。

シーホース三河とのGAME1を落とした横浜ビー・コルセアーズ。

 

シーホース三河はこれで13連勝。中地区2位の名古屋Dが大阪に勝ったため、優勝へのマジックをひとつ減らしM2とした。翌日のGAME2で三河が勝利し名古屋Dが敗れた場合、三河の優勝が決まることになる。その場合、横浜国際プールで2シーズン連続で地区優勝が決まることになるが(昨季の優勝は川崎)。ビーコルは無論これを阻止するために全力を尽くす。

キャリア通算3,000得点にまであと3としていた竹田 謙が3Qに2Pシュートを沈め2,999得点とし、自身の偉業達成まであと1に迫った。翌日のGAME2で達成される可能性が濃厚になった。

自身の記録キャリア通算3,000得点にまであと1とした竹田 謙

 

この試合で、発熱を伴う胃腸炎で名古屋遠征に帯同せず治療に専念していたエース川村卓也が復帰。試合前練習から元気な姿をみせ、ビーコルブースターを安心させた。

川村は先発こそならなかったが、1Q 6分2秒に満田に代わって2試合ぶりにコートに立った。欠場した2試合を取り返すかのように、そしてチームの連敗を止めるべくエースは奮闘したが、前半に打ったシュートは精度を欠き、チームを離れていた時間がシュート感覚を狂わせた。

胃腸炎から復帰した川村卓也は1Q途中からコートに立ったが、前半はシュートが決まらず精度に苦しんだ

 

しかし、川村はそれが分かると切り替えて、アシストに徹し、この試合26分13秒の出場でアシスト5を記録。後半では徐々にシュート勘が戻り7得点を挙げた。試合後の選手整列では悔しさを滲ませつつも、シュートタッチの感覚を戻そうとしていた姿が印象的だった。シュート勘が戻りつつある翌日のGAME2では、さらなる得点でのカムバックが期待される。

復帰した試合で気迫溢れるプレーで奮闘した川村卓也

 

スターティング5は、細谷、高島、満田、佐藤、マクドナルド。ここ数戦で使っていたディフェンシブな布陣を今節でも組んだ。

1Q 9分4秒に高島一貴がレイアップで、両チーム通じての先制点を挙げてビーコルが幸先のいいスタートを切る。これにウィリアム・マクドナルドと佐藤託矢がインサイドからの2Pシュートで続いた。

1Qの出だしで2Pシュートを沈めるウィリアム・マクドナルド

1Q 7分8秒に2Pシュートを沈める佐藤託矢

 

一方で桜木ジェイアールのインサイドアタックに突破され失点も続いた。ビーコルはアグレッシブなディフェンスでこれを防ぎにいったが、インサイドへのディフェンスでファウルを多く取られ、確実に決めてくる三河のフリースローにビハインドが徐々に開き、2分42秒には20点の失点となってしまう。

ビーコルはマクドナルドの2P、細谷将司が続けた2Pと3P、ハシーム・サビート・マンカの2P、田渡 凌が残り33秒に沈めた2Pで反撃。1Qを18-25。7点差のビハインドで最初のクォーターを終える。

1Q 2分33秒に2Pシュートを沈めるハシーム・サビート・マンカ

1Q 5分26秒にレイアップを沈める細谷将司

 

2Q 8分51秒と8分19秒にジェフリー・パーマーが続けて2Pと3Pを沈めると、今度は田渡 凌が7分8秒と6分33秒に3Pと2Pを続けて沈めた。さらに残り1分32秒に2Pシュートを沈め流れを作った。

2Q 8分19秒に3Pシュートを沈めるジェフリー・パーマー

 

前回名古屋D戦GAME2で久々の二桁得点となる14得点挙げていた田渡は、この試合でもシュートタッチが冴え渡った。カムバックしたルーキーの今後の活躍が大きく期待される。

田渡 凌は名古屋D戦GAME2に続いてシュートが冴え渡った。写真は2Q 7分8秒にセカンドチャンスで3Pシュートを沈める田渡 凌

 

ビーコルは1Q同様にアグレッシブなディフェンスを展開したが、桜木のインサイドに加えて、アイザック・バッツの得点が加わりはじめ、三河に逃げられてしまう。2Qは17-23。トータルスコア35-48でビハインドが13点にひろがり、前半を折り返す。

3Qの出だし9分45秒に細谷が外から2Pシュートを沈め、流れがくるかと思われたその矢先、桜木にインサイドを破られ50失点目を喫すると、ここから立て続けに失点が続く。

8分34秒、前半でシュート感覚が戻らない状態で精度に苦しんでいた川村卓也が、ようやく2Pを渾身のレイアップで沈める。

川村は3Qに精度を取り戻しこのクォーターで5得点を挙げた。写真は3Q 8分34秒にレイアップを沈める川村卓也

 

7分56秒には川村のオフェンスリバウンドを取ったサビートがセカンドチャンスで2Pシュートを沈める。サビートは6分57秒にも2Pシュートを沈め、逃げる三河を追撃する。

5分6秒に細谷が3P、4分22秒には竹田 謙がレイアップで2Pを沈めて、自身の3,000得点達成まであと1とした。

2分59秒には川村がレイアップを沈めてバスケットカウント。フリースローも決めて3点を奪う。

3Qの終盤でマクドナルドの2P、満田丈太郎の3点バスケットカウント、残り20秒でこの試合で一番の勢いをみせていた田渡が2Pシュートを沈め、いい流れを持ったまま最終クォーターに入れるかと思われた矢先、松井啓十郎に終了間際1秒でアウトサイドから2Pを決められてしまう。3Qを終えたトータルスコアは60-72。このクォーターを25-24でリードし、ビハインドをひとつ減らして12とした。

3Q終了間際12秒にアウトサイドから2Pシュートを沈める田渡 凌

 

4Q、マクドナルドと田渡が続けて2Pを沈めて追撃の流れを作ったが、以降でスティールを多く奪われ、ゴール下での連携ミスも多発。以降でのフィールドゴールはマクドナルドの2Pとサビートの2Pのみとなってしまう。

最終クォーターになっても、桜木のインサイドは止められなかった。三河は桜木を起点に得点をかさね、終盤には金丸晃輔の3Pが加わるようになった。

3分33秒に決められた金丸の3Pでビハインドが20点に。さらには残り1分5秒にも金丸にインサイドから2Pを決められてしまい92失点目。

残り1分でビハインド22点も、ビーコルベンチからは「これで終わるな!」と大きなゲキが飛び、コートの選手たちは、必死なディフェンスでリバウンドを奪い、最後の最後までビハインドを忘れるほどの懸命な抵抗で食らいついた。

 

結果4Qは得点が10点と伸びず10-20。ファイナルスコアは70-92。22点差での敗戦となった。

ビーコルのスコアリーダーは、13得点を挙げた田渡 凌。ウィリアム・マクドナルドが11得点、細谷将司が3Pを2本沈めて10得点。

ハシーム・サビート・マンカは9得点。4つのファウルでファウルトラブルになり、プレータイムが13分54秒に留まってしまった。

満田丈太郎は8得点。復帰した川村卓也は、後半に得点を挙げて7得点、アシスト5を記録した。

蒲谷正之はプレータイムなし。試合後のコートで、細谷とシュ-ティングを長い時間に渡っておこなっていた。

試合後、サビートと共に悔しさを滲ませた川村卓也

 

試合後に会見した尺野将太HCはこう総括している。

「中地区1位の三河さんに対して、どれだけチャレンジ出来るか。(名古屋遠征後の)火曜日にミーティングをしてシーホースさんにこういう闘いをしようと話し、練習をしてきました。そこに対する選手たちのプレーは、やろうとしていたディフェンスを遂行しようとして、どこを守るのか、どこのオフェンスを最優先にするのかを遂行してくれました」

「ただ、シーホースさんはどこからでも点数が取れる。そこが、自分たちよりも上回ってしまいました。選手がプレーのミスをしたというより、戦術面で準備してきたディフェンスが、三河さんのほうが上回ってしまった」

試合後の会見に応じる尺野将太HC

 

13得点を挙げた田渡 凌は試合後、悔しさを堪えながらビーコルブースターにGAME2での巻き返しを誓った。

「明日も全力で必死に闘う!」

試合後、悔しさを堪えビーコルブースターにコメントした田渡 凌

 

4Q残り1分でみせた攻守に渡る必死の抵抗は海賊たちのプライドだった。最後の最後まで諦めない姿勢。これは翌日のGAME2に必ず繋がるはずだ。

【写真・記事/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame