竹田 謙が復帰してGAME2への希望の灯をともす!選手間競争激化へ
横浜ビー・コルセアーズ 78-83 レバンガ北海道(12月23日・横浜国際プール)
20-15|21-20|14-22|23-26
辛く厳しい自滅だった。4Q終盤の猛攻、細谷将司のバスケットカウントで同点に追いついたビーコルだったが、ベンチファウルを取られてしまい失速。チーム自ら見えかけた勝利を手放してしまい痛恨の敗戦。尺野将太HCの初陣を勝利で飾ることは出来なかった。
1Q、ビーコルの早いパス回しによる速攻は今回も機能。加えて、ゾーンディフェンスとマンツーマンを併用したディフェンスは、レバンガを苦しめた。しかし、一方でファウルが多く、レバンガはこれで得たフリースローを確実に決め、じわじわと点差を詰めたが1Qは20-15とビーコル5点のリードで終える。
オンザコート2の2Qでウィリアム・マクドナルドとジェフリー・パーマーがコートに立った。マクドナルドはいきなり2Pシュートを沈めバスケットカウントを奪う(フリースローは失敗)。さらには7分35秒にも2Pシュートを沈めた。
6分19秒で、竹田 謙が遂に復帰してコートに立った。存在感光るいぶし銀の躍動は、チームに流れと勢いをもたらした。
ビーコルは、川村、田渡 凌、パーマー、そしてサビートのバスケットカウントなどで得点をかさねリードを守った。
レバンガも早いパス回しで応戦するが、サビートのブロックショットなどでリードを死守した。2Qは21-20。トータルスコア41-35で、リードを1Qから1つ増やし6とした。
ハーフタイムでは、トーマス・ウィスマンが、尺野HCにアドバイスを送る場面があった。
3Q、サビートと佐藤託矢が2Pシュートを沈めたが、ハーフタイムで修正したレバンガに追い上げられ、5分31秒にマーク・トラソリーニに2Pシュートを決められ逆転を許してしまう。
ファウルが多くなってしまいレバンガにフリースローを確実に決められ点差が少しずつ離れていく中で、川村卓也が3Pシュートを2本沈めて食らいついていった。3Qは14-22のビハインド。トータルスコアは55-57と2点のビハインドとなった。
2点差を追う4Q開始早々9分に細谷将司が2本の2Pシュートを続けて沈め1点差に詰め寄る。細谷は2本目の2Pシュート後に転倒して頭を強打。しばらく起き上がれずヒヤリとする場面があった。
しかし、トラソリーニに3点のバスケットカウントを決められレバンガが逃げる。尺野HCは、ここでベテラン山田謙治を投入。山田はこの起用に応えて5分11秒に2Pシュートを決めて攻守に流れを作った。
レバンガがフリースローなどで得点しても川村が2Pシュート。パーマーがフリースロー4本を沈めるなどしてレバンガに必死の猛攻で追いすがる。しかし、この直後にパーマーがファウルアウトしてしまう。
残り1分30秒、川村の3Pシュートで1点差にまで肉薄。直後にトラソリーニに2Pシュートを決められたが、58秒に細谷将司がレイアップを沈めて再び1点差。細谷は雄叫びを上げ、さらにはバスケットカウントも奪い、ビーコルベンチも歓喜したが、チームスタッフが喜びのあまりラインを越えてしまいベンチにテクニカルファウルがコールされる。細谷はフリースローを沈めて同点としたが、テクニカルファウルによるフリースローを決められ再びレバンガにリードを許してしまう。
さらには、ハシーム・サビート・マンカがファウルアウトし、ここでもテクニカルファウルが出てしまう。
サビートに代わって佐藤託矢が投入されるが、佐藤もファウルアウトになってしまい、ビーコルはベンチファウルから流れを完全に失ってしまった。
レバンガはファウルから得たフリースローを高い精度で決めてビハインドは広がってしまい7点に。残り4秒でマクドナルドが2Pシュートを沈め5点差にしたが、ゲームエンドのブザーを待たずして勝敗が決まった。
最後にマクドナルドが意地をみせた2Pシュートが翌日のGAME2に繋がると信じたい。結果、4Qは23-26。トータルスコア78-83、5点差での無念敗戦となった。
この試合に掛けた川村卓也の集中力と氣魄は並々ならぬものだった。なりふり構わずチームを鼓舞し、渾身のプレーを連発し続けた。チーム最多の23得点を挙げ、ここぞの3Pシュートでレバンガに食らいつき接戦にもちこんだ。それだけにその怒りは大きかった。試合後、JA横浜賞を受賞しスピーチした川村は怒りと失望を押し殺して、「明日、(チームとして)しっかりと反省して臨む」と語った。
尺野HCは試合後の会見でこの敗戦をこう振り返っている。
「バスケはメンタルのスポーツだなとつくづく感じました。プレーとして、良かった悪かったはもちろんありますが、メンタルの部分で、選手も、スタッフも、勝つためのエネルギーが違うところに向いてしまった。試合の終盤にそれが一気に噴出してしまいました」
「今日のファウルの数が17-32ということもありますし、自分たちのプレーが上手くいかない、相手に流れがいっているところで、自分の感情をコントロールすることが出来ませんでした。プレーで激しくなるのはいいんですけど、感情が相手ではない方向に向かってしまい自滅してしまいました」
反省し、規律を正す。その上で、ここに来ての手応えはあると尺野HCは語る。
「ウチは崩れることが多かったチームだったんですけど、後半しっかりと我慢出来るようになって、プレーとして改善は出来て来ています。今日のような競ったゲームを闘えるチームにはなって来ています。メンタルの部分、プレーの精度ももちろんですけど、競ったゲームを勝ち切れるチームにこれからしていきたいと思います」
この試合で11月12日のホーム富山グラウジーズ戦GAME2で左橈骨(とうこつ)遠位端骨折(橈骨=手首の骨)していた竹田 謙が復帰した。2分28秒と出場した時間こそ短かったが、激戦で大きく躍動したことは、翌日のGAME2への希望となる。
尺野HCは、この竹田を2Q途中に、山田を4Q途中に効果的に投入した。二人のベテランはここぞの展開で存在感溢れる活躍をみせて、チームに流れと勢いをもたらした。竹田の復帰で、選手起用の選択肢が増えたことは希望だ。加えて尺野は選手に競争を求めているという。
「竹田選手も戻ってきましたし、先週富山戦でプレータイムのなかった山田選手も新潟戦でいいプレーをみせてくれました。今日も出しづらい時間帯が続いていた中で、ファウルトラブルと、細谷のアクシデントもあって、4Qのあのタイミングだと、なかなか体の準備も難しいんですが、彼はプロで、体の準備をしっかりとしてくれていたので、4Qのあのタイミングで、あれだけ短い時間ながら、チームの大きな力になってくれました」
「今、選手たちに話しているのは、しっかりと試合をしながら、いいプレーを40分間みせて、最後終わるところでコートに立てる5人に選ばれるようにチーム内で競争してくれということなんです。選択肢が増えることは良いことでもありますし競争も激しくなる。そうなればチームとしての力もより高まっていくと思います」
GAME1で選手たちはエナジー溢れるプレーでレバンガに食い下がった。決して完敗ではない。年内あと残り3試合、翌日のGAME2はホームでの今年最後の試合だ。勝機はある。
「選手たちは激しくプレーする熱い気持ちを持っています。今日はその熱い気持ちが、間違った方向に向かってしまいましたが、年内のホーム最終戦で何とかビーコルブースターの皆さんに結果で応えたいということは、選手たちにずっと話をしています」
「明日、今日と同じエナジーを持って、加えてよりスマートになった、賢くプレー出来る海賊を見せることが出来れば、良い結果がおのずと付いてくると思います。僕が代行になってから今日が6試合目ですが、良くなってきた部分にプラスして、賢く闘えるスマートな部分も明日の試合で見せて、結果で、ブースターの皆さんに恩返ししたいです」
レバンガの水野宏太HCは試合後、ビーコルを「ファイティングスピリットに溢れる選手が多い」と評している。翌日のGAME2で、海賊のファイティングスピリットを正しい方向に向かわせる。今日のこの悔しさと無念を、今年最後のホームゲームで晴らす!そのためには選手、チームスタッフ、そしてビーコルブースターがもう一度一丸となり一枚岩にならなくてはならない。今こそ結束しよう!そして今後こそ、レバンガにリベンジだ!
【写真・記事/おおかめともき】