ビーコル、初の5千人動員試合で栃木に善戦も15点差敗戦。


B1初代王者に一時は互角の善戦も及ばず。シュート確率の差が勝敗を分ける。

2018-19シーズン第29節・GAME1(3月23日横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 64-86 栃木ブレックス
19-19|13-15|13-24|19-21

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 3.23 [SAT] 横浜ビー・コルセアーズ vs 栃木ブレックス】https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=3415&TAB=B

【ダイジェスト映像】
https://basketball.mb.softbank.jp/videos/4481

横浜ビー・コルセアーズは3月23日、ホーム横浜国際プールに初めて栃木ブレックスを迎えて2連戦GAME1を闘った。ビーコルは1Qで互角の闘いを演じたが、15点差で敗戦。ブレックスを上回るシュート機会を得た一方で、成功率が上がらなかったのが響いた。

B1残留プレーオフ回避がかかるビーコルの、回避の指標ワイルドカード9位は変わらず。残留プレーオフ圏外の8位秋田も千葉に敗れたためにゲーム差「1」も変わらずとなった。ただ、ビーコルを追う10位滋賀が琉球に勝利。そのゲーム差は「2」に縮まっている。

この試合で横浜国際プールには5009人の観客が来場。クラブ創設以来初めての5000人超えを達成した。ビーコルは3月10日千葉戦GAME2でB1アリーナ最多入場者、B1チーム最多入場者4,702人を記録していたが、これを大きく上回り、早くも記録を塗り替えた。

この試合で横浜国際プールには5009人の観客が訪れ、3月10日千葉戦GAME2で記録していたB1アリーナ最多入場者、B1チーム最多入場者を早くも更新した


また栃木からブレックスブースターも多く来場。かつて5年間、栃木のヘッドコーチを務めたトーマス・ウィスマンHCは「懐かしい顔が見れてうれしかった」と試合後のコートで古巣ブースターへの感謝を込めた。

栃木から大勢のブレックスブースターも駆けつけ熱い声援を送った


今節で、地元横浜出身で日本人NBAプレーヤーのパイオニア田臥勇太が凱旋。田臥は10月21日からベンチ入り登録もコートでのプレータイムがなくこの試合でも出場はなかった。それでも、試合前のコートに一人あらわれると、これまでにやってなかったゲーム前のシューティングを開始してその姿を披露。超満員に膨れ上がった地元横浜のバスケファンの視線を一身に浴びた。

地元横浜出身で日本人NBAプレーヤーのパイオニア栃木ブレックス#0田臥勇太。地元凱旋試合での出場はならなかったが、ゲーム前一人コートにあらわれてシューティングを披露した


試合は、1Qから互角の闘いを演じたビーコルが、B1初代王者に対し気迫をむき出しにしてアタック。コストナーとスティーブンソンが果敢にインサイドに切り込んで得点。一進一退の攻防戦となり最初のクォーターは19-19の同点となった。

普段は外角からのシュートが多いブランドン・コストナーはこの試合でインサイドに積極的に飛び込む勇猛果敢さをみせ、1Qでは2Pシュートのみで、いきなり11得点を入れた。

この試合でチーム最多の計24得点を上げたコストナーは「普段はアーサー選手(アーサー・スティーブンソン)がいるので、僕もインサイドに入ってしまうと混んでしまう。そのために出来るだけ外にいるようにしているが、今日の試合に関しては自分がボールを持った時にアタック出来ると思った。中に入れば得点に繋がると思えた」と話す。大きな声をあげながらゴール下へ切り込む姿には侍魂を感じさせた。

普段にはないインサイドアタックをみせた横浜ビー・コルセアーズ#34ブランドン・コストナー


2Q序盤の両チームは、開始から2分間で得点が停滞。同点が続いたが、湊谷のフェイダウェイでビーコルが勝ち越しに成功。アーサー・スティーブンソンもダンクとリバウンドで大奮闘をみせた。しかし、ライアン・ロシターに3点バスケットカウントを含む4本の2Pシュートで9得点を許すなどして32-34。2点のビハインドを背負い前半を終えた。

2Qでビーコルは、ディフェンスリバウンドとターンオーバーから20回のシュート機会を得たが、わずか3本しか決められず、勝ち越しからリードを伸ばす事が出来なかった。

気迫こもったダンクを沈める横浜ビー・コルセアーズ#33アーサー・スティーブンソン


2点を追いかける展開となったビーコルは3Qでもインサイドアタックを継続したが、ゴール下でさらに強度を増した栃木ディフェンスに苦戦。シュートを決め切れず、次第にシュートを打つことも困難になっていく。ただ、コートで闘っていたコストナーは違った印象だったようだ。「インサイドでの相手ディフェンスは、前半と後半で、たいして変わらなかったと思う。シュートを決めることが出来なかったのは、相手がどうということではなく、自分たちが焦ってミスしてしまったことのほうが多かった」

6分には栃木に連続得点で畳み掛けられビハインドが二桁に広がってしまった。

4Qでビーコルは、スティーブンソンとコストナーらの得点で9点差を維持していたが、徐々にディフェンスが破られて点差が拡大。4Qでもシュート機会を13回得たが6本しか成功出来ず、追い上げ切ることが出来なかった。2連戦の初戦は、シュート確率の差が勝敗を分けた形となり64-79。15点差でビーコルが敗れた。

ビーコルのスコアリーダーは、24得点(3Pシュート2本)を挙げたブランドン・コストナー。2番手は17得点のアーサー・スティーブンソンとなった。スティーブンソンはさらに23リバウンドも記録して4試合連続となるダブルダブルをマークした。

この試合で持ち前のリバウンド力が爆発したスティーブンソンは、ディフェンスリバウンドで13本、オフェンスリバウンドで10本と圧倒。リバウンドでもダブルダブルになっている。これは来日初。

トーマス・ウィスマンHCは試合後にこの試合をこう総括している。

「今日は自分たちのやりたいことが出来ていた。勝てるチャンスはしっかりと作った。だが、チャンスを作れたものの、それをものにすることが出来なかった。今日のスタッツで我々は相手よりも多くシュートを打っていたが、ターンオーバーとリバウンドの本数は同じだった。1番の懸念はシュート確率が31.5%だったこと。シュートをいくら打っても、シュートが決まらなければ試合には勝てない。相手のシュート確率は49.3%でこれが決め手になった。もうひとつ決め手となったのは、後半3Qのスタート時点で我々のディフェンス強度が上がり切れなかったこと。これで連続得点を許し、相手に行ってしまった試合の流れを引き戻すことが出来なかった。それでも闘うことは出来た。明日に向けて我々がやらなければならないこと、修正しなければならないことをやって、明日もう一度挑戦したい」

「今日の両チームのスタッツでは、それほど大差はない。2Pシュートで60.8%対34.5%だったことが決め手となったと思うが、3Pシュートの成功率は両チーム共に低く、ターンオーバーからの得点、ファストブレイクからの得点もほぼ同じだった。我々が良かったのはセカンドチャンスポイントの13対6で、これでアドバンテージが取れていた。ただ、打ったフリースローでは我々が22本(成功14本)で、相手は11本(成功8本)。この低い数字となったフリースローも、明日修正しないといけない」

「シュートの数字が低くなったのは、栃木のディフェンスが素晴らしかったから。ディフェンスが出来るか出来ないかによって、シュート確率が変わってくる。我々が見習わないといけない点だ」

「シュート確率を上げていかないと試合には勝てない。明日はシュートをしっかりと打つ。焦らないで、自分たちが決めれるシュートをしっかりと決めていく。ここは明日、しっかりとやっていきたい」

横浜ビー・コルセアーズ トーマス・ウィスマンHCかつて栃木ブレックスを5年間指揮してチームを底上げ。2度の優勝に導いた


かつて栃木ブレックスのヘッドコーチを務め、チームを初優勝とB1初代王者に導いたウィスマンHCは、初めての古巣対決となったが、敗戦が、名将に感慨をもたらさなかったようだ。

「今日、勝っていたら特別なものになったとは思うが、負けてしまったので特別な試合とはいえない。だが、やはり私が5年間ブレックスに在籍して、知っている顔もいる。私がHCをしていた時に選手としてプレーしてくれた安齋HCは、選手からヘッドコーチになった。(ウィスマンHCが教えた)彼ら選手たちの成長はうれしい。自分が作り上げたチームなので、そこにはうれしさを感じるし、誇りに思っている。名前をひとり挙げるとすれば、遠藤選手(遠藤祐亮)。彼はD-RISE(TGI D-RISE かつて栃木の下部チームだったチーム。現在の山形ワイヴァンズの前身)からトップチームに入り、今では日本屈指のウイングプレーヤーにまでなった。ロシター(ライアン・ロシター。同じく栃木HC時代にプレー)も特別な選手だ。彼の成長は私にとって誇らしいこと。私の顔なじみの選手が活躍していることは誇りだが、今では敵なので、この誇りは捨てなければならない。今は、彼らに勝ちたい気持ちのほうが強い。明日は勝って、特別なものにしたい」

今や海賊の指揮官となったウィスマンHCは、ビーコルを優勝出来るチームへ押し上げる改革の真っ最中。ブレックスを「自分が作り上げたチーム」と語った。ならば、ブレックスはビーコルが目指している姿なのか。

「そうだ。私はいま、そのことにトライしている。私がブレックスに教え込んだものを、このチームにも教え込んでいるつもりだ。ブレックスの時は5年かかった。ただ、私はもう5年ももたないと思う(笑)。だから、なるべく早く、このことが実現出来るようにやっていきたいと思っている」

ブレックスはビーコルの目指すべき姿、将来のビーコルの姿なのか。この問いをウィスマンHCは肯定した


ビーコルは、ここまでの対戦してきた強豪戦でも互角の闘いをみせて、相手を苦しめてきた。そのことはチームに大きな自信を与え、成熟させている。今日の試合もそうだ。だが、敗けは敗け。そろそろ善戦ではなく強豪からの勝ちが欲しい。B1残留プレーオフ回避もかかっている。

今季のチームは完成間近にある。競争力を高めて来たチームが強豪を撃破する日は遠くない。まずは明日の闘いぶりに期待したい。GAME2でビーコルが、ブレックスからジャイアント・キリングを決めれる可能性は十分にある。

【記事・取材・写真/おおかめともき】

 

 

 


Written by geki_ookame