スティーブンソン、5試合連続ダブルダブルも実らず。多発したターンオーバーからの失点響く。オフェンスリバウンドで上回るもシュートを決め切れず。
2018-19シーズン第15節・GAME1(12月22日 横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 56-88 アルバルク東京
11-23|15-16|19-33|11-16
横浜ビー・コルセアーズは、12月22日ホーム横浜国際プールに初めてアルバルク東京を迎えて2連戦GAME1をおこない56-88で敗れた。中地区争いは、5位三遠が富山に敗れたために6位ビーコルとの差は「3」のまま。また東地区争いで2位千葉を「4」ゲーム差で負うA東京は、千葉が秋田に勝利したためにゲーム差は変わらずとなった。
前節大阪2連戦で連勝したビーコルだったが、昨シーズンの覇者に挑んだ2連戦の初戦は32点の大差をつけられた完敗に終わった。大阪を苦しめたマンツーマンディフェンスはチャンピオンにことごとく破られ、ウィスマンHCはゾーンディフェンスを使わざるを得なくなった。
大阪2連戦では、2試合とも挙げた得点が60点とオフェンスで課題を残していたが、この試合ではそれを下回る58得点。今回もスコアラー不足の影響が出てしまった。来日してこれが6試合目となった新戦力アーサー・スティーブンソンが17得点11リバウンドで5試合連続となるダブルダブルをマークしたが、さらなる得点力のある選手が求められる。
またシュート精度の差も大きく出てしまった。オフェンスリバウンドでビーコルは14対6とA東京を倍近く上回ったものの、セカンドチャンスの得点で5対25、シュート成功率で35%対56.3%と完敗。得たシュートを決め切ることが出来なかったビーコルと、確実に仕留めたA東京。この差が明暗を分けた。
スターティング5は、前節と同じ川村、イベ、田渡、竹田、スティーブンソンの布陣。A東京は、前節を脳しんとうで欠場した田中大貴が復帰して先発。ビーコルのベンチ裏には、左膝前十字靭帯断裂で長期離脱しているハンター・コートの姿もあった。
1Q開始早々、田中大貴がインサイドから2Pシュートを決めてA東京が先制したが、直後に川村卓也が、菊池のファウルから得たフリースローを2本とも決めて同点。さらに川村は8分にレイアップを決めて勝ち越しに成功する。安藤に3Pシュートを決められ逆転を許したが、スティーブンソンが2Pシュートでやり返して再逆転。しかし、今度は竹内に3Pシュートを入れられ、リードを奪われてしまう。ここから0-13のランを許してしまい点差が一気に開いた。ビーコルは大阪で機能したマンツーマンディフェンスでスタートさせたが、A東京に内外から破られてしまった。
ウィスマンHCは流れを変えるべく、4分に細谷将司を投入。細谷はこの起用に応えてレイアップと3Pシュートを決めた。ビーコルはリバウンドを多く奪ったが、得たシュートを決め切ることが出来ず、加点出来なかった。1Qは11-23で12点のビハインドを背負った。
2Q開始からビーコルは3連続シュートで反撃。スティーブンソンがセカンドチャンスから2Pシュートを沈めると細谷が倒れながらにレイアップ。さらには7分に川村が2Pシュートを沈めた。これで流れがくるかと思われたが、パスミスからターンオーバーを許して失点。流れを手放してしまう。
以降、モリスの2Pシュート、川村の2Pシュートでのバスケットカウント(フリースローは失敗)、イベのダンク、川村の2Pシュートなどで得点。一方でスティールから失点を許したが、ビハインドを何とか10点台の13点差に留めて、後半の巻き返しに望みを託した。
3Qで、差を縮めていきたいビーコルだったが、開始直後から安藤、田中、カークに内外から得点を許す。8分に田渡 凌が3Pシュート、7分にスティーブンソンが2Pシュートを沈めたがこのクォーターでもパスミスからのターンオーバーが相次ぎ、A東京はこれで得たシュートを確実に決めて得点に繋げた。
5分にスティーブンソンが2Pシュートでバスケットカウント(フリースローは失敗)。スティーブンソンは2分にも2Pシュートでバスケットカウントを奪い、このフリースローは決めて3点とした。以降ビーコルは、イベと田渡の2Pシュートで得点してこのクォーター19得点。しかし、A東京に大量33点を入れられてしまいビハインドが27点にまで開いてしまった。
4Q、ビーコルは湊谷安玲久司朱がタフショットで沈めた2Pシュート。細谷のフリースロー2本、スティーブンソンの2Pシュートで得点。しかし5分にアクシデントが起こる。川村がパスを出した直後に相手ディフェンスと接触して転倒。左足首を踏まれた川村は苦悶の表情を浮かべ、そのまま退場となった。
以降、スティーブンソンと田渡が得点したが、1Qに続いて4Qもわずか11得点。A東京に32点の大差をつけられた56-88で2連戦の初戦を落とした。
ビーコルのスコアリーダーは、17得点を入れたアーサー・スティーブンソン。スティーブンソンは、前半でA東京のタイトなディフェンスに苦しみ、持ち前のインサイドアタックが振るわず、わずか4得点に終わっていたが、後半でアジャストして13得点を入れた。リバウンドでは11本を記録して、この試合もダブルダブルをマーク。来日してからの6試合で挙げたダブルダブルはデビュー戦を除いて、これで5試合連続となった。
2番手は3Pシュート1本を含む11得点を挙げた田渡 凌。二桁得点はこれで4試合連続となった。エース川村卓也は10得点で3Pシュートがなかった。
細谷将司は3Pシュート1本を含む9得点。プリンス・イベはダンク1本を含む4得点(4リバウンド)に終わったが、ブロックショットを3本決めている。帰化選手エドワード・モリスは3得点も5リバウンドを記録した。
トーマス・ウィスマンHCは、試合後にこう振り返っている。
「今日の試合は本当に残念な結果になってしまった。A東京は現時点で、我々よりも格上のチームだというのは分かっている。それでも32点差で負ける相手ではなかったと思っている。先週末、大阪戦で出来ていたマンツーマンディフェンスを今日のスタートでも、また積み上げていこうと1Qからやったが、A東京のピックアンドロールを止めることが出来ず、ここから1試合を通してゾーンディフェンスを使うことになってしまった。後半は、49点も取られてしまった。これが痛手となった」
「何よりも残念だったのは、A東京が決してファストブレイクが強いチームではないにもかかわらず、ファストブレイクポイントで25点取られたことだ。加えてターンオーバーが18。このターンオーバーからは20失点している。この2つが痛かった。相手には56.3%の成功率でシュートを入れられている。ディフェンス面をまた修正していかないといけない」
「オフェンス面でも、得点を取れない試合が続いている。過去3試合で60点、60点、56点。ここ3試合、各クォーターで20点台がない。オフェンスでも、ディフェンスでも、課題がまだ残っている」
「チームオフェンスをどうやっていくかが重要だ。いま得点を取れる選手が限られている。我々のオフェンスでのエクスキューション(遂行)レベルは低い。練習からフルコートで、トランジションでのアタックをしていこうと言っているが、今日もファストブレイクで5点しか得点出来ていない。これは、まだフルコートオフェンスがしっかりと出来ていないことを示している」
「今日、オフェンスリバウンドでは我々のほうが勝っていた。我々が14本でA東京が6本。2倍近くオフェンスリバウンドを取っているにもかかわらず、シュートを決めきることが出来なかった。今日、我々のシュート成功率は35%で、3Pシュートは18.2%だった。この数字はプロのレベルではない。ここをどう改善していくかが重要だ」
試合後、誰もいなくなったコートでは、ビーコルとA東京の選手たちが居残ってシュート練習をおこなっていた。その中で、相手のシューティングを見つめる細谷の姿があった。翌日のGAME2でビーコルがどのように修正してくるか。ウィスマンHCはどんな策を打ってくるのか。海賊たちの雪辱晴らす巻き返しに期待したい。
【取材・写真・記事/おおかめともき】
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY】12.22 [SAT] 横浜ビー・コルセアーズ vs アルバルク東京
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=3206&TAB=B