10月15日横浜ビー・コルセアーズ 対 アルバルク東京 GAME2アリーナ立川立飛

ゾーンディフェンスは諸刃の剣なのか?逆襲の鍵を握るハシーム・サビートが海賊入り最多の16得点!

北海道、立川と続いた厳しいアウェー戦は全敗。湊谷安玲久司朱とジェイソン・ウォッシュバーン、2人の主力を失いながらも、結束し奮戦した海賊たちだったが、立て直しと修正は急務になった。

この試合、ビーコルは1Q出だしからゾーンディフェンスを展開しアルバルクのオフェンス陣を苦しめた。

ビーコルはアグレッシブなゾーンディフェンスをTIP-OFF直後から展開した

8分45秒、#15佐藤託矢のアウトサイドからの2Pシュートで先制し、#34ハシーム・サビート・マンカの2Pシュート、#2高島一貴の3Pシュート、#3蒲谷正之の2Pシュートで流れを生みリードする。しかし、3分56秒でサビートがアンスポーツマンファウルを取られ、古田HCは堪らずタイムアウト。その直後、アルバルク#15竹内譲次に2本のフリースローを決められ、さらには2Pシュートを決められてしまう。ここから激しい点取り合戦になる。リードが行ったり来たりの展開となるが、結果逆転され15-20、5点のビハインドとなってしまった。

1Q、アウトサイドからの2Pシュートを決める#15佐藤託矢。ハンナリーズから海賊入りした期待の和製ビッグマンの得点力がここに来て徐々に伸びてきた

この試合、アグレッシブなディフェンス、そして3Pシュートを含む5得点で攻守に奮闘した#2高島一貴

 

2Q序盤、#4ジェフリー・パーマーが2本の2Pシュートを沈めて追い上げる一方で、失点も重なっていくが、ビーコルは必死のオフェンスを展開した。

1Q、インサイドからの2Pシュートを沈める#4ジェフリー・パーマー

終了間際34秒、#21田渡 凌がインサイドからのレイアップで2Pシュートを決める。さらには残り1秒での3Pを狙ったブザービーターで、田中大貴から3Pファウルを奪い3本ともフリースローを沈め、このクォーターを17-17。ビハインドを5点差にしてアルバルクに食らいついた。日本代表である田中大貴と堂々と渡り合ったアメリカ帰りの田渡 凌。本当に頼もしいゴールデンルーキーだ。

2Q残り34秒、#21田渡 凌が2Pを決める

ビーコルが誇るアメリカ帰りのゴールデンルーキーが、日本代表に何度も選ばれた田中大貴と堂々渡りあった。

 

5点ビハインドからの逆転を狙いたい後半のビーコルだったが3Q開始早々、佐藤託矢のパーソナルファウルから2本のフリースローを決められてしまう。さらには、アルバルクの#53カークにリバウンドを奪われ2Pシュートを決められビハインドは9点。佐藤は2本の2Pシュートを決めるなどして奮闘した。4分19秒でパーマーがはずしたシュートをもらった蒲谷が3Pを決めたが、このパーマーのシュートがリングに当たったか否かを巡ってビデオ判定となりゲームが長い時間止まる。

この間、ビーコルブースターから「GO!GO!ビーコル!」の大ブーストが沸き起こった。そのブーストはホームのアルバルクブースターを遥かに上回り、さながらホームアリーナのようだった。

アリーナ立川立飛には横浜から沢山のビーコルブースターが駆けつけ相手を凌駕する猛ブーストを海賊たちに送った。写真は3Q前、海賊たちとひとつになるビーコルブースター

ゲーム再開直後、これに後押しされた高島がアウトサイドからの2Pシュートを決める。この日、高島は果敢にシュートをトライした。

長いビデオ判定の直後に#2高島一貴が見事なアウトサイドの2Pシュートを決める

しかし、ビーコルに少しずつ疲れが見え始めミスが相次ぐ、高島のシュートのあと、アルバルクのオフェンスに押され得点を奪えず、どんどん点差が開いて行き6-22。ビハインドはついに20点。3Qでわずか6得点、一桁だったのが痛かった。

 

4Q、ビーコルはパーマーの連続3Pシュートから反撃の狼煙を上げた。積極的なリバウンドをみせたサビートが5本の2Pシュートを決めてこのクォーター10得点、パーマーも2本の3Pシュートなどで7得点と続き、怒涛のオフェンスを魅せた。一方で失点も多くなり4Qは19-23。奮戦むなしく結果57-82、25点の大差を付けられての敗戦となってしまった。

4Q終了間際19秒、インサイドからのジャンプショットを沈める#13山田謙治。大差のビハインドも海賊は最後まで諦めなかった

 

古田HCは、この敗戦をこう振り返っている。

「出だしから、今日はゾーンディフェンスをやるつもりでいたんですけど、長く使い過ぎたところもありました。ディフェンスの部分ではゾーンに修正出来た部分もありましたが、疲れて来た時とか、ミスが出たあとにブレイクで崩されたところが反省点です」

敗戦後、歓喜に湧くアルバルクブースターの中で苦渋の表情を浮かべた古田悟HC。悔しさがにじみ出ていた

「前半はよく我慢していましたが、後半、ディフェンスも含めて、オフェンスで単発的なプレーが多くなり、自分で打つというより打たされているような状況でシュートを打ったケースが多くあり、点数が伸びませんでした。今日はサビートが点数を取っていましたが、インサイドの起点となる選手、ピックアンドロール含めて、インサイドの強い部分を活かしつつ、周りがもっとコンビネーション的にプレーしていかないといけません。やはり70点取れないと厳しいと思いますし、60点、50点と続いているので、ディフェンスも多く修正することがあります。オフェンスの部分でもチームの強みを活かしながらプレー出来るように、また明日以降練習していきたいと思います」

 

この日、さらに攻撃的に駆使したゾーンディフェンスについてはこう語っている。

「インサイドにサビートを置きたいというのがあります。ドライブに対しての最後のフィニッシュのブロックに期待しています。あとアルバルクはマンツーマンよりもゾーンオフェンスのほうが苦手だと思っていたのもあります」

つまり、サビートを活かした布陣だったともいえる。誤算はアルバルクにアウトサイドから切り込まれたところだ。

ゾーンディフェンスは、諸刃の剣なのか?いや、そうではないと信じたい。日本代表候補4選手を擁するアルバルク東京という強豪チームに対して果敢にチャレンジしたこの戦術は、多くのデータと経験が得られたはずだ。これが、今後の闘いに活かされ、ゾーンディフェンスは、時間が掛かるかもしれないが、古田HCならではの戦術に熟成されていくと信じたい。

 

敗戦の中での収穫はハシーム・サビート・マンカだ。この日、ビーコルに来てからの最多となる16得点を挙げたBリーグ最長身長を誇る異次元のビッグマンは言う。

試合後会見に前回同様気さくに応じてくれたハシーム・サビート・マンカ。ビーコルブルーと沢山のROSEがあしらわれたトレーナーが印象的だった。

「僕個人のスタッツとしては良いものが出たと思うんですけど、僕にとって一番重要なのは勝つこと。チームの誰かが50点取って負けるよりも、誰かがひとり凄いプレーをするんじゃなくて、チームのみんなでプレーして勝つということが大事なんです。今、チームメイトが僕のプレーにアジャストして来てくれていると思うので、自分がどこでボールを欲しいのかというのも分かってくれて来ています。そして、自分にボールが入って来た時にしっかりと決める。ここまでずっと練習を続けて来ました。それを今日16得点で決め切れたのは大きな成果です」

僚友パーマーと共にアグレッシブなディフェンスを魅せるハシーム・サビート

個よりもチーム、そして勝つことへの欲求。サビートはそんな選手だ。チームのことを最優先として考え、チームの勝利のためだけにプレーしている。ウォッシュバーンの欠場でスタートからの出場が多くなった今、そのアジャストは早まるのではないか?怪我の功名があるかもしれない。サビートは、対戦する相手も彼自身もまだお互いのことを分かりきれてないと語った。練習でチームメイトにこう言われたそうだ。

「日本人的にはターンオーバーになるプレーが、ハシームのサイズと運動神経があるとボールに届くことが出来るんだよと教えられたんです。まだそんな段階のアジャストですよ」

彼自身は、まだまだだと言うが、そのアジャストは着実に進んでいることは確かだ。ここからのハシーム・サビート・マンカが楽しみでならない。

個よりもチームが大事。そこれがサビートの信条だ。

 

GAME2のアリーナ立川立飛には、横浜から沢山のビーコルブースターが駆けつけ、ホームさながらの怒涛の大ブーストで、苦しむ海賊たちに勇気を与え後押しした。次節は、いよいよ国プ開幕だ。さらなるブーストの力を得る海賊たちの奮起に大きく期待したい。ゴービーコー!!

【写真・記事/おおかめともき】

 

Written by geki_ookame