10月14日横浜ビー・コルセアーズ 対 アルバルク東京 GAME1アリーナ立川立飛


海賊再びの試練。ゾーンディフェンス対ゾーンオフェンス、立川の攻防

海賊たちが、またしても試練。試合前、クラブの公式ツイッターでジェイソン・ウォッシュバーンが練習中の怪我で負傷し、この立川では欠場すると発表された。実際、コートには松葉杖をついたウォッシュバーンの痛々しい姿があったが、それでも試合中ウォッシュバーンは終始ベンチで選手たちを鼓舞し続けた。右足アキレス腱断裂全治6ヶ月の湊谷安玲久司朱に続けての選手離脱。開幕5戦目で2人の主力を失った痛手は計り知れない。それでも海賊たちは、結束して挑み闘った。

GAME前、結束を固める海賊たち。掲げた手は湊谷の5番を表しているのか?

TIP-OFF直前でも“5”は掲げられていた。アレクのためにもオレたちは闘う!

 

この日のスターティング5は、川村、満田、田渡、佐藤、サビートだった。古田HCは前節レバンガ北海道2戦目で大きな活躍をみせた満田丈太郎と、田渡 凌をスターティング5に起用した。

横浜ビー・コルセアーズ 古田悟HC

「流れ的には、若い力も使いたいという希望もありましたし、田渡、満田も、先週の北海道で十分活躍してくれた。期待もこめてスタートで使いました。そして、レギュラー陣がそれに対してフォローしてくれると自分の中で信じていました」

開幕5戦を終えたところで、いきなり湊谷とウォッシュバーンを欠いた痛手は大きい。古田HCは、今季メンバーを固定せず選手たちをタイムシェアしながら起用しているが、それでもこの2人はスタートから固定しているメンバーだった。

「ジェイソンが固定しているスタートだったところを、彼が出れなくなってしまったことも含め、アレクもそうですけど、2人のスターターがいなくなったところで、どうチームを編成するか、そこだけを代えるのか、全体的に代えていくのか。自分の中でもいろんな挑戦をしながら、プレーさせていきたいと思っています」

チームは、欠場した二人のためにも、そして補うために結束していた。それだけにその力を活かせず敗戦したことを古田HCは悔いた。

「主力2人を欠いて、アレクは特に長い期間試合に出れませんが、いるメンバーで彼らの気持ちをコートで表すしかないと思うので、それはつなげていきたいと思っています。彼らのためにという気持ちは、正直あります。ただ、今日の部分でも40分間闘い切れなかったことは、自分の中で悔いが残りますし、負けるパターンも含めて、3Qまで粘っていたんですけど、やはり引き離されてしまう形が、いつもと同じになってしまったことは後悔しています」

1Q、ビーコルのシュートはことごとくリングに嫌われ多くの得点を奪えず一桁7点に終わってしまう。2Qで#1川村卓也が8得点、3Qで#21田渡 凌が7得点を挙げて反撃の起点となり、ビハインドを一桁台にキープして逆転への流れを伺った。しかし8点ビハインドで突入した4Qで、アルバルクに3Pを5本決められてしまい58-79。21点差をつけられての敗戦となってしまった。

1Qでシュートを決める#1川村卓也

3Qでジャンプショットを決める#21田渡 凌

 

ビーコルはゾーンディフェンスを多用しアグレッシブなディフェンスを展開したが、アルバルクは、ゾーンオフェンスでこれに対抗。いわば、ゾーンディフェンス対ゾーンオフェンスだった。古田HCは、こう語る。

「ゾーンディフェンスは数多くやるようになっていました。いい時もあったんですけど、相手にリズムを与えてしまったのは自分たちの反省であり、そこから崩れてしまったオフェンスの部分でも、なかなか自分たちのリズムに持っていくことが出来ませんでした。ゾーン(ディフェンス)は、やっぱり継続して使っていくつもりです。怪我人が出て来ていますけど、シーズン長いですし、タイムシェアしながらやってきているので、今日は時間が短い選手もいたかもしれないですが、この(立川での)2日間の中で、自分たちのディフェンスを含めて巻き返しが出来るように、また修正していきたいと思っています」

一方、敵将ルカ・パヴィチェヴィッチHCは、ビーコルのゾーンディフェンスに対してこう見ている。

「横浜は非常に長い時間帯でゾーンディフェンスを使ってきたので、我々はやるべきこと、闘い方は変りませんけども、長い時間のゾーンディフェンスに対してのゾーンオフェンスをひとつの鍵と見ています。今日は、いい形で相手のゾーンディフェンスを攻略出来たかなと思います」

アルバルク東京 ルカ・パヴィチェヴィッチHC

ゾーンディフェンスが、突破されて3Pシュートを次々に決められたのは実に悔しい場面だった。コートで闘っていた川村はこう振り返った。

「ゾーンディフェンスが効いていた時間帯、崩された時間帯でもう一歩、自分たちがギアを上げて、ゾーンで動いた足をマンツーマンで使う。そういうチェンジングも上手く使えれば、相手も迷いが出たのかなと思います」いま多用しているゾーンディフェンスは、主に2−3だがGAME2での変更はあるだろうか?古田HCは試合後の会見で、席に座るやいなや深いため息をついてその無念さを表したが、GAME2に向けて修正し、逆襲をはかる決意だ。このまま終わらすわけにはいかない。

「今日はシュートのところまで、自信を持って打てていませんでした。あいているポジションでボールを回してしまったケースもあったので、スピード活かしたプレーも含めて、明日考えて行きたいと思います」

川村は、主力2人の離脱でも闘えると前を向いた。

「言わなくても、(チームは)まとまれるでしょう。オンプレー中に怪我することは、誰にでもありますし、それを活力に変えないといけない。それもチームが、どんどんひとまとまりになって強くなろうとする姿勢を持つためには、いいきっかけだと思います。だけど、アレクに関しては、半年以上プレーが出来ないかもしれないということを想うと、僕はアレクの気持ちも、しっかりと頭に入れた上でやらなきゃいけないと思っています」

オフェンス、ディフェンスともに終始アグレッシブだったエース川村卓也。気概を感じるプレーだった。

 

このゲームで、スターティング5起用されたハシーム・サビートは、4つのファウルで、ファウルトラブルに陥ったが、果敢にリバウンドを奪い、ガッツ溢れるディフェンスをみせた。GAME2での爆発に期待したい。

果敢にリバウンドを奪う#34 ハシーム・サビート・マンカ

 

GAME2で、ビーコルはアルバルク東京に勝って一矢を報いることが出来るか?チームの修正力と、選手たちの巻き返しに期待したい。もう負けられない!!我武者羅に向かっていく海賊たちにさらなるブーストを送ろう!!今度こその勝利を!!ゴービーコー!!

【写真・記事/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame