川村29得点!マクドナルド18得点!2戦続けて接戦を勝ち切った!
横浜ビー・コルセアーズ 97-88 富山グラウジーズ(3月31日・富山市総合体育館)
21-21|19-20|36-23|21-24
横浜ビー・コルセアーズは、12月以来となるアウェイ富山市総合体育館で、富山グラウジーズとのGAME1を闘い、前節ホーム三遠戦に続いて接戦を制して連勝した。あと3点で三桁得点、今季チーム最多97得点での勝利だった。
再び、富山の地で横浜の海賊たちが熱闘を繰り広げ勝利した。中2日の試合が2回も続く過酷な日程の中で40分間終始エナジーを途切らせることなく、自分たちのバスケを貫き、見事勝ち切った。
ビーコルは前回12月のアウェイ富山戦で、宇都直輝を徹底マークしてわずか4得点に抑えるなどして勝利したが、今節の再戦で宇都はやはり修正してきた。宇都はこの試合で18得点を挙げ、アシストは実に14の脅威的な数字を記録(B1リーグ最多アシスト記録タイ)。
しかし、それを上回る数字を川村卓也が3Pシュート5本を含む29得点。前節三遠戦でロースコアだったウィリアム・マクドナルドがカムバックして18得点を挙げ、宇都の数字を跳ね除けたことは大きい。
1Qは宇都の2Pにやられ苦戦した。開始早々、宇都に川村が2Pを外したディフェンスリバウンドからディフェンスを突破され先制の2Pを許す。さらにはサム・ウィラードに2Pを決められるなどしてビハインドのスタートとなった。
ビーコルは佐藤託矢がアウトサイドから2P、細谷将司がレイアップで2Pを沈めて追撃開始。川村がフリースロー2本を確実に決めると、細谷が6分14秒と3分42秒に続けてインサイドから2Pを沈めて同点。しかし直後に宇都に2Pを決められ富山に再び逆転を許し、ここから一進一退の攻防となった。
1分51秒にジェフリー・パーマーが2Pを沈めると、2分32秒と1分51秒に前節でキャリア通算3,000得点を挙げていた竹田 謙が2Pを続けて、今節もチームに勢いをもたらした。
1分23秒に川村卓也が3Pを沈めて同点に追いつくと終了間際の34秒で、また竹田が2Pシュートを沈めて勝ち越しに成功。しかし残り12秒に宮永雄太に2Pを決められ同点。1Qを21-21で終えた。
2Q、出だし早々にデクスター・ピットマンに2Pを許したが、8分14秒に川村が3Pを沈めて逆転。ここからフリースローが続いて5点を入れ、富山を引き離す。
6分13秒にパーマーが3P、4分31秒に川村が2P、1分27秒にはサビートがアウトサイドから2Pを沈めて1点差にまで詰め寄ったが、直後にピットマンに2Pを決められ富山が3点差で逃げる。残り16秒、ハシーム・サビート・マンカが2Pを沈めて1点差。ビーコルが流れを持ったまま後半戦に突入した。2Qは19-20、トータルスコア40-41。
勢いに乗ったビーコルは、3Qで満田丈太郎とマクドナルドのフィールドゴールとフリースローの得点で11得点を挙げて10-0のランに成功。
6分58秒と同21秒に川村卓也が連続3P。さらにマクドナルドが、5分40秒から3本続けて2Pを沈めた。
富山は執拗に追い上げてきたが、3分44秒に佐藤託矢が3Pシュートとフリースロー2本。2分36秒にマクドナルドが2Pを沈めて得点は70点台に突入した。さらにマクドナルドは1分34秒にも2Pを沈める。
3Q終了間際、宇都に2Pを決められ10点差にされたが、残り2秒でマクドナルドが2Pシュートを沈めてリードを広げる。
3Qのマクドナルドは凄まじかった。このクォーターだけで18得点をマーク。マクドナルドにボールを渡せば、必ず得点してくれるといった大きな勢いがこの時間帯のマクドナルドにはあった。
またビーコルのフリースローも前節同様に高い成功率(3Qで88.9%)で決まった。3Qは36点ものハイスコアになり36-23。トータルスコア76-64で12点のリードとした。
4Qの出だしで、サム・ウィラードに3Pを決めれリードはひと桁9点に、しかし川村とパーマーの2Pで再び富山を引き離す。
さらに田渡 凌が2Pを沈めると川村が2Pと3Pで得点。チームの勢いはさらに増した。
サビートも2本の2Pを続けて得点をかさねた。特に2分24秒でセカンドチャンスから沈めた2Pはレフトハンドによるものだった。
富山は、3分20秒にファウルアウトからクリント・チャップマンを失ったが、猛追で残り1分21秒で3点差にまで詰め寄った。直後の1分9秒にサビートが2Pを沈め、33秒には川村がフリースロー2本を確実に沈め富山を突き放す。
残り33秒でリードは7点。ビーコルベンチでは尺野将太HCとアドバイザートーマス・ウィスマンが慌ただしく勝ち切るための指示を出した。ベンチはここで細谷に代えて、満田丈太郎を投入してディフェンスを締めた。
ビーコルは、必死なディフェンスを展開して富山のシュートを阻止。富山はファウルゲームに持ち込んだ。残り23秒、上江田勇樹のファウルでフリースロー2本を得た高島一貴が、2本ともしっかりと沈めて9点差。富山にとっては最悪の展開となった。
同18秒に宇都が2Pシュートをアウトサイドから打ったが外れ、ディフェンスリバウンドを奪ったパーマーがゆっくりと時間を掛けてサビートにボールを渡したところで試合終了のブザーがなり、ビーコルの勝利が決まった。
4Qは21-24でリードを許したが、トータルスコア88-97。3Qでの36点が大きく、9点差での勝利となった。ビーコルはこれで前節三遠戦から2連勝。富山とは11月18日ホーム富山戦からの4連勝となった。
今節は5位と6位の直接対決だが、中地区6位のビーコルは、同5位の富山とのゲーム差を「7」とした。またB1残留プレーオフの指針となるワイルドカード12チーム中10位は、依然変わらずだが、9位大阪とのゲーム差を2.5。残留プレーオフ回避のデッドライン8位の滋賀までは、滋賀が名古屋に勝ったためにゲーム差は「3」のままになっている。
チームのスコアリーダーは、5本の3Pを含むハイスコア29得点を挙げた川村卓也。川村は7アシストも記録している。
2番手は、18得点を挙げたウィリアム・マクドナルド。前回対戦で16得点、9得点を挙げた相性のよさが今節のGAME1でも発揮された形だ。
ハシーム・サビート・マンカは11得点。6リバウンド、ブロックショット3を記録し、前回の富山戦に続いてグラウジーズを苦しめた。
ジェフリー・パーマーと佐藤託矢が9得点。竹田 謙は6得点を挙げた。ビーコルは、前節に続いてフリースローが大きく決まった。成功率は実に92.0%の高確率となり、チーム今季最多97得点に繋がった。課題はひとつひとつクリアされている。
試合後の尺野将太HCはこう総括している。
「水曜日にひとつ勝てて連敗が止まったので、選手の気分も高まっていました。前回この富山の地でシーズン初の連勝を挙げているので、選手もいいモチベーションで今日の試合に臨めました」
「いつも課題にしているディフェンスを今日も課題にしていたのですが、今日はいつもと違ってオフェンスで相手に勝つことが出来ました」
「ただディフェンスは、もう少し出来たという反省が選手からも上がってきています。今日はオフェンスで勝てたぶんを明日はしっかりとディフェンスで勝てればいいと思います」
「宇都選手には18得点、14アシストでやられているので、明日ここをどう対応するかだと思っています」
中2日の試合が2回続く今節の闘いに関しては、こう語っている。
「勝つって、いいことだなとみんなが感じています。昨日も練習でしたし、本当は選手たちは休みたいと思っていると思います。しっかりと練習もして、移動もあって、コンディション的には厳しいと思いますが、勝つことの気持ちの良さが、体の疲れを支配して、いいプレーに繋がっていると思います」
GAME2で富山は修正して逆襲してくるだろう。この試合で宇都直輝は18得点14アシストを挙げた。宇都を翌日のGAME2でどう抑えるか。課題のディフェンスが今季初の3連勝。対富山5連勝の鍵を握る。
今回も沢山のビーコルブースターが横浜から富山に駆けつけ、声を枯らし選手たちをあと押しした。彼らもブーストで勝ち切ることに貢献した。
翌日のGAME2で勝つことが大事だ。勝つことの喜びをモチベーションにして、海賊たちは今季初の3連勝を狙う。
【写真・記事/おおかめともき】