ハッスルし続けた40分間!そしてジェフリー・パーマーが帰ってきた!
横浜ビー・コルセアーズ 76-58 富山グラウジーズ(12月16日・富山市総合体育館)
19-17|18-9|17-13|22-19
ついに勝った!苦しかった連敗がようやく止まった!海賊たち、チームスタッフ、そして富山に駆けつけたビーコルブースターたちは、長いトンネルを脱した勝利を心から喜びあった。
富山でのグラウジーズとの再戦。前回の横浜国際プールでは満身創痍になりながらGAME2を激勝して1勝1敗にしていたが、この再戦のGAME1で海賊たちは40分間、ハッスルし続け、エナジーを出し続けた。スピード感溢れる速攻の連続、そして走りに走った。海賊たちは、ゲームを通して集中力を切らさず、胸のすくようなビーコルのバスケを魅せ続けた。スピーディーなパス回し、パスフェイクは相手を翻弄し、ディフェンスも機能した。
そして、前回ホーム富山戦GAME1で負った怪我で離脱していたジェフリー・パーマーがこの試合で復帰し躍動。3Pシュート2本で6得点を挙げた。
この試合で尺野代理HCは、好調の川村卓也を敢えて起用せず、前回の闘いで30得点を食らったグラウジーズ#11宇都直輝対策で、若い満田丈太郎を起用してきた。その策は見事にはまり、宇都をわずか4得点に封じ込めた。
ハシーム・サビート・マンカは、この試合、珍しく4得点だけだった。しかし、決して不調だった訳ではない。ディフェンスに徹したのだ。リバウンド13、ブロックショット5。どれも圧巻の護りだった。サビートをディフェンスに徹しさせたことも功を奏し、グラウジーズを58得点に抑えることが出来た。
1Qからビーコルは速攻で畳み掛けた。開始早々#81橋本尚明の2Pシュートで先制を許したが、高島一貴のアウトサイドからの2Pシュートですぐさま追いつくとサビート、満田、佐藤託矢がインサイドから2Pシュート。さらには細谷将司が、3Pシュートを続けて沈め、順調に得点をかさねる。グラウジーズはシュートをことごとく外したが1Q終盤にかけて徐々に点をかさね追撃してきた。残り52秒で#15青木ブレイクの2Pシュートで同点にされたが、残り20秒でマクドナルドがすかさず2Pシュートを沈めて逆転。1Qを19-17で終えた。
オンザコート2の2Qで、ジェフリー・パーマーが遂に復帰した。パーマーは、開始早々に見事な3Pシュートを沈めて、チームにさらなる勢いを与えた。
ゴール下でのスピーディーなパスフェイクは相手を翻弄した。サビートをはじめとしたディフェンスも機能してグラウジーズを封じ、このクォーターを9点に抑え込むことが出来た。残り1分で川村卓也がブザービーターでの3Pシュートを沈めて、流れをさらに大きくした。2Qは18−9。前半を37−26、11点のリードで終えた。
後半でも海賊たちのエナジーは途切れることはなかった。開始早々で高島一貴がレイアップで2Pシュートを沈めると、川村と交互にシュートを沈め、細谷とウィリアム・マクドナルドも2Pシュートで続いた。
食い下がるグラウジーズにアグレッシブなディフェンスで防ぐ間、得点が停滞したが、3Q終盤で満田丈太郎がフリースロー2本を確実に決めると、残り5秒で2Pシュートを沈め、気持ちの上でも相手に流れを渡さなかった。3Qは17−13でトータル54−39。リードをさらに増やした。
15点差の4Q、これまで何度もエナジー切れから失速してしまい苦い敗戦を喫してきただけに心配がよぎったが、それは杞憂だった。海賊たちのスピード感溢れるバスケはそんな心配をも吹き飛ばした。エナジー溢れるハッスルプレーは、最後の最後まで途切れることはなかった。
ベテラン蒲谷正之の躍動も光った。8分24秒にフリースローを2本を決めると、5分29秒には3Pシュートも沈めた。
7分19秒にはジェフリー・パーマーが完全復活を告げる3Pシュート。パーマーが怪我から復帰した相手が、奇しくも前回怪我をしたグラウジーズ戦というのは奇遇だが、みたび外国籍選手が3人になったことは非常に大きく、チームに大きな勇気を与えた。
グラウジーズは終盤にかけて#2橋本尚明らが得点をかさね追い上げてきたが、1分5秒で蒲谷が2Pシュート、残り25秒でマクドナルドが2Pシュートを沈める。
10秒で橋本が3Pシュートを決めたが、終始エナジーを切らすことなく得点をかさねたビーコルのリードを上回るには十分ではなかった。結果4Qは22−19、ビーコルは全クォーターでリード。結果、アウェーでの富山グラウジーズとの再戦GAME1は76−58。18点のリードを奪った激勝で連敗を6で止めた。
勝利を確信した瞬間、エース川村卓也はサビートと抱き合っていた。勝利を告げるブザーが鳴り響いた時、選手たちは勝利の笑顔をみせた。ホッとする表情をみせるものもいた。アウェイでの歓喜の中で、遠く富山まで駆けつけたビーコルブースターと久々の勝利を分かち合った。
ビーコルの勝利は11月12日ホーム横浜国際プールでの富山グラウジーズ戦GAME2で激勝して以来6試合ぶり。尺野代理HCはこの勝利をこう総括している。
「前回の富山さんとの対戦で、宇都選手にかなり得点をやられてしまった部分(GAME1で3Pシュートなしで30失点)があるので、試合の入りで宇都選手の得点を何とか止めようとしました。普段は川村選手がスタートなんですけど、今日は満田選手を宇都選手対策のディフェンダーとして起用しました。満田選手はエネルギー出して、ハッスルして守ってくれました。用意していたチームディフェンスもあったんですけど、そこに行く前に満田選手のディフェンスが1対1でしっかり守ってくれました」
「入りの部分で、まず相手のリズムを崩すことが出来たのが、ゲーム全体を通した中で一番良かったと思います。ファウルトラブルや、判定の部分で集中力が切れかけて、崩れそうな場面もあったんですけど、今までだと、そこで崩れることがあったんですけど、そこでしっかりチーム一丸となって、自分たちのプレーをやるということに集中した結果が40分間を戦って、勝利の結果に繋がったと思っています」
試合後の会見で尺野将太代理HCに勝利の笑顔はなかった。代理HCを務めて5試合目、その表情は引き締まり、闘将になっていた。明日に向けて勝って兜の緒を締める。
「今シーズン、まだ連勝がないので、ここは連勝するチャンス。いまロッカールームでも話をしたんですけど、気を抜いている選手もいないですし、(4Q終盤で大差になっても)最後のプレーまでしっかりやろうとタイムアウトでも話をしていました。まだ集中力はしっかりと続いているので、何としても明日も勝つこと。今日プレータイムのなかった山田(謙治)選手も試合に臨む準備は出来ていますし、今日コートに出た選手もさらに明日はハッスルしてくれると思います。もちろん、今日出来てない部分だったり、悪かった部分もあるので、そこを修正して、今日よりも、もっといいゲームをして、必ず連勝したいと思います」
尺野は、今季まだない連勝への意気込みを強く語った。その表情は、もはや闘将と言っていいほどだ。海賊浮上へのキーワードは、エナジーとハッスル。いまビーコルにまた新たなケミストリーが起こっている。富山の地で2連勝する。尺野をはじめとした海賊たちのエナジーは翌日のGAME2も途切れることなく、勝利だけを見据える。
【写真・記事/おおかめともき】