ビーコル惜敗。残り2秒でエース川村に託した3Pシュート外れる

一進一退の4Q猛追も接戦勝ちきれず。2Qにマクドナルドがレイノルズとの乱闘騒ぎで退場

横浜ビー・コルセアーズ 77-80 レバンガ北海道(12月24日・横浜国際プール)
20-23|16-17|20-17|21-23

ホーム横浜国際プールに3016人もの観客が訪れたクリスマスイブのレバンガ北海道とのGAME2。ビーコルは一進一退の接戦で観客を沸かせたが、勝ち切ることが出来ず連敗。レバンガへのリベンジはならなかった。

ビーコルはこの日もテンポのいいパス回しをみせ、前日の敗因のひとつとなったフリースローの精度は、この日修正され80%の高確率になった。一方で2Qに起こったマクドナルドとレイノルズの乱闘騒ぎでマクドナルドが退場するなど、勝ちたいエネルギーがまたしても、負の方向に向かってしまう場面もあった。しかし、前日のGAME1に続き、競ったゲームを40分間最後まで闘えたことは、今のチームが成長し、正しい方向に向かっていることを示した。

尺野将太HCは、この日のスターティング5で、ハシーム・サビート・マンカではなく、ウィリアム・マクドナルドを起用してきた。その策は見事ハマり、マクドナルドは1Q開始早々に連続2Pシュートを沈めて流れを作った。

オンザコート1でのスターティング5に起用され得点をかさねた#45ウィリアム・マクドナルド

8分で高島一貴がアウトサイドから2Pシュート沈め、この時間帯は非常にテンポのいいオフェンスを魅せた。

1Qでアウトサイドからの2Pシュートを沈める#2高島一貴

 

しかし7分41秒、マクドナルドのファウルから得たフリースローをマーク・トラソリーニにが2本とも決められ1点差。すぐさまマクドナルドが2Pシュートで返したが、直後に野口大介に2Pシュートが決められるなど、ここから一進一退の展開になっていく。

3分15秒、野口に2Pシュート、折茂武彦にフリースロー2本を決められたあたりから得点が徐々に開いていく。それでも2分22秒と1分22秒で高島一貴が内外から2Pシュートを沈め、さらにはジェフリー・パーマーが残り31秒で3Pシュートを沈め1Qを20-23、ビハインドを3点にして2Qに繋げた。

この試合で高島一貴はシュートが冴えに冴えた1Q2分22秒でアウトサイドから2Pシュートを沈める

 

高島一貴は、冴え渡るオフェンスを魅せ、このクォーターで5本シュートを打ち3本を沈めて1Qだけで6得点をマークした。

さらに高島は直後の1分22秒でインサイドから2Pシュートを沈めた

 

2Q、オンザコート2でハシーム・サビート・マンカとパーマーがコートに立った。スターティング5から外れたサビートは9分13秒にいきなり2Pシュートを沈める。さらには満田丈太郎が連続2Pシュートを沈めて、これに続いた。

2Q開始早々#8満田丈太郎が連続2Pシュートを沈める。写真は2本目、8分22秒のレイアップでの2Pシュート

 

5分28秒にサビートがダンクを沈めて同点。ダニエル・ミラーの2Pシュートで、またレバンガが同点になるが、サビートが2Pシュートでやり返し再び同点にする。しかし、ミラーの2Pシュート、松島良豪の2Pシュートでレバンガが逃げる。

2Q5分28秒でダンクを沈める#34ハシーム・サビート・マンカ

 

30-34の2分45秒、ここで残念な乱闘騒ぎが起こってしまう。細谷将司のスローイングから始まったビーコルのオフェンスで、ペイントエリア内でジャスティン・レイノルズをマークしていたマクドナルドが、激しいリバウンド争いの末に二人揃って転倒。コート上で口論となった。

リバンウンド争いでの転倒後、コートで口論となった#45ウィリアム・マクドナルドとレバンガ#6ジャスティン・レイノルズ

両チームの選手たちが二人を制したが、口論はエスカレートしていまい、遂にはビーコルベンチ前で乱闘になってしまう。そのはずみでレフェリーが倒され、マクドナルドは指を負傷した。

口論は乱闘に発展し、レフェリーがはずみで倒されてしまう

レフェリーの長い映像確認が行なわれ、この間、アリーナでは「ゴーゴービーコル」のコールが響いた。結果、マクドナルドのノーマルファウルのあと、レイノルズがテクニカル・ファウル。さらにはマクドナルドはディスクォリファイングファールとなり、退場となった。マクドナルドに代わってパーマーがコートイン。両チームにはフリースローが、ビーコルに1本、レバンガに2本、それぞれ与えられ、細谷とレイノルズがそれぞれ決めて31-36になった。

判定はマクドナルドの退場となってしまった。

 

5点のビハインドとなったところで、この試合ここまで6得点、3リバウンドのマクドナルドを失ってしまったのは痛かった。切り替えたいビーコルは離されまいと食らいつきジェフリー・パーマーの2Pシュート。満田のフリースロー2本などで得点する。終了間際、パーマーが懸命にシュートしリングに入れたがブザーの直後で得点にはならなかった。2Qは16-17。前半を終えて36-40、ビハインドは6点に開いた。

乱闘後の1分46秒#4ジェフリー・パーマーが怒りの2Pシュートを沈める

 

ハーフタイムで、アドバイザーであるトーマス・ウィスマンが、尺野HCにアドバイス。3Qは、両チーム目まぐるしい点の取り合いになった。出だしで川村卓也が2Pシュートを沈める。

3Q開始早々9分49秒#1川村卓也が2Pシュートを沈める

 

さらには高島がアウトサイドから2Pシュートを沈めて同点。

3Q9分10秒、2Pシュートを沈める#2高島一貴

 

さらには佐藤託矢が3Pシュートを沈めて逆転に成功。

3Q8分49秒3Pシュートを沈める#15佐藤託矢

 

さらにはパーマーが3点のバスケットカウントを決めて6点のリードを奪う。さらにビーコルは出だし4分間でディフェンスが機能し、レバンガに得点を許さなかった。しかし、ここから両チームにファウルがかさなり、フリースローの撃ち合いとなり、レバンガが得点を詰めてくる。

3Q7分43秒#4ジェフリー・パーマーが3点のバスケットカウントを決める

2Pシュート後のバスケットカウントでフリースローを沈める#4ジェフリー・パーマー

 

3分55秒に伊藤大司に3Pシュートを決められレバンガが逆転。しかし田渡 凌と満田が連続2Pシュートやり返してビーコルが逆転すると、同点、逆転とめまぐるしく行き来する。

3Q2分50秒、同期であるレバンガ#1関野剛平を交わし2Pシュートを沈める#8満田丈太郎。

 

野口大介2Pシュートでレバンガが逆転。佐藤フリースローでビーコル同点、多嶋朝飛2Pシュートでレバンガ逆転、川村2Pシュートでビーコル同点、折茂のフリースロー2本でレバンガ逆転。残り16秒でサビートがフリースロー1本を沈め、3Qは20-17でビーコルがこの試合で初めてリードを奪い、トータル56-57。ビハインドを1点にまで詰めた。

3Q残り55秒、一時は同点のレイアップを沈める#1川村卓也

 

1点差を追う4Qも激しく点を奪いあう一進一退の展開が続いた。ビーコルは出だしで満田と田渡が連続2Pシュート。

4Q出だし9分46秒でレイアップでの2Pシュートを沈める#8満田丈太郎

 

サビートがダンクを含む2本の2Pシュートなどで得点。パーマー、田渡も2Pシュートで続いた。

4Q6分48秒でダンクを沈める#34ハシーム・サビート・マンカ

 

3分9秒でミラーがファウルアウト。パーマーが4本のフリースローを決めて77-77の同点。

パーマーは4Q終盤の大事な場面で4本のフリースローを確実に決めた

 

しかし直後の残り59秒で折茂に3Pシュートを決められレバンガがまた逆転。47歳のレジェンド折茂武彦にここぞで3Pを喫し、流れがレバンガに傾く。残り43秒川村卓也が3Pシュートを狙うが弾かれ、リバウンドを奪われたが、パーマー、サビートの必死のディフェンスでトラソリーニのシュートを阻止する。

残り16秒で77-80の3点差、ビーコルはここで後半3つ目のタイムアウトを取り、最後の賭けに出る。

4Q後半3つ目のタイムアウトで最後の賭けに出るビーコルベンチ

 

満田のスローイングから田渡にボールが渡り、パーマー、田渡と繋いでいく。田渡はそのままシュートすると見せかけて、外にいる川村卓也にパス。

4Q終了間際2秒フェイクシュートから、センターサークル手前の川村卓也にパスする#21田渡 凌

残り2秒、川村がセンターサークルを背中にした3Pライン手前から渾身の3Pシュートを放つ。しかし、選手、ブースター、チーム、全ての海賊たちの願いがこもったそのボールはリングに無情にも弾かれてしまった。

海賊たちの勝利への願いを乗せた3Pシュートを放つエース川村卓也。しかしそのボールは無情にもリングに弾かれた

 

同点のブザービーターは決まらなかった。相手も川村が最後に3Pを打つのは分かっていただけに、裏を掛けばという声もあるだろう。しかし、レバンガがレジェンド折茂で逆転していただけに、ビーコルが託すのはエース川村卓也でしかなかった。このことは、揺れ動くチームの中で、川村が、ビーコルの真のエースであることを明確にした。

川村卓也は、試合終了後のセレモニーで、悔しさと怒りを滲ませた

 

結果、4Qは21-23。ファイナルスコアは77-80での惜敗。今年最後のホームゲームを勝利で飾ることは出来なかった。これでビーコルは3連敗。富山で初連勝した後のホームゲームで勝利することは出来なかった。

尺野HCは、試合後満員のビーコルブースターに向けて、2試合続けて試合を壊したことを謝罪した。しかしチームの成長の手応えも伝え、ここからの逆襲を誓った。

「チームとして本当に安定しています。選手は最後まで頑張りましたが、ホームの皆さんの前で勝てていないことを本当に申し訳なく思っています。いいプレーや、いいゲームではなく、勝利で皆さんの声援に応えたいと思います。プレー以外の面でチームは悪い方向に向かってしまったこともありますが、選手は皆さんの声援に応えたい、ただそれだけでプレーしています。それを100%勝利だけに向けて、チームとして闘えるようまた頑張っていきます」

試合後のセレモニーでビーコルブースターにスピーチする尺野将太HC

 

また試合後の会見で尺野HCは「バスケはいろいろ起こりますね」と開口一番でもらし、まず、この試合でサビートではなく、マクドナルドをスターティング5で起用したことを語った。

「昨日と違えて、今日はウィル(マクドナルド)をスタートにして、インサイドのアタックを強調したんですが、出だしでそれが上手くいきました。少しずつ目先も変えながら、自分たちのいいところを模索しながらやっています。それが1Qのウィルのインサイドのアタックでした」

チームの手応えがあるなかで、勝ち切れないことを尺野HCはこう答えている。

「4Qの頭に川村を下げて、スタートのメンバーに近い形でやったときに、またディフェンスとオフェンスでいい流れが出来たり、いろんな収穫があったんですけど、昨日と同じ最後の1分で勝ち切れないというところが課題です。北海道さんは勝ち慣れてる、勝ち切ることに慣れているチームです。まだウチはそこに、これだという自信が、チームとしてまだないのかなといのが、正直なところです」

「勝ち切るチームになるためには、最後の最後の勝負どころで、何をやれば、横浜らしく勝ち切ることが出来るのかというところを、コートの中でのプレーで表現出来るように詰めていければと思っています。結果が出ていないなかで、良くなっている部分が多くなって来ているので、来週、そこを詰めることが出来れば、勝ち切るところに繋がると思っています」

試合後に会見する尺野将太HC

 

この2試合では、痛恨のチームスタッフによるベンチファウル、マクドナルドの乱闘による退場があり、メンタルの部分での課題が大きく浮き彫りになった。

「勝ちたい気持ち、ブースターの皆さんに応えたいという気持ちが、間違ってしまっているところがあります。今日のウィルも、相手のファウルで、相手の挑発に乗ってしまったというところがスタートなんですけど、あれは絶対にやってはいけない行為です」

「メンタルを選手たちにもコントロールするようにと話をしています。昨日の(ベンチファウル)もそうですし、今日のもそうですけど、選手である前に、ひとりの社会人というところで、全てが人からコントロールされるようでは、自立したプレーヤーにはなれない。もちろん僕もそこをコントロールしようとしますし、チームとしてもサポートしていきますが、全てをコントロールすることは出来ないので、そこのセルフコントロールがもう少し、今のチームには必要だと思います」

「ただ、勝ちたい、勝つために、気持ちを入れていることは間違っていないと思うので、それを正しい方向にしっかりと導けるように、僕の話だったり、リーダーシップが発揮出来る選手が、今のチームには必要だと思います」

 

今節から正式にHCになった尺野にこれからのビジョンを聞いた。

「今日の試合もそうですけど、オフェンスでいろんな動きが出来るようになってきて、個性を活かせれるプレーが増えて来ています。立ち上がりのウィルもそうですし、後半にハシームがインサイドで急に暴れだしてくれたり、川村のアウトサイドのシュート、満田のドライブ、いろいろなパターンが出来る可能性が今のメンバーにはあると思っています」

「ただ僕は基本的にディフェンスをしっかりしたいと思っています。今日4Qでかなりいいディフェンスを何回かしたんですけど、あと一歩を突き詰めたい。チェンジングでゾーンを使いながら、まずは80点の失点を減らしたい。オフェンスは自分のパフォーマンスをアピールする場とも思っているので、ディフェンスをしっかりとやってくれれば、オフェンスはある程度、選手に任せていいと思っています。

「ゲーム中で何かあれば、田渡選手が僕の方を見てくれたり、細谷選手もベンチに戻ってきて話をすることが出来ています。今日も、ああこのプレーをやって欲しいと思っていたときに、細谷選手がコールしてくれたりということもありました。少しずつ考えが浸透していけば、オフェンスは任せながら、ディフェンスをしっかりとしたチームにしていきたいなと思っています」

ただ、尺野の考えはまだチームに浸透仕切っているとはいえないと若き闘将はいう。

「まだ浸透するまでにいけていないのが、最後のプレーで勝ち切れない、自信のないようなプレーになってしまっているということになってしまっています。いい部分は増えてきています。ただ、チームは、1週間、2週間で簡単に出来るものではないので、そこを突き詰めていかないといけないと思います」

 

尺野がいうように、チームは確かにいい部分が増えて、いい方向に前進していっている。このことを今季4試合を闘ったレバンガ北海道の水野宏太HCに、ビーコルと闘った客観的な印象を聞いた。

「自分たちのホーム開幕戦で横浜さんと闘ったときと、今のチームは全然違うチームになり始めようとしているのかなと思います。トランジションのスピードが上がって、オフェンスのペースも上がって来ている。少しずつ、各々の選手のところを、どう活かしていくのかというところも考えられています。こういうふうにチームを作ってきているというところが、以前よりも見えはじめています。このまま進んでいけば、横浜というチームは、さらにシーズンを通して強くなっていくと思います」

レバンガ北海道水野宏太HC

 

チームに手応えが出て、浮上の兆しが出て来ていることを、実際に対戦した水野HCも証明してくれた。それだけに、ここからの詰めは大事だ。年明け後半戦前の長期ブレイクでは、ここまでシーズン中に出来なかった練習を施し、さらなるレベルアップを図る。尺野はこのことをこう語る。

「とにかく練習をしたいです。日々の練習が、前の週の反省をして、次節の準備をするという練習が中心になっています。自分たちのやるべきことのレベルアップを図っていかないといけません。後半も相手チームの完成度も高くなってくるので、相手に合わせたプレーではなくて、まず自分たちのプレーの精度を上げたり、バリエーションを増やしたりする時間を取りたいと思います」

 

チームが向かっている方向は間違ってはいない。ビーコルは、29日と30日の年末に、年内最後の2試合を滋賀で闘う。2017年の締めくくりの2試合を勝ち、新年最初のホームゲームで、今度こそビーコルブースターに勝利を届ける。

【写真・記事/おおかめともき】

 

Written by geki_ookame