10月21日横浜ビー・コルセアーズ 対 シーホース三河 GAME1横浜国際プール


希望の収穫、惜敗の中で光る。

横浜ビー・コルセアーズ 73-79 シーホース三河

ビーコルブースターの大ブーストは本当に素晴らしかった。相手のフリースローで沸き起こった地鳴りのようなブースターディフェンス。海賊たちは、それに応えようと必死懸命に闘った。

ホームアリーナ横浜国際プールの今季開幕戦で、横浜ビー・コルセアーズはシーホース三河と闘った。この試合では今節前に発表されたトップパートナーとして契約を締結した興和株式会社の「バンテリン」が胸に付いたユニフォームがお披露目され、この試合から選手たちはこれをまとい果敢に闘った。

遂にお披露目された海賊たちの「バンテリン」ユニフォーム。

 

1Q序盤、6点リードされながらも、得点出来ない時間帯があったが、7分38秒で川村卓也がフリースロー2本、さらには2本の2Pシュートを沈めて勢いに乗る。これに、ハシーム・サビート・マンカも2本の2Pシュートで続き、一時はリードを奪った。1Qは川村が9点、サビートが6点を挙げ得点力となった。

さらには高島一貴が、1Q残り6秒でブザービーターを決める。アウトサイドからの2Pシュートを沈め17-20の3点差で1Qを終えた。

1Q残り6秒でのブザービーター。アウトサイドからの2Pシュートを沈める#2高島一貴

ブザービーターを決めてベンチでチームメイトに迎えられる高島

 

2Q開始早々、シーホースにフリースローと2Pシュートを決められるが、ブザービーターで乗った高島がインサイドからのレイアップを沈め、シーホースに食らいついていく。1分2秒でオルトンに3Pを決められビハインドは10点。しかし2Q終了間際で、相手のパーソナルファウルで得たフリースローを川村が2本とも沈めて40-32。ビハインドをなんとか一桁にして後半の反撃を目指した。

この日、ビーコルはファウルを多く取られた。特にこの2Q 7分54秒でサビートがパーソナルファウルを奪われファウル3つになり、オンザコート2の時間帯ながら佐藤託矢と交代している。この時、サビートが手を何度か叩きアピール。これが抗議とみなされたのかレフェリーが警告。ベンチとサビートが激昂し、ベンチにテクニカルファウルが言い渡される場面もあった。さらには1分13秒でパーマーがアンスポーツマンファウルを取られフリースロー2本を決められてしまう。

この日のGAMEトータルで、サビートと佐藤託矢が5つ、パーマーが3つとファウルトラブルに陥ってしまったのも敗因だ。

サビートはアグレッシブなプレーで挑み、前半で6リバウンド2ブロック。それだけにオンザコート2の時間帯でサビートを下げなければならない展開になったのは痛かった。

サビートは、チームに徐々にアジャストしてきているが、日本のレフェリーのジャッジにまだ慣れていない。このことがファウルの多さに影響している。

3Qの開始早々に比江島に3Pシュートを決められるが、川村と田渡 凌のインサイドからの2Pシュートでやり返す。さらには蒲谷正之がアウトサイドから2Pシュートを決めると、竹田 謙が続けて2Pシュートを沈める。さらには、サビートがインサイドから2Pシュート、田渡がインサイドシュート、サビートがまたインサイドを沈め、さらには終了間際14秒で細谷将司をがレイアップを決めて3Qを18-17で終えた。

躍動のマーシー!

4Qでビーコルは攻めに攻めた。特に細谷将司が躍動した。4分54秒で相手のパーソナルファウルから得たフリースローを2本とも決めると、4分29秒にはインサイドからのレイアップを沈め66-69、ビハインドを3点差にまで詰め強敵シーホースに肉薄した。

4Q 4分29秒、果敢なレイアップシュートを決める#0細谷将司

試合後、細谷のことを古田HCが語っている。

「彼は凄く躍動してプレーしてくれました。プッシュしようプッシュしようという気持ちを作ってくれたことは、チームのいい繋がりになりました」

しかし終盤、シーホースに3Pシュートを多く奪われていく。ビーコルはなんとか離されまいと必死に食い下がっていくが、時計の針はどんどん進んでいく。ゴール下で圧巻とも言える高速のパス回しでシュートを試みるが、無情にもリングに嫌われる。残り20秒、佐藤がこの必死の猛攻の中で5つ目のファウルを取られてしまいオルトンがフリースロー2本を決める。これで万事休すかと思われたが、海賊たちは最後の最後まで諦めず、15秒で田渡がインサイドから2Pシュートを決めた。しかし、無情のブザーが鳴り響き、73-79でホームアリーナ開幕節の初戦を落とした。ビーコルはこれで5連敗、シーホースは6連勝となった。

海賊たちは決して諦めない!終了間際15秒で田渡 凌がジャンプショットを決める。明日に繋がる2Pだ。

 

この試合でジェフリー・パーマーが個人通算5,000得点を達成した。

 

ビーコルは、現在5勝1敗で、中地区1位のシーホース三河に対し、前回のアルバルク戦よりも戦えていたのではないか。ゾーンディフェンスは、巧く機能した場面もありシーホースを苦しめた。古田HCは、試合後の会見でゾーンディフェンスについて語っている。

「ゾーンのところでの3P、外からのシュートを打たれてしまったケースがありました。明日以降もゾーンは使っていくつもりなので、修正出来るようにまた準備していきたいと思います」

そして、古田HCは試合後の会見でこの惜敗のなかで収穫もあったと語っている。

「途中、レフェリーに対しても含めてですが、リズムが悪くなってしまいました。しかし、いつもより我慢出来たと思います。そのプレーの結果が最後、勝ち負けを争う状況にさせたんですが、単純なミスも多かったです。相手に対してもゾーンディフェンスを含めて、いい形で沢山ターンオーバーさせることが出来ましたが、それを最後のフィニッシュの時にまで活かし切れませんでした。得点は73点でいつもよりかは入っています。シーホース三河はインサイドが強いチームですが、ディフェンスも含めて、オフェンスでも良いところがあったので、それを明日以降に続けていきたいと思っています」

川村卓也はこの試合でチームのスタッツリーダーとなる20得点を挙げた。その全身全霊を傾けたプレーにはエースの想いを感じずにはいられない。エースの復調は第2戦への希望だ。

度重なるファウル、不甲斐ない連敗、チームのイラつきとフラストレーションを感じた試合だったが、海賊たちはビーコルブースターと共に荒波を突き進み続ける。第2戦はさらなる大ブーストで、奮起奮闘する海賊たちを後押しして欲しい。今度こその勝利を!ゴービーコー!

【写真・記事/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame