“世界に通用する選手輩出を目指す”ビーコルユースの練習に潜入!最終回 白澤 卓HCインタビュー


「ビーコルユースから日本のトップチーム、NBAや世界で通用する選手を輩出していきたい」2019年度ユースチームトライアウト募集中!

横浜ビー・コルセアーズが運営するユースチーム『横浜ビー・コルセアーズユースチーム(ビーコルユース)』が年に一回のトライアウトを募集中だ。

トライアウトを考えている人たちには、ビーコルユースの練習が非公開になっているためにその内容が分からず、検討する際の情報が少ない。そこで、B-COR MAGAZINEがビーコルユースを取材。全4回の連載でその内容をお届けしている。

2019年度トライアウト実施【横浜ビー・コルセア―ズユースチーム】

 

今回はその最終回。ビーコルユースを指導する白澤 卓ヘッドコーチにU15男子の練習後にお話を伺ったインタビューをお届けする。インタビューでは、ビーコルユースのこと、ビーコルユースからアメリカに飛び出した田中 力選手のこと、そして年に1回おこなわれるトライアウトのことを聞いている。

トライアウトの話では、受験の心構え、緊張の克服までを詳しく話してくれている。トライアウトを検討している人、受験する人はぜひ読んで欲しい。

横浜ビー・コルセアーズユースチーム白澤 卓ヘッドコーチ


―― ビーコルユースはどういったチームでしょうか?またどのような育成をされているかを教えてください。

「横浜ビー・コルセアーズユースは、神奈川県内のトップレベルの選手が集まるチームです。そういった選手たちは、最初からトップレベルというわけではありません。最初はまだ素材が光っているだけといった原石な状態の選手も沢山います。我々が、そういった選手たちを少しずつ磨き上げて行きます。それから、人としてしっかりとした挨拶や礼儀を重んじることが出来る、仲間を尊重出来るような選手を育てていきたいと思っています」

「チームとして、試合に勝つことや表彰されることは目標のひとつですが、最終的には日本のトップチームで活躍出来る選手、世界に通用する選手を育成、輩出することを目的にしています」

―― ビーコルユースが持つ役割はなんでしょうか?

「バスケットボールをやっている小中学生は、様々な環境でプレーをしていますが、その中には自分の思った通りにいっていない人や、もっとレベルを高めたいという人がいます。そういった人がさらに上を目指すことが出来る環境を提供してあげるのがビーコルユースの役割です」

「個人的な想いでは、日本国内だけに留まらず、世界各国で活躍する選手を育てていくことが、日本代表の強化、育成に繋がると思っているので、日本の代表チームが世界のトップレベルの国に対抗出来るような選手を輩出していきたいとも思っています。日本でトップを目指す選手、NBAや世界で通用する選手、この両輪をしっかりと育てていければと思っています」

―― “世界”という言葉が出ましたが、ビーコルユースはスペインやアメリカにも遠征されました。これはどういった意図からでしょうか?

「代表チームは別として、バスケットボールチームで、ましてユースチームとなれば、海外に遠征するチームは、そんなに多くはないと思います。僕らが指導している選手たちには出来るだけ、世界でバスケットボールをやっている同年代のプレーを見せてあげたいと思っています。世界の選手がどんなプレーをしているのか、どんな環境でプレーしているのかを見て知って欲しいですし、選手としてだけではなく、社会人になっていく上で、いろんな視点や視野を広げていって欲しいといった思いから、海外の遠征を組んでいます」

―― ビーコルユースは、Bクラブが持つユースチームの中でも古くからある老舗的な存在です。

「我々は1番目ではないですが、別のチームがユースチームを立ち上げたすぐ後に2番手として設立されました。当時は部活動以外でバスケットボールをやる場所がなく、ユースの大会や制度もなかったのですが、我々の理念に賛同して頂いたスポンサーさんや株主さん、ビーコルに関わる方々のサポートがあったお陰で実現することが出来ました。それが2013年のことで、今年で6年目になります」

―― 昨年は、田中 力選手をアメリカのIMGアカデミーに送り出して、大きな注目を集めました。

「田中選手は、中学校1年生の時に米軍基地のクラブチームにいたんですけど、その時にビーコルユースのU15と対戦して我々が勝ったんです。1年生 対 3年生だったこともありましたし、体格が近くても、技術やシュート力でまだ劣っていた。それが非常に悔しかったみたいです。その時に彼と話をして、彼もポジティブに捉えてくれていました。あとは、たまたま彼の同級生がビーコルユースでU12の頃からプレーしていた繋がりもあって、『一緒にやりたい』と声を掛けてくれたんです」

「田中選手は、中学校1年生の時から既に有名人で、僕も知っていましたし、彼もビーコルユースの存在を知ってくれていました。でも部活動がありましたし、それ以外の活動もしていたので、部活動を引退する3年生の時に、ビーコルユースに参加することになったんです」

「ビーコルユースでの彼は、チームの中で仲間と切磋琢磨しながらプレーしていました。あれだけの選手ですから当然、圧倒的な力を持っていたんですけど、その中でチームの大事さ、競争することの大事さを伝えてくれました。こちらも教えたいこと、大事にして欲しいことは伝えられたと思っています」

「アメリカにいくことになった時も、いろいろと相談に乗ったり、話もしました。彼が海外への道を開いてくれて、次に行こうとしている選手たちが、少しずつ準備を続けていっています。良いステップが出来たと思っています」

―― 今日、取材させて頂いたU15男子の練習についてお話ください。

「U15男子は、神奈川県リーグ、3月末には海外のチームとも対戦出来るチャレンジカップが残っています。今日の練習では、そこに向けたチーム連携を高める練習とチーム内での約束ごとを確認しました。それに加えて、U15の選手は、3月が終わったら高校の練習に合流して、高校入学となります。高校のチームに入ってからすぐ試合に絡んだり、ベンチに入れたり、活躍出来るような素地を作ってあげれるように、個人のレベルアップにポイントをおいた練習もおこないました」

―― それではビーコルユース全体での練習は如何でしょうか?

「ユース全体では、個人のレベルアップを見据えた練習をおこなっていますが、個人では打開できない場面が出て来た時にどうするのかといったこともやっています。強いチームは日本中に沢山ありますし、海外にも挑戦していこうとなると、彼らにどうやって勝つかをやっていかなければなりません。昨年おこなったスペイン遠征の時には、ポイントガードが185cm、2mのインサイドが二人とか、向こうにはそんな選手が普通にいました。それに対抗していくために何をしていったらいいのかを凄く痛感させられました。強いチームや海外で勝つためには連携を高めたり、発想や正確性も増していかないといけません。さらにはバスケットボールの知識も高めて、どういった場面でシュートを打ったら良いのか、どういう動きをしたらノーマークになるのかといったことも練習でやっています」

―― これから、このビーコルユースをどのようにしていきたいですか?白澤さんの夢を教えてください。

「今、ヨーロッパの育成システムを学んでいて、それを活かそうといろんな資料を集めてみたり、実際にトライしてみたり、いろんな講習会に出たりしているんですけど、将来的に、横浜ビー・コルセアーズのユースって、凄い選手が一杯出てくるねってなりたいんです。世界のトップチームで活躍する優秀な選手が出た時に、どういったルーツで優れた選手になったのかを皆さん知りたくなると思います。僕らも、どういう育成をしたら、あんな選手が出てくるんだって思ってもらえるような選手を輩出したい。それが出来るようなシステムや環境を整えていきたいと思っています」

―― トライアウトを受ける人へ、受験の心構えを教えてください。

「トライアウトを受ける選手は、まずは自分の力を発揮することが大事です。トライアウトでは、沢山の選手たちと対戦をしてもらいます。その中で、自分の良さをしっかりと出していくことが重要になってきます。自分の実力が出せないと、トライアウトを受けた意味がなくなってしまいますし、悔いが残ってしまいます。悔いを残さないように、まずは全力でプレー出来るようにして欲しいと思います」

―― 緊張はどう克服したら、いいでしょうか?

「トライアウトを受ける時には緊張すると思います。実は、審査する僕らも緊張しています。どんな選手が、どんなプレーを見せてくれるのかを見逃さないようにしているからです。緊張しているとプラスになることはありません。まずは、出来るだけその緊張を解きほぐしてください。そのためには、自分が普段やっているプレーを見せることです。トライアウトで僕らが見ているのは、凄いプレーではなくて、普段どれだけのレベルでやっているのかを見ています。その日だけが良くて合格するというのは、かなり少ないです。なので、普段の自分を出す。普段の自分をイメージしてトライアウトに臨んでください」

―― トライアウトを迷っている人、検討している人もいらっしゃると思います。

「トライアウトは、毎年1回、3月の時期に実施しています。このチャンスを逃してしまってはもったいないです。ぜひともこのチャンスを活かしてください。チャレンジしてみることが大事です。チャレンジしなければ、何も生まれません。たとえ失敗したとしても、また次のチャレンジが待っています。チャレンジは、何度でもすることが出来ます。トライアウトが全てではないですし、バスケットボールはいろんな場面で続いていきます。恐がることはありません。ぜひとも勇気を出して、トライアウトに臨んでみてください」

白澤ヘッドコーチは、まだ世間にユースチームが浸透していない時期からビーコルユースの立ち上げに尽力したひとりだ。取材していた時、真剣な眼差しで練習に励む選手ひとりひとりを丁寧に見つめていた姿が印象的だった。選手たちからは、面白くて優しい“シラさん”と親しまれ、プレーに入ると熱い指導で選手たちと接する。情熱を持って、将来のバスケ界を担うであろう選手たちのバスケスキル向上をサポートし、また、バスケ以外でも優れた人間になれるように日々取り組んでいる。

昨年では、田中 力という優秀な人材が自らビーコルユースの門をくぐり、アメリカの武者修行へと旅立っていった。未来の逸材がビーコルユースに集まるのも、白澤ヘッドコーチを始めとする優れたコーチ陣が情熱溢れる指導を続けているからだろう。第2、第3の田中 力の出現は、もう夢ではない。NBAのような大舞台でビーコルユースの卒業生がプレーする日もそう遠くないのかもしれない。


 

自分のバスケスキルをさらに向上させていくことが出来るビーコルユースは、2019年度ユースチームのトライアウトを募集している。ぜひトライアウトを受けて、世界を目指す選手への一歩を踏み出して欲しい。

 

⬇横浜ビー・コルセアーズ バスケットボールアカデミー
2019年度トライアウト実施【横浜ビー・コルセアーズユースチーム】
https://ybc-academy.com/archives/information/2019tryout

 

⬇B-COR MAGAZINE ビーコルユース連載(全4回)
第1回 U15女子篇
http://b-cormagazine.com/b-cor_academy2019/02/15

第2回 U12男子・女子、U13、14男子篇
http://b-cormagazine.com/b-cor_academy2019/02/20

第3回 U15男子篇
http://b-cormagazine.com/b-cor_academy2019/02/21

 

⬇ビーコルユース紹介動画

 

今シーズンも全国のBユースU15チームが激突するBリーグ主催の「B.LEAGUE U15 CHALLENGE CUP 2019」が3月25日(月)から3月27日(水)にかけてアリーナ立川立飛(東京都立川市)で開催される。今年で3年目となるこの大会で横浜ビー・コルセアーズU15男子チームは2年続けて準優勝となっている。今年は初優勝を目指して挑む若き海賊たちに、ぜひ会場で多大なエールを送って欲しい。

「B.LEAGUE U15 CHALLENGE CUP 2019」
https://www.bleague.jp/u15-challengecup-2019/

「B.LEAGUE U15 CHALLENGE CUP 2019」プロモーションビデオ

【記事・取材・写真/おおかめともき】

 

2019年度トライアウト実施【横浜ビー・コルセア―ズユースチーム】


Written by geki_ookame