川村10アシスト12得点でダブルダブル。細谷、復帰戦でチーム最多16得点。高島が熊本震災の日に成功率100%のシュートで願い込める。
横浜ビー・コルセアーズ 76-97 大阪エヴェッサ(4月14日 府民共済SUPERアリーナ)
19-36|22-17|27-19|8-25
横浜ビー・コルセアーズは、アウェイ 府民共済SUPERアリーナで今季初対戦の大阪エヴェッサとGAME1を闘い、21点差で敗戦し初戦を落とした。
ビーコルは大阪のアグレッシブなディフェンスに苦しみ、好調なビーコルオフェンスが5試合ぶりに80点を下回った。加えて、試合序盤からディフェンスが崩され1Qで36失点。4Qの得点がひと桁8点に沈んだことも大きく響いた。
共にB1残留プレーオフ回避が掛かった大事な試合。前節をインフルエンザで欠場した細谷将司、田渡 凌、竹田 謙は元気な姿を見せて出場。細谷はスターティング5で起用されチーム最多の16得点を挙げた。
オンザコートはビーコルが普段通りの1-2-1-2。大阪もまた普段通りの2-1-1-2で来た。ビーコルは大阪の外国籍選手が2人になる1Qに36得点を入れられてしまい、オンザコートの差はスタッツに数字として表れ、命運を分ける形になった。
1Q開始早々に川村卓也が2Pを沈め、幸先のいいスタートを切ったかに思われたが、大阪がデイビッド・ウェアの2P、熊谷尚也の3Pなどで得点。
4分まではウィリアム・マクドナルド、川村卓也らの得点で両チーム一進一退の展開だったが、ビーコルは以降で大阪のアグレッシブなディフェンスに苦しみ得点が停滞。さらにはディフェンスが決壊したことから15-0のランを許してしまい、出だしのクォーターで36点を失い大阪に主導権を握られてしまう。1Qは19-36。
2Qでビーコルは厳しいディフェンスの中でタフショットを繰り返しながら得点をかさねていく。開始早々9分26秒に高島一貴がアウトサイドから2Pを沈めるとハシーム・サビート・マンカが内外から3本の2Pシュートを沈めて得点。
3分の時間帯で、インフルエンザからの復帰戦で先発した細谷将司がタフショットでの2Pと3Pを続けて沈め、直後にウィリアム・マクドナルドが2Pを沈めてオフェンスにリズムが生まれた。
1分7秒に満田丈太郎が2P、川村卓也が残り12秒で2Pを沈めて、2Qはリードで終え、後半の反撃に望みを託した。2Qは22-17。トータルスコア53-41で12点のビハインド。
大阪の厳しいディフェンスで、なかなかインサイドに入り込めなかったビーコルだったが、3Qの出だしでインサイドに切り込んだマクドナルドが2本連続で2Pを沈め流れを掴む。
7分44秒と6分53秒には高島一貴が連続して2Pを沈めると、直後の同28秒には細谷が3点のバスケットカウント。6分3秒には川村がアウトサイドから2Pを沈めた。
5分23秒には、高島がこのクォーター3本目のシュートとなる3Pを沈めた。GAME1がおこなわれた4月14日は熊本地震から2年となる日で、試合前には黙祷がおこなわれた。熊本ヴォルターズでこの震災を経験した高島は、100%の成功率で決めた3本のシュートに熊本への想いと願いを込めた。(試合後、高島にこのことを聞いた。その内容は後日改めて公開する)
3分30秒にマクドナルドが2P、2分38秒に満田が3Pを沈めて、逃げる大阪を猛追。2分8秒で細谷が決めた3点のバスケットカウントで遂には2点差にまで詰め寄った。
大阪は木下博之とキース・ベンソンの2Pなどで逃げたが終了間際1秒で細谷将司が渾身の3Pシュートを沈めて4点差で最終クォーターに突入した。3Qは27-19でビーコルが2Qから続けてリード。トータルスコアは68-72になった。
勢いに乗ったかに見えたビーコルだったが4Qに失速する。開始早々ベンソンにダンクを決められたのを皮切りに、3Pを効果的に織り交ぜながら得点する大阪に次第に引き離されてしまう。
防戦一方になったビーコルは得点が停滞。5分42秒にマクドナルドが沈めた2Pから、残り21秒に田渡 凌が決めたフリースローまで得点が止まり、大阪に16-0のランを許してしまった。
勝負の4Qにビーコルが入れた得点はわずかに8点。3Qで最大2点差にまで肉薄した猛追も4Qでの失速から21点ものの大差をつれられての敗戦となった。
ビーコルはこれで15勝37敗(残り8試合)。5位富山が敗れたため中地区でのゲーム差は変わらず「7」のまま。B1残留回避の指標ワイルドカード12チーム中での10位は変わらず。9位の滋賀が敗れたため、9位とのゲーム差「3」は変わらずだが、回避のデッドラインである8位大阪との差が開き「5」になってしまった。
尺野将太HCは会見でこう総括している。
「前半のオンザコートが(1-2-1-2と2-1-1-2で)ズレたことで、1Q途中から苦しい展開になってしまいました」
「ズレていたことは分かっていたことなので、2Qに(反撃を)ということでした。選手は我慢しながら闘ってくれて、3Qにしっかりとカムバックして、いいゲームにすることが出来ましたが、そこでエネルギーを使い切ってしまったのか、4Qにオフェンス、ディフェンス共に、いつものうちのプレーが出来なかった」
「ウチがやならいといけないリバウンドであったり、ディフェンスからファストブレイクに走るところであったり、フリースローをしっかりと決めるところ、それら全てを大阪さんにやられてしまった」
「相手は二桁得点が6人いて、非常にバランスよく点を取られてしまいましたし、インサイドの得点も向こうのほうが伸びてしまった」
「本当に明日は、今日4Qに大阪さんがやったようなプレーを、今度は自分たちが40分間に渡ってプレーをして、明日しっかりと勝ち切って、1勝1敗で帰れるように、気持ちを切り替えて臨みたいと思います」
チームのスコアリーダーはウィリアム・マクドナルドと細谷将司が挙げた16得点。細谷はアシスト7も記録してインフルエンザからの復帰戦で躍動した。
ハシーム・サビート・マンカと川村卓也が12得点。川村はタフショットを連発したなかでの12得点であり、さらにアシストは実に10を記録してダブルダブルだった。
前節で活躍した蒲谷正之はプレータイムがなかった。
高島一貴が、シュート成功率100%で9得点。特に3Qでの2Pと3Pがチームに反撃の流れをもたらした。
高島は、この試合をこう振り返っている。
「本当に今日、絶対に勝たなければならない2連戦という気持ちで入ったんですけど、出だしで相手を勢いに乗せて、走らせてしまったことであの点差になってしまい、追いつくためにスタミナを使ってしまいました」
「4Qは、自分たちのバスケットが出来なかった結果。今日負けてしまったんですけど、明日絶対に何が何でも勝たなくてはならないので、明日に向けてしっかりと今日の反省を活かしていきます」
明日のGAME2でやり返す。その意気込みは強い。
「明日というよりも、ここから全てを勝たなくてはならないと思っています。それだけのプレーというものを選手はコートで表現しなければならない」
「今日のゲームは、そういった気持ちの部分で、どこかちょっとフワッとしていたのかなという思いもあります。そういったことはブースターさんに失礼なことです。ブースターの皆さんもB1残留プレーオフ、入替戦には行きたくないという気持ちを持って応援してくださっているので、僕たちはそれに応えていかなくてはならない。明日絶対勝って1勝1敗で終われるように明日も頑張りたいと思います」
翌日におこなわれるGAME2も含めて、残り試合は8になった。選手たちは覚悟を持って、自分たちのプライド、ビーコルブースターの想いを背負って死力を尽くして闘う。その姿を僕らはあと押しし続けるだけだ。GAME2は絶対に勝って横浜に帰ろう。
【写真・記事/おおかめともき】