川村不在の試合でオフェンス伸びず。竹田が個人通算500試合出場達成!
横浜ビー・コルセアーズ 62-79 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(3月17日・愛知県体育館)
12-21|15-19|14-24|21-15
横浜ビー・コルセアーズは、名古屋城に隣接する愛知県体育館で今季2度目の対戦となる名古屋ダイヤモンドドルフィンズとGAME1を闘い、昨年12月17日のアウェイ富山戦GAME2以来19試合ぶりとなる60点台62得点のロースコアゲームで敗戦した。(富山戦では66得点で2点差で勝利した)
この試合で、39歳のベテラン竹田 謙が1Q約3分に満田丈太郎に代わって出場。個人通算500試合出場を達成した。また1Qの終了間際に3Pシュートを沈め、自身の偉業キャリア通算3,000得点まであと7得点とした。
久々のロースコアだった。前節新潟戦GAME1でB1チーム最多93得点を挙げ、GAME2も91得点と2試合続けて90点台。12月以降は80点台の得点を多く続けて来たが、名古屋での初戦で、そのオフェンスは振るわなかった。この試合に限っていえば、川村を欠いたとはいえ、今季序盤で60点を取るのがやっとだったオフェンスに戻ってしまった。
獅子奮迅の活躍でチームを牽引していた川村卓也が発熱を伴う胃腸炎のために帯同しない今節の闘い。ビーコルは細谷、高島、満田、佐藤、マクドナルドの布陣でスターティング5を組んだ。
1Qの出だしは、両チーム共に約2分間に渡ってシュートが決まらず激しいリバウンド争いになったが、7分57秒にその均衡は破られた。#24ジャスティン・バーレルにインサイドから2Pシュートを決められ名古屋Dが先制。さらには#8張本天傑にもインサイドを破られ2Pシュートを決められてしまう。
名古屋D戦を念頭に修正を施したビーコルディフェンスは、出だしの1Qから突破されてしまい3Pシュートも多く許してしまった。
オフェンスでは名古屋Dの厳しいインサイド封じに終始苦しんだ。得点がなかなか決まらず、序盤でビハインドが開いてしまい相手のペースになってしまった。
ビーコルはマクドナルドのフリースローと細谷将司の3Pシュートで反撃するが、執拗な名古屋Dのディフェンスに苦しみ、インサイドでのシュートミスが多くなってしまい得点が伸びない。
2分17秒のハシーム・サビート・マンカの2Pシュート、残り4秒での竹田 謙の3Pシュートで得点したが、1Qは12得点と伸びずロースコアでのスタートとなった。1Qは12-21で9点のビハインド。
2Q、ビーコルはゾーンとマンツーマンを駆使したディフェンスで流れを作ろうとするが、ミスが相次ぎビハインドが開いてしまう。2Q後半ではアウトサイドに加えてインサイドも突破され、レイアップでの得点を続けて許すようになってしまった。
インサイドのオフェンスに苦しむビーコルは、アウトサイドからのシュートに切り替え、サビート、パーマー、細谷、マクドナルドがシュートを沈め反撃に出る。
2分15秒に細谷がインサイドに切り込み2Pシュートを沈め、徐々に名古屋Dのインサイド封じを突破出来るようになった。
2Q残り1分14秒と残り36秒にマクドナルドが続けてアウトサイドから2Pシュートを沈め、後半への流れを作った。
しかし、このクォーターも得点は伸びず15得点のロースコアとなり、ビハインドを縮めることが出来なかった。2Qは15-19。トータルスコア40-27。13点ビハインドで前半を終えた。
3Q、勢いに乗ったマクドナルドが9分22秒と7分18秒に続けてインサイドから2Pシュート。5分31秒には細谷がインサイドから2Pシュートを沈め、インサイドのシュートが決まり始める。
3分41秒と1分34秒には高島一貴がアウトサイドから2Pシュートを続けて沈め、残り1秒にはパーマーがインサイドから2Pシュートを沈めたが、決定的な流れとまではいかず、3Qも10点台14得点のロースコアになってしまった。
ディフェンスで、名古屋Dの速攻とロングレンジショットに苦しみ、3Qでは24失点を喫してしまった。3Qは14-24。トータルスコアは41-64となりビハインドは23点と大きく開いてしまった。
4Q開始早々、#34クレイグ・ブラッキンズに3Pシュートを決められたが、オンザコート2でサビートとマクドナルドが奮起。サビートが満田の2Pを挟み、2本続けてダンクを沈めると、マクドナルドも3本のシュートを内外から沈めた。
また満田丈太郎と田渡 凌も奮起した。満田が7分32秒にアウトサイドから2Pシュート。3分36秒には3点のバスケットカウントを決めると、1分47秒には田渡がレイアップを沈め、満田がさらに1分20秒と残り54秒で連続してレイアップを沈めた。
4Qのこの反撃でビーコルはようやく20点台の得点を入れ、初めてクォーターでリードしたが、3Qまでのロースコアが大きく響いてしまい、名古屋Dとのビハインドを埋めることは出来なかった。
4Qは21-15でビーコルが初めてクォーターでリード。トータルスコア62-79となり、名古屋Dとの初戦は17点ビハインドでの敗戦となった。
ビーコルのスコアリーダーは、18得点のウィリアム・マクドナルド。満田丈太郎が11得点、細谷将司が9得点を挙げた。ハシーム・サビート・マンカは8得点だった。
蒲谷正之が久々に出場したが、試合勘の不足からかショットが精度を欠き無得点に終わった。山田謙治は出場がなかった。
一ヶ月ぶりのホーム戦だった名古屋Dは、#12中東泰斗が17得点。#8張本天傑が13得点を挙げ、外国籍選手を上回る得点を挙げた。
これでビーコルは豊橋からの7連敗。名古屋Dは連敗を2でストップさせた。
6位ビーコルと5位富山との差は7ゲームに広がり、4位新潟までは8ゲーム差のまま。
下位4チームに課されるB1残留プレーオフの指標となるワイルドカード12チーム中でビーコルは依然10位のままだが、9位滋賀とのゲーム差は1.5。残留プレーオフ回避のデッドラインである8位大阪とのゲーム差は大阪が京都に敗れたために4のままになっている。
試合後に会見した尺野将太HCはこう総括している。
「名古屋さんの良いところを出させてしまった。相手のシュート確率が、かなり高い結果に終わってしまい、相手がやりたいオフェンスを展開させてしまった」
「もちろん、今節の対策で練習をしてきましたが、一歩足りなかった。ウチのイージーシュートが落ちて(入らなくて)、気持ちよくディフェンスに入れなかったのが原因。1、2、3Qで10点台だったオフェンスも影響していると思う」
「いいシュートを打ったシーンは沢山ありましたが、決めていればウチに流れが来たシュートを外したシーンが何回かあり、今日は乗り切ることが出来なかった。オフェンスからいいリズムが取れなかった」
「もちろん、川村選手がいないからというところに原因があるわけではない。今日は…、うん、そうですね、ウチがもう少し、良いオフェンスが出来ていれば、もっと違った展開に出来たと思います」
また名古屋Dの梶山信吾HCは、勝利も満足していないと語っている。
「勝ったとはいえ、今日の試合には全然満足していない。やるべきことが出来ていなかった」
「トランジションディフェンスで悪いショットを取ってしまったり、コミュニケーションミスで自分のマークマンを見失ったりしていた。トランジションディフェンスとリバウンドがもう少し出来ないといけない試合だった」
「闘う意識がもう少し欲しかった。しかし、勝ちは勝ち。この勝ちからもう一度反省して、明日のゲームに繋げたい」
このロースコアでの敗戦を川村がいなかったからとはしたくない。翌日のGAME2で如何に修正するか。敵将は勝利も反省し、貪欲さをみせた。この相手を倒すにはこれを上回る気迫、気持ちが必要だ。海賊たちの巻き返し、逆襲に期待する。
【写真・記事/おおかめともき】