ビーコル激勝で連敗を止める!大阪戦GAME1でエヴェッサを1点差で下す!


田渡が土壇場でしびれるビッグショット!川村3試合連続20点台!スティーブンソンがホームデビュー戦で3試合連続ダブルダブル!イベが6ブロックショット!

2018-19シーズン第14節・GAME1(12月15日 横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 60-59 大阪エヴェッサ
16-12|9-16|16-21|19-10

横浜ビー・コルセアーズは、12月15日ホーム横浜国際プールで大阪エヴェッサとの2連戦GAME1を闘い、激しい接戦の末に大阪を1点差で下し勝利した。これで、今季3度目の大型連敗は「5」でストップ。中地区争いでは、5位三遠が渋谷に負けたために6位ビーコルとの差が「4」に縮まった。大阪の西地区4位は変わらず。3位の京都が三河に勝利したためその差は「4」に広がった。

また、この試合で大阪・ジョシュ・ハレルソンがB1個人通算1,500リバウンドを達成した。

ウィスマンビーコルが勝った。忘れかけていた勝利の味だった。今回の連敗は、出口が見えないのではないかと思えるほどに苦しい連敗となっていたが、20日ぶり、天皇杯を入れて5試合ぶりにホーム横浜国際プールに戻った試合で、ウィスマンビーコルは海賊一丸となり、渇望していた勝利を掴んだ。

大阪との2連戦GAME1で1点差での激勝を飾り、連敗を「5」で止めた横浜ビー・コルセアーズ

20日ぶりの試合となったホーム横浜国際プールのビーコルブースターも久々の勝利の歓喜に湧いた


今回も逆風ともいえる苦しい状況で挑んだ試合だった。チーム最多得点を挙げていたジャボン・マックレアが天皇杯で負った怪我のために一時帰国。脳しんとうで前節富山戦を欠場した細谷将司はこの試合で出場したもののまだ本調子ではなかった。大事な4Qの終盤ではディフェンスの要イベとモリスがファウルアウトする逆境もあった。それだけに、強い気持ちが特に大事な試合だったといえる。

その気持ちをコートで剥き出しにしたのが田渡 凌だった。ここぞでのシュートを要所で決めて10得点。白熱したクロスゲームとなった4Q、わずか1点のリードで迎えた土壇場48秒では、川村の好アシストから勝負どころのビッグショットを決めて吠え、ホームのビーコルブースターをしびれる歓喜で酔わせた。

ビーコルブースターの沸き立つ大歓声の中で勝負を決めるビッグショットを沈め、パスを送った川村卓也とハイタッチする田渡 凌


田渡は、このビッグショットについてこう振り返っている「あの時、僕にはディフェンスが(熊谷尚也)がついていて、川村さんはタイトに守られていた。自分が決めてやると思っていたんですが、ボールをなかなかもらえませんでした。川村さんがドライブして相手を3、4人引き付けてくれた。その時に外が開いた。パスが来た時には『よし!来た!』と思いました。絶対に決める自信があった。練習もしてきましたから

試合後に当たり千金のビッグショットについて語る田渡 凌


「(シュートを決めた時は)気持ちが高ぶりました。ビーコルブースターの皆さんのあの反応を見て、凄くうれしかったです」

勝負どころの2Pシュートを沈めて、ビーコルブースターの大歓声を浴びる田渡 凌


またトーマス・ウィスマンHCは、田渡のこのシュートについて「後半で田渡選手はしっかりとシュートを決めてくれた。最後のあのシュートは本当にビッグショットだった。川村選手のマークは、かなりきつかったが、彼は良いパスを出した。それを決め切った田渡選手は本当に素晴らしかった。彼は自信を持っている選手、ああいった場面でシュート機会を与えれば、きっと決めてくれる選手だと私は信じている。これはポイントガードとして必要な要素、彼があのシュートを決めてくれて本当にうれしく思う」と賛辞を惜しまない。

勝利が決まった瞬間に雄叫びをあげる田渡 凌


得点力に苦しむ大阪と、ディフェンスに苦しむビーコルとの再激突。その初戦はロースコアゲームとなったが、前回対戦でGAME1で86点、GAME2で78点を奪われていた大阪に対し、気迫のこもったマンツーマンディフェンスで挑み、59点に抑えたことは自信になる。特に勝負どころの4Qは激しいクロスゲームとなり、その中でイベとモリスがファウルアウト。それでも選手たちは集中力を切らさず、失点を10点に抑えられたことは成果だ。指揮官は
「ロースコアは、大阪がタフなディフェンスを仕掛けてきた結果。今日はディフェンスで粘り勝った試合だ」と胸を張る。

勝利の大歓声の中でたたずむトーマス・ウィスマンHC


エース川村卓也は、3試合連続の20点台、両チーム最多の22得点を挙げて、前節に続く奮闘を見せた。

来日してまだ2週間足らず、これがホームデビュー戦となった新戦力アーサー・スティーブンソンは、前節川崎2連戦に続いて持ち前のインサイドアタックとリバウンドが冴え渡り16得点13リバウンドで3試合連続となるダブルダブルをマーク。陽気で真面目なBIG ALEXは「今日も厳しい闘いでした。僕たちが粘り抜いて勝った試合だと思います。最後の時間帯で必要な人たちが点を取りました。チーム一丸となって闘ったイメージがあります。今日の4Qは、ずっとディフェンスが出来ていました。そして、今日の試合と勝利はビーコルブースターの皆さんがいなければ出来ませんでした。明日も盛り上げて欲しいですし、応援して欲しいです」と話している。

勝利後、B-COR MAGAZINEの取材に答えるアーサー・スティーブンソン


前回の対戦で、イベとスティーブンソンはまだ加入しておらず、これが初対戦となった大阪は戸惑ったはずだ。エヴェッサの穂坂健祐HCは「彼らのスカウティングはしていましたが、スティーブンソン選手は映像で観るよりも体ががっしりしていて、特にインサイドが凄く強かった。イベ選手も、ショットブロックが素晴らしいと聞いてはいましたが、どこからでも飛んでくるという感覚で、映像と実際に闘ったのとでは大きく違っていました。これまでに、彼のようなショットブロッカーと対戦したことがありませんでした。明日、しっかりとアジャストする必要があります」と話している。

来日してまだわずか2週間足らずで3試合連続のダブルダブル16得点13リバウンドをマークした新戦力アーサー・スティーブンソン。持ち前のフィジカルとインサイドアタックで大阪ディフェンスを苦しめた


ビーコルは、1Qからアグレッシブなマンツーマンディフェンスで挑み、大阪の得点を抑え込んだ。ディフェンスから流れを掴んだビーコルは、エース川村が前節に続いて立ち上がりから奮闘を見せて8得点。田渡 凌も勝利への気迫を剥き出しにしてシュートを決めた。これで主導権を握ったビーコルは最初のクォーターで4点のリードを奪った。

1Qで2Pシュートを沈める田渡 凌


2Qで、大阪はディフェンスの強度を上げてきた。かなり執拗なマークを受けた川村は苦戦し、このクォーターで
10分間のフルタイム出場ながらも5点に留まってしまう。川村以外の得点はイベと竹田が2Pシュート1本ずつのみで、2Qはわずか9得点と停滞してしまう。大阪は3Pシュートを4本決めるなどして計16得点。ビーコルは残り2分で逆転を許し、ビハインド3点で前半を折り返した。

レイアップを決める40歳の大ベテラン竹田 謙。写真は1Qでのもの


3Q、8分に川村が2Pシュートを沈めるが、4分に川村がアウトサイドから2Pシュートを沈めるまで得点がストップ。その間、大阪に得点を許してしまいビハインドがさらに広がり二桁になった。

3Qで2Pシュートを沈める川村卓也


しかし3分にスティーブンソンがダンクを決めてから、ビーコルは猛反撃に打って出る。田渡が速攻から決めたレイアップで続き、スティーブンソンが連続して2Pシュートを沈めた。

3Qでダンクを押し込むアーサー・スティーブンソン

スティーブンソンは3Qでミドルシュートも沈めた

3Q終盤でレイアップを決める田渡 凌


残り1分ではモリスがゴール下で技ありのフェイントを見せて2Pシュート。残り46秒には気迫を見せた田渡が外から2Pシュートを沈めて、点差をひと桁8点にまで縮めた。

3Q終盤、技を見せたフェイントで2Pシュートを沈めるエドワード・モリス

4Q終盤に気迫こもった2Pシュートを沈める田渡 凌


4Q、スティーブンソンが開始早々に2Pシュートを沈めるとビーコルは6本のフリースローを決めて1点差にまで肉薄。5分、川村がアウトサイドから2Pシュートを沈めて遂に同点に追いつく。ここからクロスゲームとなり僅差でスコアが行き来した。

残り1分58秒にブロックショット6本でディフェンスの要となっていたイベがファウルアウト。モリスが代わって起用される。残り1分42秒にスティーブンソンが川村のアシストから2Pシュートを沈めて1点を逆転。1分23秒で、今度はモリスがファウルアウト。代わって小原が起用される。

モリスのファウルアウトを悔しがるウィスマンHC


1分10秒、川村が相手ディフェンスを引き付けてペイントエリアに切り込み、外に出来たスペースにいた田渡に絶妙なパスを送る。田渡はそれを見事2Pシュートで沈めてみせた。大きな歓声をあげて沸き立つビーコルブースター。その歓声を一身に浴びた田渡はその場でガッツポーズを決めて大きく吠えた。

4Q終盤でディフェンスを引き付ける川村卓也。このあとペイントエリアに切り込み、外に出来たスペースにいた田渡に絶妙なパスを送った

「よし来た!と思った。絶対に決める自信があった」川村のパスを受け取った田渡は勝負どころの2Pシュートを確実に仕留めてみせた


これでリードは3点。しかし、大阪が食らいついてくる。残り35秒で、ハレルソンが2Pシュートを決めて1点差。ファウルゲームも考えられた中で田渡が2Pシュートを外し、ギブソンにディフェンスリバウンドを奪われた。木下がドライブからシュートを打ったが、それを川村がカットしてターンオーバー。細谷がボールをもらったところで勝負が決まった。ビーコルの勝利を告げるブザーが鳴り響き、横浜国際プールは久々の歓喜に包まれた。

木下のドライブを川村がカットしてターンオーバー。その瞬間ビーコルの勝利が決まり、横浜の海賊たちがコートで勝利の喜びを爆発させた

ビーコルのスコアリーダーは、3試合連続20点台となる22得点(6リバウンド)を挙げたエース川村卓也。5アシストも光った。

2番手は、新戦力のアーサー・スティーブンソン。16得点13リバウンドで持ち味をいかんなく発揮し、3試合連続でダブルダブルをマークした。スティーブンソンはGAME2への意気込みをこう話す。

「今日の試合でのビーコルブースターの皆さんの声援は凄かったです。皆さんの後押しなしでは、勝つことは出来ませんでした。明日もしっかりと闘いますし、これからもしっかりと闘っていきます。皆さんが誇れるようなチームになっていきたいと思っています。これからも応援をよろしくお願いします」

横浜ビー・コルセアーズ#33アーサー・スティーブンソン


3番手は、勝利への執念をコートで剥き出しにして闘った田渡 凌。ここぞの場面でシュートを決めて10得点(6アシスト)をマークした。

横浜ビー・コルセアーズ#21田渡 凌


プリンス・イベは、わずか2得点ながら、6本のブロックショットを決めてディフェンスに大きく貢献した。

ブロックショットで大阪のシュートを阻止するプリンス・イベ。「どこから飛んでくるか分からない」敵将も舌を巻いた


指揮官トーマス・ウィスマンHCはこの勝利をこう振り返っている。

「久しぶりに勝てて、本当に気持ちがいい。ただ、今日も決して簡単な試合ではなかった。選手たちが本当に頑張ってくれた。最後まで分からない展開だったが、最後までしっかりと闘い抜いてくれた」

「選手たちに伝えていたのは、ディフェンスを変えていかなければならないということだった。それが今日の試合でしっかりと現れた。選手たちは4Q全てにおいて集中し、素晴らしいディフェンスを見せてくれた。これまでにあったような集中が出来ていないクォーターが今回はなかった。これが勝因だと思う」

「良いディフェンスの一方で、オフェンスで点が取れなかった。明日はオフェンスも、点を取ることが出来ればと思っている」

「今日の試合で目立った活躍を見せてくれたのはプリンス・イベ選手だ。彼はブロックショットを6本決めてくれた。4Qで彼とモリス選手がファウルアウトしたことは懸念される点だが、二人がファウルアウトした時間帯で小原選手がしっかりと繋いでくれて勝ちにまでもってくることが出来た。明日は二人が最後までコートに立てるよう調整しながらやっていきたい」

「スティーブンソン選手が、今日40分間フル出場して16得点13リバウンドを挙げた。彼はここまで5、6ヶ月近くプレーをしてこなかったということもあり、コンディションが十分ではない。彼を試合で使うことによって、彼のゲームシェイプをどんどん加速させていくことが狙いだったが、40分間でこれだけのパフォーマンスをして、今日の勝利に貢献してくれた」

会見場に現れたトーマス・ウィスマンHCは久々の勝利に笑顔を見せた


また、接戦となった4Qでイベとモリスをファウルアウトで失ったことについてはこう話している。

「ファウルアウトすることは、バスケットボールでは自然なことだ。誰かひとりがいなくなったのなら、次の選手がしっかりと仕事をする。またそのひとりがいなくなったとしても、次の選手がしっかりと仕事をしなければならない。これがバスケットボールだと思っている。今日は、イベ選手がファウルアウトしてからモリス選手を入れた。彼にはダブルチームでいってもらう指示を出していたのだが、アグレッシブにディフェンスした結果、ファウルを取られてしまった。仕方のないファウルとしか言いようがないが、そのあとを受けて入った小原選手がしっかりと仕事をしてくれた。これに尽きると思う」

「今日は両チーム共に、二桁得点の選手が3人ずつしかいない。我々では、二桁得点を入れた選手の次が4得点。こうなってくると状況が厳しくなってくる」

「細谷選手は、水曜日を欠場して、今日ドクターからオーケーが出て試合に出れたのだが、今日の試合でリズムを掴んだと思う。明日の試合で点を取ってくれればと期待している」

ビーコルは、翌日のGAME2も勝利して前回やられた大阪にリベンジする決意だ。田渡がその意気込みを語り、チームの想いを代弁する。

「明日も簡単に勝てれる試合ではないと思っています。前回大阪にはアウェーで2戦負けているので、明日も必ず勝つ。ゲーム内容云々ではなく、とにかく勝てるようにしたい。今日はチームみんなでディフェンスからという意識で闘いました。明日はそれをもっともっと出せれるようにしたい。オフェンスも60点では少ないので、もっと点を取ることが出来るように、自分がアグレッシブに行ったり、周りを活かしたりして、良い試合にしたい。明日も応援をよろしくお願いします!」

【取材・写真・記事/おおかめともき】

 

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY】12.15 [SAT] 横浜ビー・コルセアーズ vs 大阪エヴェッサ
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=3190&TAB=P

 


Written by geki_ookame