『なんか面白そうだね』で始まったオフィシャルスポンサー。今ではスポンサー兼ブースター企業となりビーコルを多方面でサポート。
皆さんは、和光産業という会社をご存知だろうか。ビーコルのホームアリーナでの広告、勝利試合で活躍した選手に授与されるMR. B-COR賞の、と言えば思い出す方も多いのではないだろうか。
和光産業は、bjリーグ2014-15シーズン途中から今季に至るまで、4シーズンにわたってビーコルのオフィシャルスポンサーを務め続けており、弊サイトB-COR MAGAZINEもスポンサードを受けている。今回、和光産業にお邪魔し、代表取締役の矢口寛志さん、業務管理本部の角田正博さんにお話を伺った。
ビーコルのオフィシャルスポンサーになった経緯を角田さんが説明する。角田さんは、厚木市生まれで、バスケットボール部の出身。今でもバスケを続けている。
角田:「私は、ミニバスケットボールの基礎指導をボランティアでやらせて頂いていたのですが、当時ビーコルはまだbj時代で、海老名会場で試合が頻繁におこなわれていました。その海老名で市議をしている友人から植田さん(植田哲也球団代表)を紹介して頂いたんです」
「当時、厚木市は運動公園運営の民間移行案件が2期目の時期で、提案書にプロスポーツ招聘を盛り込みたい意向がありました。でも、試合開催までにクリアしなければならない事が多く、会場施設の課題もあって実現することが出来ませんでした。結果的にバスケクリニックやバスケ教室ならどうだろうと思い植田さんに相談したんです。それがビーコルとの関係が深まったきっかけでした。クリニックや教室は今でも続いています」
和光産業内で、ビーコルのオフィシャルスポンサーになる話が出た時、すぐには決定されなかったという。
角田:「当時のビーコルには偶然私の母校の後輩もいて、今でこそこんなに大ファンになっていますけど、最初は役員会で稟議を保留にされたんです(笑)。その当時のビーコルは今よりも認知度が低かった。恥ずかしながらバスケ経験のある私でも知らなかったぐらいなんです。だから最初、社内で話が出た時には『なんだ?それ?』って感じで、社長の矢口をはじめ役員全員の目が笑っていませんでしたね(笑)」
となりで、矢口社長が笑う。
矢口:「でも、『なんか面白そうだね』ってなったんだよね。で、『やっていこうか』から入っていった。我々もアリーナに行って、実際に観てみたら面白かった。みんな頑張ってるから我々も本腰を入れようとなったんです。一生懸命な選手を観て、結局、私が一番ハマってしまいました(笑)」
和光産業は、ビル建物の総合管理をおこなっている企業だ。その業務は電気、冷暖房、空調、給排水、消防の運転保守など、ビルを維持するための全てを担当し、ビーコルのホームアリーナでは警備も担当している。
矢口:「当社は、昭和35年(1960年)から建物のメンテナンスをやらせて頂いております。清掃、設備保守管理、警備が主な事業となります。建物が出来たあとから、私共が入らせて頂き、リフォーム、オーバーホールなど、建物に必要な維持管理に付随すること全てを請け負っています。時には電話交換や、受付もやらせて頂く時もあります」
プロチームのスポンサーになることで、会社にはどんな効果が生まれるのだろうか。
矢口:「私共の産業というのは、凄く地味で、社会的認知度が非常に低いんです。少しでも一般の方々にこういった会社があるんだということを認知して頂きたかった。その方法論が、ビーコルをサポートすることだったんです。オフィシャルスポンサーをさせて頂いてからは、バスケをやっている子供さんたちにも知って頂くことが出来て、徐々に認知度が上がって来ています。すぐに効果は出ませんが、長いスパンで考えています。ビーコルのオフィシャルスポンサーになったことで『あの会社、知ってるよね』というところまでは来ていると思います」
ビーコルが勝利した試合後、活躍した選手にMR. B-COR賞が授与される。これは和光産業が長きにわたっておこなっているものだ。矢口社長は、そのプレゼンターを自ら務めている。
矢口:「MR. B-COR賞は、プロなんだから金銭欲があって当たり前、それで賞金にさせて頂いています。スポンサーをやっているのは、もしかしたら、クラブのためではなくて、選手のためかもしれませんね(笑)。選手たちにはどんどん成長していって欲しい。既に出来上がったチームよりも、これから出来上がっていく、強くなっていくチームをサポートするほうが断然面白いです」
和光産業はオフィシャルスポンサーだけなく、MR. B-COR賞をはじめとした様々なサポートをビーコルに対して積極的におこなっている。例えば、8月におこなわれた「みなとみらい大盆踊り大会」で、ハンター・コートとエドワード・モリスがゲスト出演したシュートゲームの出店も和光産業によるものだった。この時は、矢口社長も自ら赴いてイベントを手伝っている。
矢口:「ホームアリーナへの集客を増やしたい思いがありました。当社も認知度を上げたい。みなとみらいにこられる方々にプロバスケットボールチームが横浜にあることを知ってもらいたかったんです。選手、チームを成長させるには、お客さまに沢山来て頂かないといけません。観客が少ないところで試合をしても張り合いが出ない。皆さまに少しでも横浜ビー・コルセアーズを知ってもらって、1回観に行ってみようと思って頂きたいんです。当社もチケットを配って、少しでも多くの方々に来て頂くようにしています。1回目はお試しで、あの楽しさを実際に体験して頂く、で、次回からは自費で来て頂くんです」
「盆踊りでの認知度向上も、選手たちと身近に接してもらってバスケットボールに興味を持ってもらう。あそこで配ったうちわも我々のアイディアからでした。うちわなら、皆さんがもらってくれますからね。バスケットボールと横浜ビー・コルセアーズをとにかく知ってもらいたい。アリーナで実際に観る楽しさを、是非多くの人に体験してもらいたい。我々も、集客へのアイディアをビーコルさんにいろいろと出しています。そのひとつが、あの盆踊りだったんです」
矢口社長のビーコルへの愛情と情熱には敬服するばかりだ。
矢口:「プロスポーツをお手伝いさせて頂くことは、楽しさもあるんです。ビーコルはまだまだ弱いですが、選手たちが成長しながら、強くなっていく過程に大きな喜びを感じています」
これからのビーコルに望むことを、矢口社長はこう語る。
矢口:「常勝軍団になってくれとは言いませんが、どんどんどんどん成長していって、観客を魅了するチームになって欲しい。サポートする我々も頑張ったんだと思えるようになりたい。それが楽しみでやっています。頑張って欲しいですね」
ビーコルのオフィシャルスポンサーでありながら、いつしかスポンサー兼ブースター企業になった和光産業。矢口社長と角田さんは、最後にこう話してくれた。
矢口:「選手たちを信じて、一生懸命応援して、将来的にはリーグチャンピオンになれるまで、みんなで応援していきたいと思います」
角田:「プロのバスケットボール選手が持つ身体能力を間近で観ると、その凄さが分かります。選手たちは、命を削ってやっています。そして、子供たちに夢を与えています。そういった選手たちを皆さんと一緒に応援していきたいと思っています」
沢山のスポンサー各社に支えられているからこそ、ビーコルはチーム運営と試合をおこなうことが出来ている。今回、和光産業を取材して、改めてそのことが分かった。そして、スポンサーを務める企業は、大きな情熱と愛情を持ってビーコルをサポートしている。支えるスポンサー企業もまた熱きビーコルブースターだ。
【取材・写真・記事/おおかめともき】
和光産業ホームページ
http://www.wakosangyo.co.jp/