第25節 vsサンロッカーズ渋谷 横浜 91−86 SR渋谷


4Q最大15点差から逆転勝利!森川正明が延長戦で逆転3P!キング開がホーム戦ラストで鮮烈インパクト!

2020-21シーズン第25節(3月3日横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 91-86 サンロッカーズ渋谷
17-21|16-17|16-19|30-22|12-7

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 3.3 [WED] 横浜ビー・コルセアーズ vs サンロッカーズ渋谷】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=6257&TAB=B

横浜ビー・コルセアーズは3月3日、ホーム・横浜国際プールでサンロッカーズ渋谷と対戦した。試合は延長戦にまでもつれ、ビーコルが4Qにあった15点差をひっくり返す逆転劇で勝利を決めた。ここまで14勝26敗。

延長戦を制した逆転勝利で喜びを爆発させる横浜ビー・コルセアーズのベンチ【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


ビーコルユースから初めて昇格した特別指定選手のキング開(専修大学)は、この試合がホーム戦ラストゲーム。1Qで連続3Pシュートを決めるなどの活躍をみせて3Pシュート2/3本を踏む8得点。この試合のMIP賞も受賞した。次節琉球戦がビーコルでの最後の試合となる。

自身のホーム戦ラストゲームで3Pシュート2/3本を踏む8得点をマークした横浜ビー・コルセアーズ特別指定選手#23キング開(専修大学)【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


この試合でエドワード・モリスが復帰。14分11秒のプレーで3得点7リバウンドを記録した。

この試合で復帰した横浜ビー・コルセアーズ#32エドワード・モリス。14分のプレータイムながら7リバウンドでの奮闘をみせた【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


1Qの立ち上がりから追いかける展開になったビーコルは、キング開の連続3Pシュートなどで僅差のビハインドを維持しながら前半を終える。

3Pシュートを打つキング開【写真提供©B.LEAGUE】


3Qでは森川正明が2本の3Pシュートを沈めるなどして8点差で4Qへ。しかしこのクォーター8分でSR渋谷に二桁差にされると残り3分で15点差にまで離された。それでも残り2分から猛攻に転じるとパトリック・アウダのレイアップからロバート・カーターの3点バスケットカウントまでの連続得点で16点ランを完成させ、遂に逆転に成功する。残り20秒でSR渋谷がフリースロー1本を入れて同点となり、試合は5分間の延長戦に突入した。

両チームを通じて最多の27得点を挙げた横浜ビー・コルセアーズ#1パトリック・アウダ【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


延長戦開始早々4分に森川が3Pシュートを沈めてビーコルが勝ち越し。残り2分で再び同点にされたが、ここでも森川が3Pシュートを沈めて再びリードを奪い、以降を守り切って勝利した。

ビーコルの二桁得点は3人。パトリック・アウダが3Pシュート1/1本を含む27得点(両チーム通じて最多)。森川正明が3Pシュート5/7本で20得点。ロバート・カーターが18得点14リバウンドでダブルダブルをマークしている。

横浜ビー・コルセアーズ#9森川正明【写真提供©B.LEAGUE】


【カイル・ミリングHC試合後会見コメント】

「今日の試合は全員の諦めない気持ちが結果につながった。怪我人がいたり、ファウルトラブルがあったりしたが、選手ひとりひとりが大事なピースであり、全員が勝利に貢献してくれた。また若手選手も活躍してくれた。このチームをとても誇りに思っている。終盤はファウルトラブルで出場させられる選手がいなくなってしまうのではないかといった状況だったが、チームとしていい形で勝利できた。結果がついてきて、とてもうれしく思っている」

試合後の勝利挨拶で高らかに吠えた自身のトレードマーク「YOKI YOKI YOKI」で勝利の喜びを爆発させる横浜ビー・コルセアーズ カイル・ミリングHC【写真提供©B.LEAGUE】


◇ ◇ ◇

まさにチーム一丸で掴んだ勝利。かつてあった”大逆転のビーコル”を彷彿とさせる歓喜だった。ビーコルはゲーム終盤まで僅差のビハインドを維持しながら粘ったがリズムをなかなか掴むことが出来なかった。4Qの3分で15得点差にまで離された時には敗戦も覚悟した。だが、誇り高き海賊たちはそれをすぐに払拭してくれた。起死回生の猛攻で16点ランを完成させて逆転。残り2分で追いつかれたが、延長戦でもこの流れを維持して、森川正明が2度の逆転3Pシュートを沈めるとビーコルのホームアリーナは一気にヒートアップ。最高潮に高まった勝利へのムードはSR渋谷を飲み込んだ。

今回の試合はやりにくかったと思う。試合前日にSR渋谷の屋台骨ライアン・ケリーがインジュアリーリストから抹消されて、ビーコルはケリーが出るのか出ないのか戦術の組み立てで迷っただろう。結局ケリーはベンチ入りを外れたが、試合序盤でビーコルがリズムを掴めなかったのは、こういったことも影響したのかもしれない。

【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


そして、キング開だ。特別指定選手の21歳になったばかりの若き海賊は、この日がホーム戦でのラストゲームだった。スタッツは3Pシュート2/3本を踏む8得点。勝敗を左右する大事な延長戦でも投入され、身体を張ったディフェンスでフリースローも奪ってみせ、
そのインパクトあふれる活躍はMIP賞としても評価された。

9月にビーコルユースから練習生としてトップチームに加入。1月には特別指定選手に昇格した。だが、自身が憧れる横浜ビー・コルセアーズでのプレーは順風満帆ではなかった。ベンチ入りを外れることも多く、ベンチ入りしてもプレータイムを得ることができなかった。

それでもキングはめげずに、練習から常にハッスルして努力を続けた。チャンスが巡ってきたのは、チームの主力3選手が怪我で出れなくなった時だった。キングはそのチャンスを逃さず、結果を残して信頼を勝ち取った。

勝利が決まった瞬間にガッツポーズをするキング開【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


前節川崎戦GAME2では1Qの反撃で貴重な3Pシュートを決めて存在感を示し、チームにとって負けられない試合だった今回の試合では、試合の大事な立ち上がりで連続3Pシュートを決めてチームに勢いを与えた。続けた練習は嘘をつかなかった。

3Pシュート3本で8得点を入れたことはこれからのバスケ人生にとって「大きな自信になる」とキングはいう。大事な延長戦でカイルHCはキングを迷うことなく投入。「気持ちで負けないように自分でやってやろうと思っていた。準備はできていた」

【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


指揮官は前日に「怪我人が多い苦しい状況だが、若い選手もそうでない選手もチャンスを掴んで欲しい」と話していた。
キングは指揮官の期待に見事応えてチャンスを掴んでみせた。

最後のホーム戦で魅せた躍動は鮮烈なインパクトだった。キング開は持っている男だ。そう問うとキングはハニカミながら照れて笑ってこう話した。「前節の3Pシュートが自信になっていた。今日もボールがきたら積極的にリングを見ようとした。決まって良かった。コーチに頼ってもらってうれしいし、それに応えることができたのは自信」

ビーコルユースからの努力が実ったキング開。「ユースでも大学でも、ここまで悔しい思いをしてきた。諦めずに自分自身に勝つことで、今日のような場面でも強い気持ちで闘えたのは自分にとっての成長。Bリーグでも闘えることを示すことができたし、大きな自信になった。これに満足することなく、さらなる高みを目指したい」

次節中2日後のアウェー琉球2連戦がキング開のビーコルでのラストゲームだ。

【記事/おおかめともき・写真提供/©B-CORSAIRS/T.OOkame/©B.LEAGUE・動画提供©B-CORSAIRS】


⬇森川正明 試合後インタビュー

⬇キング開 試合後インタビュー


Written by geki_ookame