川崎との初戦で27点差敗戦 河村勇輝がビーコル初先発
2020-21シーズン第23節GAME1(2月27日横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 65-92 川崎ブレイブサンダース
14-19|18-24|12-23|21-26
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 2.27 [SAT] 横浜ビー・コルセアーズ vs 川崎ブレイブサンダース】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=6238&TAB=B
横浜ビー・コルセアーズは2月27日、ホーム・横浜国際プールで川崎ブレイブサンダースとの2連戦GAME1を闘い、27点差で敗れた。ここまで13勝25敗。
今節は、横浜ビー・コルセアーズのクラブ創設10周年を記念する『YOKOHAMA B-CORSAIRS 10th ANNIVERSARY SPECIAL GAMES』として開催。選手たちは黒(ARRIVAL BLACK)の記念3rdユニフォームを着用してプレーした。また12月に加入した特別指定選手・河村勇輝(東海大学)のビーコルラストゲームになっている。
ビーコルは、河村勇輝をビーコル加入後、初めて先発で起用。アキ・チェンバース、レジナルド・ベクトン、エドワード・モリスがエントリーされなかった。
先制を許したビーコルは1Qの立ち上がりで同点から勝ち越しに成功。以降で両チームはスコアチェンジを繰り返し、中盤5分で川崎がリードするとビーコルが僅差を追いかける展開になった。2Qに入ると徐々に点差が開き始め、前半終了時には二桁差になった。何とか差をつめたいビーコルだったが、3Qが12得点とロースコアとなり、2Qから20点台の得点を続けた川崎に引き離された。4Qでこの試合で初めて20点台の得点を入れる反撃をみせたが、ビハインドを詰めるには至らず27点差での敗戦となった。
ビーコルの二桁得点は3人。森川正明が3Pシュート3/5本を含む19得点。ロバート・カーターが3Pシュート1/5本を含む12得点10リバウンドでダブルダブルをマーク。秋山皓太が3Pシュート2/6本を含む10得点を挙げた。
ビーコル初先発の河村勇輝は28分56秒プレーして4得点 5リバウンド 5アシストだった。
【カイル・ミリングHC試合後会見コメント】
「バイウィークの中で怪我人が続出し、今日の試合もタフな試合になると思っていた。怪我人が増えていく中で、試合の準備がうまくできなかったが、前半は悪くはなかった。オフェンスで、オープンショットのシュートがなかなか入らず、悪いターンオーバーが続いたことで、相手に自信を持ってプレーさせてしまったことが敗因のひとつ。 ディフェンス面では、なかなかリバウンドが取れなかった。後半は前半に比べてパフォーマンスが上がり、3Q序盤、4Q序盤はいい部分もあった。 後半でシュートが入り始めたが、相手が波に乗ってプレーしていた。こちらのシュートが入らない時間帯もあり、一方で相手はシュートを決めていた。明日は、今日の後半にできたパフォーマンスを前半からできるようにしていく」
◇ ◇ ◇
ビーコルにとってこの今季2度目の神奈川ダービー2連戦は、クラブ創設10周年記念ゲームであると同時に、大きな話題となった河村勇輝のビーコルラストゲームでもある。
チケットが2試合共に完売した記念ゲームで、河村勇輝がビーコルに来て初めて先発起用された。満員の横浜国際プールはこの抜擢に驚き、興奮したが、試合は大差をつけられての敗戦になった。
「ターンオーバー、リバウンド、ルーズボールでやられてしまったことがあの差につながった」と語ったのは、冷静に敗因を語りながらも悔しさをにじませた河村だ。
先発を言われたのは試合の2、30分前だったという。その自己評価は厳しいものだ。「1試合通して横浜らしいバスケットボールができなかったのはスターターのポイントカードの責任。もし明日も先発だったら、もっとスターターの意識をもってやらないといけない」と前を向く。
先発については「高校と三遠(昨季、高校3年次に特別指定選手としてプレー)では先発で起用されていたが、東海大学と横浜ビー・コルセアーズではシックスマンだったので、久々の(先発の)感覚で楽しさもあった。緊張はなかった。スタートでやれることに誇りをもってプレーした」と語る。
スタッツは4得点 5リバウンド 5アシスト。「パフォーマンスはまったく。シュートのタッチがまだまだ合っていない感覚で反省点だらけ。シュートの調整力をどこまで上げられるかが、これからの課題」
「ディフェンスは、アグレッシブに40分間やり通せたと思う。オフェンスで機能できなかったので、ディフェンスで何とかチームの勝利に貢献したかった」その必死さが現れていたのが、4Q終盤に好ディフェンスから奪ったファウルだった。河村はこれで得たフリースロー2本を確実に仕留めて、見せ場を作っている。「チームの流れを変えるためにはディフェンスでやるしかなかった」チームの勝利に何としても貢献したい。河村は気持ちを切り替えたというが、これが19歳の言葉なのだから驚いてしまう。
いよいよ翌日のGAME2がビーコルでプレーする最後の試合。横浜ビー・コルセアーズで過ごした72日間の締めくくりだ。「チームにとってはシーズン中の大事な試合のひとつで、クラブ創設10周年を記念する大事な試合。応援してくれる皆さんに勝利を届けて恩返ししたい」と河村は意気込む。その一方でこんな言葉も残した「ここまで勝ちにこだわり過ぎていて、楽しめていなかった。最後はしっかりと楽しんで終わりたい」
そう”Enjoy the Basketball”だ。この19歳のポジティブな言葉こそ、怪我人の多発から苦しい状況にあるチームに必要なことなのだろう。
明日は河村勇輝のラストゲームを楽しみ、黒のユニフォームをまとい躍動する海賊戦士たちのプレーをとことん楽しもう。カイルHCも前日練習のハドルで「今週末は楽しもう」といっていたことを思い出す。バスケットボールを楽しむ。惜別の河村の言葉を聞いて、勝利への勇気がわいてきた。
【記事/おおかめともき・写真提供/©B-CORSAIRS/T.OOkame】