土壇場に追いつくも惜敗 河村勇輝がビーコルでの活動を終了
2020-21シーズン第24節GAME2(2月28日横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 65-67 川崎ブレイブサンダース
20-10|10-18|16-25|19-14
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 2.28 [SUN] 横浜ビー・コルセアーズ vs 川崎ブレイブサンダース】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=6239&TAB=B
横浜ビー・コルセアーズは2月28日、ホーム・横浜国際プールで川崎ブレイブサンダースとの2連戦GAME2を闘い、2点差で惜敗した。ここまで13勝26敗。
今節は、横浜ビー・コルセアーズのクラブ創設10周年を記念する『YOKOHAMA B-CORSAIRS 10th ANNIVERSARY SPECIAL GAMES』として開催。選手たちは黒(ARRIVAL BLACK)の記念3rdユニフォームを着用してプレーした。
前日のGAME1で先発起用され、この試合がビーコルでのラストゲームだった特別指定選手・河村勇輝(東海大学)はベンチからのスタート。11分間のプレータイムで2得点 2リバウンド 1アシストだった。河村はこの日をもって、ビーコルでの全活動を終了。今後は東海大学に戻る。
1Q残り41秒で、ビーコルユースから特別指定選手に昇格したキング開(専修大学)が、3Pシュートを沈め、ユース昇格選手としての初得点を自身の21歳の誕生日の日に決めた。開は試合後に「ボールをもらったら打とうと決めていた。コーナーシュートは苦手だが日々の練習を信じた。決める自信はあった」と話している。
先制を許したビーコルは1Q 8分で生原の外角シュートで追いつき、12月川崎との前回対戦以来の先発となった竹田が連続3Pシュートを沈めて逆転。以降で川崎に2度追いつかれたが、4分で河村が投入されると残り2分で河村が決めたレイアップからオフェンスに火がついた。アウダが3Pシュートで続き、須藤が2Pシュート、さらには開が3Pシュートを決める10点ランで川崎を一気に引き離した。ディフェンスでは川崎を10点に抑えることに成功。最初のクォーターで20得点を入れ、二桁10点リードの好スタートを決めた。
2Qでビーコルの得点は10得点にとどまり、18得点を入れた川崎が2点差にして前半を終える。3Qに入ると両チームの攻防は一進一退となり、残り3分で川崎がリードを奪い最後のクォーターに突入した。
4Q、追いかける展開となったビーコルは攻守の強度を上げて川崎を猛追。最終盤1分を切った残り4秒で生原が3Pシュートを決めて遂に同点に追いつくと、横浜国際プールは最高潮の盛り上がりとなった。しかし川崎がかけたタイムアウトあけに藤井がブザービーターで2Pシュートを決めて川崎が逆転。ビーコルは悔しい惜敗となった。
この試合のビーコルの二桁得点は2人。ロバート・カーターが3Pシュート1本を含む20得点。リバウンドも11本取ってダブルダブルを記録。パトリック・アウダが3Pシュート1本を含む11得点(7リバウンド)を挙げている。
【カイル・ミリングHC試合後会見コメント】
「昨日の試合はフィジカルの面で準備ができていなかった。オフェンス面でもディフェンス面でもフィジカルにプレーしなさいと今日は伝えていて、オフェンス・ディフェンスのどちらもフィジカルにできていてとても良かった。ディフェンス面は、川崎を70点以下に抑えることができたのはフィジカルにプレーできていた証拠だと思っている。 怪我人が多い状況で、キング開選手や須藤昂矢選手などの若手選手が出場せざるをえない状況だった。キング開選手がBリーグ初得点をとれたことも、とても嬉しく思っている。また最年長の竹田謙選手もスタートでいいエナジーをもたらしてくれた。若手の選手から最年長の選手までチームとしていいバランスを保ちながらプレーができた。負けてしまったことは悔しく残念だが、この経験を糧にして次のSR渋谷戦を迎えたい。また、2ヶ月間、チームの一員として活躍してくれた河村選手をとても誇りに思っている。これからの活躍も期待しているし、これからも頑張り続けて欲しい」
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前日の27点差負けから一転してビーコルは出だしから怒涛のエナジーを見せて10周年記念ゲームにふさわしい接戦で見せ場を数多く作り、チケット完売の観客を熱くさせた。4Qの土壇場残り4秒で見事な3Pシュートで同点に追いついてみせたキャプテン生原秀将はもちろんだが、1Qの若い力による3本のシュートはいまの状況だからこそ必要なものだった。
レジナルド・ベクトン、アキ・チェンバース、エドワード・モリスを怪我で欠いていた中で、若手選手にはアピールのチャンスだった。1Qでリードしていた展開で川崎に流れが傾くとカイルHCは、この日ベンチスタートだった河村勇輝を躊躇することなく投入した。指揮官の期待に見事応えた河村はレイアップを決めて起爆剤になると須藤と開が2Pシュートと3Pシュートで続いた。特に須藤と開は「俺たちを忘れるな」と言わんばかりのエナジーあふれる躍動だった。
この試合でビーコルの活動が終了した河村は、チーム、そしてファンと惜別した。中2日後のSR渋谷戦からは河村はいない。だからこそ、須藤と開の覚醒が必要だった。あの2人のアグレッシブな躍動こそ、河村がビーコルに残していってくれたものなのだろう。河村がもたらしたケミストリーがチームをまた一歩進化させた。
【記事/おおかめともき・写真提供/©B-CORSAIRS/T.OOkame】