ビーコル、北海道とのB1残留PO1回戦で先勝!最大20点差をひっくり返す!


海賊、後半でじわりじわり。4Q残り3分で逆転!5点差で北海道をかわす!1Qと4Qのスコアが両チーム真逆に。

B1残留プレーオフ1回戦 2018−19 ・GAME1(4月26日トッケイセキュリティ平塚総合体育館)
横浜ビー・コルセアーズ 77-72 レバンガ北海道
9-19|26-26|23-18|19-9

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 4.26 [FRI] 横浜ビー・コルセアーズ vs レバンガ北海道】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=4116&TAB=B

【ダイジェスト映像】
https://basketball.mb.softbank.jp/videos/4805

 

横浜ビー・コルセアーズは4月26日(金)、ホーム「トッケイセキュリティ平塚総合体育館」でレバンガ北海道とのB1残留プレーオフ1回戦GAME1を闘い、77-72で北海道を下して1回戦を先勝した。ビーコルは前半で最大20点差あったビハインドを後半で徐々に詰め、4Q残り3分で川村卓也が決めた3本のフリースローで逆転。以降、効果的に得点を入れて追いすがる北海道を5点差でかわした。

GAME2は翌日27日、同じトッケイセキュリティ平塚総合体育館で15時5分ティップオフでおこなわれる。この試合でビーコルが勝てばB1残留が決定。北海道が勝利して1勝1敗になった場合は、GAME2の試合後、前後半各5分でのGAME3がおこなわれ、ここで勝ったチームがB1残留を決める。

この試合で、特別指定選手(法政大学)の中村太地は大学での活動のため、ベンチ入り登録されなかった。翌日の試合も欠場する。

ビーコルは、川村、田渡、竹田、スティーブンソン、コストナーでスタートしたが、1Q開始早々にドブラスにインサイドを破られてから立て続けにシュートを許し、9点ランを喫してしまう。これで主導権を握られたビーコルは開始から2分40秒間にわたってシュートが決まらず点が入らない。7分20秒にコストナーが3点バスケットカウントを決めたものの以降でシュートを決め切る事が出来ず、徐々に点差が開いた。モリスがリバウンドで奮闘を見せる中でインサイドの得点に苦戦し、最初のクォーターでビーコルが入れた得点はわずか9得点。10点を背負うビハインドスタートとなった。

2Qでも北海道の得点を止めることが出来ず、6分にはビハインドが20点にまで広がりワンサイドゲームの様相を呈した。しかし、中盤を過ぎてからビーコルのシュートが決まり始める。田渡とコストナーがシュートを4本続けるなどしてオフェンスにリズムが生まれた。残り1分を切ってコストナーがこのクォーター3本目の3Pシュートを沈めると、川村が3Pシュートでブザービーターを決めて、一時は20点あったビハインドを10点差に戻した。ビーコルはこのクォーターで26失点を許したものの、盛り返したオフェンスで26得点を入れて、後半の反撃に繋いだ。

3Qでビーコルは、2Qで掴んだオフェンスの流れを維持して、じわじわとその差を詰めた。またディフェンスの強度も上がり始め、北海道を逃さない。残り27秒で橋本がフリースロー2本を仕留めて5点差。ビーコルが攻守での勢いを持って最終クォーターに突入した。

4Qでもビーコルのディフェンスは機能をみせ、開始から約3分間にわたって北海道の得点をフリースロー2本での2得点のみに抑えた。この間、モリスの2Pシュートなどで得点して点差をさらに詰めて肉薄。7分には川村のフェイダウェイで遂にビーコルが同点に追いついた。

ここからクロスゲームになったが、1点差で迎えた3分に川村がフリースロー3本を得る。川村はこの勝負どころのフリースロー3本を確実に仕留めて1点を逆転。以降、スティーブンソンのレイアップなどでリードを伸ばした。

残り1分でドブラスに3点バスケットカウントを許し1点差にされたが、スティーブンソンが2Pシュートでやり返して3点差。

北海道は残り3秒でファウルゲームに打って出る執念を見せたが、田渡がこのフリースロー2本を確実に仕留めて勝負を決めた。

北海道は、バイロン・ミュレンズが35得点を入れ、デイビッド・ドブラスが23得点を入れたが日本人選手の得点が伸びなかった。ビーコルは1Qでシュートが決まらず苦戦したが、2Qから徐々に精度を取り戻し、終わってみれば川村卓也19得点、ブランドン・コストナー18得点、田渡 凌15得点、アーサー・スティーブンソン13得点と4選手が二桁得点。20点以上はいなかったが得点源が分散され、バランス良く得点を入れることが出来た。

 

レバンガ北海道の内海知秀HCは敗戦をこのように振り返っている。

「前半、1Qも含めて非常に良い入り方が出来た。試合前、こういった(短期決戦の)ゲームは入り方が大事だと選手たちに話していた。選手たちはそれを実行してくれた。後半の4Qで少しターンオーバーが出た部分があったが、4Qで9得点というのは自分たちのオフェンスが良い形で出来なかったからだと思う」

「その要因のひとつは外国籍選手を休ませなかったことがあると思う。ローテーションで休ませて使っていれば、もう少し力を出させることが出来たのではないか。その点は私も反省すべきこと。最終的に横浜さんのほうが最後を勝ち切った。非常に残念な結果だが、まだ明日あるので、明日の(GAME2とGAME3の)2つに向けて頑張っていきたい」

レバンガ北海道 内海知秀HC


大事な初戦をとった横浜ビー・コルセアーズのトーマス・ウィスマンHCに勝利の笑顔はなかった。

「出だしで少しつまずいてしまい、相手の強度に合わせることが出来なかった。前半でリードされ、離されてしまったが、ここからしっかりと闘うことが出来た」

「後半でディフェンスが機能した。施したアジャストが効いて相手を27得点に抑えることが出来た。前半は45得点入れられたが、後半で27得点に抑えたことは我々のディフェンスが機能した証拠だと思う」

「今日のスタッツで少し不思議だったことは、1Qで我々が9得点で北海道が19得点の9-19、4Qではこれがひっくり返った形になった19-9だった。これはディフェンス強度のあらわれだと思う。前半で強度がなかったかわりに後半で強度を上げることが出来た。このことは今日の称賛すべき点だ」

「前半、特に1Qでは我々のシュート確率は15.8%(3/19本)しかなく、相手は60%(9/15本)だった。しかし、10点差で終われた。これは我々にとってラッキーだった」

「今日はリバウンドで負けてしまったので、明日はリバウンドを修正したい」

「今日はモリス選手が交代したコストナー選手の穴をしっかりと埋めてくれた。モリス選手はディフェンスとリバウンドで大きく貢献してくれた。彼が、ああいった仕事をしてくれなければ、今日の勝利は実現出来なかっただろう。モリス選手の働きを称賛したい」

横浜ビー・コルセアーズ トーマス・ウィスマンHC


13試合ぶりの勝利、怒涛の追い上げ、しびれる終盤での逆転劇にホーム平塚のビーコルブースターは沸きに沸いた。勝利を決めた瞬間、エース川村卓也は天を見上げて雄叫びを上げたが、その表情はすぐに引き締まった。指揮官も会見で引き締めた表情をみせていた。この勝利だけでは足りないからだ。あと1勝をとらなけらばB1に残ることは出来ない。

勝利を決めた瞬間、コートの中央で雄叫びを上げたエース川村卓也


翌日のGAME2で何としても勝ち、連勝でB1残留を決めなければ難しい展開になる。昨季、西宮と闘った残留プレーオフ1回戦でビーコルは初戦を落としたが、翌日のGAME2で100点ゲームでやり返し、20分後におこなわれたGAME3を勝利してB1残留を決めた。西宮はGAME1の勝利で得た勢いと流れを、GAME2を落としたことで失った。

今回はその逆だ。仮にビーコルが明日のGAME2を落とした場合、勝って勢いがついたチームが有利になり、敗れたチームは難しい闘いを強いられ、プレッシャーも多大になる。これが短期決戦の怖さだ。選手たちはそのことをよく分かっている。だからこそ、久々に味わう勝利の歓喜の中で選手たちは表情を引き締めた。“勝って兜の緒を締めよ” それを指揮官はこう代弁した。

「まだ1勝だ。このチームは、過去の2シーズンで残留戦を経験している。1勝だけでは足りないことは全員が分かっている。今日の勝利で満足せず、明日は出だしからしっかりとやっていく。まだ半分しか終わっていない。明日、もう1勝をしっかりともぎ取ってB1残留を決める」

ビーコルの運命を決めるGAME2は、ウィスマンと選手たちが今季ここまで懸命に取り組んできたことの集大成だ。明日、B1残留を決める勝利で、心ゆくまで歓喜を爆発させたい。

【記事・取材・写真/おおかめともき】

 

 


Written by geki_ookame