ビーコル、アーリーカップ5位決定戦で川崎に惜敗。


4Qで出来た粘りの猛追にウィスマンビーコルの可能性。川村、両チーム最多22得点!エゲケゼ、ガルシア15得点!ガルシアは2試合連続ダブルダブルをマーク!

B.LEAGUE EARLY CUP 2018 KANTO 5位決定戦(9月8日 ブレックスアリーナ)
川崎ブレイブサンダース 74-69 横浜ビー・コルセアーズ
22-13|20-15|24-17|8-24

横浜ビー・コルセアーズは、9月8日宇都宮市にあるブレックスアリーナで同じ中地区で神奈川県の川崎ブレイブサンダースと「B.LEAGUE EARLY CUP 2018 KANTO」の5位決定戦を闘い5点差で惜敗した。

ビーコルは、4Qで機能した攻守が実り、川崎の得点をわずか8点に封じ込むことに成功。さらには24得点を奪う猛追で終盤2分に5点差にまで迫った。以降、両チーム緊迫した攻防となったが、共に得点出来ずそのままタイムアップ。ウィスマンビーコルは対象外試合3試合目でも初勝利はならなかったが、ここまでの3試合で最も可能性を見せた内容となった。まだまだミスは目立つもののその成果は着実に出て来ている。海賊たちは開幕戦に向けて進化の階段を登っている。

4Qで激しいディフェンスを仕掛ける#0細谷将司【写真提供:©B.LEAGUE】


前日に59点差の大敗を喫したウィスマンはこの日のスターティング5に、#2高島一貴に代わってウィスマンのバスケを熟知するベテラン#25竹田 謙を起用してきた。

ビーコルのスターティング5は、#0細谷将司、#1川村卓也、#8アマンゼ・エゲケゼ、#25竹田 謙、#36チャールズ・ガルシアの布陣。帰化したばかりのエドワード・モリスはこの日も外国籍選手扱いでベンチ登録から外れた。また、前日の千葉戦で出場し存在感を示していた特別指定選手の#6中村太地もベンチ登録から外れている。

1Q、開始直後は両チームシュートが決まらず重苦しい立ち上がりだったが、8分36秒に川崎#33長谷川がミドルでの2Pシュートを決めて川崎が先制。直後に#8アマンゼ・エゲケゼが2Pシュートを沈めて、ビーコルがすかさず同点。これで乗ったエゲケゼは3Pシュートも沈めて連続得点した。

川崎も#21マクリンの2Pシュート、#0藤井の2Pシュートなどで反撃して逆転。

6分7秒、エゲケゼ、竹田の絶妙な連携から細谷将司が3Pシュートを沈めて8−8同点。5分47秒に#1川村卓也がマクリンのシュートを好ブロック。この直後、ディフェンスから流れを作った川村は3点のバスケットカウントを決めて勝ち越しに成功。

しかし、ビーコルの得点はここから1分の時間帯まで停滞してしまい、川崎に再び勝ち越しを許す。

1分23秒、スティールを奪った川村がそのままドライブして高島一貴にパス。高島はレイアップを決めた。ビーコルがようやく入れたこの得点は、ウィスマンビーコルならではの速いトランジションによるものだった。

一方でエゲケゼがファウル3つ、ガルシアがファウル2つで、1Q早々に外国籍選手二人がファウルトラブルになった。1Qは22−13でビーコルが9点のビハインドを背負う。

2Q、細谷から湊谷へのパスがカットされターンオーバー。フリーになった#3林にダンクを決められミスから失点を喫する。

1Q終盤にいい形のオフェンスが出来たビーコルだったが、得点がまたしても停滞。川崎に11−0のランを許し、ビハインドが広がった。

この直後の6分43秒に川村がフェイダウェイで2Pシュートを沈めて反撃開始。5分30秒に川村のアシストで竹田が3Pシュート。川村は4分から1分の時間帯に掛けて2Pシュート2本、3Pシュート2本と奮闘した。

2Qにシュートを打つ#1川村卓也。川村はこの試合で両チーム最多となる22得点を挙げた【写真提供:©B.LEAGUE】


川崎も、ビーコルが得点すればすぐに得点して逃げた。1分を切ってゴール下で粘るマクリンを小原、湊谷、川村が果敢なブロックで阻止。リバウンドは取れなかったが好ディフェンスを見せた。

2Qは20−15、前半終えてトータルスコアは42−28。ビハインドは14点に広がった。

川村は外国籍選手二人がファウルトラブルになった2Qで3Pシュートを2本決めるなどして奮闘。前半だけで両チーム最多の15得点をマークして波に乗った。

3Q、9分31秒にガルシアが身体を張って川崎ディフェンスに切り込み3点のバスケットカウントを決めて、持ち味を発揮。

ここからガルシアとエゲケゼが得点するが、一方でターンオーバーが多発。ビーコルにミスが目立ち始め、川崎にディフェンスの穴を突かれ失点がかさむ。ビハインドは20点台に広がった。

それでもビーコルは、残り6秒で細谷からのパスを受け取ったガルシアが2Pシュートを沈めて懸命に食らいつく。3Qは24−17。トータルスコア66−45で、ビーコル21点のビハインド。

3Qでの#0細谷将司。この試合で3Pシュート2本を含む8得点をマークした。【写真提供:©B.LEAGUE】


4Q、9分8秒にガルシアがゴール下での強さを発揮して2Pシュート。8分8秒に川村が3Pシュート、7分39秒には川村の絶妙パスで細谷がレイアップを決めた。

さらには、エゲケゼと川村が共にフリースロー2本を決めて13点差。ビーコルは、懸命のディフェンスからオフェンスへのリズムを作った。5分32秒には橋本がスティールからそのままドライブしてレイアップ。

4分25秒、川崎のパスミスによるターンオーバーからガルシアがドライブしてレフトハンドでレイアップ。バスケットカウントも奪い3点を入れた。ビーコルはこれで9−0のランを成功させ、20点台あったビハインドを一桁8点にまで詰めた。

2Qでシュートを打つ#7橋本尚明【写真提供:©B.LEAGUE】


2分40秒、ガルシアが見事なショットで2Pシュート。2分8秒には橋本のアシストから細谷が3Pシュートを沈めて遂には5点差にまで肉薄した。

ここから両チームは終盤2分での緊迫した攻防となり得点が共にストップ。ビーコルはエゲケゼと川村が果敢に3Pシュートを打ったが、決め切ることが出来ない。

残り19秒で、橋本がファウルアウト。代わって田渡が入ったところで、ビーコルベンチは2回目最後のタイムアウトをかける。

ファウルゲームに持ち込むかと思われたがウィスマンは実行せず、タイムアップ寸前で川村がロングショットを打ったが弾かれ試合終了となった。

4Qは8−24。ファイナルスコアは74−69で5点差での惜敗となった。4Qでディフェンスが機能し、川崎の得点をわずか8点に抑えたのは大きな収穫。オフェンスでは相手のミスも逃さず突いて24点を奪った。

しんどい4Qで出来たディフェンスとオフェンス。走りに走っている猛練習の成果が現れ、ウィスマンが目指すトランジションバスケの可能性を大きく見出すことが出来た。

ビーコルのスコアリーダーは、両チーム通じて唯一の20点台となる22得点を挙げた川村卓也(4アシスト)。

続いてアマンゼ・エゲケゼが、15得点8リバウンド。チャールズ・ガルシアが15得点11リバウンドで2試合続けてダブルダブルをマーク。新外国籍選手二人がこの日も安定した得点力を示した。

川崎は帰化選手ニック・ファジーカスをこの試合で欠いたが、熟成途中の新生ビーコルにとっては対外試合3戦目で善戦したといっていい。

ガルシアとエゲケゼの得点力に、帰化選手になったばかりのエドワード・モリスがコートに立てば、さらなるリバウンドとスコアアップが期待出来る。

ここからのさらなる猛練習でウィスマンのバスケが浸透し、チームが確実にゲームで遂行出来るようになれば、海賊たちへの楽しみは増してくる。チームは9月16日と17日に稚内でおこなわれるプレシーズンゲーム・レバンガ北海道戦を経て、10月6日の開幕戦にしっかりとフォーカスして、さらなる熟成を進める。

【記事/おおかめともき(写真提供:©B.LEAGUE)】

 


Written by geki_ookame