GAME2で巻き返し!ここまでやってきたことを信じて、ディフェンスで取り返す!
横浜ビー・コルセアーズ 75-105 川崎ブレイブサンダース(3月3日・横浜国際プール)
17-35|21-20|19-25|18-25
横浜ビー・コルセアーズは、ホームに川崎ブレイブサンダースを迎えGAME1を闘い、105失点を喫して敗れた。3桁失点は、1月21日のアウェイ千葉ジェッツ戦GAME2で喫した114失点以来。
川崎の壁は分厚かった。約2週間の代表戦ブレイク明けの久々のホームゲーム。海賊たちは、高い士気を持って勇猛果敢にぶつかったが、強豪の壁を打ち破ることは出来ず、ロングレンジからの正確な3Pシュートを武器に、そつのないバスケを展開する川崎に30点のビハインドをつけられての敗戦となった。
この日、横浜国際プールに訪れた観客は3421人。同じ神奈川県とあって川崎からブースターが大挙駆けつけ、ビーコルブースターと激しいブースター合戦となった。コートで、客席で、熱戦が繰り広げられ、まさに神奈川ダービーの様相を呈した。
オンザコートは、川崎が普段通りの2−1−1−2。ビーコルはそれに合わす形で2−1−1−2とし、ハシーム・サビート・マンカとジェフリー・パーマーが先発。また高島一貴は先発を外れ、満田丈太郎が起用された。
1Q、満田丈太郎が3シュートファウルを取られ、川崎#14辻 直人にフリースロー3本を決められ出鼻をくじかれる。直後にサビートが2Pシュートを沈めたが、#7篠山竜青と#22ニック・ファジーカスに3Pシュートを決められてしまう。
8分28秒にはファジーカスからファウルを奪ったサビートがフリースロー2本を沈めたが、直後に#00ジョシュ・デービスに2Pシュートを決められ開始早々の8分で11点を失ってしまう。
ビーコルは、7分58秒にパーマーが3Pシュート、7分35秒には満田丈太郎がレイアップで2Pシュートを沈めて食らいつく。
前節豊橋でのアウェイ三遠戦で精彩を欠いたサビートは、6分40秒にアウトサイドから2Pシュート、5分6秒にインサイドから2Pシュート、4分15秒にアウトサイドから2Pシュートを沈めて躍動。1Qで10得点を挙げて復調を示した。
1分40秒にはマクドナルドがインサイドから2Pシュートを沈めた。川崎のディフェンスは相当に執拗でタフだった。特に川村卓也は厳しいマークにあい、1Qで3Pシュートを1回、2Pシュートを4回トライしたが、リングに沈めることは出来なかった。
出だしの1Qでビーコルディフェンスは川崎に3Pシュートを4本。インサイドからは9本決められてしまい81.8%の高確率で2Pシュートを沈められディフェンスは内外で破られてしまった。またリバウンドも多く奪われ、このことも失点に繋がってしまった。1Qは17-35。この35失点が以降で重くのしかかる形となった。
2Q、オンザコート1でウィリアム・マクドナルドがコートに立った。ビーコルは、この日冴え渡ったマクドナルドを起点にして反撃に出た。
マクドナルドは、まず9分37秒にインサイドから2Pシュート、8分6秒に3Pシュート、7分35秒にアウトサイドから2Pシュート、6分17秒にアウトサイドから2Pシュート、5分24秒にアウトサイドから2Pシュート、3分52秒にインサイドから2Pシュートを次々に沈めた。川崎のタフなディフェンスからインサイドを捨て、アウトサイドからシュートを沈めたマクドナルドは、このクォーターで13得点を挙げた。
また2Qからコートに立った佐藤託矢が攻守で活躍を魅せた。5分5秒でファジーカスの2Pシュートをブロックし、4分46秒には2Pシュートを狙い、2度のオフェンスリバウンドで粘りに粘り2Pシュートを沈めた。
3分7秒、マクドナルドに代わってサビートがコートイン。2分11秒には川村が外した3Pシュートをオフェンスリバウンドし、セカンドチャンスで2Pシュートを沈めた。
1分36秒に細谷将司が2Pシュートを沈めた。ビーコルは得点した直後に失点してしまうケースが多くビハインドをなかなか詰めることが出来なかったが、修正されたディフェンスが機能したことから2Qを21−20でリードして終了。トータルスコア38−55で17点差とした。
3Q開始早々に川村と満田のファウルから川崎にフリースロー4本を決められたが、9分26秒にマクドナルドが2Pシュート、9分4秒に細谷将司が3Pシュートを沈める。
そして、2Qで躍動をみせた佐藤託矢がこのクォーターでさらなる躍動を魅せ反撃の起点となった。8分3秒にオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスで2Pシュートを沈めると、6分30秒に高島一貴のパスから3Pシュート、4分36秒にミドルレンジで2Pシュート、3分16秒には川村のインサイドへのパスから2Pシュートを沈め、このクォーターで9得点を挙げてみせた。
佐藤の奮闘に続いて、2分45秒にサビートがダンクで反撃したが、外からのロングレンジでこれでもかと3Pシュートを決めてくる川崎のオフェンスには足りなかった。
2Qでリードした流れを継続したかった3Qは19−25となりトータルで57−80。ビハインドは23点に広がってしまった。
4Q、8分11秒に細谷が3Pシュート、6分18秒にパーマーが2Pシュート、5分36秒に細谷が2Pシュートを沈める。
4分28秒に田渡 凌が2Pシュート、3分28秒にサビートがダンク、1分36秒には田渡がアウトサイドから2Pシュートを沈めた。
しかし、川崎のディフェンスはますます執拗になり、そのことからミスが生まれていった。川崎はこれらのミスを見逃さず、リバウンド、スティールで次々に得点に繋げていった。3分7秒にデービスに喫した2Pシュートで失点はついに3桁100点。30点差のビハインドをつけられてしまった。
残り56秒でファウルを奪ったパーマーがフリースロー2本を沈めたが、反撃はここまで。ビハインド30点では為す術もなく終了のブザーを待たずして勝敗が決した。4Qは18−25。ファイナルスコアは75-105で、GAME1は大敗となってしまった。
ビーコルはホーム島根戦で連勝したあとの豊橋から3連敗。新潟がA東京に勝利したため5位との差が5差に開いた。
チームのスコアリーダーは、ウィリアム・マクドナルドの3Pシュート1本を含む18得点。試合後「明日は、闘える姿をみせる」と巻き返しを誓った。
復調をみせたハシーム・サビート・マンカは17得点。2Qと3Qで奮闘した佐藤託矢は3Pシュート1本を含む11得点。細谷将司は3Pシュート2本で10得点。ジェフリー・パーマーが3Pシュート1本を含む9得点を挙げた。
ここ数戦で20点台が続いていた川村卓也は、激しいディフェンスに合いわずか1得点に終わったが、タフショットを強いられる奮闘の中で、アシスト5つで貢献した。川村が20得点を挙げていれば、また展開も変わっていただろう。GAME2でのエースの爆発が待たれる。
蒲谷正之と山田謙治は出場がなかった。
試合後のコートで「明日はディフェンスで取り返す」とGAME2での逆襲を誓った尺野将太HCは、会見でこう総括している。
「今日は神奈川ダービーということで、沢山のビーコルブースターさんたちが応援してくれました。昨シーズン川崎さんには8試合やって、ひとつも勝てていなかったので、選手たちは凄く気合いがはいっていました」
「2週間のバイウィークで練習期間もしっかりとあったので、ディフェンスに集中して練習に励んで来ましたが、1Qを35失点、そのあとのクォーターを20失点、25失点と、川崎さんのオフェンス力の前に準備してきたディフェンスがやられてしまった。本当にもっともっとディフェンスの質を上げていかないと上位チームには勝てない。チームとして改めて認識しました」
尺野HCは、この大敗を冷静に分析しつつも悔しさを滲ませたが、ここまで積み上げてきた成果を信じ、翌日のGAME2での巻き返しを誓った。
「やってきた成果は徐々には出てきているので、明日はしっかりとプライドを持って、やってきたことに集中して、ディフェンスでもう一度、川崎さんに挑みたいと思います」
試合後のコートでは、高島一貴、細谷将司らが悔しさを滲ませながらシュート練習を繰り返していた。その姿からもGAME2での逆襲に掛ける強い意志が感じ取れた。
分厚い強豪の壁を打ち破り撃破することが出来るか。再び川崎に挑む横浜の海賊たちの底力に期待したい。
【写真・記事/おおかめともき】