2日間、80分間に渡って途切れることなかったエナジー。チームバスケが連日の歓喜を呼ぶ!
横浜ビー・コルセアーズ 80-68 島根スサノオマジック(2月11日・横浜国際プール)
25-17|15-7|19-23|21-21
ビーコルは、島根スサノオマジックとGAME2を闘い12点差で快勝した。80分間でエナジーを保った。前夜のGAME1で、ホームに9試合ぶりの勝利をもたらした海賊たちのエナジーは、翌日になっても途切れることはなかった。
GAME2でも変わらずチームバスケを貫き通し、最後までエナジー全開で前日の勝利の歓喜を再現、今季初めてホームゲームでの連勝を飾った。ホームでの連勝は昨年1月28日と29日の滋賀戦以来(2月4日ホーム千葉戦にも勝利して最長3連勝)。連勝はアウェイ富山と滋賀に続いて今季3度目。前日に新潟が京都に破れたため5位新潟とのゲーム差は3に縮まった。
前日4点と2点でロースコアだったハシーム・サビート・マンカとウィリアム・マクドナルドが揃って15点、16点と二桁得点を挙げて奮起。満田丈太郎、細谷将司は前日に続いて躍動をみせ、連勝に大きく貢献した。
1Qで細谷とサビートが快調に得点をかさねて25得点したビーコルは、2Qでチームディフェンスが機能してスサノオマジックの得点をわずか7点に抑えることに成功。
後半は、9連敗を何としても止めるべく立て直してきたスサノオマジックのタフなディフェンスに苦しんだ。
スサノオマジックは、#0佐藤公威らの3Pシュート狙いで反撃してきたが、ビーコルは前半の貯金から冷静な試合運びをみせ、要所でフリースロー、シュートを決めて、徐々に突き放した。
常にエナジーを途切れさせず、強い気持ちを前面に押し出してプレーしたビーコルがスサノオマジックを上回り、見事この試合を勝ち切った。
スターティング5は、前日同様に細谷、高島、川村、満田、マクドナルドの布陣。
1Q、ウィリアム・マクドナルドが9分4秒と8分15秒に2Pシュートを続けて先制。7分52秒に川村卓也がアウトサイドから2Pシュート、7分19秒にはハシーム・サビート・マンカが3点のバスケットカウントを決めた。
5分25秒に細谷将司がレイアップで2Pシュート。4分19秒にハシーム・サビート・マンカが2Pシュート。細谷が4分1秒に今度は3Pシュートを沈めた。
2分52秒に川村卓也が3Pシュート。1分53秒と残り15秒にハシーム・サビート・マンカがダンクを2本沈めた。特に残り15秒のダンクは、佐藤託矢からの絶妙アシストを沈めた圧巻のアリウープダンクだった。
スサノオマジックは、#18相馬卓弥、#40ジョシュ・スコット、#0佐藤公威、#10波多野和也らが得点して追い上げてくるが、ビーコルは持ち前の速いパスワークで得点を快調にかさね、終始リードを明け渡すことなく1Qを25-17で終える。
2Q、ゾーンとマンツーマンを効果的に使い分けたチームディフェンスが機能し、スサノオマジックをわずか7得点に封じ込める。
ビーコルのオフェンスは、6分まで得点が停滞したが、6分9秒に田渡 凌のディフェンスリバウンドからのロングパスを受け取った高島一貴がレイアップで2Pシュート。
4分、細谷がタフショットでバスケットカウントをもぎ取り3点を決めると、3分39秒にジェフリー・パーマーが3Pシュートで続いた。
残り21秒で満田丈太郎がレイアップで2Pシュートを沈めて2Qを15-7。トータルスコア40-24、16点のリードを奪い前半を終えた。
前半で、ハシーム・サビート・マンカは11得点を決めて、両チームのスタッツリーダー。前日わずか4点に終わったサビートは、前日のぶんを取り返すように躍動をみせた。
3Q、高島一貴とウィリアム・マクドナルド、満田丈太郎が2Pシュート。
マクドナルドは、5分44秒にアウトサイドから、5分にはインサイドから2Pシュートを沈めた。また残り41秒にも2Pシュートを沈めて、3Qだけで11得点を挙げた。マクドナルドも前日、わずか2得点と精彩を欠いていただけに、奮起の二桁得点だった。
7分18秒に満田が2Pシュート、5分44秒でマクドナルドがアウトサイドから2Pシュート、1分49秒で細谷がレイアップで2Pシュートを沈めたが、ビーコルはリバウンドに苦しんだ。その間、スサノオマジック佐藤に3Pシュートを含む8得点、スコットに10点を決められてしまう。
残り41秒でウィリアム・マクドナルドが2Pシュートを沈めたが、このクォーターではリードを許した。3Qは19-23。トータルで59-47、12点のリードで3Qを終えた。
4Q、9分18秒に川村卓也が2Pシュート。8分43秒にはジェフリー・パーマーが3Pシュート。8分13秒、サビートが2Pシュートを沈めた。
スサノオマジックは、2本の3Pシュートなどで追撃。5分25秒には新外国籍選手#30ジーノ・ポマーレの2Pシュートで10点差にまで迫られる。
しかし、4分57秒に佐藤公威からファウルを奪った川村がフリースロー2本を確実に沈めると、4分27秒にサビートが2Pシュート、3分55秒に満田丈太郎が3Pシュート。
さらには1分17秒にパーマーがレイアップで2Pシュート、残り22秒で満田が、気迫のオフェンスリバウンドから2Pシュートを沈めてダメを押した。
スサノオマジックは、残り3秒でスコットが2Pシュートを決めたが、ビーコルが前半で貯めた得点は大きく、ビハインドを詰めることが出来なかった。
ビーコルは、4Qを前日同様にエナジーを切らさない我慢のチームバスケで、必死にくらいついてくるスサノオマジックを寄せ付けず、40分間に渡ってリードを守った。
4Qは、21-21のドロー。ファイナルスコア80-68、12点差でビーコルがスサノオマジックを破り、今季初めてホームゲームで連勝を飾った。敗れたスサノオマジックは10連敗。
ウィリアム・マクドナルドが15得点(3Qだけで11得点)を挙げてチームのスタッツリーダー。
ハシーム・サビート・マンカは15得点。前日に13得点と12得点を挙げた細谷将司と満田丈太郎がこの日も二桁を挙げて11得点。ジェフリー・パーマーも、ファウルこそ3つでファウルトラブルになったが、前日同様に二桁得点となる10点を挙げ、7リバウンド、4アシストと存在感を示した。
前日21得点を挙げた川村卓也は9得点と伸びなかったが、沈めた1本の3Pシュート、2本の2Pシュート、確実に決めた2本のフリースローは、チームが流れを失いかけ、得点が欲しかった時間帯でもの。エースがここぞで沈めた得点で、チームの流れを繋ぎ止めた。9つのリバウンド、3つのアシストも光る貢献だった。
一方で、スサノオマジック#40ジョシュ・スコットに前日に24得点。このGAME2では25得点を奪われた。また#0佐藤公威にも前日10得点(3Pシュート2本)、GAME2で3Pシュート4本を含む24得点を奪われた。
試合後の会見で、尺野将太HCはこの試合をこう振り返っている。
「ひとまずホームで今季初めて連勝出来たことに、大きな意味があります。ウチも島根さんもお互いに負けられない試合で、両チームが気持ちの入ったゲームの中で、しっかりと2連勝することが出来ました」
「今日は、前半にいいプレーが出来て、後半に相手に流れがいくなかで、我慢しながらしっかりとプレーをして、最後まで切れることなく、闘い切れたことが良かったと思います」
ホームで連勝出来た一方で反省もある。
「ジョッシュ・スコット選手に得点を取らせないこと、2番目の脅威である佐藤公威選手へのディフェンスをしっかりとすることがテーマでしたが、やりたいディフェンスが出来たかといわれたら、そうでない。特にリバウンドです」
「準備してきたディフェンスなら、もう少し良いディフェンスが出来たと思います。ただ、相手がシュートを落としてくれたのと、スコット選手と公威選手以外の選手の得点が伸びていなかったのはチームディフェンスの成果とは思いますが、今日のディフェンスはまだまだ課題の多いディフェンスです。それを選手全員が分かっている。今日勝ったことで、満足している選手がいないのは良い点です」
ホームでの連勝は実に1年以上待たされたが、今季これからの大事な闘いに向けてチームは大きな自身を得たのは確かだ。
チームが、前節長岡でエース川村、マクドナルド、山田を欠いても闘えた自信は、この3度目の連勝で確実なものになった。前節GAME2で、4Qの失速から惜敗した反省は、今節までの1週間でしっかりと修正され、この連勝に繋がった。
ホームで今季初めて連勝を挙げた選手たちは、喜びのなかにも、一様に反省を口にした。この試合のMVPであるジブラルタ生命賞を受賞した細谷将司は、その受賞インタビューで「チームは確実に成長しているが、今日は全然納得のいくゲームではなかった。まだまだこれから良くなっていく。来週の試合に向けて、またハードに練習をやっていく」と語っていた。
勝って、今一度、兜の緒をしっかりと締める姿勢がチーム内に浸透している。ハードな練習をゲームデーまでに繰り返し、常に進化成長への手綱は緩めない。アドバイザーであるトーマス・ウィスマンのイズムも浸透してきたのだろう。それが闘えるチームとなった海賊たちの結果に表れている。
ビーコルはしばらくホームゲームがあくが、3月は横浜国際プールで、川崎戦と三河が含まれる7試合が組まれているだけに、このホーム連勝をきっかけとして、ホームでの勝ち星を増やしたい。尺野HCは連勝を伸ばすために、いまのチームに何が必要かを分かっている。
「連勝をしていくにはディフェンスだと思っています。もっと良いチームディフェンスが出来るようにしていきます。強豪チーム相手に闘えるビーコルを、今度は強豪チームに勝つ姿を、ホームの皆さんにみせたい」
豊橋までの1週間で、チームディフェンスにさらなる磨きを掛ける。
次節は、勝率のいいアウェイ戦。豊橋で、昨年11月以来となる三遠ネオフェニックスとの再戦だ。さらなる修正と磨きをかけて、成長続ける逆襲の海賊たちが、今季未だない3連勝の壁に挑む。
【写真・記事/おおかめともき】