選手とビーコルブースターが一丸となり2017年最後の試合を歓喜の激勝で締め括る!
横浜ビー・コルセアーズ 80-74 滋賀レイクスターズ(12月30日・ウカルちゃんアリーナ)
12-19|24-20|20-26|24-9
2017年最後の試合、これ以上にない最高の締めくくりだ。4Qにこれぞビーコルといえる大逆転で激勝し、初めて訪れた滋賀県ウカルちゃんアリーナで、滋賀レイクスターズとの接戦を2試合とも制して見事連勝した。連勝は前回アウェイ富山戦に続いて2度目。
比叡山と伊吹山が久しぶりに顔を見せた琵琶湖湖畔にあるウカルちゃんアリーナで行われた滋賀レイクスターズとのGAME2。年の瀬12月30日にもかかわらずアリーナは超満員。この日もビーコルブースターが横浜から大挙駆けつけ、海賊たちのベンチ裏に陣取り、強力なブーストであと押しした。
前日の敗戦で修正してきたレイクスターズに対し、ビーコルはオフェンスで苦しみ、思うように得点が出来なかった。
レイクスターズは、前日20点台の高得点を挙げたハシーム・サビート・マンカと川村卓也を徹底的にマーク。特に川村に対しては二人がかりのダブルチームでマークしてきた。それでも川村は渾身のタフショットを決めて、ここぞで得点した。
この試合の先制はレイクスターズだった。1Q約8分、#24高橋耕陽の2Pシュートなどでレイクスターズがリード。約7分でハシーム・サビート・マンカが、フリースロー2本を決めてビーコルが得点。
6分37秒、細谷将司が3Pライン手前から放った絶妙なアシストをサビートがアリウープダンクを沈めて、オフェンスの流れを掴んだかに思われたが、以降で得点が停滞。その間、レイクスに得点を許してしまいビハインド8点になってしまう。
サビートが3分55秒に2Pシュート、約2分でフリースロー2本を決めて追撃。1分17秒川村卓也がフローターシュート、さらには残り3秒でフリースロー2本を確実に沈めて1Qは12-19。ビハインドを7点にしてレイクスに食らいついた。
オンザコート2の2Q、インサイドを締めたレイクスのディフェンスは強固で、サビートを起点としたビーコルのオフェンスはシュートに苦しむ。特に前日24得点を挙げた川村へのディフェンスは執拗で、レイクスはダブルチームで海賊のエースを何としても阻止しようと徹底したディフェンスを仕掛けてくる。それでも川村はこれを交わしてタフショットを沈めてみせた。
6分と、5分23秒に細谷将司が連続の3Pシュート。さらにはジェフリー・パーマーとハシーム・サビート・マンカが2Pシュートを沈める。
ここから両チームは、激しいリバウンド争い、ターンオーバー争いを繰り返したが、得点が停滞する。しかしビーコルは、ジェフリー・パーマーと竹田 謙の2Pシュートなどで得点し、食らいついていく。
1分5秒で川村がフリースロー2本を決めると、残り32秒で3Pシュートも沈め1点差に詰め寄った。残り5秒にレイクスターズ#13菅原洋介に3Pシュートを決められたが、2Qは24-20でリードを奪い、トータルで36-39、ビハインドを3点差にまで詰めた。
3Q、8分52秒にパーマーのアシストから高島一貴がアウトサイドから2Pシュートを沈める。しかしこのクォーターでもビーコルはレイクスのディフェンスに苦しみ得点に苦しむ。それでもパーマーがタフショットで3点バスケットカウントを決めて追撃したが、一方でレイクスに得点を許してしまい、前半に3点差にまで詰めたビハインドは13点にまで膨らんでしまう。
3分2秒と2分20秒で田渡 凌が連続2Pシュートを沈めると、川村、パーマー、佐藤託矢が2Pシュートで続く。残り1秒で川村がアウトサイドから2Pシュートを沈めて、ビーコルはじわじわと点差を詰めて4Qでの反撃に繋げた。3Qを20-26とし、トータルで56-65。ビハインドは9点となった。
4Q、開始早々にベテラン竹田 謙が3Pシュートを沈める。7分47秒に田渡、7分9秒にサビートがそれぞれ2Pシュート。5分46秒に細谷将司が3Pシュート、5分18秒に高島一貴がアウトサイドから2Pシュートを沈めて、点差は次第に縮まっていく。
2分49秒、細谷のレイアップで遂に逆転。しかし直後に#40ディオール・フィッシャーに2Pシュートを決められレイクスが再逆転。ホームを満員にしたレイクスブースターの鳴り物を使わない声と足踏みでのブーストは勇猛でウカルちゃんアリーナを支配した。それでも、海賊たちの集中力とエナジーは最後まで途切れることはなかった。
1分52秒、ビーコルブースターの猛ブーストのあと押しを受けた田渡 凌が3Pシュートを沈めてビーコルが2点のリードを奪って再々逆転に成功。
田渡の逆転ショット直後の1分10秒、スーパーサビートとなったハシーム・サビート・マンカがレイクス高橋耕陽のシュートを鬼神のブロックショットではたき落として阻止。ビーコルベンチとベンチ裏のビーコルブースターの熱気と興奮は最高潮に達した。
1分1秒にフィッシャーが2Pシュートを決めたが、ビーコル怒濤のディフェンスと、パーマーの3点バスケットカウントでレイクスターズを寄せ付けずリードを守る。
リードは4点。残り12秒で田渡 凌がダメ押しともいえるレイアップを沈めリードは残り12秒で6点となった。
残り4秒、この日がレイクスターズでの最後の試合となっていた#50オマール・サムハンが3Pシュートを狙うが決まらず、80-74でビーコルの今季2度目の連勝が決まった。
ビーコルは、初めて訪れた滋賀でのアウェイ2試合を勝利し、2017年最後の2試合をこれ以上にない連勝という最高の形で締めくくった。アウェイながら、ビーコルベンチ裏を埋め尽くしたビーコルブースター。そのブーストとベンチの盛り上がりはホームのそれと同じ、いやそれ以上だったかもしれない。
尺野将太HCは勝利後の会見でこう振り返っている。
「今日の試合は、昨日長谷川選手が怪我したことだったり、サモハン選手が国内最後の試合ということもあったので、滋賀さんは絶対に気持ちが入って、高いエナジーを出して、試合に入ってくるなということが予想出来たので、ウチが昨日勝ったからといって、受けに回らないように、しっかりとチャレンジする気持ちで入ろうということを選手たちに話して試合に臨みました」
「やはり滋賀さんの今日勝ちたいという気持ちが、特にインサイドのアタックで表れていて、そこに苦戦してしまいました」
「昨日の試合のあとから、今日の試合にかけて、しっかり反省をして、どこでオフェンスがチャンス出来るのか、どこでディフェンスが崩される危険性があるのかということを、全員で共通認識を持って、最後まで試合を闘えました」
「4Qで点差(最大ビハインド14点)はありましたが、ウチの強みを活かしながら、落ち着いて、インサイドをアタックしたり、シューターが活きたり、相手の強いところをしっかりと消しながら、リバウンドを取り切ることが出来ました。本当にコートに立った全員が頭を使いながら、気持ちを切らさず闘った結果がこの勝利に繋がったと思います」
いまビーコルは、確実に進化している。そのことは今季4試合を対戦したショーン・デニスHCも認めた。レイクスの闘将にビーコルの率直な印象を聞いた。
「ウィスマンさんが加入されて、やはり何かしらの影響を見て取れました。ディフェンスがタフになっていますし、フィジカルにプレーしていましたし、タレントも揃っています。4Qで自信を持って、タフなシュートを決めて来たという印象もあります」
この中で、興味深いコメントをデニスHCは語っている。
「我々としては、スカウティングしていなかった選手にもシュートを決められてしまいました。その中で反対に我々のオフェンスの面では、サビート選手がディフェンスの中心でゴールを守ってましたので、簡単なシュートもポロポロと落とすようなことも見受けられました」
「横浜さんは、これからもっとシーズンを追って、どんどんいいチームになっていくんじゃないかと思います」
最後に、2017年最後の締めくくりとして、やはりこの人に話を聞かなければならない。GAME1で24得点、GAME2でチーム最多の17得点を挙げ、レイクスターズが最も恐れた海賊たちのエース#1川村卓也に話を聞いた。
「昨日、今日とチームとしてやろうとしていることを、途中ジェフ(パーマー)のテクニカルもありましたけど、そこで切れずに、チームみんなで、カバーするところをカバーして、最終的には相手よりも点数を奪えて勝てたので、それが何より良かったかなと思います」
川村は、富山での連勝から、この滋賀での連勝まで渾身のバスケでチームを牽引し続けた。チームをまとめ引っ張るのは、やはり川村しかいない。
「個人的にはムラがあるので、これを継続的にやることが必要だと思っているし、単発、単発で出来ても、それはよろしくない。2017年を締めくくるには、いい形でチームを引っ張れたかなと思います。これを新年、新しく迎えた後半戦で、継続的にシーズン終了まで続けることを心掛けてやっていきたいです」
川村に、このチームのエースであることの自負を強く感じた。そして川村はビーコルブースターへ新年へ強い意気込みを語ってくれた。
「2017年も、負け試合ばっかり観せてしまって、本当に不甲斐ない気持ちでいっぱいなんですけど、ようやく、やりたいことの形が出来はじめて、それが結果に結びつきはじめています。後半戦をまた新たにチームがまとまって、今度はホームでしっかり皆さんに勝ちを見せれるように、この正月の少しの休みを使ってリフレッシュして、もう一回、カムバックしたいなと思います」
川村の表情は自信に溢れていた。突き進むのみ、そういった強い決意を感じた。来る2018年も川村卓也はエースとして、このチームを牽引し続ける。ビーコルのエースの決意と強い表情を見て、さらなる大きな勇気が湧いた。
2017年を最高の形で締めくくったビーコル。いまチームは川村を中心に再び結束し、浮上そして逆襲へ大きな自信を得た。レイクスターズのデニスHCも認めたように進むべき方向は間違っていない。
チームは、束の間の休みを経て、猛練習で再調整し、さらなる進化を推し進める。新年2018年の闘いは、1月20日千葉ポートアリーナでの千葉ジェッツ戦から始まる。そしてホーム新年最初のゲームは1月27日の横浜国際プールでの名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦だ。
2018年、海賊たちはさらなるゾクゾクを魅せてくれるだろう。悲願である横浜アリーナでのチャンピオンシップ出場に向けて、海ゾクと家ゾクであるビーコルブースターと共に海賊一丸となって闘い、勝利というお宝をひとつでも多く掴む。2018年は逆襲の年になる。お楽しみはこれからだ!新年もゾクゾクしよう!ゴービーコー!!
【写真・記事/おおかめともき】