我慢のチームバスケで、4Qの流れ逃さず!
横浜ビー・コルセアーズ 83-70 島根スサノオマジック(2月10日・横浜国際プール)
20-21|18-12|19-24|26-13
ビーコルが、島根スサノオマジックとのGAME1で勝利し、昨年の11月12日横浜国際プールでの富山戦GAME2以来、実に9試合ぶりにホームゲームで勝利を飾った。
海賊たちは長岡での新潟戦同様にチームバスケを貫いた。40分間エナジーを途切れさすことなく、我慢のチームバスケを続け、4Qで相手を圧倒した。
序盤は追う展開だった。僅差のビハインドをキープしながら、2Qで一時は逆転する。
しかし、3Qでスサノオマジックの執拗なディフェンスに苦しみ、ミスからなかなか得点が出来ず、クロスゲームとなった。
3Q終了間際にスサノオマジックに追いつかれたが、海賊たちが掴んだ自信からだろうか。ミスをしても慌てることはなく、ディフェンスを軸に、我慢をしながら流れが来るのを待つ姿は、まさに獲物を狙う海賊の姿だった。
4Qでサビートがファウルトラブル。マクドナルドがファウルアウトになってしまうが、序盤で満田丈太郎がスサノオマジックのミスを突いた2Pシュートで逆転すると、川村卓也、ジェフリー・パーマー、田渡 凌らが勝負どころでしっかりとフリースローとシュートを沈めてゲームを支配。大事な4Qで13点のリードを挙げて、そのまま勝利した。
スターティング5には、前節長岡でGAME直前のコンディション不良で2試合とも出場出来なかったウィリアム・マクドナルドを起用。日本人勢には細谷将司、川村卓也、高島一貴、満田丈太郎を起用した。
1Q開始早々に、スサノオマジック#10波多野和也にインサイドを突かれて2Pシュートを許したが、すぐさま満田丈太郎が2Pシュートでやり返す。
高島とマクドナルドが2Pシュートを沈めるが、#40ジョシュ・スコット、波多野に2Pシュートを続けざまに決められる。
満田が今度は3Pシュートでまたやり返すが、波多野、#0佐藤公威、#18相馬卓弥にまた続けざまに内外角から2Pシュートを決められリードを許してしまう。ビーコルはリバウンドからの失点も目立った。
ハシーム・サビート・マンカと佐藤託矢の2Pシュート、満田丈太郎がこのクォーター2本目の3Pシュートで猛追し、僅差のビハインドはキープした。残り3秒で佐藤託矢が、細谷のアシストから3Pシュートを沈めて20-21。1点ビハインドで1Qを終えた。
オンザコート2の2Qで、ハシーム・サビート・マンカとジェフリー・パーマーがコートに立つ。
開始8分11秒と7分35秒で細谷将司が続けてレイアップで2Pシュートを沈め、田渡 凌も2Pシュートを沈めて続いた。
6分30秒には田渡 凌が2Pシュート。1分59秒で川村卓也が2Pシュートと3Pシュートを続けて沈め逆転に成功。さらには残り42秒で細谷将司が3Pシュートを沈めるが、直後に#7渡邊翔太に2Pシュートを沈められた。2Qは18-12。トータルスコアで38-33、5点のリードで前半を折り返した。
スサノオマジックのディフェンスは執拗だった。特に川村、サビートへのマークはかなり厳しく、そのためタフショットも多くなり、シュート失敗が目立った。思うように得点が出来なかったが、我慢のバスケを続けながら僅差のビハインドを維持しながら好機を待った。
3Qでも、細谷が躍動。開始9分31秒と8分36秒に続けて3Pシュートを沈める。6分35秒でサビートがダンク。4分44秒で佐藤が2Pシュートを沈めリードを広げるが、食らいついてくるスサノオマジックにインサイドから得点を許し、ファウルもかさんだ。
3分20秒、スコットにインサイドから2Pシュートを決められスサノオマジックに追いつかれる。パーマーが2Pシュートでやり返すが、直後にファウルを取られてしまい、スコットがフリースローを2本とも決めて再びスサノオマジックが同点。
直後に、佐藤託矢が3Pシュートを沈めて再逆転するが、スコットと波多野に2Pシュートを決められスサノオマジックに逆転を許す。
残り37秒で川村卓也が、フリースロー3本を確実に沈め逆転に成功するが、残り12秒に佐藤のファウルからスコットにフリースロー2本を決められ、両チーム譲らずの同点で3Qを終えた。3Qは19-24。トータルスコア57-57の同点。
4Q、スサノオマジックのディフェンスに隙が生まれる。9分27秒で満田丈太郎が相手のミスからターンオーバーを奪うと2Pシュートを沈めてビーコルが逆転。これで流れがきた。
8分57秒、スサノオマジックの新外国籍選手#30ジーノ・ポマーレからパーマーがファウルを奪う。パーマーがフリースロー2本を確実に決めると、8分34秒で満田丈太郎が2Pシュートを沈める。7分52秒、川村がここぞでの3Pシュートを沈めると、7分25秒に田渡がレイアップでの2Pシュートで続く。
6分23秒でサビートがファウル3つとなりファウルトラブルに。同じくファウルトラブルだったマクドナルドと交代するが、直後にマクドナルドがファウルを取られてしまいファウルアウト。
しかし、選手たちは慌てることなくチームバスケを遂行。4Q中盤、強固だったスサノオマジックディフェンスに隙がみられるようになると、ビーコルはそれを逃さず一気呵成に突いた。5分22秒に川村がアウトサイドから2Pシュートを沈めると、ジェフリー・パーマーが3点のバスケットカウント。
4分23秒に田渡がアウトサイドから2Pシュート。2分57秒でパーマーが3Pシュート。
さらには川村卓也が2分21秒と1分35秒に2Pシュートを沈め得点は遂に80点台に突入。相手の隙を突いた怒濤のオフェンスで、リードは残り1分半で16点となった。
ビーコルは、ゲームの主導権を完全に握った。スサノオマジックは1分20秒に佐藤公威が3Pシュートを決める意地をみせたが、残り1分で13点のリードを持つビーコルは慌てる必要もなく、そのまま逃げ切って勝利した。
ビーコルは、これでようやく二桁勝利。10勝25敗となり、中地区5位の新潟との差を縮め3.5ゲーム差とした。敗れたスサノオマジックは9連敗。
チームのスタッツリーダーは、川村卓也の21得点(3Pシュート2本)。細谷将司は3Pシュート3本を含む13得点を挙げた。満田丈太郎も躍動して3Pシュート2本を沈めて12得点。
また佐藤託矢が、3Pシュート2本を含む10得点。4アシストで大きく貢献。ファウルも2つと、コンパクトにまとまた。田渡 凌は8得点ながら、終盤でのここぞの得点が光った。
外国籍選手では、ジェフリー・パーマーが躍動し10得点。4ブロックショットもマープして勝利に貢献した。
サビートは3ブロックショットながら4得点。マクドナルドは2得点と共に精彩を欠いた。スサノオマジックのタフなディフェンスに手をやき、ファウルが多くなってしまった。
GAME2では、マクドナルドもサビートも黙ってはいない。しっかりと修正してくれれば、さらなる得点源を期待出来る。
前節でマクドナルド、川村、山田を欠きながら闘えた自信が、細谷、満田、田渡、佐藤ら日本人勢の得点を呼んだ。このことは大きい。
おとずれた勝負どころでしっかりと決めたフリースローとシュート。チームは4Qで相手が見せたわずかな隙を逃さず、手にした流れを逃さなかった。勝負どころでシュートをはずし惜敗した前節GAME2。その反省をチームはしっかりと修正していた。
尺野将太HCは試合後の会見でこの勝利をこう振り返っている。
「苦しい時間帯が続いたり、ファウルトラブルがあったりしましたが、そこで集中力を切らさなかった。4Qでペースアップ出来たこと、今まで課題であった部分が今日クリア出来たことが、今日の結果に繋がったと思います」
「日本人選手の得点が67点で、シュートもよく入りましたし、ビッグマンだけに頼らずに、いいシュートセレクションが作れるようになってきたことが、ここ最近80点以上取れているオフェンスに繋がりました。ただオンザコート1の1Q、3Qでやられているので、明日はこの部分をしっかりと修正して全てのクォーターで勝てるようにしたいと思います」
12得点を挙げた満田丈太郎も、試合後の会見に応じ、こう振り返り、GAME2への意気込みを語っている。
「ディフェンスで、自分たちがしっかりと止めていかないと相手がリズムに乗ってしまうので、徹底してディフェンスをやりました。2Qと3Qで、チームとして我慢をして、4Qで攻めることが出来ました」
「個人的には1Qでの最初のシュートが入って、シュートタッチが良かったので、川村さんから、そのままどんどん打っていけとアドバイスがあったので積極的に打っていきました。シューターである川村さんにそういって頂けるのは励みになりますし、ジェフリー・パーマー選手がスクリーンを掛けてくださるので、そこをしっかりと使って、いい環境で打たせてもらっています。練習でのイメージ通りに、ここ最近、いいイメージで打てています」
「やっとホームで勝てました。今日何が良かったのかを、自分たちで振り返って、明日は相手も変化してくると思うので、しっかりとアジャストしていきます」
「新潟戦で1勝して、その次のGAME2で入りが凄い悪かったので、そうならないために、明日のスタートは、自分の持ち味である走ったりであるとか、泥臭いプレーをみせていけたら、貢献出来ると思うので、しっかりと足を使って、ディフェンスからやっていきたいと思います」
GAME2ではスサノオマジックも修正して、連敗を止めるべく気持ちをさらに前面に押し出して向かってくるだろう。
島根スサノオマジックの鈴木裕紀HCは「島根からも沢山のブースターが来てくれている。明日は勝って島根に帰る」と語っていた。
9試合ぶりに味わったホームでの勝利の歓喜。今度はGAME2で勝つことが大事になってくる。GAME1でファウルに苦しみロースコアだったウィリアム・マクドナルドとハシーム・サビート・マンカの爆発が鍵を握る。慢心はない。ビーコルはこの勝利で出来たことをさらに昇華させ、チームバスケで今季初めてのホーム連勝を狙う。
【写真・記事/おおかめともき】