無念の琉球戦。厳しき闘い一丸で乗り越える。
横浜ビー・コルセアーズ 55-74 琉球ゴールデンキングス(12月3日・横浜国際プール)
15-27|8-14|17-16|15-17
琉球ゴールデンキングスとのGAME2、ビーコルのホームアリーナ横浜国際プールにはB1アリーナ最多入場者数記録、そしてチームの最多入場者数記録となる4,272人の観衆が訪れた。しかし、ビーコルは終盤で意地をみせながらも無情の連敗となってしまった。
この試合で古田悟HCは、前日スターティング5でなかった川村卓也、天皇杯で受けたアクシデントでBリーグの脳しんとうプログラムで出遅れていた細谷将司を起用してきた。その細谷が取り返すかのように躍動し、1Q早々で2本の3Pシュートを沈める。
琉球の佐々宜央HCは試合前から細谷を警戒していた。
「細谷選手も危険人物。昨日、ほとんど出なかったので、今日は試合前から『たぶん来るぞ』って言ってたんですけど、それでやられてしまったので反省です」
ビーコルは1Qで15点を取ったが、琉球にアウトサイドとミドルからのシュートを許し27失点。1Qを15−27、12点差で終える。
2Qで、ビーコルのディフェンスが機能し琉球の得点を抑えることが出来たが、オンザコート2ながら、奪った得点がわずかに8点と伸びない。琉球はヒルトン・アームストロングのアクシデントとハッサン・マーティンのファウルトラブルで195cm以上の選手がいないスモールラインナップになったが、3Pシュートを打たせない、川村卓也を乗らせない、ウィリアム・マクドナルドとハシーム・サビート・マンカにインサイドを打たせないことに的を絞り徹底したディフェンスを仕掛けて来た。2Qは8−14、トータルで23−41。ビハインド18点差で前半を終える。
3Q、残り1分2秒で粘ったセカンドチャンスで2Pシュートを沈め乗って来たサビートが連続して2Pシュートを沈め、流れがビーコルに傾きかける。3Qは17-16。3Qは、この2連戦で初めてビーコルが琉球からリードを奪ったクォーターになった。トータルで40−57、17点差。
何とか流れを確実なものにしたい4Q。琉球に得点を許し点差を詰めることが出来ず、差が開いていく。気が遠くなるかのような展開だったが、それでも海賊たちは必死に反撃し、4,000人を越える観衆に意地をみせた。ハシーム・サビート・マンカが2分12秒でダンクを決める。
さらにサビートは、残り29秒で満田丈太郎のスティールから、鬱憤を晴らすかのようなバックダンクを決めた。
終了間際残り2秒で川村卓也が怒りの3Pシュートを決めたが、無情のブザーが鳴り響いた。4Qは15−17、結果トータル55−74。19点差での連敗となった。これでビーコルは4連敗(天皇杯除く)。5位名古屋との差も3と開いてしまった。川村卓也の3Pシュートはこれで998となり、自身の記録1000回3Pシュート達成まであと3とし、記録達成は次節平塚にまで持ち越された。
試合後、古田悟HCはこの敗戦をこう総括している。
「1Qの入りが昨日と同じになってしまい、2Qと3Qは得点だけを見れば抑えているような形ではあるんですが、単純なディフェンスリバウンドを取れず、繋がれてセカンドチャンスとか、タフショットの部分ではいい所もあったんですけど、与えてはいけないポイントというのがありました」
「3Pも含め、シュート確率をもっと上げていかないといけないですし、ピックを含めて、特にインサイドのところは有利なはずだったんですけど、なかなかフィニッシュまでいかなかったり、決めないといけないシュートを落としてしまったりというのが昨日今日と多かったです」
「アウトサイドの部分でも昨日0本、今日3本で、フリーになるチャンスがなかったのかもしれないのですが、決め切らないといけないシュートが多々ありました。やはり70点、80点取らないと勝ちには繋がりませんから」
さらに古田HCは、アドバイザーに就任した前栃木ブレックスHCトーマス・ウィスマン氏と、巻き返しに向けて懸命に取り組んでいることを語っている。
「トムさんに来てもらって、いろいろと付け加えて、コンディショニングもハードな練習をよりやるようになっています。慣れるまで凄く大変だと思うんですけど、スタッフで話し合って決めた結論です。シーズンは来週で終わるわけではありません。厳しい時期かもしれないですけど、チーム全体として乗り越えられるように練習していきたいと思っています」
選手個々のスタッツは決して悪くはないハシーム・サビート・マンカが18得点14リバウンドでダブルダブル。細谷将司が2本の3Pシュート2本を含む10得点。ウィリアム・マクドナルドが10得点、川村卓也が3Pシュート1本を含む9得点を挙げている。
逆襲に向けた修正、立て直しは急務だ。練習ではトーマス・ウィスマン氏の新しい意見、アイデアが取り入られハードな練習が行われている。だが、与えられた練習時間は限られている。その中でやらなければならないメニュー、やりたいメニューは沢山あるが、出来る限り詰め込んで完成を急ぐ。
我慢の時期が続く。しかし、こういった時こそビーコルブースターの応援が必要だ。チームとブースターが一丸となり、この苦しく厳しい時期を乗り越えなければならない。
次節は、平塚でトーマス・ウィスマン氏が知り尽くす栃木ブレックスと対戦する。ウィスマン氏の加入でチームがどんな闘いをみせてくれるか期待しよう。
【記事・写真/おおかめともき】