ビーコル、松江でのレギュラーシーズン今季最終戦を激勝!残留プレーオフに弾み!


逆襲の海賊!駆けつけたビーコルブースター歓喜!サビート来日最多33得点!川村10得点を挙げて復調の兆し。

横浜ビー・コルセアーズ 77-66 島根スサノオマジック(5月6松江市総合体育館)
24-17|12-21|17-12|24-16

横浜ビー・コルセアーズは、アウェイ松江市総合体育館で島根スサノオマジックとGAME2を闘い、激戦を制したビーコルが11点差で勝利。レギュラーシーズン今季最終戦を激勝で飾り、遥々横浜などから駆けつけた大勢のビーコルブースターを勝利の歓喜で酔わせた。

島根が敗れ、西宮が三遠に勝利したために西宮の17位が確定。5月11日(金)と5月12日(土)に横浜文化体育館でおこなわれるB1残留プレーオフ1回戦のビーコルの対戦相手は西宮ストークスに決定した。

島根は18位が確定。また滋賀が富山を接戦の末に下して14位に浮上。B1残留が確定した。変わって15位に落ちた富山が、島根の残留プレーオフの対戦相手となった。

松江での島根GAME2を勝利した横浜ビー・コルセアーズ。駆けつけたビーコルブースターはレギュラーシーズン今季最終戦の勝利に歓喜した

 

まさに海賊のプライドを掛けた闘いだった。既にB1残留プレーオフに回ることが確定していたビーコルは、前日のGAME1で2試合連続の90点台の失点。99得点を島根に喫し、25点差で大敗していた屈辱をエナジーに変えGAME2にぶつけた。

ビーコルの勝利への気持ちと執念は島根を上回り、前日とは打って変わったチームバスケを40分間に渡って展開した。

特にハシーム・サビート・マンカが来日初の30得点台、来日最多となる怒濤の33得点を挙げて大爆発。激勝の起点となった。

来日初の30得点台、来日最多となる33得点を挙げたハシーム・サビート・マンカ

 

スターティング5は、川村、細谷、満田、佐藤、マクドナルド。前日の大敗も同じ布陣で挑んだ。

川村卓也は、前日で左足を痛めていたことから心配されていたが、試合前のシューティングでは、より集中した表情で3Pを中心に調整。試合では35分9秒に渡ってプレーした。

1Qの序盤は両チーム得点の奪い合いとなり均衡した展開となった。開始早々に前日に31得点を喫していたジョシュ・スコットにインサイドを突破されて2Pを決められたが、ビーコルはマクドナルドが1本を入れたフリースローから、好調続く満田丈太郎が2Pと3Pを沈める。

1Q 8分26秒ファストブレイクでのレイアップを決める満田丈太郎

 

5分57秒では川村卓也がアウトサイドから、上手いフェイントをみせて2Pを沈めてビーコルが再び同点に追いついた。

1Q 5分57秒にアウトサイドから2Pシュートを沈める川村卓也

 

5分から3分の時間帯でインサイドに切り込んだハシーム・サビート・マンカが連続してバスケットカウントを奪い(フリースロー成功は1本のみ)、3分33秒にはダンクを決めた。

1Q 4分29秒、2Pシュートを沈めるハシーム・サビート・マンカ。さらにはバスケットカウントを奪い、フリースローも決めて3点とした

1Q 3分33秒に豪快なダンクを沈めるハシーム・サビート・マンカ

 

2分50秒には竹田 謙が3Pを沈め、2分と1分の時間帯ではサビートがフリースローと執念のセカンドチャンスから2Pを沈めた。サビートは1Qで10得点を入れて快調な滑り出しとなった。

日本人選手も負けてはいない。1Q残り22秒で今度は満田丈太郎がバスケットカウントを奪い、フリースローも決めて3得点。満田は、1Qで8得点を挙げ、サビートと共にオフェンスの起点になった。

1分の時間帯で、オフェンスリバウンドを取りに行った高島一貴がサビートと接戦して倒れ、右足をコートに打ち付けた模様。満田と交代してベンチに下がり、以降のプレータイムはなかった。

1Qの1分の時間帯でオフェンスリバウンドを取りに行った高島がサビートと接戦して転倒。右足をコートに打ち付けた模様でベンチに下がった

 

ビーコルは、出だしのクォーターでバスケットカウント3つ。島根は前日同様にディフェンスを激しく仕掛けてきたが、7ファウルとファウルが多くなった。1Qでビーコルは24得点を挙げて、24-17。7点のリードを奪い主導権を握った。

サビートと満田の得点は2Qも続いた。9分21秒にサビートが粘りに粘ったセカンドチャンスでダンクを決めると、8分1秒に満田がセカンドチャンスで2Pを沈める。さらに満田は7分14秒にフリースロー2本を確実に入れた。

2Q 9分21秒にサビートが粘りに粘ったセカンドチャンスでダンクを沈める

2Q 8分1秒に2Pシュートを沈める満田丈太郎

 

ビーコルはオフェンスリバウンド、セカンドチャンスからのシュート、得点も多く、前日にはなかった執念の粘りをみせた。

6分31秒に田渡 凌がインサイドから2Pシュート。6分4秒にはサビートがインサイドから2Pを沈めた。開始早々のポマーレの2Pから、このサビートの得点までビーコルは島根の得点を抑えて10-0のランで5点のリードを奪う。

2Q 6分4秒、ターンオーバーから2Pシュートを沈めるハシーム・サビート・マンカ

 

しかし、ここから得点が停滞し、島根にシュートを許してしまう。3分45秒にウィリアム・マクドナルドがアウトサイドから2Pを沈めたあと、今度は島根が11-0のランでやり返し、ビーコルの得点を抑えた。島根はこの間、相馬卓弥と佐藤公威の3Pシュートで同点に追いつく。前半終了間際2秒でジョシュ・スコットにセカンドチャンスから2Pを決められ勝ち越しを許した。2Qは12-22で島根がリード。トータルスコア36-38で、ビーコルは2点のビハインドを追って後半に突入した。

戦況を見守るビーコルベンチ

 

3Q、出だしから両チームの得点が停滞。8分25秒に田渡 凌が奪ったスティールからレイアップを決めて同点。7分17秒には川村がインサイドから2P沈めて勝ち越しに成功。

3Q 7分17秒に2Pシュートを沈める川村卓也

 

しかし直後に相馬に3Pを決められて島根が逆転。ここからクロスゲームとなったが、5分24秒に川村がフリースロー2本を確実に決めてビーコルが勝ち越し。

3Q 5分24秒に勝ち越しのフリースローを沈める川村卓也

 

以降、後半に入ってもシュートタッチが維持されたサビートのインサイドからの2Pとダンクと高確率で決めたフリースローでリードを広げた。

島根は、ビーコルのディフェンスに苦しみシュートミスが目立った。また3Qでもファウルがかさみ8ファウル。ビーコルはアグレッシブなオフェンスを仕掛けて島根にファウルを誘発させ、得たフリースローを90%の高確率で9本決めた。3Qは17-12でビーコルがリード。トータルスコア53-50で3点のリードを奪う。

3Q 1分54秒にターンオーバーからダンクを沈めるハシーム・サビート・マンカ

 

4Q、9分45秒に田渡のアシストからサビートがアウトサイドから2P。9分14秒にはディフェンスリバウンドから田渡がドライブして2P。8分31秒には細谷将司が3Pを沈めた。

4Q 9分14秒にディフェンスリバウンドから2Pシュートを沈める田渡 凌

 

サビート怒濤の得点は最終クォーターでも留まることはなく、7分8秒にインサイドから2Pを沈めると、6分36秒にはこの日、自身3つめのバスケットカウントを奪いフリースローも決めて3点を決めた。

5分25秒にはマクドナルドのオフェンスリバウンドから渾身のダンクショットを押し込む。

5分25秒にセカンドチャンスから渾身のダンクショットを沈めたハシーム・サビート・マンカ

島根は、この日集中し冷静さを取り戻し維持し続けたサビートを止めることが出来なかった。サビートはさらに1分の時間帯に、マクドナルドの2Pに続いて、インサイドから2P。さらには1分17秒に自身のオフェンスリバウンドから2Pを沈めた。

4Q 1分17秒に自身のオフェンスリバウンドから2Pを沈めるハシーム・サビート・マンカ

 

15点のリードとなった1分11秒と残り54秒で岡本飛竜に内外から連続して2Pを入れられビーコルのリードは11点。

残り41秒で川村が得たフリースローを2本確実に決める。同20秒に岡本がアウトサイドから2Pを決めたが11点差。

残り41秒で得たフリースローを確実に2本とも沈めた川村卓也

 

細谷がボールをゆっくりと回してそのままタイムアップとなった。4Qは24-16でビーコルがリードを奪い返した。4Qでのビーコルのファウルはわずかにひとつだけ。一方の島根は最終クォーターでもファウルがかさみ8ファウルだった。ファイナルスコアは77-66。ビーコルが11点差を付けて島根を下した。

4Q残り20秒で島根#1岡本が2Pを入れたが11点差。ボールを取った細谷がゆっくりとボールを回してタイムアップ。ビーコルがレギュラーシーズンの今季最終戦を勝利で飾った

ビーコルの勝利後、松江市総合体育館の島根ブースターから「ゴー!ゴー!ビーコル!」のコールが客席全体から沸き起こり、ビーコルブースターも「ゴー!ゴー!マジック!」と返し、大きなエールの交換がおこなわれた。

試合後、アリーナ全体から「ゴー!ゴー!ビーコル」のコールが沸き起こり、ビーコルブースターは「ゴー!ゴー!マジック!」で返した。感動的な光景で両チームのレギュラーシーズン今季最終戦が締めくくられた。

ビーコルは前日、島根に58.9%のフィールドゴール成功率を許していたが、この日修正したディフェンスが機能し39.1%に抑えることに成功した。

またファウルを抑えたことも勝因だった。ビーコルの13ファウルに対し、島根は26ファウル。さらにビーコルは得たフリースローを72.7%の高確率で決めたことも大きかった。

これでビーコルは京都戦GAME2から続いた連敗を5で止め、レギュラーシーズン今季最終戦を勝利で飾り、5月11日から始まるB1残留プレーオフに弾みを付けた。

横浜などから遠い島根に駆けつけた大勢のビーコルブースターは、この激勝の歓喜に酔いしれた。

チームのスコアリーダーは、来日初の90得点台、来日最多となる33得点を挙げたハシーム・サビート・マンカ。サビートは11リバウンドでダブルダブル。4ブロックショットで島根のシュートを阻止した。

またサビートはファウルを3つに留め、ファウルトラブルを避けた。前日の試合で冷静さを失う場面もあったが、この日は冷静さを保ち、与えられた34分24秒のプレータイムを集中し続けた。サビートにとって、来日して以来のベストゲームとなった。

来日初の90得点台、来日最多となる33得点を挙げたハシーム・サビート・マンカ。さらにサビートは11リバウンドでダブルダブル。4ブロックショットも記録する大活躍を魅せた

 

2番手は、12得点と気をはいた満田丈太郎。ここ数戦で好調が維持出来ていることは残留プレーオフへの大きな武器となる。

日本人勢トップの12得点を挙げた好調続く満田丈太郎

 

不調と前日の左足が心配された川村卓也は10得点。3Pを外す場面もあったが、残留プレーオフに向けて徐々に調子を取り戻しつつある。

サビートと、満田、川村に試合後に話を聞いた。特に川村は気になる現在の調子について話してくれている。これらの内容は後日改めて公開する。

10得点を挙げた川村卓也。B1残留プレーオフに向けて徐々に調子を取り戻しつつある。

 

ウィリアム・マクドナルドは9得点だったが、4アシストが光った。

9得点4アシストをマークしたウィリアム・マクドナルド

 

勝利後、会見に応じた尺野将太HCはこう総括している。

※会見の時点では、B1残留プレーオフでの対戦相手はまだ確定していなかった。

「もう昨日からプレーオフだと思い、今日の試合はプレーオフ第2戦のつもりでしっかりとプレーしようとしました」

「シーズンここまで60試合を闘ってきて、最後の1週間で水曜ゲームが入り、水曜日の豊橋からそのまま島根に入った遠征で、選手たちは、コンディション的にきついゲームだったと思いますが、勝つことだけが求められるプレーオフでは言い訳が出来ません」

「選手たちは昨日の敗戦を乗り越えてくれました。特に後半が28-41と体力的にきついなかで、勝ちたい気持ちをオフェンスとディフェンス、両サイドでプレーしてくれたことが今日の結果に繋がった思いますし、選手たちの自信に繋がったと思います」

「来週が残留プレーオフの初戦ですが、プレーオフ第3戦のつもりで、今日出来たゲームを今度はホームでしっかりと継続していきます」

尺野HCは、このあと残留プレーオフに関しても話したが、その内容は後日改めて公開する。

勝利後に会見に応じた横浜ビー・コルセアーズ尺野将太HC

 

アウェイの地、松江で1勝1敗。今季の島根戦は3勝1敗と勝ち越した。ビーコルが残留プレーオフ1回戦で勝ち抜くと2回戦を闘うが、島根がアウェイで富山に勝利すると、2回戦で再び対戦する可能性もある。

ビーコルは、2017-18シーズンの60試合を18勝42敗、中地区で5位富山に6ゲーム差をつけらた6位。全体では15位に終わった。

5月11日金曜日からは、西宮とB1生き残りをかけた運命の残留プレーオフが始まる。直前の試合での勝利、良い試合内容、ホームでの開催とアドバンテージは多いが、過酷な雌雄決する闘いをビーコルは、家ゾク(かぞく)であるビーコルブースターと共に必ず乗り換えてみせる。

【記事・写真/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame