海賊連勝ならずの影で光る躍動を魅せた蒲谷正之と竹田 謙の躍動
横浜ビー・コルセアーズ59-71サンロッカーズ渋谷
前日のGAME1でアウェーながらビーコルブースターと共に勝利し7連敗を止めたビーコル。翌日のGAME2は台風接近の中で行われ、それにもかかわらずこの日も沢山のビーコルブースターが青山学院記念館に駆けつけ海賊たちを後押しした。しかし、連勝はならず、立て直しを図ってきたサンロッカーズにやり返されてしまった。1Qでいきなり失った10点が大きく響いた。
1Q 8分27秒、サンロッカーズ#7伊藤に2Pシュートを決められると、#0満原の連続3Pなどで10点を奪われてしまう。ディフェンスが虚を衝かれた格好になってしまった。サンロッカーズにアウトサイドを巧く攻められ3Pシュートを5本入れられたのは痛かった。
オフェンスもマークが前日以上に厳しくなりインサイドからのシュートが打てず苦しむ。しかし、途中5分から入った蒲谷正之を起点に反撃。1Qは14-21で終えた。
2Qも蒲谷正之が攻撃の起点となったが、パスミスが多く得点を思うように重ねられない。しかし終了間際にジェフリー・パーマーがアウトサイドから2Pシュートを2本沈めて、何とか離されないように必死に食らいついた。2Qは14-18。前半を11点ビハインドで終える。
前半で光ったのは8得点を挙げた蒲谷だ。今季の蒲谷は昨季怪我で出られなかったぶんを取り返すように躍動を魅せている。大ベテランミスター・ビーコルの活躍はうれしく、低迷するチームの希望だ。
後半、反撃に転じたいビーコルは、3Q 7分35秒に田渡 凌が2Pシュートでバスケットカウント。フリースローも決めた。さらには、3分3秒で竹田 謙が3Pシュート、パーマーの2Pシュート。しかし、このクォーターも失点が多くなってしまい3Qは22-14。ビハインドは19点にまで膨らんでしまう。このクォーターで光る活躍をみせた竹田は母校である青山大学のコートで大きく躍動した。
4Q、サンロッカーズの得点を10点にまで抑えたが、残り2分10秒に川村卓也が3Pシュートを沈めるまで、フリースローの得点はあったもののシュートが決まらなかった。終了間際で田渡が2Pシュート、細谷将司が3Pシュートを沈めたが、時すでに遅しだった。結果59-71の大差での敗戦となった。なお、この4Qではビーコルが17−10でリードした。
古田HCは、この敗戦をこう総括する。
「やはり、入りの部分で10-0からスタートしたのが響きました。相手の強い気持ちも分かっていたことなんですけど、単純に走られてしまってフリーの状況にしてしまいました。インサイドを抑えることは続けていたんですけど、特にシューターに走られて、トランジションの部分でかなり後手を踏んでしまいました」
「最後に粘りを見せたんですど、やはり入りの部分で大きな点差になってしまうのは、追いかけるだけで凄く大変で、難しくなってきます」
「今日失点は71点だったんですけど、70点以下に抑えないとウチはなかなか厳しいと思っているので、ディフェンスは、昨日含めて今日が最低限だと思ってやっていきたいと思います」
得点は、59点に留まってしまった。この日のビーコルは、パスミスも多くなり、特に走れなかったことが響いた。そして、フリースローを100%決めきれなかったこともオフェンスの流れを断ち切る要因になってしまった。前日では少なかったゾーンディフェンスだが、この日は失点が多くなったことから使う場面があったが、古田HCは少し後悔があったそうだ。
「ゾーンも途中で入れたんですけど、相手のシュートが入り始めてからだったので、少しゾーンを入れるタイミングが遅かったのかなと思っています」
コートで実際にプレーした田渡 凌はこう振り返った。
「僕たちのエナジーが、相手より劣っていて、あの展開になってしまったんですけど、1試合通じて、そういう時間帯というのは絶対あるので、焦りとかはなかったし、あれぐらいの点差なら全然追いつけると思ってやっていたんですが…」
2戦をビーコルと闘ったサンロッカーズの勝久ジェフリーHCは、ビーコルの印象をこう語った。
「横浜はゾーンディフェンスで来るイメージがありました。昨日はゾーンが少なかったと思いますが、もっと、まるまる1クォーターやってくると思っていました」
初めて対戦した221cmの長身ハシーム・サビート・マンカはやはり脅威だったそうだ。
「サビート選手のような、ショットブロッカーがいるだけで、ブロックが来るのか、来ないのか。そういう駆け引きをする選手と当たったのが初めてだったので、選手たちがアジャストするのに少し時間が掛かりました。オープンなシュートだけれども、ブロックされると思って打たなかったり、普段もっと気持ちよく打つのを、迷ったりとかというのは実際にありました」
1勝1敗だった今節の闘い、ビーコルはまだまだ苦しくタフな闘いが続く。しかし、田渡は前を向き、ただひたすらに勝利を渇望し、死力を尽くして突き進む。
「厳しいからこそ、やり甲斐があるし、考えるし、悔しいし、イライラする。でも、そのぶん勝ったときというのは、昨日もみんな凄い喜んでくれたけど、うれしいし、生き甲斐もあるし、やり甲斐もあるんです。勝つために僕はビーコルに来ているので、どうやったら勝てるかということを考えて、バスケをやっていかなきゃなと思っています」
前日に7連敗を止めた勝利、進化し機能しはじめているサビート、そしてこの日の敗戦で改めて浮き出た課題と修正点も含めて、この渋谷の闘いでは収穫を得られた。これを今後の闘いでどう活かしていくか。やるべきことはわかっている。ゆくてを阻む荒波はまだまだ激しいが、これをビーコルブースターと共に乗り越え、GAME1であった以上の歓喜を味わおう。次節は、田渡 凌と田渡修人が兄弟で初めてぶつかるホームでの三遠ネオフェニックス戦だ。
【写真・記事/おおかめともき】