ビーコル、今季最初の神奈川ダービーで1点差惜敗


ビハインド展開からじわじわと追い上げ4Qで1点差の接戦に持ち込むもあと1歩届かず。

2020-21シーズン第12節(12月9日 川崎市とどろきアリーナ)
川崎ブレイブサンダース 78-77 横浜ビー・コルセアーズ
22-15|23-21|18-19|15-22

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 12.09 [WED] 川崎ブレイブサンダース vs 横浜ビー・コルセアーズ】
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横浜ビー・コルセアーズは12月9日、今季最初の神奈川ダービーで川崎ブレイブサンダースとアウェーで対戦した。追う展開となったビーコルは後半でじわじわと追い上げ、4Qで1点差にまで迫ったが、あと1歩届かず惜敗。3連勝と昨季から続く川崎戦連勝を逃した。

この試合で復帰を果たした横浜ビー・コルセアーズ#10アキ・チェンバース。チーム2番手となる17得点を挙げる活躍を見せた【写真提供©B.LEAGUE】


カイル・ミリングHCはこの試合でアウダと竹田を先発起用。アウダ、カーター、森川、竹田、生原の布陣を敷いた。

1Q、カーターの2Pシュートでビーコルが先制。以降アウダが3本のシュートを決めてリードを伸ばし、主導権を握った。しかし、中盤で同点にされてからはファジーカスに連続得点を決められるなどして川崎に流れがいき、ビーコルは追う展開になった。ビーコルは中盤あたりから得点が停滞し、徐々に点差が開いた。3分、流れを取り戻すべくカイルHCはアキ・チェンバースを投入。これが復帰戦となったチェンバースは連続して2Pシュートを決めて追撃。最初のクォーターは15-22。ビハインド7点で1Qを終えた。

2Q、追い掛けるビーコルは立ち上がりでチェンバースとベクトンが内外にシュートを決めて5点を返す。以降で失点した一方でカーターと生原がシュートを決めて反撃。残り3分と2分で森川が3Pシュートを決めて流れを引き寄せるとアウダのレイアップで同点に追いついた。しかし、ファジーカスに連続得点を決められ、再び追う展開になった。ビーコルはこのクォーターで21得点を入れて反撃。9点差で前半を終えた。

横浜ビー・コルセアーズ#9森川正明。二桁11得点を挙げ、要所で流れを作った【写真提供©B.LEAGUE】


3Qの立ち上がりでカーターと森川が内外でシュートを決めて追撃。以降でビーコルは10点台のビハインドを維持。ディフェンスでは川崎の得点を10点台に抑えた。残り1分を切ってカーターが3Pシュートを決めてビハインドをひと桁8点にして最後のクォーターを迎えた。

4Qの序盤でビーコルは二桁差にされたが、じわじわと追い上げを見せ、チェンバースの連続3Pシュートで、その差を4点に縮めると残り3分には森川の3Pシュートで1点差にまで詰め寄った。辻に2Pシュートを決められたがカーターが3Pシュートで返して再び1点差にした。残り1分で3Pシュートと2Pシュートを許して6点差になり、流れが川崎にいくかと思われたが、カーターが2Pシュートと3Pシュートを続けて3度目の1点差に持ち込み、残り1分を切ったところで流れを引き寄せた。終盤のオフェンスでターンオーバーを許したが、執念のディフェンスでトラベリングを誘発。これでポゼッションを得たビーコルはタイムアウトを掛けてボールをカーターに託した。カーターはアウトサイドから2Pシュートを打って逆転を狙ったが外れ、1点差での惜敗となった。

ビーコルの二桁得点は4人。ロバート・カーターが両チームを通じて最多となる28得点(3Pシュート5/9本)。カーターは前節に続く20点台の得点になった。復帰戦となったアキ・チェンバースはチーム2番手の17得点(3Pシュート3/4本)。パトリック・アウダが13得点。森川正明が11得点(3Pシュート3/7本)を挙げた。

横浜ビー・コルセアーズ#10ロバート・カーター。両チームを通じて最多となる28得点を挙げた【写真提供©B.LEAGUE】

 
【カイル・ミリングHC試合後コメント】

「とても惜しい試合になった。前半では全くファールを使えず、ハーフタイムで『タフにプレー出来ていなかったね』と選手たちに話したし、『ディフェンスの面でもっとフィジカルに出来るはず』とも伝えた。オフェンス面では良い形でシュートを打てていたので『自信を持ってシュートを打ち続けて欲しい』と伝えていた。後半は自分たちの持ち味であるディフェンスが、前半に比べてフィジカルにタフにプレー出来た点は良かった。最後のシュートは惜しくも外れたが、40分間ハードに闘ったので、とても良い試合が出来たと思っている」

横浜ビー・コルセアーズ#1パトリック・アウダ。久々に先発で出場して13得点を挙げた【写真提供©B.LEAGUE】


◇ ◇ ◇

実に惜しい試合だった。終盤で1点差にまで肉薄し、最後の最後でロバート・カーターの2Pシュートが弾かれた時には言いようのない悔しさがこみ上げた。ビーコルは前節連勝の勢いそのままに1Qの立ち上がりから主導権を握った。しかし、川崎に試合巧者ぶりを見せつけられる形でリードを奪われると追う展開になった。ここで活きたのが前節で得た”自信”だろう。指揮官は試合前に「自信を持って闘うことが必要」と言っていた。その通りだった。

ビーコルは慌てることなく修正をして、虎視眈々と追い上げ、後半で強度を上げたディフェンスで川崎の得点を10点台に抑えてオフェンスの流れを作り、勝負所の4Qで1点差の接戦にまで持ち込んだ。

残り8秒のオフェンスでターンオーバーを許した時、ハングリーさをむき出しにしたビーコルは、森川正明が見せた必死のディフェンスでトラベリングを誘発して最後のチャンスをもぎ取った。

あの時、誰もが1月の川崎戦で味わった歓喜の大逆転劇を思い起こしただろう。1シーズン越しの川崎戦初の連勝は目前だった。だが、勝負をかけた2Pシュートは外れ、昨季の再現はならなかった。

3連勝と川崎戦連勝というお宝を逃しはしたが、この惜敗でお宝と同じくらい価値あるものをビーコルは得たはずだ。敵地での対戦で、日本代表選手を多く擁する川崎を相手に最大12点のビハインドからカムバックして善戦を演じ切ったことは、前節の連勝で得た自信をさらに大きくさせた。そして、チームは自信に加えて”悔しさ”も得た。積み重ねる自信に加わった悔しさがここからのビーコルを強くさせていく。

チームはカイル・ミリングの指導のもとで着実に進化している。次節はまた中2日ゲームだが、ようやくホームに戻る。次は信州との2連戦だ。

【記事/おおかめともき・写真提供/©B.LEAGUE】


Written by geki_ookame