敗戦も開幕へ収穫。4Qで相手を8点に抑えるDFから22点を入れるスーパーアグレッシブなバスケを展開。
プレシーズンゲーム(9月12日 小田原アリーナ)※8分4Qの特別ルール
横浜ビー・コルセアーズ 57-64 茨城ロボッツ
14-17|13-20|8-19|22-8
横浜ビー・コルセアーズは小田原トレーニングキャンプ最終日の9月12日にキャンプ地小田原アリーナに茨城ロボッツを迎えてプレシーズンゲームをおこなった。試合は8分4Qでの特別ルールでおこなわれ、57−64で茨城が勝利した。ビーコルはカイル・ミリングHCが新型コロナウイルスの影響で合流出来ていないため、山田謙治AGM兼ACが代行で指揮を執った。
ビーコルは、立ち上がりから効果的に3Pシュートを決めてくる茨城にリードを許した。1Qでアキ・チェンバースが連続得点を決めるなどして反撃したが、その流れを維持出来ず、27−37のスコアで10点ビハインドで前半を終えた。
後半3Qでは、インサイドに入らせないディフェンスを徹底した茨城に苦戦し、思うようなオフェンスが出来ずこのクォーターは8得点止まり。点差も21点と大差になってしまった。
しかし、4Qでビーコルは目指すバスケットボールを展開。カイルHCいわく”スーパーアグレッシブ”なディフェンスで茨城を8得点に抑えると、ここからオフェンスの流れを生んで、ファストブレイクから得点を量産。22得点を入れる猛攻で差をひと桁7点にまで詰めた。結果的に敗戦にはなったが、ビーコルは課題と収穫の両方を得た試合になった。
ビーコルは、アキ・チェンバースが22得点を入れてチーム最多。帰化選手エドワード・モリスが19得点を挙げている。
【山田謙治AGM兼AC(HC代行)試合後コメント】
「今日は、小田原トレーニングキャンプを通して練習してきたことがなかなか上手く出来ませんでした。相手はインサイドを中心に攻めてくるチームではなかったため、自分たちが練習してきたことを発揮することが難しかったです。しかしながら、前回の平塚トレーニングキャンプからも強調しておこなってきているプレッシャーを強めた激しいディフェンスという点ではひとつの成果が出ていました。カイルHCの求めるものがフルコートでの激しいディフェンスなので、その点はタイトなスケジュールの中で、選手たちは一生懸命やってくれたと感じています」
「(この試合で悪かったこと)オフェンスでのスペーシングです。茨城さんが中をパックするディフェンスを徹底していたので、パックされたまま自分たちのオフェンスがズルズルといってしまいました。まずはしっかりとスクリーンを使うことをハーフタイムに話しました。こういったことには、まだまだな部分があります。あとは本来のポジションではない起用もあったので、どうしてもズレが出来てしまいました。そこをもう一回修正出来ればと思います」
「(良かったこと)ディフェンスの強度です。とてもアグレッシブなディフェンスが出来たと思います。カイルHCは“スーパーアグレッシブ”と言うんですけど、それを凄く強調してやってくれました。ファウルになってしまったプレーもありましたけど、それでも強度を高く持ってやってくれていたと思います。ディフェンスでは前回(アースフレンズ東京Zとの練習試合)から継続して良く出来ていると思います」
【森井健太 試合後コメント】
「トレーニングキャンプ最終日ということで、これまでチームとして取り組んできたことがどこまで出来るのかということを試す場だったんですけど、準備してきたことが出せない時間帯の方が多かったです。チームがスタートしてから新しいことをどんどんやってきた中で、チームとしての完成度だったり、相手に対しての対応力がまだまだ低いなという実感があります」
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ビーコルは新型コロナウイルスの影響で合流が遅れているレジナルド・ベクトン、パトリック・アウダの外国籍選手、また生原秀将が怪我の影響で出場出来ず、マーク・トラソリー二を擁する茨城に対して苦戦した。またビーコルは連携プレーを確認しながらのプレーになってしまっために、出場した選手たちが持ち味を発揮出来なかった。それでも4Qで見せた相手を8点に抑える”スーパーアグレッシブ”なディフェンスからオフェンスの流れを生み、22得点を入れたことは大きな収穫であり、自信になる。
得点の要ベクトンもこの日、来日した。ディフェンスのチームにより進化した新チームに、ベクトンとアウダが加わり、開幕には生原も戻ってくるだろう。新指揮官カイル・ミリングHCは未だ不在だが、ネットを使った山田AGM兼ACらコーチ陣とのやり取りは入念におこなわれており、コミュニケーションの部分で心配はない。楽しみな開幕まで1ヶ月を切った。チームは引き続いて、熟成を進めていく。
【記事/おおかめともき・写真提供/©B-CORSAIRS/T.Osawa】