連日の接戦を落とし開幕4連敗。川村獅子奮迅の23得点、エゲケゼダブルダブルも実らず。
2018-19シーズン第2節・GAME2(10月13日 ハンナリーズアリーナ)
京都ハンナリーズ 87-81 横浜ビー・コルセアーズ
19-18|25-20|17-22|26-21
横浜ビー・コルセアーズは、10月13日アウェーハンナリーズアリーナで京都ハンナリーズと第2節GAME2を闘い、前日に続く善戦を見せながらも6点差で接戦を落とした。これで開幕から4連敗となったウィスマンビーコルは、3日後におこなわれる次節横浜文化体育館でのホーム開幕戦で今季初勝利を目指す。
敗戦のブザーが鳴ったとき、川村はその場でがっくりと肩を落とした。ビーコルは、京都で開幕節を払拭する連日の善戦を見せたが勝利にまでは至らず無念の連敗を喫した。これで開幕から4連敗となり、ウィスマンビーコルは苦しいスタートとなった。しかし、焦りは禁物だ。ここまでの過程を信じて、さらなる進化成長を目指す。
ウィスマンHCは、GAME2でスターティング5を変更してきた。前日に流れを変える活躍を見せた田渡 凌とダブルダブルをマークした帰化選手エドワード・モリスを先発で起用。さらにガルシア、エゲケゼ、モリスの実質オンザコート3を1Qからぶつける超攻撃的布陣で挑んだ。新加入のジャボン・マックレアはこの日もベンチ入り登録を外れ、特別指定選手の中村太地は前日に引き続いて欠場した。
1Q、ガルシアの2Pシュートで先制すると、富山ディヴィッド・サイモンがすぐさま2Pシュートを入れてハンナリーズが同点にするとここから両チーム共に点の奪い合いとなった。ガルシアが3点バスケットカウントを決めれば、サイモンが3点バスケットカウント。エゲケゼが3Pシュートを沈めれば、マブンカが3Pシュートを決めてクロスゲームの展開になった。1Qは18-19で、1点のビハインドになったが、ビーコルは前日のGAME1で機能したゾーンディフェンスを敷いて前日の流れを維持。リバウンドも取れて互角の接戦に持ち込んだ。
2Qの立ち上がりで、岡田優介に3Pシュートを決められたが、細谷のミドルシュートとガルシアのダンクで得点。先発を外れた細谷が奮起の躍動を見せる。しかし内海慎吾の3Pシュート、綿貫 瞬の外からの2Pシュートなどで失点。ハンナリーズは前日に苦戦したゾーンディフェンスに対応してきた。
ビーコルは、高島と田渡の2Pシュートで応戦するが、サイモンに2Pシュートとダンクで続けざまに得点を許す。ここから、川村、岡田、エゲケゼが3Pシュートを打ち合いそれぞれ得点したが、サイモンに2Pシュートを許しハンナリーズが逃げる。
オフィシャルタイムアウト後にウィスマンHCは続けてタイムアウトを取り、長いタイムアウトに。ガルシア、エゲケゼ、モリスの実質オンザコート3を再び投入し、ガルシアが川村のアシストからダンクを決めた。
しかし、伊藤、内海に内外から得点を許し、ディフェンスをマンツーマンに変更。2分の時間帯にはここまでビーコルのスコアリーダーのガルシアが3つ目のファウルでファウルトラブルに陥ってしまう。
ビーコルは1分の時間帯に川村が3Pシュート、エゲケゼがダンク、田渡がミドルシュート沈めて追撃。2Qは20-25でハンナリーズがリードもここまで互角のスタッツ。トータルスコアは38-44となり、ビハインド6点を背負って前半を終えた。
3Q、ウィスマンHCはファウルトラブルのガルシアを後半戦の頭から投入して、ここも実質オンザコート3にした。ガルシアに対し、ハンナリーズはダブルチームで厳しいディフェンスを仕掛けたが、6分の時間帯にガルシアがファウルを奪い、フリースロー2本を決めた。
6分3秒と5分35秒には川村が3Pシュート、田渡がミドルシュートを沈めて1点差に詰め寄るが、サイモンに2Pシュート、マブンカに3Pシュートを許してしまいハンナリーズを逃してしまう。
4分の時間帯で、ガルシアがタフショットで2Pシュートを沈め、2点差にした直後、ガルシアがこの日4つ目となるファウルを取られ、さらにはテクニカルファウルも取られたことから、無念のファウルアウトとなった。
ビーコルは、ここまでチーム最多得点のガルシアを欠くことになったが、3分35秒に細谷が3Pシュートを執念で沈めて同点。さらにビーコルはオフェンスリバウンドで粘った末にモリスが2Pシュートを沈めて勝ち越しに成功。直後のディフェンスも踏ん張った。
1分の時間帯でサイモンに2Pシュートを入れられ再び同点を許したが、残り35秒でファウルを奪ったエゲケゼがフリースロー1本を入れてビーコルが再び1点を勝ち越し。これで波に乗るかと思われたのも束の間、残り9秒でサイモンにダンクを沈められ逆転を許してしまった。3Qは22-17でビーコルがリード。トータルスコアは60-61でビハインドを僅差の1点にまで縮めた。
4Q開始早々にマブンカに2Pシュートを許すと、エゲケゼが2Pシュートを沈めて応戦。しかし、綿貫の3Pシュートなどで得点を許しビハインドが徐々に開いていく。ビーコルはハンナリーズディフェンスに苦戦し得点が停滞。7分25秒に田渡が2Pシュート。6分15秒には橋本尚明がディフェンスリバウンドからレイアップを決めた。橋本はこれが今季初得点となった。
ビーコルは、4分の時間帯にエゲケゼがレイアップ。4分25秒には川村が4点バスケットカウントを決めて4点差。さらに川村は3分58秒に執念のタフショットで3Pシュートを沈めて1点差にまで肉薄。ガルシアを欠く中でビーコルのエースが奮闘し、これぞ川村卓也の真骨頂を見せた。
しかし、ここからゾーンディフェンスが突破されてしまいインサイドでの失点がかさむ。それでも1分58秒に田渡がフリーになったスペースに飛び込んでレイアップを入れて再び1点差としたが、直後にサイモンにダンクを決められ3点差。川村が3Pシュートを狙ったが外れてしまい、サイモンにまたシュートを許したところで、ウィスマンHCはたまらずタイムアウト。
タイムアウト明け直後、スペースに切り込んだ川村のレイアップで3点差。しかし、残り19秒で痛恨のプレーが起こる。エゲケゼがファウルを取られ、マブンカが1本目のフリースローを決めて4点差。2本目は外したが、そのリバウンドをハンナリーズに奪われ、さらにはファウルも取られて岡田にフリースロー2本を与えてしまう。残り8秒、川村はその場で落胆。岡田は2本とも決めて6点差。残り3秒、田渡が3Pシュートを狙う執念を見せたが、ボールは無情にも弾かれタイムアップとなった。4Qは21-26。ファイナルスコアは81-87となり6点差での敗戦となった。ビーコルは2試合続けての悔しい惜敗。開幕から4連敗となった。
無念の川村は、最後まで猛ブーストで支えてくれたビーコルブースターに拍手を送りコートを後にした。
ビーコルのスコアリーダーは、川村卓也の23得点(5リバウンド8アシスト)。アマンゼ・エゲケゼが17得点10リバウンドのダブルダブルで続いた。
チャールズ・ガルシア(4リバウンド4アシスト)は15得点。先発した田渡 凌は12得点(4アシスト)を挙げた。
これで3連勝となったハンナリーズは、前日に苦しめられたビーコルのゾーンディフェンスを攻略。ビーコルは、リバウンドで成果を見せた一方で、ディフェンス、特にマンツーマンディフェンスでの課題を残した。京都ではこの課題をゾーンディフェンスを駆使してしのいだが、ゾーンの泣き所ともいえる外のスペースを突かれた3Pシュートでの失点も多かった。オフェンスでは接戦に持ち込めただけに、ディフェンスの進化が待たれる。
次節はわずか中3日で、開幕節でやられたグラウジーズとホーム開幕戦で再戦する。悔しさの中で、進化も感じられた今節の京都。現時点でこのチームが持つポジティブな部分をウィスマンHCがどのように引き出し闘っていくか。準備期間が短い中で、ウィスマンビーコルの今季初勝利は渇望されている。横浜文化体育館でおこなわれるホーム開幕戦で、今度こその初勝利を目指す。
【記事/おおかめともき・写真提供/©B.LEAGUE】