「佐藤(310)」さんの日に躍動した佐藤託矢に聞く。

やるしかない!代えがいない唯一無二の和製ビッグマンとしての想いと決意。

3月10日、ホーム横浜国際プールでおこなわれた新潟戦GAME1は、「佐藤(310)」さんの日だった。その試合後にこのイベントの主役、ビーコルが誇る和製ビッグマン#15佐藤託矢に話を聞いた。

横浜ビー・コルセアーズ#15佐藤託矢

 

ビーコルも盛り上げに盛り上げたこのイベント、当の本人はどう思っていただろうか。この質問をすると佐藤は、はにかんだ笑顔を見せた。

「(笑)特に何ともなんですが、頑張らないといけないというのはありました。照れくさいですが、皆さんに喜んでもらえるならうれしいですね」

ビーコルは、佐藤の弾ける笑顔がデザインされた限定缶バッジを佐藤姓の来場者にプレゼントし、好評を博した。(希望者には限定販売もおこなった)

「在庫が残るのが嫌やなと思ってたんですけど、全部ハケたみたいでよかったです(笑)」

3月10日に佐藤さんの日として模様されたイベント【写真提供:©横浜ビー・コルセアーズ】

3月10日佐藤の日に流れを生むバスケットカウントと3Pシュートで奮闘した佐藤託矢

 

佐藤は京都ハンナリーズでキャプテンをつとめ、今季から戦力補強の目玉のひとつとして横浜ビー・コルセアーズに移籍した。横浜の街の印象はどうだろうか。

「物価は京都と比べたら高いですが、とても住みやすくて気に入っています」

ビーコルブースターのことはどう感じているのだろう。

「やっぱり、温かいですよね。こんな負け方をしていても、また頑張ってって励ましてくれる。普通なら罵倒されてもおかしくないですから。ビーコルブースターの皆さんの応援にはいつも救われます。でも、それに甘えてはいけないんです」

残り試合18試合となり、ビーコルに来て半年が過ぎた。ここまでビーコルで闘ってきた印象を聞くと佐藤は厳しい表情を浮かべた。

「思った以上に苦しいですね。ヘッドコーチが代わったり、外国籍選手が代わったり、いろいろと苦しいことが多くあり、みんなもそうだと思うけど、思ったようにいっていない。選手側で気をつけていても防げないチームの事情もあるんですが、それでも選手はやっていかないといけない。今はそれが上手くいっていない。全然です」

これは決して落胆ではなく佐藤が感じたままの率直な今のチーム状況だ。チームはいま低迷し、苦しんでいる。移籍してきた佐藤だからこそ見えてくるチームの悪い面もあるだろう。

「今シーズンの2/3が終わってしまったけど、まだ噛み合っていない。何か大きな改革というか、今までと一緒のことをやっていてもいけないと思う」

「ミーティングでは選手も凄くポジティブな発言をしていたので、良くなっていくかなと思っていたんですが、今日のような負け方をするとまた落ちてしまう。でも、まだ試合は続いていくので、引き続きやっていく」

「これまで以上の努力が必要になってきます。これを本当に選手全員が出来るのであれば、チームとしてもう一皮むけて強くなると思うし、出来ないのであれば、このままで終わってしまう。そうならないために、また一致団結してやるしかないです」

昨季のハンナリーズ戦で観た佐藤のパフォーマンスに大きなインパクトを受けたのを思い出す。あのビッグマンが海賊入りすると聞いたとき胸が高鳴った。しかし移籍した今シーズン当初、佐藤はそのパフォーマンスをなかなか発揮出来ないでいた。怪我があったのだろうか。

「もともと足首の怪我を持ってはいるんですが、きちんとコンディション作りをしていないとダメージが凄く来ます。毎年試合をやっていくうちにどんどん良くなっていくんですが、今季は年末ぐらいからハムストリングの痛みが出て来たのもあって、練習も上手く調整してやっています」

和製ビッグマンのふれこみでビーコル入りした佐藤。体を張ったディフェンスでこれまで何度もチームを助けた。悩ましいのは日本人のビッグマンが佐藤ひとりということだ。

「どうしてもビッグマンが僕ひとりしかいないので、試合に出ないといけない。かなり痛みがあったときに1週間だけ休ませてもらったことがあるんですけど、そういう意味でも今季は苦しいというか(チームにビッグマンの)代えがいないので、休んではいられない。やるしかないです」

佐藤は、川崎戦GAME1で11得点を挙げ、今回の新潟戦では流れを生む効果的な3Pと2Pを沈め、ここ数戦でシュートも決まりだしている。その要因を聞くと、思われていたコンディションからではなかった。

「やっぱり気持ちですかね。思いっきり打てているかどうか。スペースを上手く見付けることは得意なので、逆サイドでやっていたら、少し外に出てみたりしてボールをもらうことが多いんですけど、京都時代は、時間が経ってから、時間を使ってからでないとシュートをしたらいけなかったんです。だから今年このチームにきて、早い時間帯からシュートを打っていいのかなっていう迷いがあったんです」

シーズン当初にあった迷いは消えた。佐藤はここから打ちまくる

 

チームルールの違い。これは正直、意外な理由だった。移籍初年度だからこその迷いと葛藤が佐藤にあったのだ。

「迷いから思いっきり打てなかったり、打っても外したりがシーズン当初多くありました。最近、思いきって打ってみようという気持ちになった。それで打ったら、ちょこちょこ入るようになったんです。これを継続してやっていこうと思っています」

佐藤はここ数戦でシュートが冴えている。川崎戦GAME1では11得点を奪い強豪に大きな爪痕を残した

 

アグレッシブなディフェンスに加えて、佐藤はオフェンスでのシュートも取り戻した。チームがディフェンス重要視を掲げるなかで、先発機会も増えてきた。ここから負けられない大事な闘いが続くなかで、ビーコル唯一無二の和製ビッグマンに掛かる期待は大きい。

「引き続きやるしかないという状況のなかで、みんなが自己犠牲の精神というか、チームのためにどう頑張るか。各選手それぞれの仕事があると思うんですけど、これを如何に出来るかだと思うんです。もちろん、僕個人も頑張って、チームで継続出来るようにしていきます」

最後に佐藤は、ビーコルブースターへメッセージを送ってくれた。

「本当にかなり苦しい状況になってしまって、申し訳ない気持ちで一杯です。ホームゲームでも勝てていないですし、ガッカリさせてしまっていることが多いのですが、残り18試合を死にもの狂いでやっていくしかないと思っているので、引き続き応援をよろしくお願いします!」

今回初めてのインタビューとなったが、時折、関西弁を交えながら語った。その口調には親しみがあり説得力を感じた。気さくな関西弁で語られたことが、佐藤がいま感じている率直な想いを克明に浮き上がらせた。

インタビューが終わると、佐藤は関西人らしい気さくで茶目っ気のある表情に戻っていた。そして最後にひとこと、決意新たにこういって会見場をあとにした。

「がんばりやす!!」

京都ハンナリーズから横浜ビー・コルセアーズに移籍して半年。シーズン当初にあった迷いもなくなり、ここからの負けられない闘いでビーコルが誇る和製ビッグマンが本領を発揮する。【写真・インタビュー・記事/おおかめともき(佐藤選手限定缶バッジ写真提供・©横浜ビー・コルセアーズ)】

 

Written by geki_ookame