第30節 vs宇都宮ブレックス 横浜 64−76 宇都宮


横浜国際プール今季最終戦を勝利で飾れず

2020-21シーズン第30節(3月31日横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 64-76 宇都宮ブレックス
11-23|8-22|24-20|21-11

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 3.31 [WED] 横浜ビー・コルセアーズ vs 宇都宮ブレックス】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=6337&TAB=B

横浜ビー・コルセアーズは3月31日、ホーム横浜国際プールの今季最終戦で同じ東地区首位の宇都宮ブレックスと闘った。ロースコアスタートから終始追う展開になったビーコルは、後半に入ってから計45得点を入れる猛追をみせたが及ばず、12点差で敗れた。これで琉球2連戦から8連敗となり、通算成績は14勝34敗になった。

ビーコルはこの試合も生原秀将と秋山皓太がベンチ入りを外れた。

個人通算3000得点まであと「21」にしていたアキ・チェンバースは、この試合で10得点を挙げて記録達成まであと「11」にした。早ければ次節アウェー対大阪2連戦で達成する。

【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


1Q開始9分でロシターが2Pシュートを決めて宇都宮が先制。以降で両チームは6分の時間帯まで得点のない重たい出だしになった。6分35秒にロシターが3Pシュートを決めて宇都宮が主導権を握った。追いかけるビーコルは直後の13秒に森川が2Pシュートが決めたものの3分の時間帯まで得点が出来ずにスコアが停滞。3分31秒に森川がレイアップと3Pシュートを続けてようやく得点したが、宇都宮はロシターの3Pシュートから得点を伸ばし、計23得点を入れた。一方でビーコルは11得点に留まり、12点差で最初のクォーターを終えた。

レイアップを決める横浜ビー・コルセアーズ#9森川正明【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


2Qでもビーコルは8得点とスコアが伸びず、ディフェンスでも22点を失い、大きく離されてしまう。3Qの残り3分では、この試合最大の32点差をつけられる一方的な展開になったが、このクォーターの頭から小原翼を入れてチームに刺激を与えると中盤あたりからようやくオフェンスにリズムが生まれはじめた。終盤ではカーターとチェンバースが連続3Pシュートを決めるなどした8点ランで計24得点を入れてビハインドを22点に縮めた。さらに差を詰めて終盤の接戦に持ち込みたいビーコルは、このクォーターだけで11得点を入れたベクトンの奮闘などで猛追する見せ場を作ったが、前半でのロースコアが響き、12点差での敗戦となった。

ビーコルの二桁得点は4人。ロバート・カーターが3Pシュート2/4本を含む17得点(7リバウンド5アシスト)、森川正明が3Pシュート1/2本を含む13得点、レジナルド・ベクトンが11得点(8リバウンド)、アキ・チェンバースが3Pシュート2/5本を含む10得点を挙げ、自身の記録3000得点達成まであと「11」にしている。

【カイル・ミリングHC試合後会見コメント】

「ハーフタイムにいろいろなな言葉を掛けたら良い反応があり、後半のプレーで求めているパフォーマンスを体現してくれて良かったと思う。シーズンを通して特に戦術的には変えていない。今日はシンプルに気持ちの面で準備が出来ていなかったと思う。小原選手は3Q頭から出場して、ディフェンスの中でミスはあったが、いいエナジーを持ってハードにプレーしてくれていた。選手全員が小原選手と同じようにハードにプレーをするべきで、ハードにプレーをすることは選手にとっての仕事でもある。前半のミスから学んで今週末の試合に備えていきたい」

横浜ビー・コルセアーズ  カイル・ミリングHC【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


◇ ◇ ◇

「前半が全てだった」と試合後に竹田と森川が異口同音に語った。後半で計45得点を入れ、ディフェンスでは4Qを11点に抑えていただけにもったいなかった。前半でのロースコアがこの闘いを困難なものにしてしまった。

前回の対戦でビーコルはチェンジングディフェンスを武器に首位宇都宮を苦戦させた。今回の対戦でも1−3−1、2−3のゾーンを細かく織り交ぜたチェンジングディフェンスを使ったが、宇都宮はわずかに出来たスペースを逃さず、内外でシュートを決めて得点していた。前回の対戦からビーコルのチェンジングディフェンスを丸裸にして対策を立てていたのだろう。そこは、毎年上位争いをしている経験豊富な強豪チームと言わざる負えない。

横浜ビー・コルセアーズのゾーンディフェンス【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


それでもビーコルは後半で立て直し、4Qでは宇都宮を11得点に抑えた。竹田は「後半のようなエナジーを持って(ゲームの出だしから)入れるようにしないといけない。これはこれまでに何度も繰り返していること。みんなで考えないといけない」後半の猛追については「あれが自分たちのスタンダードになるようにしたい」と語った。

今季限りでの現役引退を発表している横浜ビー・コルセアーズ#25竹田 謙。竹田にとってもこの試合が横浜国際プールでのラストゲームだった【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


森川は「ハーフタイムで、みんなでしっかりと修正しよう。もう1回エナジーを出してやろうと話していた。後半は修正出来た部分が沢山あった。(前半では出来なった)自分たちの良いバスケットが出来ていたと思う。前半でやるべきバスケットだった」と無念さをのぞかせた。

横浜ビー・コルセアーズ#9森川正明【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


カイルHCは後半の出だし、3Qのスタートで小原翼を起用した。カンフル剤的な使い方だったのではないかと思う。小原はファウルこそ取られたがエナジーむき出しのプレーで宇都宮の外国籍選手に挑んでいた。あのプレーを観た時、ファウル覚悟の捨て身のディフェンスとも思えたほど小原の気迫は凄みがあった。ファウルで交代となり、ベンチに引き上げた小原をカイルHCは称えるようにして迎えた。指揮官が試合後に語ったコメントからも、小原のあのエナジーを評価し、あのエナジーあふれるプレーがチームに浸透することを望んでいることが分かる。

3Qのスタートで起用されチームにエナジーをもたらした横浜ビー・コルセアーズ#81小原翼【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


小原がコートに残したエナジーはチームに波及し、あの猛追につながった。その好例が14点差の4Q残り2秒、普通に考えれば絶望的な状況で、ロバート・カーターは最後の最後まで食らいついてみせた。もの凄い勢いでペイントエリアに飛び込んでレイアップを決めるとそのままリングの支柱に激突した。凄まじい激突音がコートに響いたが、カーターの怪我をも恐れぬファイトには胸を打たれた。

14点差の4Q残り2秒でペイントエリアに果敢に飛び込みレイアップを決める横浜ビー・コルセアーズ#4ロバート・カーター【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


チームにエナジーをもたらした小原は、ここ最近でプレータイムが伸びていない。今日もあの3Qでの1分58秒間だけだった。だが、気迫とエナジーを全面に押し出した小原ならではの気持ちのこもったプレーだったと思う。残り12試合で、カイルHCは小原をここぞの場面で起用するのではないか。チーム苦境の今こそ、小原翼のエナジーが必要な時だ。

今季限りの現役引退を発表している竹田 謙は、これが横浜国際プールでのラストゲームだった。横浜ビー・コルセアーズで5シーズンにわたって慣れ親しんだホームアリーナ・横浜国際プールでの試合を終えた竹田は「試合中は考えないようにしていたが、終わってみるとやはり寂しい気持ちがある。これからまだ1ヶ月試合がある。平塚や横浜武道館でのホーム戦もあるので、ひとつでも多く勝てるようにしたい」竹田 謙のプレーはあと12試合(うちホーム4試合)になった。

今季限りで引退する横浜ビー・コルセアーズ#25竹田 謙。この日慣れ親しんだ横浜国際プールでの最後の試合を終えた。竹田が現役でプレーする残り試合はあと「12」になった【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


次節ビーコルは、また中2日で大阪でのアウェー2連戦に挑み、連敗ストップを期する。


【記事/おおかめともき・写真提供/©B-CORSAIRS/T.OOkame】


Written by geki_ookame