第26節 vs琉球ゴールデンキングスGAME1 琉球 92−64 横浜


28点差敗戦も主力選手欠く中で奮闘みせる

2020-21シーズン第26節GAME1(3月6日沖縄市体育館)
琉球ゴールデンキングス 92-64 横浜ビー・コルセアーズ
35-13|13-18|22-17|22-16

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 3.6 [SAT] 琉球ゴールデンキングス vs 横浜ビー・コルセアーズ】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=6282&TAB=B

横浜ビー・コルセアーズは3月6日、アウェー・沖縄市体育館で西地区1位の琉球ゴールデンキングスとの2連戦GAME1を闘い28点差で敗れた。ここまで14勝27敗。

ビーコルはこの試合でケドリック・ストックマン・ジュニアが初先発。須藤昂矢が今季2度目の先発起用され、アキ・チェンバースとレジナルド・ベクトンが欠場した。

【写真提供©B.LEAGUE】


1Q、先制を許したビーコルは森川正明がレイアップを決めてすぐさま同点にしたが、以降でリードを許した。序盤で前節27得点のパトリック・アウダがファウル2つでモリスと交代。ビーコルはディフェンスの強度を上げて対抗したがファウルが増えた。中盤以降で徐々に点差が開き、4分で10点差、残り1分になると20点差にまで開き、琉球に大きく引き離された。

22点差を追いかける展開になったビーコルは2Qで反撃開始。小原、アウダ、竹田を投入して立て直しを図った。修正したディフェンスも機能し始め、流れを引き寄せた、オフェンスでもリズムをつかみ、アウダが2Pシュート2本、4分には秋山皓太が3Pシュートを決めて追撃を開始する。5分には今節がビーコルラストゲームのキング開(特別指定選手=専修大学)が投入された。

残り3分でビーコルのカイル・ミリングHCは、アウダ、カーター、モリスを投入してビッグラインナップを敷く策に打って出る。これが功を奏し、琉球の得点を13点に抑えることに成功。オフェンスでも流れをつかんでアウダのレイアップ、カーターの3Pシュートなどで得点を伸ばした。残り1分を切ってからはキングが3Pシュートを沈めて勢いがつき、2Qは18-13のスコアでビーコルがリード。トータルスコアを31-48とし、ビハインドを17点に縮めて前半を終えた。

チーム最多18得点を挙げた横浜ビー・コルセアーズ#1パトリック・アウダ【写真提供©B.LEAGUE】


3Q、ビッグラインナップを継続させたビーコルは、変則的なチェンジングディフェンスを敷いたが、琉球に得点を続けられてしまう。それでも、カーターの3点バスケットカウント、技をみせた森井健太のレイアップ、小原翼の身体を張ったオフェンスリバウンドで決めた2Pシュートなどで食らいついた。中盤でアウダがファウル4つでファウルトラブルになり、残り1分ではカーターが3Pシュートを決めた。3Qは17-22。トータル48-70でビハインドは22点差になった。

4Q開始早々にビーコルは小原が3Pシュート。7分にはモリスがユーロステップから2Pシュートを決めた。7分にはファウルトラブルのアウダを投入。アウダは2Pシュートを決めた。ビーコルはディフェンスで、時折1−3−1ゾーンを織り交ぜ、深い位置からプレッシャーを与えるなどしたが3Pシュートを効果的に入れてくる琉球に徐々に引き離され、28点差の64−92で2連戦の初戦を落とした。

3Pシュート1/1本を含む11得点を挙げた横浜ビー・コルセアーズ#9森川正明【写真提供©B.LEAGUE】


ビーコルの二桁得点は3人。パトリック・アウダが18得点(6リバウンド)。ロバート・カーターが3Pシュート1/6本を含む12得点(7リバウンド)。森川正明が3Pシュート1/1本を含む11得点を挙げている。

攻守で奮闘をみせた小原翼が3Pシュート1/1本を含む6得点(2リバウンド)を挙げた。

今節がビーコルでのラストゲームになっている特別指定選手のキング開(専修大学)は、17分7秒のプレータイムで3Pシュート1/3本を含む3得点1リバウンド4アシストのスタッツだった。

ベンチ入り登録された生原秀将はプレータイムがなかった。

今節がビーコルでのラストゲームになっている特別指定選手のキング開(専修大学)。前節に続いてこの試合でも光る活躍を随所にみせた【写真提供©B.LEAGUE】


【カイル・ミリングHC試合後会見コメント】

「スタートの3人が怪我をしている状況で、いろいろな面でタフな試合になると思っていた。パトリック・アウダが1Qで2つ目のファウルをもらった瞬間から、チームの雰囲気が少し下がってしまった。リバウンドが取れなかったり、いろんな面で琉球のペースでやられてしまった。今日の試合の目的はもちろん勝つことだったが、怪我人が増えていることから、これ以上怪我人を出さないようにすることも大切だった。プレータイムをコントロールする必要があったので、若手選手が出場する時間が多くなっていた。アウェーの地で上位チームとの対戦で若手選手がプレーできたことは良い経験になったと思う。明日も若手選手のプレー時間が増えると思うので、いろんな経験をして学んでほしい。苦しい状況の中でも最後まで闘ってくれた選手全員を誇りに思っている。明日また切り替えて闘い、全員怪我なくこの2連戦を終えたい。そして(今節後の)バイウィーク期間中に怪我人が全員復帰して、バイウィーク明けからフルメンバーで強く闘っていきたい」


◇ ◇ ◇

終わってみれば28点差の大敗だが、アウェーの地で強豪に挑んだ海賊選手たちは40分間にわたる奮戦をみせた。中でも小原翼の奮闘ぶりは素晴らしかった。ビーコル屈指の和製ビッグマンはここ数戦でプレータイムがなかったが、主力3人の欠場で出場機会が巡ってきた。持ち前の恵まれた身体を存分に活かしてジャック・クーリーに果敢に挑んで苦しめ、4Q開始早々には3Pシュートも沈めて、チームに勢いをもたらした。小原がこのチャンスを逃さず、大きく存在感を示したことは、今後の闘いに向けての収穫になる。

ジャック・クーリーに果敢に挑む横浜ビー・コルセアーズの和製ビッグマン#81小原翼。得点でも3Pシュート1/1本を含む6得点を挙げて存在感を示した【写真提供©B.LEAGUE】


カイル・ミリングHCは前日に「(怪我人が多い中で)いろいろと工夫をしている」と言っていた。小原の起用やストックマン・ジュニアを初先発させたこともそうだし、試合中の策においても随所に工夫がみられた。

オフェンスでは2Qにアウダ、カーター、帰化選手のモリスを同時起用するビックラインナップを敷いて反撃につなげ、ディフェンスでは、後半開始早々に1ー3ー1ゾーンから2-3ゾーンにシフトさせる変則的なディフェンスを敷いて、琉球を困惑させた。

惜しまれるのは、1Qでの35失点だろう。これで大勢が決まってしまった。2Qでのビックラインナップ投入で琉球を13点に抑えていただけに、もったいなかった。

大敗の中であった光る収穫を明日のGAME2でどう活かしていくか。やり方次第では強豪を食う勝利も見えてくるはずだ。

【記事/おおかめともき・写真提供/©B.LEAGUE】


Written by geki_ookame