第29節 vs富山グラウジーズGAME2 横浜 90−96 富山


勝利まであと一歩 シーソーゲームを落とす

2020-21シーズン第29節GAME2(3月28日横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 90-96 富山グラウジーズ
20-16|20-24|27-27|23-29

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 3.28 [SUN] 横浜ビー・コルセアーズ vs 富山グラウジーズ】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=6323&TAB=B

横浜ビー・コルセアーズは3月28日、ホーム横浜国際プールで同じ東地区の富山グラウジーズと2連戦GAME2を闘い6点差で敗れた。これで琉球2連戦から7連敗、14勝33敗になった。

ビーコルは前日に続いて、生原秀将と秋山皓太がベンチ入りを外れた。

【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


1Qの開始からビーコルは富山に13点ランを許し、7分20秒まで得点することが出来なかったが、ベクトンがフリースロー1本を成功させてから得点をかさねて残り59秒に追いつき同点。残り1分12秒でモリスの2Pシュートで逆転する。以降で同点にされたがチェンバースが2Pシュートを沈めて再びビーコルが逆転。さらにはチェンバースとアウダも2Pシュートで続いて4点のリードを持って最初のクォーターを終えた。

2Pシュートを決めて守備に戻る横浜ビー・コルセアーズ#10アキ・チェンバース【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


2Qでも順調に得点をかさねたビーコルは中盤5分でスコアを30点台に乗せた。4分で同点にされたが、森川の2Pシュートでやり返して勝ち越し、チェンバースが3Pシュートで続いてリードを伸ばした。以降で富山の追撃を受けながらも僅差のリードを守っていたが、3Q終了間際残り1秒で宇都にレイアップを許して同点に追いつかれた。

チェンバースのシュートでビーコルブースターの応援にもより一層熱が入る【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


3Qは追いつき追い越せのシーソーゲーム展開になったが、マブンガに3Pシュートでブザービーターを許して同点になった。
4Qの立ち上がりで森川が3Pシュートを沈めてビーコルが勝ち越し。このクォーターでもリードチェンジを繰り返す一進一退の攻防になった。残り4分で富山がリードするとビーコルにミスが目立ち始め、ターンオーバーの失点から徐々に点差が開いた。

シュートを決める横浜ビー・コルセアーズ#4ロバート・カーター【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


残り2分に8点差にされたビーコルは残り10秒で2ポゼッション4点差にまで詰めたものの3秒でチェンバースがファウルアウト。これで得たフリースローを宇都が2本とも入れて6点差となり、勝敗が決した。

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この試合の二桁得点は5人。20点台は2人だった。ロバート・カーターがチーム最多の23得点(3Pシュート1/5本・8リバウンド・3アシスト)、パトリック・アウダが21得点(3Pシュート1/2本・6リバウンド・6アシスト)。
10点台では、アキ・チェンバースが18得点(3Pシュート2/4本・4リバウンド・5アシスト)須藤昂矢がチーム最多3Pシュート3/7本を含む11得点。須藤は3試合連続(個人の出場試合で)の11得点になった。森川正明が3Pシュート2/3本を含む10得点(4アシスト)を記録している。

流れをもたらす活躍でベンチのチームメイトに迎えられる横浜ビー・コルセアーズ#30須藤昂矢。3試合連続の11得点をマークした【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】

【カイル・ミリングHC試合後会見コメント】

「最後の最後まで接戦でリードチェンジも19回。回数としてはとても多く、いい試合はできていた。怪我人が多く、選手が限られている中でも闘ってくれた選手を誇りに思っている。ただ、4Qでミスが多かった。スティールを狙いすぎてしまったり、ムダなファウルも多かった。リーグトップのチームと闘う時はゲームプランを100%実現できないと勝つことは難しい。ここ数試合でも惜しい試合が続いているので次節の宇都宮戦で結果を出したい」

ベンチから指示を出す横浜ビー・コルセアーズ カイル・ミリングHC2Pシュートを決めて守備に戻る横浜ビー・コルセアーズ#10アキ・チェンバース【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


◇ ◇ ◇

これで7連敗になったが、ここはポジティブに考えてみたい。そう、富山とは前回2月に平塚で対戦して41点差での大敗を喫していたのだ。あの時は生原秀将がいて、秋山皓太もコートにいた。チーム戦力が出揃っていた中での大敗だったが、今回の再戦では生原と秋山がベンチ入り登録を外れ、チェンバースも怪我から復帰したばかりで試合勘がなく、チームの競争力は完全とはいえなかった。にもかかわらず、これだけの競り合いをみせたチームに進化を感じずにはいられない。

昨日のGAME1では2Qで富山を上回り、今日のGAME2では4つのクォーター全てで20点台の得点を入れて90得点。1Qの立ち上がりで富山にいきなり13点ランを喫して、無得点が続いた時にはどうなることかと思ったが、短い時間で立て直してカムバックしてみせた。

ゲーム終盤までシーソーゲームを演じ、4Qで引き離されても粘り強く追い上げ続けた。そして、4分47秒でロバート・カーターが2Pシュートを決めて遂にリードを奪った時には、リベンジ出来るのではないかと胸が高鳴った。

【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


だがバスケットボールは、残り時間が、たった3分でも何が起こるか分からないスポーツだ。この3分間が今日の勝負所であり、チームの踏ん張りどころだった。

カイルHCが会見で語ったようにビーコルはあそこからミスが相次いだと思う。あれだけ入念に確認していた連携ではミスが発生し、このターンオーバーから失点して流れを失った。加えて、強度を上げたディフェンスの裏返しなのかファウルもかさみ、いつものリズムがなく、焦りも感じられた。

【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


ロバート・カーターはあの時間帯でのチーム状況をこう表現した「チーム全体に自信を感じることが出来なかった。自信がとても低かった」。森川正明は「続いたミスから相手に流れを渡してしまった。勝負所の制度がまだまだ。ターンオーバーもあったし、相手のディフェンスにオフェンスが対応できずに、そこからずるずるといってしまった」と悔しさを滲ませた。

ディフェンスで奮闘するロバート・カーター(中央)と森川正明(右)【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


琉球もそうだったし、宇都宮も、そして今回の富山も、勝負所を見極めて、ここぞで決めていた。いまのビーコルにはそれがない。チームの進化が感じられるからこそ、勝負所での制度が浮き彫りになり、勝敗を分ける。

次節はまた中2日で、宇都宮と今度はホームで再戦する。宇都宮は、前回2−3、1−3−1ゾーンを織り交ぜるチェンジングディフェンスが機能して善戦した強豪だ。この富山戦で復帰したアキ・チェンバースは、今日の後半でゲーム勘を取り戻したようだし、須藤昂矢も3試合連続の11得点で好調を維持している。

【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


残り13試合となり、ここまで積み重ねてきたチームの進化を信じよう。もしかしたら、このチームが宇都宮を倒すことが出来るかもしれない。7連敗中だからこそ、ポジティブに考えよう。今あるこの悔しさが、横浜国際プール・ホームタウン都筑での今季ラストゲームで、歓喜の勝利をもたらしてくれるかもしれない。そう考えるのは言い過ぎだろうか。

【記事/おおかめともき・写真提供/©B-CORSAIRS/T.OOkame】


Written by geki_ookame