ほぼ40分間で敷いてきたSR渋谷のゾーンDFにリズム崩される。
2019-20シーズン第23節GAME2(2月16日 横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 79-90 サンロッカーズ渋谷
16-25|23-26|23-24|17-15
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 2.16 [SUN] 横浜ビー・コルセアーズ vs サンロッカーズ渋谷】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=4493&TAB=B
中地区5位の横浜ビー・コルセアーズは、ホーム横浜国際プールで東地区4位のサンロッカーズ渋谷と第23節の2連戦GAME2を闘い、79−90で敗戦。今季4度目の連勝はならなかった。前日に100点ゲームで勝利していたビーコルが、SR渋谷が仕掛けてきた奇襲の前に敗れた。ビハインドスタートとなったビーコルは、SR渋谷が序盤から敷いてきた想定外のゾーンディフェンスに苦戦して得点が伸びず二桁差が続いた。それでも4Q残り1分でチェンバースの3Pシュートで5点差にまで詰め寄ったが、以降でSR渋谷はディフェンスシステムをボックスワンに変更。ビーコルは3Pシュート6本を打って逆転を試みたが決まらず、最後まで追いつくことが出来ないまま11点差で敗れた。
ビーコルはこれで10勝29敗。4位新潟、3位富山、2位三河の3チームが揃って敗れたために4位までのゲーム差「3」、3位までのゲーム差「6」、チャンピオンシップ出場圏2位までのゲーム差「7.5」は変わらずとなった。またB1総合順位でビーコルは17/18位。16位島根とのゲーム差「1」、15位新潟と残留プレーオフ圏外14位北海道までのゲーム差「3」もそのままになっている。1Qで先制を許したビーコルは、サザランドとベクトンがペイントエリアに果敢に飛び込んだ2Pシュートで得点。しかし、途中からゾーンに変更してきたSR渋谷のディフェンスに苦しみ得点が停滞。それでも終了間際にサザランドが自らのドライブで運んだ3Pシュートをブザービーターで決めて1Qは9点差になった。2QはSR渋谷の3Pシュート攻勢で15点差にされたが、ビーコルも5分以降で生原のミドルシュート、橋本、モリスの3Pシュートでやり返し、終盤ではチェンバースが3Pシュートと2Pシュートを続けてこのクォーターで23得点を入れ、12点差で前半を折り返した。3Qに入ると序盤でサザランドが3Pシュート2本を決め、ベクトン、田渡も2Pシュートで続いて得点。終盤では、サザランドがここでも3Pシュートを2本決めて、最終クォーターでの反撃に向けて流れを作った。サザランドはこのクォーターでシュートタッチが冴えわたり、4本打った3Pシュートを全て沈めて計14得点を入れた。13点差で迎えた4Q、ビーコルはディフェンスから走るバスケットボールを展開して3Qの流れを維持。SR渋谷の得点を15点に抑えて反撃に打って出た。立ち上がりで田渡がフェイダウェイで2Pシュートを決めると、サザランドが3Pシュートとオフェンスリバウンドでの2Pシュートを続けてひと桁差に。SR渋谷はたまらずタイムアウトをかけた。その明けでサザランドが再び3Pシュートを決め、さらにはベクトンがダンクを決めて6点差にした。8点差の残り1分でチェンバースが3Pシュートを沈めて79-84、5点差にまで詰め寄った。SR渋谷はディフェンスを2-3ゾーンから、4選手がゾーンをおこなう中で1選手がシューターを追い続けるボックスワンに変更。以降でサザランドと橋本が3本ずつ計6本の3Pシュートを打ったが決まらず、最終的には11点差の79−90で敗れた。ビーコルの二桁得点は3人。ジェームズ・サザランドが3Pシュート7/14本を含む30得点(両チーム通じて最多)、リバウンドも12本を取ってダブルダブルをマークした。前日にフィールドゴール11/11本だったレジナルド・ベクトンは9/12本を入れて19得点、リバウンドも13本取ってサザランドと共にダブルダブル(2試合連続)をマーク。また前日15得点だったアキ・チェンバースがこの試合でも二桁10得点を挙げた。
《福田将吾HC 試合後会見》
「まずはじめに、強調したいことは選手たちは全員が本当にハードにプレーしてくれました。最後まで諦めずに追い詰めたあの粘りと彼らのハートには本当に感謝していますし、このチームはもっともっと良くなると確信しています」
「今回、出だしから渋谷さんが2-3ゾーンを敷いてきました。過去にもチェンジングでタイムアウト明けに1ポゼッション2ポゼッションでやることがあったのは分かっていたのですが、まさかほぼ40分間にわたってやってくるとは想定していませんでした。我々も準備はしていましたが、4Qはボックスアンドワンに変更してジェームス(ジェームズ・サザランド)に広瀬選手をベタ付きさせてきたことは我々の想定を超えました。これは試合後にブースターの皆さんにも言ったことですが、明らかに私の準備不足です。なので、非常に反省していますし、準備がしっかり出来ていれば出だしのつまづきもなかったと思います。ですが、本当に選手たちは良くやってくれました」
「終盤で追い上げた4Qは点数が取れたように見えていて、実は17得点しか取れていません。ボックスアンドワンに対しての対応であったり、ディフェンスでSR渋谷さんを15得点に抑えた中で、我々が走り切り、早い段階で点を取れていなかったことが追いつけなかった理由だと思います。私が追いつくためにサザランド選手、ベクトン選手、アキ選手のメインプレイヤーを引っ張らざるを得なかったところがあり、追いつくために相当のエナジーを使い切らせてしまったことで最後の最後で走り切ることが出来なかった。このことは私の反省でもあります。ああいった展開の中でも、タイムシェアとしながら進めていけれるようなチーム作りを、もっとしなければいけないと感じています」「(昨日の勝利を受けて、今日の試合で継続したところと変えたところは?)継続したのは、やはりリバウンドで負けないこと。これが全てだと思っていました。これとトランジションディフェンスです。この2つを勝つことが出来ればSR渋谷さんに勝てるチャンスがある、昨日のような展開が生まれると思っていました。一方で、最初の出だしで仕掛けられたゾーンでリズムを崩されてしまい、10点前後の差が続いてしまいました。そういった状況の中で重たい空気になっていき、疲労度が昨日とは全く違ってきました。昨日も、そういった展開の中で追い上げたんですけど、天皇杯で優勝しているSR渋谷さんに2度同じ展開が出来るほど甘くはないなと感じました」
「逆に言えば、天皇杯で優勝したSR渋谷さん相手にこういったことが出来るところまでは持ってこれています。ここから練習を通じてレベルアップをして、宇都宮との第1戦目に繋げられるかだと思っています」
「(選手たちにはどんな指示を?)ゾーンで来ることを想定していなかった中で、最初綺麗に攻めようというか、間を攻める。“ギャップアタック”というんですけど、ゾーンとゾーンの選手の間を攻めようという意識がありませんでした。ただ外でボールを回して3Pを打つというシーンが非常に多くあったので、とにかく間を割れと話ました。間を割ればビッグマンが出てくるので、そこでベクトン選手を活かしたり、キックアウトから3Pを生みます。そうなると確率が上がってくるのですが、どうしても外回りだけでシュートを打たされた場面が序盤に多くあったので、これが得点がつまずいた原因です。これは修正点ということで選手たちに話をしました。綺麗に攻められないぐらいにSR渋谷さんには強さと高さがありました」
「(次節宇都宮戦をどう闘う?)相手がどうかというのではなく、我々がどうなのかということにもっとフォーカスしないといけないと思っています。もちろんスカウティングはやりますが、それ以上に我々が宇都宮さんに対して自分たちのバスケットをどう貫き通すことが出来るかが重要になってきます」《ジェームズ・サザランド 試合後コメント》
「とてもタフな試合になりました。本当に勝ちたかったのですが、相手はとてもいいチームでしたし、天皇杯を優勝していることもあって追いやられてしまいました」
「(敗因は?)私個人のことでいうと、自分のマークマンにリバウンドを取られてしまったこと、あとは私自身もリバウンドをもっと取れたのではないかと思っています。チームのことでいうと、相手が仕掛けてきたゾーンディフェンスは思っていなかったことでした。相手のディフェンスが機能してドリブルを止められ、強いディフェンスをされたので上手く攻めることが出来ませんでした。これが一番の敗因になったのではないかと思います」
「(30得点12リバウンドダブルダブルだった)今日はシュートが良く入ったと思います。マンツーマンの時はシュートが得意なのですが、ゾーンになるとシュートを外しても次のシュートまでに時間が掛けやすくなります。それが上手くいったんだと思います。普通であれば、私のシュートが入り始めたら、相手はディフェンスを変えたと思うのですが、それでも相手はゾーンを続けてきました。最後のほうで3Pシュートを何本か外してしまいましたけど、打ち続けました。あの時、相手はディフェンスをボックスワン(ボックスアンドワン)に変えてきました。ボックスワンというのは4人の選手がゾーンディフェンスをやって、相手のスコアラーに対して一人だけがマンツーマンで付いて追いかけるディフェンスのことをいうんですけど、それに苦労してしまったところがあります」
「(3Pシュートのアテンプトが14本だった。これはゾーン対策?)その通りです。相手がゾーンになるとシューターにとっては、もっとシュートが打ちやすくなりますから、私は躊躇することなく、迷わずシュートを打つことを心掛けました」
「橋本選手が、いまオフェンスの“モーター”になっていて、自分たちの原動力になってやってくれています。チームの誰かひとりが、ああやって頑張っているのならば、他のチームメイトもステップアップしていかないといけません。橋本選手とオフェンスの起点になれるように頑張りたいと思います」
「(次節宇都宮戦はどう闘う?)今度もまたタフな試合になると思います。宇都宮はとてもいいチームですし、彼らは40分間にわたって集中力を切らすこともありません。比江島選手を含めていい選手も揃っています。私たちはチャレンジャーとしてベストを尽くして、勝ちを狙いにいきます」次節ビーコルは、中11日挟んだ2月28日(金)、29日(土)にブレックスアリーナ宇都宮でアウェー2連戦を闘う。
【取材・写真・記事/おおかめともき】