ビーコル、茨城とのプレシーズンゲームで10点差敗戦。


敗戦の中に収穫あった。今はディフェンスに集中、オフェンスはこれから。

プレシーズンゲーム2019(9月7日かみす防災アリーナ)
茨城ロボッツ 69-59 横浜ビー・コルセアーズ
16-19|14-15|22-11|17-14

横浜ビー・コルセアーズは9月7日、茨城県神栖市にあるかみす防災アリーナでB2茨城ロボッツとプレシーズンゲームをおこない59−69の10点差で敗戦した。ビーコルは今季、新たに9人の選手を加入させてスタートを切ったが、ここまでの練習ではディフェンスに重きを置いて来ており、オフェンスはまだこれからだった。そのためパス連携、シュート精度に欠き、得点が伸びなかった。B1のビーコルは10月6日に開幕戦を迎えるが、B2の茨城は9月21日に開幕。その差が如実に出た形になった

記事最後に横浜ビー・コルセアーズ トーマス・ウィスマンHCのB-COR MAGAZINE独占コメント「トーマス・ウィスマンかく語りき」を掲載。

1Q、チェンバースからのパスを受けた帰化選手モリスの2Pシュートでビーコルが幸先良く先制をしたが、茨城に同点を許してからクロスゲームになった。今回の試合でジョロジー・ゴロマンと加入したばかりのレジナルド・ベクトンがベンチ登録されなかった(試合には帯同)ビーコルは細かいパス回しを展開して得点を狙ったが、繋がらない場面が目立った。また、シュートを決め切ることが出来ず、苦しいオフェンスが続いた。

5分に田渡が同点となる外からの2Pシュートで8−8。残り2分でモリスがタフショットで3点バスケットカウントを決めて13−13。さらにはウォッシュバーンの2Pシュートで勝ち越しに成功するが、茨城の3Pシュートで1点をリードされた。しかし、1分を切った残り25秒でウォッシュバーンがオフェンスリバウンドからダンク、さらには生原がブザービーターを決めて19−16、3点のリードで1Qを終了した。

2Qでビーコルは、田渡と生原のポイントガードを同時起用したが、茨城に2Pシュートを許して同点にされてしまう。生原から田渡へとボールを繋いだがシュートが決まらない。8分、茨城も福澤に3Pシュートを決められリードを許す。一方でビーコルは細かいパスで繋いだが上手くいかず、24秒バイオレーションが相次ぎ、思うように得点が出来ない。終盤2分、ゴール下のディフェンスで粘り、茨城の得点を抑えたことが切り込んだチェンバースの2Pシュートに繋がり30−30の同点。さらにはウォッシュバーンのレイアップで勝ち越すと、チェンバースが終了間際に決めたインサイドからの得点で34−30、4点のリードで前半を終えた。

リードを広げたいビーコルだったが、3Qでターンオーバーからの失点が目立ち、茨城に逆転されてしまう。4分に田渡のレイアップで逆転したが、茨城に3Pシュートを決められて再逆転を許し、さらにはターンオーバーから得点されてしまう。追いかける展開になったビーコルはタフショットで奪ったフリースローの得点、田渡が切り込んだレイアップ、ウォッシュバーンのバスケットカウント(フリースローは失敗)で1点差にまで肉薄したが、フリースローでの失点、ターンオーバーから許した3Pシュートで離されてしまい45−52、7点のビハインドになった。

4Qでは、8分で生原が巧さを見せたパスカットでレイアップ、6分にはモリスがダンク、チェンバースのオフェンスリバウンドから押し込んだ得点で追撃したが、効果的に3Pシュートを決めてくる茨城に離されてしまい二桁のビハインドになった。終盤でビーコルは懸命なオフェンスを展開。田渡がゴール下に切り込んで竹田の3Pシュートに繋げると、終了間際にはチェンバースが3点バスケットカウントを決めた。しかし、3Pシュート、3点バスケットカウントでリードを伸ばす茨城に最終的には10点差をつけられ、59−69で敗戦した。

ビーコルのスコアリーダーはジェイソン・ウォッシュバーンの16得点。以降、アキ・チェンバース11得点、エドワード・モリス9得点、田渡 凌8得点となった。ビーコルはシュートアテンプトで茨城を上回ったが(ビーコル65回、茨城56回)、成功率が3Pシュート15%、2Pシュートが42.2%と伸びなかった。

〈トーマス・ウィスマンHC試合後全会見〉

「今回の試合で、自分たち(のレベル)がいま何処にいるのかというのを確認することが出来た。我々にとって良い試合になったと思う。チームも新しい選手を迎えた中で3週間ぐらいしか練習をしていなかった。良い経験になったと思う」

「前半のディフェンスの強度は良かったと思う。だが、オフェンスが機能しなかった。その中で茨城は、オフェンス、ディフェンス共にアグレッシブに来た。我々には修正しなければならないところが沢山ある。今日のプレシーズンゲームの中で、その課題を見付けることが出来たのは収穫だ」

「前半でのリバウンドは我々が7本多く勝っていたが、後半ではそのリバウンドも負けてしまった。また、バスケットボールはシュートを決めなければならない。3Pシュートの成功率では我々が15%で相手は36.4%。2Pシュートは我々が42.2%で相手は58.8%だった。これでは勝てる試合も勝つことは出来ない。チームとしてしっかりと修正していく」

「茨城のガーベロットHCは、B2チームの中で強豪チームを育てているのは素晴らしいことだ思う。そのコーチのもとでプレーしている選手たちもオフェンス、ディフェンス両方で良い強度を保つことが出来ている。茨城ロボッツは素晴らしいチームだと思う」

〈茨城アンソニー・ガーベロットHC試合後会見〉

「スローな立ち上がりになってしまった。1Qは安易なターンオーバーやボールムーブメントがなかったりと悪かったが、後半になってからはボールも良く動くようになり、ディフェンスでも高いインテンシティでプレー出来た。それが結果的に勝ちに繋がったと思う。高いレベルの相手に対して勝ち切る事が出来たのは非常に良かった。横浜は我々よりも準備期間が2、3週間遅れている状況にある。そのためにコンディションは万全ではなかったと思うが、B1のチームに勝って、アーリーカップに臨むことが出来るのは非常に良い成果だと思っている」

「(ビーコルの印象は?)今日は二人の外国籍選手が出られなかった。難しい状況だったと思う。外国籍選手の獲得では、良い選手を補強出来たのではないか?レジー・ベクトンは私がドイツにいた時から良く知っている素晴らしいプレーヤーだし、ジョロジー・ゴロマンはUCLA出身の優れた選手だ。先ほども言ったが、B2とB1の開幕スケジュールの差で、横浜は始動が遅かったことから、今日はコンディションに違いが出た。3Pシュートの精度もまだ完成していなくて、苦しい状況だったと思う。トーマス・ウィスマンHCは、レジェンダリーで非常に優れたコーチだ。彼だったら、今あるチームの課題を修正して、素晴らしいタフなチームにしてくるはずだ」

<アキ・チェンバース試合後コメント>

「負けてしまいましたが、今、自分たちがどのレベルなのかを確認出来ました。今回の負けは良い負けだと思っています」

「(新しいチームでの手応えは?)ポテンシャルはあるチームだと思っています。昨季と比べて、全く違うチームになりました。新加入選手が多いだけに、プレシーズンゲームやアーリーカップの実戦の中で、自分たちのことをもっと知っていかないといけません」

「(ビーコルファンにメッセージを)いつも応援ありがとうございます。今日は負けてしまいましたが、今日の経験を活かして、これからしっかりと修正していきます。開幕の時には良いパフォーマンスが出来るようにチーム一丸となって頑張っていきます。引き続き、応援をよろしくお願いします」

トーマス・ウィスマンかく語りき。
〜B-COR MAGAZINE独占コメント〜

「(現在のチームの完成度は何%?)それを言うのはまだ時期尚早だ。新加入選手が9人も入った中でチームとしてまだ3週間しか練習していないんだ。まだ判断は出来ない」

「今日は外国籍選手が二人出ることが出来なかった。そのためにジェイソン(ジェイソン・ウォッシュバーン)が40分フルでプレーした。今は(ハードな練習を続けているために)選手全員が40分間出られる状況ではなかったにもかかわらずだ。たが、これを今日の試合の言い訳にはしたくない。B1の我々がB2の相手に負けた。我々はしっかりとやっていかねばならない」

「まだまだ練習をしていかねばならない。オフェンス、シュートの精度、これから、このチームがどう巧くなっていくのかをしっかりと見極めていく」

「早く外国籍選手3人で試合をしたい。GG(ジョルジー・ゴロマン)とレジー(レジナルド・ベクトン)が、チームの中でどんな合わせ方をするのか、チームにどんな新しいケミストリーが生まれるのかを見てみたい」

「(シュートチャンスにまでは持っていけているがシュートの精度が上がっていない。今日はパスミスも目立ったことについて)現時点では、ディフェンスに重きをおいてやっている。この3週間の練習でも、ほとんどがディフェンスの練習だった。だから、今はオフェンスは気にしなくていい。今季、新加入選手を9人入れて、わずか3週間で素晴らしいチームを作り上げるには時間が足りず無理がある。オフェンスはこれから。開幕までの1カ月でオフェンスを修正して、しっかりと仕上げていく」

【記事・取材・写真/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame