ビーコル、厳しいワンサイド負け。アウェイ三遠戦で19点差を喫し大敗。


豊橋で崩れたディフェンス。B1残留プレーオフに向けた立て直しは急務。田渡 凌が兄弟対決で兄修人と激しいマッチアップ。

横浜ビー・コルセアーズ 77-96 三遠ネオフェニックス(5月2日豊橋市総合体育館)
18-28|20-29|20-25|19-14

横浜ビー・コルセアーズは、アウェイ豊橋市総合体育館で三遠ネオフェニックスと1試合を闘い19点差での大敗を喫した。

豊橋は厳しい大敗になってしまった。B1残留プレーオフまであと3試合で臨んだ今季6度目の三遠戦。三遠は、#15 鈴木達也が左肩関節亜脱臼で離脱し主力を欠く苦しい状況だったが、この試合が豊橋市総合体育館での今季ラストゲームであり、大口真洋の引退試合。さらにはB1プレーオフ回避のためには、何としても勝たねばならない試合だった。

ビーコルは果敢に挑んだだが振るわず、目立ったターンオーバーからの失点、連携ミス。また一丸となった三遠の手堅いディフェンスに、インサイドに切り込めないことからで得点が伸びず、2Q以降で三遠に3Pを要所で決められ差を詰めることが出来ず、ワンサイドゲームでの大敗を喫してしまった。

レギュラーシーズン最後の三遠戦で19点差で敗戦した横浜ビー・コルセアーズ。今季の三遠戦は2勝4敗となった

 

ビーコルにスターティング5は、前回同様の細谷、川村、満田、佐藤、マクドナルドの布陣。1Qの序盤はクロスゲームになった。序盤、太田敦也の得点などでリードを許したが、ビーコルはウィリアム・マクドナルドと川村卓也の得点で追撃し、6分37秒に3本のフリースローを得た川村が3本を確実に決めて2度目のリードを奪う。

1Q 9分11秒に2Pシュートを沈めるウィリアム・マクドナルド

1Q 8分9秒に2Pシュートを沈める川村卓也

1Q 7分39秒、三遠の執拗なダブルチームを突破し2Pシュートを沈めるウィリアム・マクドナルド

 

しかし直後の6分27秒にロバート・ドジャーにアウトサイドから2Pを入れられ同点。5分25秒に太田が決めたフリースロー1本で三遠が勝ち越し。以降ビーコルはターンオーバーからの失点が重なり、ビハインドが徐々に開いていった。

前節で、得点が伸びず苦しんだ川村は、この試合でもシュートがなかなか決まらなかった。これまであれば沈めていた3P、2Pがリングに弾かれる場面が目立った。

また1Qの中盤以降で、ビーコルは三遠の強固なオフェンスに苦しみ、インサイドになかなか入れないでいたが、4分23秒に細谷将司が果敢に切り込みタフショットで2Pを沈めた。

3分20秒に、ハシーム・サビート・マンカが3点のバスケットカウントを決め、2分42秒に高島一貴がアウトサイドから2P。1分15秒にはサビートがアウトサイドから2Pを沈めた。1Qは28-18。序盤から10点のビハインドを背負ってしまった。

1Q 3分20秒、ハシーム・サビート・マンカ2Pシュートを沈め。さらにはバスケットカウントからのフリースローを決めて3点を入れた。

バスケットカウントのフリースローを沈めるハシーム・サビート・マンカ

 

2Qでビーコルは6分28秒にサビートの絶妙なパスから田渡 凌が決めた2Pまで得点出来ず、シュートミスから奪われたリバウンドからの失点、ターンオーバー、連携ミスから奪われたスティールでの失点が相次ぎ、スコット・モリソン、ウェンデル・ホワイトらに得点を許す。さらに三遠は効果的に3Pを入れて得点をかさねた。

2Q 6分26秒に2Pシュートを沈める田渡 凌

ビーコルはターンオーバーでの失点が目立った

 

2Q中盤で投入された満田丈太郎が6分2秒で3P、5分の時間帯でインサイドに切り込んだマクドナルドが3点のバスケットカウントで得点。

2Q 6分2秒に3Pシュートを沈めた満田丈太郎

2Q 5分14秒、ウィリアム・マクドナルドが2Pシュートでバスケットカウントを奪いフリースローも決めて3点とする

 

3分の時間帯ではサビートがフリースロー2本とインサイドからの2P。2分53秒には細谷将司が切り込んだレイアップで2Pを決めた。1分37秒にはマクドナルドがレイアップで2P、1分6秒にはサビートがセカンドチャンスから2P。残り22秒にはマクドナルドがセカンドチャンスから2Pを沈めた。

ビーコルは徐々に三遠のディフェンスに切り込みインサイドの得点が増えた。またセカンドチャンスから押し込んだ執念の得点で三遠に食らいついた。2Qも失点が多くなり20-29。トータルスコアは57-38でビハインドは19点とさらに開いてしまった。

2Q 3分23秒に2Pシュートを沈めるハシーム・サビート・マンカ

2Q 2分53秒、果敢に切り込んだレイアップで2Pシュートを決めた細谷将司

 

3Qでもミスからの失点を止めることが出来ず25失点。その中で佐藤託矢がオフェンスで躍動。7分55秒にインサイドから2P、6分5秒に3P、5分22秒にセカンドチャンスから2P、3分6秒には3Pを沈めた。

3Q 7分55秒に2Pシュートを沈める佐藤託矢

3Q 3分6秒に3Pシュートを沈める佐藤託矢

 

しかし、オフェンスでの躍動で反撃の流れを作った佐藤託矢が2分31秒でファウルアウトしてしまう。

3Q 2分31秒、シュートが冴えたオフェンスで反撃の起点となっていた佐藤託矢がファウルアウト。その瞬間ボールを手放し無念さをあらわにした

 

このクォーター終盤1分17秒と残り53秒には高島がアウトサイドから2本の2Pを沈め、同4秒にはサビートが田渡のアシストから2Pを沈めた。3Qは20-25。トータルスコアは82-58となり、ビハインドは24点に広がってしまった。3Q終了時点ですでに80点台の失点。ワンサイドゲームになってしまった。

3Q 1分17秒にアウトサイドから2Pシュートを沈める高島一貴

 

4Q、ディフェンスの立て直しが出来ないまま失点がかさなる。それでもビーコルは果敢に攻め続け、7分19秒に復帰第3戦となる湊谷安玲久司朱がアウトサイドから2Pを沈める。

4Q、厳しい表情でベンチから戦況を見つめる川村卓也と蒲谷正之

4Q 7分19秒にアウトサイドから2Pシュートを沈める湊谷安玲久司朱

 

6分19秒にはサビートがダンク、5分16秒には田渡が2Pを沈めた。3分20秒にサビートがインサイドから2P。1分41秒には満田がレイアップで2Pを決める。

4Q 6分19秒にダンクを沈めるハシーム・サビート・マンカ

4Q 5分16秒に2Pシュートを沈める田渡 凌

 

4分の時間帯で失点は9点台となり、残り34秒で96失点。気の遠くなるようなビハインド23点で、終了間際に満田と田渡の若き二人が次節に繋がるレイアップを決めた。

4Q 1分41秒にレイアップで2Pシュートを決める満田丈太郎

満田はさらに4Q残り25秒でレイアップで2Pシュートを決めた

満田がレイアップを決めた直後の残り1秒にレイアップで2Pシュートを決める田渡 凌。若き二人のレイアップは次節島根戦に繋がる

 

4Qは19-14でビーコルが初めてリードしたが、3Qまでの失点が響き、ファイナルスコア77-96。19点差でビーコルが敗戦した。

敗戦後、厳しい表情でロッカールームに引き上げた川村卓也。

 

この試合でのビーコルのスコアリーダーは、20得点を挙げ、10リバウンドでダブルダブルをマークしたハシーム・サビート・マンカ。

ウィリアム・マクドナルドが13得点で続いた。佐藤託矢はアグレッシブなディフェンスに加えて、3Qでのオフェンスで躍動して10得点を挙げた。

今季レギュラーシーズン最後の兄弟対決が注目された田渡 凌は、兄修人とここまでの対戦で最も激しいマッチアップを繰り広げ8得点を挙げて好調をキープした。

1Qでマッチアップする田渡兄弟。

3Q終盤、ゴール下で激しいマッチアップを繰り広げた田渡兄弟

 

満田丈太郎も7得点を挙げ、オフェンスで若き二人がショットの冴えを維持しているのは希望になる。

高島一貴は6得点を挙げた、インサイドのショットに苦しむ中での時間帯でアウトサイドから2Pを沈めた。

6得点を挙げた高島一貴

 

復帰3戦目の湊谷安玲久司朱はプレータイム9分51秒。2得点も、2アシストで軽快な動きをみせた。

復帰3戦目で軽快な動きをみせた湊谷安玲久司朱

 

三遠との対戦では今季2勝4敗に終わった。B1残留プレーオフ回避が掛かる14位の三遠は、12位大阪、13位富山が共に勝利し、滋賀が島根に敗れたために回避のデッドラインである15位滋賀との差を残り2試合で「2」に広げた。

また大阪、富山、三遠はそれぞれ24勝34敗に並んだ。滋賀は22勝36敗。残り2試合で残留プレーオフ回避争いの行方が注目される。

気になる残留プレーオフでのビーコルの対戦相手だが、西宮が京都に勝利、島根が滋賀に勝利し、西宮と島根のゲームは以前「1」のまま。次節でビーコルは島根と最終節を対戦するが、混沌とした状況になってきた。

試合後にはミスターフェニックス#3大口真洋の引退セレモニーがおこなわれ、かつて共にプレーしたジェフリー・パーマーが見つめる場面があった。

今季限りで引退するMr.フェニックス#3大口真洋。4Qで登場しアリーナ全体から惜別の拍手歓声が沸き起こった。

試合後におこなわれた大口の引退セレモニーでは田渡 凌とかつての僚友ジェフリー・パーマーがじっと見つめていた

 

尺野将太HCは、試合後にB-COR MAGAZINEの取材に応じ、この試合をこう総括している。

「今日は三遠さんに、3Qまで28点、29点、25点取られてしまいディフェンスがやられてしまったので、週末の島根戦に向けて、もう1回ディフェンスをしっかりと立て直します」

「残留プレーオフは決まっていますが、週末の試合が残留プレーオフへのいい準備になるように、また切り替えて2試合を闘いたいと思います」

今日の試合で残留プレーオフを見据えたテーマはあったのだろうか。

「いえ、目の前の試合をしっかりと勝つことだけを考えて試合に臨みましたが、結果に繋がらず残念です」

次節はレギュラーシーズン最終節の島根戦。ビーコルブースターは今回の豊橋同様に沢山駆けつけてくれるだろう。

「レギュラーシーズンは結果(残留プレーオフに回ること)が、もう出てしまっているので、レギュラーシーズン残りの島根の2試合は、自分たちのプライドを掛けて闘う。そしてビーコルブースターの皆さまのために勝つことだけをしっかりと考えて、この2試合を消化試合にしないように、しっかりと闘って、良い2試合にしたいと思います」

横浜ビー・コルセアーズ尺野将太HC

 

レギュラーシーズン残り2試合となった島根戦。B1残留プレーオフ1回戦の対戦相手が、西宮なのか、島根なのか、未だ決まらないなかで難しい闘いとなるが、ビーコルはここまで辛い想いばかりをさせたビーコルブースターのためにもまずは勝つことだけを目指す。

【記事・写真/おおかめともき】

 


Written by geki_ookame