勝利の一方で突き付けられた現実。GAME2で大阪と富山が勝ち、ビーコルが負けた場合にB1プレーオフ出場が決定する。
横浜ビー・コルセアーズ 87-80 京都ハンナリーズ(4月21日ハンナリーズアリーナ)
17-24|25-23|22-14|23-19
横浜ビー・コルセアーズは、アウェイ ハンナリーズアリーナで今季初対戦の京都ハンナリーズとGAME1を闘い、1Qで10点のビハインドを背負うも、2Qでジェフリー・パーマーの3連続3Pを含む5連続得点などで追撃。3Qにハシーム・サビート・マンカのフリースローで勝ち越しに成功すると、4Qでのチームディフェンス、さらには高島一貴が4つのオフェンスリバウンドを獲って得点に繋げるなどしてリードを守り、そのまま逃げ切ってハンナリーズを下し、第29節の初戦を勝利した。
この試合で、昨季まで京都でプレーしていた佐藤託矢が先発して凱旋。ハンナリーズブースターから大きな拍手で迎えられた。佐藤は1Qからアグレッシブにディフェンスを仕掛けて古巣京都に恩返し。大阪戦に続いてゲームをしっかりと作った。
1Q、ウィリアム・マクドナルドの2Pシュートで幸先よく得点したが、すぐさま伊藤達哉にインサイドから2Pを決められ同点にされると以降、インサイドでの点の取り合いになったが、5分の時間帯で目立ったターンオーバーから京都に3Pを連続して決められるなどして勝ち越しを許してしまった。1Qは17-24でビーコル7点のビハインド。
2Qの出だしでジェフリー・パーマーが3連続して3Pを沈めると、パーマーはさらに7分の時間帯で2Pを連続して5連続得点。反撃への勢いと流れを作った。
6分15秒に高島一貴、5分28秒に竹田 謙がそれぞれレイアップを決めると2分33秒にマクドナルドが2P。
1分29秒と残り18秒にサビートが連続してダンクを叩き込んで京都に食らいついた。2Qは25ー23でビーコルがリードを奪い返し、トータルスコア42-47。ビハインドを5に縮めて前半を終えた。
3Qで今度はマクドナルドが2つ続けて2Pを沈める。特に8分58秒での2Pは、スティールからドライブで切り込んでのレイアップだった。以降、ビハインドを僅差にしてクロスゲームに持ち込むと、4分6秒に川村が2Pで同点。竹田のフリースローで勝ち越すが、片岡の2Pで京都が再び勝ち越し。しかしビーコルは、2分8秒にサビートが決めた2本のフリースローでビーコルが遂に勝ち越しに成功する。
京都はこの時間帯でファウルがかさみ、これをサビートと川村卓也が完璧に沈めてリードを拡大。3Qを22-14、トータルを64-61でひっくり返し、3点のリードを奪った。
4Q、高島一貴が9分23秒にインサイドから2Pシュート。高島はリバウンドでも魅せた。このクォーターで5つのリバウンドを拾って得点に繋げて大きく貢献。特に田渡 凌が外したシュートを執念で穫り、川村の2Pに繋げた5分6秒のオフェンスリバウンドはしびれるものがあり、これでチームの勢いが一気に加速した。
最終クォーターではビーコルのチームディフェンスが、9分48秒から6分24秒まで京都の得点を抑えることに成功。その間に、前述の高島の2P、サビートの2本のダンクなどでリードを広げた。
6分から4分の時間帯ではマクドナルドが3本の2P、川村卓也がアウトサイドから2Pを沈めた。京都はスミスと岡田の3Pなどで食らいついてきたが、勝負どころのフリースローを多く外して、追いつく好機を手放した。
残り59秒でサビートが押し込んだダンクが京都の引導を渡し、ビーコルが3Qクォーターで奪ったリードを怒濤のエナジーで守り切り87-80で勝利した。
ビーコルはこれで17勝37敗。中地区争いで5位の富山が敗れたために富山との差を「5」に縮めた。
気になるB1残留プレーオフ回避の指標、ワイルドカード12チーム中で引き続き10位は変わらず。対象の滋賀と大阪が共に勝利したために9位滋賀までのゲーム差「1」、残留プレーオフ回避のデッドライン8位の大阪エヴェッサとのゲーム差「4」は変わらずそのまま。
チームのスコアリーダーはハシーム・サビート・マンカの5つのダンクを含む23得点。ウィリアム・マクドナルドが18得点、ジェフリー・パーマーが15得点が続いた。3人の外国籍選手が揃って二桁得点を挙げたことがチームのハイスコアに繋った。
川村卓也は12得点ながら9アシストを記録し、3つのスティールも奪った。
高島一貴はここぞで沈めたシュートで4得点。特に執念で獲った6つのリバウンドがこの勝利に大きく貢献した。
試合後に尺野将太HCはこう振り返っている。
「1Qをビハインドにしてしまいましたが、2Q以降のディフェンスでしっかりとエナジーを使って、そこからオフェンスでも早い展開に持ち込めた」
「プレーというよりも、エナジーの部分で相手を上回ることが出来たのが今日の勝因だと思います」
「特にインサイドでの得点も増えましたし、佐藤選手が体を張ってディフェンスをしてくれたり、4Qの大事な時間帯で高島選手がオフェンスリバウンドを4本。その辺りのエナジーが勝ちたい気持ちに表れた結果だと思います」
ハシーム・サビート・マンカにダンク5本を含む23得点、8リバウンド、2ブロックショットとやられた京都ハンナリーズの浜口 炎HCはサビートの印象をこう語った。
「走れる選手で、トランジションに付いていけなかった。サビート選手だけでなく、ウチがファストブレイクで16点をイージーに取られしまった。もともとウチはトランジションディフェンスに苦しんでいるんですが、それにしても出され過ぎです。それとブロックショットが凄かった。高いですし、速い」
残り6試合となり、勝利の一方で厳しい現実が突きつけられている。翌日のGAME2で、大阪と富山が勝ち、ビーコルが京都に負ければ、その時点でB1残留プレーオフが決定してしまう。
ビーコルは、GAME2を何としても勝たねばならない。京都は修正して巻き返してくるだろうが、ビーコルは大阪戦GAME2からチームで闘うことが出来ており、序盤でビハインドの展開になっても終盤で粘り勝てているだけに、GAME2でも海賊たちの溢れるエナジーが相手を上回ることを期待したい。
【写真・記事/おおかめともき】