ホーム今季最終節初戦でキャプテン湊谷が遂に復帰!一方でパーマーが全治1週間の右足首捻挫で選手登録を外れる。
横浜ビー・コルセアーズ 71-77 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(4月27日横浜文化体育館)
17-21|17-18|21-14|16-24
横浜ビー・コルセアーズは、今季ホーム最終節の横浜文化体育館で名古屋ダイヤモンドドルフィンズとGAME1を闘い3Qに逆転するも6点差で惜敗した。この敗戦でビーコルはB1残留プレーオフに回ることが決定した。
嬉しいこと、残念なこと、心配なことが3つ同時に起こった試合だった。
嬉しいことは、昨年10月9日のアウェイ北海道戦で右足アキレス腱を断裂して戦力から離れ、治療後リハビリを続けながら選手兼コーチを務めていた湊谷安玲久司朱が、この日遂に復帰を果たしプレーしたことだ。
湊谷は、2Q途中でビーコルブースターの拍手と歓声に迎えられた中でコートに立ち、7分48秒間に渡ってプレー。
1本の3P、確実に決めた2本のフリースロー、果敢に切り込んだレイアップで7得点。さらには湊谷が出したパスが全て得点に繋がった2つのアシストで大きく貢献。見事なカムバックを魅せて、ビーコルブースターの胸を熱くした。
残念なことは、回避に全力を尽くしていたB1残留プレーオフ出場が2シーズン続けて決定してしまったことだ。残り4試合では残留プレーオフを意識した闘いになる。
心配なことは、今節前の練習中でジェフリー・パーマーが右足首捻挫で選手登録を外れたこと。クラブからは全治1週間と発表されていることから、残留プレーオフには出場出来るものと思われる。
ここまでの名古屋Dとの対戦で、ハシーム・サビート・マンカ、川村卓也を欠いた試合が3試合、満足な戦力で闘えたのは僅かに1試合だけだった。そして今節はジェフリー・パーマーを欠く。またしてもひとりの戦力を欠く中での対戦になってしまった。
パーマーに代わって、湊谷安玲久司朱が選手登録された。スターティング5はここ数戦で先発していた佐藤託矢が外れ、代わって高島一貴が先発。細谷、川村、高島、満田、マクドナルドの布陣で、今季ここまで4連敗している中地区2位の名古屋Dに挑んだ。
1Q開始直後にかつてビーコルでプレーしたジャスティン・バーレルにディフェンスを突破され、いきなりダンクを決められてしまう。
9分6秒に満田丈太郎の2Pで追いつくが、安藤周人に3Pを許してしまう。8分と6分の時間帯にマクドナルドが2Pを2本沈めたが、ここからビーコルは3分35秒に佐藤託矢が沈めた2Pまで、8-0のランを許してしまいビハインドが開く。
佐藤の2P以降、今度はビーコルが7-0のランでやり返す。この間、満田が3P、田渡 凌が2P、さらには満田が2Pを沈めて同点に追いつく。しかし、残り1分を切ったところで名古屋Dに2Pを2本許してしまい名古屋Dが勝ち越しした。1Qは17-21でビーコル4点のビハインド。
2Q開始早々にハシーム・サビート・マンカがインサイドから2Pを沈めたが、藤永佳昭とジェロウム・ティルマンに続けて2Pを決められてしまう。
ビーコルは、細谷将司の3P、サビートのダンク、マクドナルドの2Pで追撃。
2分55秒、高島一貴に代わって湊谷安玲久司朱が大きな拍手と歓声に迎えられて遂にコートに立った。
湊谷は半年以上のブランクを感じさせない精彩な動きで躍動し、正確なパスから川村卓也の2Pと細谷の3Pを見事アシストして得点に繋げた。
湊谷の投入で流れが訪れ、サビートがアウトサイドから2P、マクドナルドがフリースローを1本を沈めて5点差で後半戦に突入した。2Qは17-18、トータルスコアは34-39。
3Q開始早々に安藤に2Pを決められたが、高島と満田が2P、7分38秒には佐藤が2P、6分19秒には田渡がレイアップを決めて肉薄。
4分の時間帯には田渡が2Pを連続して沈めて同点。しかしクレイグ・ブラッキンズに2Pと3Pを決められてしまい名古屋Dが逃げる。
しかしビーコルは、2分24秒に満田が2P、1分53秒にサビートがダンク。残り1秒を切ったところで田渡が2Pを沈めると、残り21秒でサビートがレイアップを押し込んで逆転。さらにはこれがバスケットカウントとなり、サビートはフリースローも確実に沈めて2点のリードを奪う。
残り4秒で名古屋Dの猛攻を受けたが、これを佐藤託矢が体を張って死守し、リードのまま最終クォーターに突入した。3Qは21-14。トータルスコア55-53でビーコル2点のリード。
4Q、9分と8分の時間帯に川村のディフェンスが突破されて安藤に3本の2Pを許す。しかし、怪我から復帰した海賊たちのキャプテン湊谷がやり返した。9分25秒にレイアップで2P、8分22秒にフリースロー2本を確実に沈めて同点。さらに7分55秒に3Pを沈めて勝ち越しに成功する。湊谷の不死鳥のような連続得点に、ビーコルブースターは胸を熱くした。
7分18秒に田渡が2Pを沈めてリードを広げたが、5分の時間帯で名古屋Dが勝ち越し。4分の時間帯でサビートが連続してダンクを沈めて再逆転。
2分21秒にバーレルに2本のフリースローを決められ勝ち越しを許したが、1分26秒に田渡がアウトサイドから2Pを沈めてビーコルがこのクォーター3度目の逆転。
しかし、直後にブラッキンズのロングパスからバーレルに2Pを入れられてしまい逆転を許す。以降、バーレルに立て続けに2本の2Pを許してしまい5点差に。
残り23秒でサビートが2本のフリースローを得たが成功は1本のみ。4点差となったところでタイムアウトを掛けたビーコルはファウルゲームに持ち込み、2本のフリースローを得たバーレルは2本とも成功させて6点差。
同12秒でマクドナルドが3Pを狙ったが外してしまいタイムアップとなった。4Qは16-24。トータル71-77での惜敗となった。
ビーコルは対名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦5連敗。この敗戦でB1残留プレーオフ出場が決定した。ダイヤモンドドルフィンズは、チャンピオンシップ出場へのマジックを「2」とした。
ビーコルのスコアリーダーはハシーム・サビート・マンカの16得点。サビートは11リバウンドでダブルダブルだった。
2番手は、田渡 凌の14得点。田渡はアシスト5もマークして久々の躍動をみせた。
満田丈太郎が持ち味を発揮して13得点。田渡と共に若い二人が得点の起点となった。
右足アキレス腱断裂から復帰した湊谷安玲久司朱は7得点。2つのアシストは全て得点に繋がり、復帰初戦で見事なカムバックを果たした。
川村卓也は僅かに2得点だった。4Qでのディフェンスでは相手に裏を掛かれ得点を許してしまったが、GAME2では修正して、やり返してくれるはずだ。
尺野将太HCは試合後にこう総括している。
「負けてしまったことは悔しいです。残留プレーオフが決まってしまいましたが、いい材料がいくつか今日のゲームであり、チームのプラスになると思います」
「最近プレータイムがひと桁になっていた田渡選手が、今日の後半であれだけプレーを作ってくれて、自分でも得点して、シュートの調子が戻ってきたと思います」
「満田もしっかりと得点してくれました。最近、外のシュートが調子良かったんですけど、前半に外のシュートを打ちながら、後半では速攻で走ってレイアップまで行く、彼の持ち味が発揮出来ました。若い二人がチームの戦力になることを改めてアピールしてくれました」
「ハシーム(ハシーム・サビート・マンカ)は、インサイドでしっかりと起点になってくれましたし、アレク(湊谷安玲久司朱)が復帰してウチの強みがまた戻って来ました。残り4試合と残留プレーオフに向けて、これらをしっかりと活かしていきます」
「(アレクが復帰して)メンバーが13人になるので、ポジション争い、ベンチ争いを最後までやって行きながら、チームとして残り4試合をしっかりと成長しながら闘っていきます」
尺野HCは悔しさの中で、しっかりと前を向いていた。それは試合後の選手たちも同じだった。残り4試合は、B1残留プレーオフを見据えた闘いになる。
ここで、キャプテン湊谷が戻って来たことは大きい。パーマーも残留プレーオフまでには戻ってこれるだろう。再び13人となった海賊たちがここからの試練に立ち向かう。GAME2で、今度こそドルフィンズに勝ち、今季のホーム最終戦を勝利の歓喜で飾りたい。
(湊谷選手の復帰会見の模様は、後日改めてお届けします)
【記事・写真/おおかめともき】