これぞ大逆転のビーコル!4Q4分に16-0のランで逆転!サビートとパーマーが揃ってダブルダブル!川村20得点!
横浜ビー・コルセアーズ 90-82 大阪エヴェッサ(4月15日 府民共済SUPERアリーナ)
25-25|15-16|16-26|34-15
横浜ビー・コルセアーズは、アウェイ 府民共済SUPERアリーナで大阪エヴェッサとGAME2を闘い、最大14点のビハインドをひっくり返して勝利。大阪決戦を1勝1敗で終えた。
今季最高の大逆転劇だ。大阪の地で横浜の海賊たちが歓喜を爆発させた。B1残留プレーオフ回避に一歩も譲れない両チームの意地と意地が激突したGAME2は、前日のGAME1以上に激しい接戦が繰り広げられた。
ビーコルは前日にオンザコートがズレた1Qと4Qにやられ21点差で敗れていたが、この日も同じスターティング5、同じオンザコート1-2-1-2で自分たちのバスケを貫いた。エヴェッサのスターティング5も、前日と同じ2-1-1-2だった。
1Q開始早々にエヴェッサ今野にインサイドから2Pを許した直後、川村卓也がアウトサイド、インサイドから連続して2Pを沈めると、ウィリアム・マクドナルドが2Pを3本続けて沈めた。これらインサイドの2Pはそれぞれレイアップが1本。ビーコルはインサイドに苦しんだ前日とは打って変わってレイアップで大阪ディフェンスを切り裂いた。
6分54秒には細谷将司が3P。4分と1分の時間帯ではハシーム・サビート・マンカが2Pをインサイドから3本、アウトサイドから1本沈め得点をかさねた。
ビーコルはインサイドを中心に得点を伸ばしていったが、一方で大阪も2本の3Pをおりまぜながら得点をかさね、点の取り合いになった。
前日は出だしの1Qで36点を許したビーコルだったが、この日は奮起した佐藤託矢がディフェンスの起点となり、大阪がオンザコート2で外国籍選手が二人になる1Qを踏ん張り、その後の展開に繋げていった。1Qは25-25。
2Qも一進一退になるが、このクォーターもチームディフェンスが機能して大阪の得点を16点に抑えた。オフェンスでは7分58秒に満田丈太郎がインサイドから2P。5分から2分の時間帯ではマクドナルドが2P1本、ジェフリー・パーマーが2Pを2本、さらには3P1本を沈めた。
1分12秒に川村が2Pをインサイドから沈めて逆転するが、残り46秒でフリースローからの失点で大阪に再び勝ち越しを許す。2Qは両チームロースコアの15-16。トータルスコア40-41で前半を折り返した。
3Q、9分に川村がアウトサイドから2Pを沈めて同点にしたが、直後にギブソンに2Pを入れられ大阪が勝ち越し。さらには今野に3Pを許してしまい差が開いた。
今野には7分29秒に3点のバスケットカウントも許したが、直後の7分10秒にマクドナルドが2Pでのバスケットカウントでやり返した(フリースローはミス)。
6分36秒には今度は川村が相手ディフェンスを交わしたタフショットでレイアップを沈めてバスケットカウントを奪った(フリースローはミス)。
さらにビーコルのバスケットカウントが続く。3分45秒でサビートが2Pでバスケットカウントを奪うとフリースローも沈めて3点。ビーコルは2本のフリースローを挟んで3連続でバスケットカウントを奪った。
一方でファウルを多く取られてしまい11ファウル。フリースローで9点を失い、これがビハインドを大きくした。またサビートとパーマーが4ファウル、マクドナルドと細谷が3ファウルとなりファウルトラブルが多くなった。3Qは16-26。トータルスコア56-67。ビハインドは11点に広がった。
ビーコルのバスケットカウントは4Qでも続いた。7分46秒にパーマーがレイアップで3点のバスケットカウント。さらには6分32秒にも3点のバスケットカウントを決めた。
加えてサビートが、7分17秒にレイアップで2Pで、6分53秒にインサイドから2P、6分9秒にはダンクを決めて、ビーコルはじわじわと追い上げていった。
ビーコルは最終クォーターの途中でビハインドが最大14点に広がっていたが、ファウルに耐えながらチームディフェンスを続け、5分28秒と4分50秒の川村とパーマーの連続3Pシュートから怒濤のオフェンスを展開する。このパーマーの3Pでビーコルは同点に追いついた。
この試合最大の流れがビーコルにきた時間帯でビーコルは好機を得る。4分12秒、パーマーのシュートを防ぎにいったデイビッド・ウェアがファウルを取られファウルアウト。さらにテクニカルベンチファウルからビーコルは3本のフリースローを得た。パーマーが1本沈めてビーコルが勝ち越し。さらにはテクニカルベンチファウルのフリースローを細谷が決めた。
さらに畳み掛けたビーコルは川村がここぞで連続シュート。3分58秒に2Pを沈めると、同27秒、細谷将司が大阪ディフェンスの針穴を通した神技アシストを受け取るとインサイドから2Pを沈めた。
2分12秒にはサビートが3点のバスケットカウント。ビーコルはこの時間帯で16-0のランを決めて大阪を一気に突き放した。ビーコルは前日の4Qで大阪にやられた16−0のランを怒濤のエナジーでやり返してみせた。
ビーコルブースターも一気にブーストアップ。その猛ブーストにあと押しされたビーコルは、1分6秒に川村がアウトサイドから2Pを沈めてリードをさらに伸ばす。
残り32秒でパーマーがフリースロー2本を決めると同15秒にもフリースロー1本を決めて90得点10点のリードに。大阪は同6秒に木下がフリースロー2本を決めて意地をみせたが、ビハインドを詰めるには至らず、ビーコルが見事な逆転勝利を収めた。
これで大阪決戦は1勝1敗となり、大阪の連勝は5で止まった。中地区6位のビーコルは、5位富山が敗れたために富山との差を「6」に縮めた。
B1残留プレーオフ回避の指標ワイルドカード12位中10位は変わらず。滋賀が勝ったために9位滋賀との差は「3」のまま。回避のデッドライン大阪との直接対決を1勝1敗で分けたためにゲーム差「4」はそのままになっている。
90得点を挙げたビーコルのスコアリーダーは、27得点を挙げたハシーム・サビート・マンカ。サビートは10リバウンドをマークしてダブルダブルを記録した。サビートは試合後にこう振り返っている。
「みんなで闘えた。4Qでチームで闘えることが証明出来た」
川村卓也とジェフリー・パーマーが揃って20得点を挙げてハイスコアの原動力となった。パーマーは11リバウンドも記録してダブルダブル。ウィリアム・マクドナルドは15得点8リバウンドで勝利に貢献した。
佐藤託矢は、相手がオンザコート2の出だしの1Qで外国籍選手二人を相手にゲームを作った。この日は得点こそなかったが、自身のファウルを1に抑え、5アシストで勝利への流れを作った。佐藤は試合後にこう振り返っている。
「昨日の悔しさからエナジーが出た。我慢して最後まで闘えた」
細谷将司はフィールドゴールは3P1本のみで4得点だったが、4Qのテクニカルベンチファウルから得た勝負どころのフリースローを決めたことは大きかった。アシストはチーム最多の6を記録。絶妙なパスを供給し続けチームの得点をアシストした。特に4Q 3分27秒で、厳しい相手ディフェンスの僅かな隙間から川村に通したパスは神技だった。
試合後、尺野将太HCはこの勝利をこう総括している。
「昨日の1Qで、オンザコートが(2と1で)ズレた時間帯のラスト3分に15-0のランを許してしまっていたので、今日はそこをしっかりと乗り越えようと試合に入りました」
「佐藤選手がしっかりと体を張ってディフェンスしてくれて、1Qを同点を終わることが出来ました。この試合の入りが、大阪さんに昨日とは違うぞという印象を与えることが出来たと思います」
「自分たちがやらなくてはならないことが、まず出だしで出来たことが良かった。ただ、途中でファウルトラブルがあったり、プレー以外のところで熱くなってしまう選手がいて、3Qに少し集中力が切れかかりましたが、そこからの集中力の高さ、勝ちたい気持ちが、今日はウチの方が上回ったかなと思います」
「リバウンドもウチのほうが取っていますし、昨日4Qのラスト5分にやられた16-0のランを今日はウチがすることが出来ました。コートに立った選手が最後まで勝つことに集中して、チーム一丸となった結果だと思います」
次節もビーコルは遠征試合となり週末に京都で、今季初対戦のハンナリーズと2試合を闘う。
「ウチには負けられない試合が続きます。今日の4Qのようなプレーを、あと7試合続けられたらいいと思っています」
今季最大の歓喜を魅せた海賊たち。「大逆転のビーコル」の面目躍如ともいえるナイスゲームだった。ビーコルのケミストリーと進化はまだまだ加速する。 京都~名古屋~三遠~島根と続く残り7つのサバイバルゲーム。ビーコルはこの試合で出来たことを残り全ての試合で遂行し、B1残留プレーオフ回避のために死力を尽くす。次節はハンナリーズアリーナで京都ハンナリーズ戦だ。
【写真・記事/おおかめともき】