ビーコル、A東京に無念の35点差負け


反撃期した3Qで29失点。後半戦の立ち上がりが勝敗分ける。

2019-20シーズン第22節(2月9日 アリーナ立川立飛)
アルバルク東京 95-60 横浜ビー・コルセアーズ 
16-11|26-21|29-15|24-13

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 2.09 [SUN] アルバルク東京 vs 横浜ビー・コルセアーズ】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=4473&TAB=B

中地区5位の横浜ビー・コルセアーズは、アリーナ立川立飛で東地区2位のアルバルク東京と第22節アウェー2連戦のGAME2を闘い、35点差の60−95で敗れた。ビーコルは大阪戦GAME2から続く3連敗。GAME2は、両チーム開始約2分間で得点がない重たい出だしとなった。1Qでビーコルはクロスゲームに持ち込み5点差にしたが、2Qでターンオーバーなどの失点から徐々に引き離されてしまい前半を10点差で終えた。後半で点差を詰め、逆転にまで持っていきたいビーコルだったが、3Qの立ち上がりでシュートが決まらず、その間にA東京に3Pシュートを中心に得点されてしまい反撃を期した後半戦の立ち上がりで29失点を喫してリズムを崩した。これが勝敗を分ける形となり、4Qでは30点台差と一方的な展開となり、無念の35点差負けで今節を連敗した。ビーコルはこれで9勝27敗。4位新潟は島根に勝利、5位ビーコルとのゲーム差は「3.5」に広がった。3位富山、2位三河も共に勝って、3位までのゲーム差は「5.5」に、チャンピオンシップ出場圏2位までのゲーム差も「7.5」に広がった。

B1総合順位でビーコルは17/18位。16位島根は敗れてビーコルとのゲーム差は「1.5」のまま。15位新潟までは「3.5」ゲーム差に広がった。残留プレーオフ圏外14位北海道までは北海道が敗れたために「3.5」ゲーム差のままになっている。

この試合で、橋本尚明がベンチ入りを外れた。代わってホール 百音 アレックスが登録され、先発では牧全が起用された。牧はこれが今季初先発。ディフェンスを中心に存在感を示した。

外国籍選手では、この試合もジェームズ・サザランドとレジナルド・ベクトンが起用された。前回のA東京戦で26得点を挙げていたウィリアム・マクドナルドは、今節での出場がなかった。

1Qは開始約2分間で両チームの得点がなく重たいスタートになったが、安藤の2Pシュートからスコアが動き始めた。ビーコルはサザランドのレイアップで同点にすると、チェンバース、ベクトン、田渡が2Pシュートを決めてクロスゲームに持ち込んだ。3点差を追う残り1分で田渡の2Pシュートで1点差にしたが、フリースローでの失点と2Pシュートを続けられて5点差で最初のクォーターを終えた。

2Qの立ち上がりで竹内に3点バスケットカウントを許すなどして差はふた桁10点差になった。ビーコルは竹田、ベクトンの連続2Pシュートで得点したが、ターンオーバーとフリースローでの失点から徐々に引き離されてしまった。しかし、中盤5分でベクトンがターンオーバーからファストブレイクで2Pを決めると、サザランドがダンクを決め、さらにはベクトン、チェンバースが2Pシュートを続けてリズムが生まれた。残り2分ではサザランドが2Pシュートを決めて点差をひと桁7点にまで詰めた。ここでA東京は2度のタイムアウト(テクニカルコーチファウルを取られている)を続けて長い間を作った。その明けで3Pシュートを決められて10点差にされたが、牧とベクトンの2Pシュートでひと桁差に戻した。1分を切って再び10点台差にされたが、サザランドが2Pシュートを決めて9点差。しかし、終了間際に取られたファウルから1点を入れられて10点差で前半を終えた。後半戦での反撃にかけたいビーコルだったが、3Qでの攻防で明暗が分かれた。ビーコルは立ち上がりで外角からシュート2本を狙ったが決められず、以降のシュートでも苦戦した。一方でA東京は3Pシュートを中心に得点をかさね、中盤で20点台の差をつけてビーコルを引き離した。ビーコルは反撃を期した3Qでリズムを崩して15得点29失点。ビハインドは24点になった。
4Qでもビーコルは攻守に苦戦した。6分では30点台の差をつけられ、一方的な展開になった。終盤で意地を見せた小原が2Pシュート、秋山が3Pシュートを決めるなどしたが、大差を埋めるまでには至らず、35点差で敗戦した。
ビーコルのふた桁得点は2人だった。ジェームズ・サザランドが3Pシュート1/3本を含む17得点(6リバウンド)、レジナルド・ベクトンが11得点11リバウンドでダブルダブルをマークしている。

《福田将吾HC 試合後会見》

「1Qの場面では、昨日のディフェンスを修正した部分が、エナジーと戦術の部分も含めて良かったと思いますが、点がなかなか入らなかった部分があったので、重たい流れになりました。2Qではシュートも入り出して、ウチのやりたいバスケが出来たという点では良かったと思います。逆にいうと、アルバルクさんがタイムアウトをとった時点で、ウチのディフェンスに対して、すぐさま修正をかけてきたので、これに関してはウチの対応が一つ遅れました」

「勝敗を分けたのは後半の出だしでした。10点差を6点差、5点差に詰めて進めていけるのか、もしくは15点差、20点差になってしまうのか、ここが勝敗を分けた最大のポイントだと思います」

「我々は下を向くわけにはいかないので、ディフェンディングチャンピオンのアルバルクさんとの試合を糧にして、次の試合に向けて、継続してステップアップしていきたいと思います」

「(明暗を分けた3Qの立ち上がり、何が原因だった?)いろいろな要因があります。アルバルクさんは、あそこで気を引き締めてくるだろうと思っていました。勝ち方を分かっているチームですし、後半の最初が大事だということは確実に分かっていたと思います。それに対して、我々のエナジーレベルが落ちてしまい、2回連続で走られてしまいました。ここが(A東京との)差、我々が見習わないといけない差だと思います。我々は常に格上と対戦していますから、隙きひとつで勝敗が分かれてしまいます。私自身としても、もっともっとこういったことを強調して、隙きがないチームを作っていかないといけません」

「1Qも決して悪い形ではありませんでした。シュートが入るか入らないかです。シュートの精度を高めていかないといけません。2Qに関しては、レジナルド・ベクトン選手も含めたビッグマンが走ってそのままレイアップといったウチが求めている形が出せました。こういったことを今後も出していければ、安定性に繋がってくると思います」

「(牧を先発起用した理由)彼は普段の練習から、みんなもそうなんですけど、非常に努力をしています。昨日の試合でも、残り5分の時間帯で非常に良いシュートを決めて、しっかりと仕事をしてくれていたので、今日は彼を信じて、コートに送りました」

「(指揮を取ってから初めて大差を付けられた敗戦になった。今後どう立て直していく?)水曜日にホームゲームがあるので、まずは身体をしっかりと休ませないといけません。その上で、自分たちが良くなかった点と、自分たちのバスケットとは何かをしっかりと見つめ直していきます。逆にいえば、これが表現出来ている時間帯では、アルバルクさんとも互角に渡り合えていました。40分間突き通す強さが、アルバルクさんのほうが遥かに勝っていました。我々は崩れた部分があった。これを、5分ではなく、10分ではなく、40分間でやる。出てきた選手全員が変わらない共通理解でやっていくことが大事だと思っています。次の練習では、自分たちをもう一度しっかりと振り返って、秋田戦に向かっていきます」

《今季初先発・牧全 試合後コメント》

「前半は、ある程度ディフェンスゲームに持っていくことが出来て、僕たちのやりたいことが出来ていたのですが、後半で相手のやりたいことが上手くいってしまったので、向こうの得点が伸びて、僕たちのオフェンスが伸びなかったことが一番のネックになりました」

「(敗因について)やはり、得点が伸びなかったこともそうなのですが、後半で向こうのほうがやりたいことを上手くやっていました。その部分で相手の得点が伸びて、僕らの走るバスケがやりにくくなりました。そういった意味でもファストブレイクの得点が減ってしまい、向こうの流れが後半でも続いてしまったことが敗因だと思います」

「(10点差で入った3Qの大事な立ち上がり、コートでの状況は?)僕たちが求めていたシュートシチュエーションが上手く噛み合っていませんでした。あそこでリバウンドを取られてしまい、走るバスケをA東京に持っていかれて、6点続けて入れられてしまいました。3Qの出だしの1、2分が一番向こうに突かれてしまったと思います」

「(あれでリズムが崩れてしまった?)そうですね。3Qの入りは、向こうのほうが、しっかりと準備が出来ていたと思います。僕たちのほうが、少し受け身になってしまったと思います」

「(今季初先発だった)いつもはナオ(橋本尚明)がスタートですが、僕が出ることになって、ナオ以上に頑張って、試合に貢献して勝ちを取りにいくという気持ちで臨みました。まずはディフェンスから入ることを一番意識して試合に入りました。自分自身は結構冷静でした。北海道でもスタートは何回もやっていましたけど、いつもより集中力を高めて入りました。まずはディフェンスから。この部分では、前半で出来たのではないかと自分では思っています」

「悔いが残るのは、シュートシチュエーションです。僕は2本しか打てなかったので、もっと自分のシュートシチュエーションを作れるようにしないといけません。得点を伸ばしていかないとダメなので、オフェンスの面でシチュエーションを作れるように修正して練習していきます」

「(この2連戦で掴んだものは?)やはり、ひとつひとつのミスのデカさです。A東京のような強いチームになるとミスをすると突かれてしまうので、ミスを減らして、本当にパーフェクトに試合をしないといけません。エクスキューション(遂行力)をまずは練習からやって、ターンオーバーを減らしていくことが一番のキーだと思います」

「(どう巻き返す?)ひとりひとりがステップアップをして、集中力を高めていきます。水曜日にまたすぐ試合があって練習時間が限られているので、ひとりひとりが平均以上の働きをしないといけません。(次節闘う)秋田も強いチームなので、ディフェンスで頑張って、走るバスケに持っていけたらと思います」

ビーコルは次節、中2日後の2月12日(水)にホーム横浜国際プールに秋田を迎えて1試合を闘う。

【取材・写真・記事/おおかめともき】


Written by geki_ookame