福田HC就任発表当日の試合で金星!デビュー戦の赤穂が勝利を決める!
2019-20シーズン第21節(2月1日 横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 75-70 大阪エヴェッサ
19-23|14-15|24-12|18-20
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 2.01 [SAT] 横浜ビー・コルセアーズ vs 大阪エヴェッサ】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=4454&TAB=B
中地区5位の横浜ビー・コルセアーズは、ホーム横浜国際プールで、西地区首位の大阪エヴェッサと第21節の2連戦GAME1を闘い、5点差の75−70で勝利。連敗を「3」で止めた。惜敗続きだったビーコルがホームで勝利を手にした。横浜ビー・コルセアーズはこの試合前にトーマス・ウィスマン氏と双方合意の上で契約を解除したことを発表。新潟戦からの5試合でHC代行を務めていた福田将吾ACのHC昇格を発表した。その初戦でビーコルは西地区首位でリーグ屈指の得点力を持つ大阪の得点を70点に抑え、2Qと3Qでは共に10点台、シュート成功率も38.6%に封じ込めたばかりか、平均11本とオフェンスリバウンドでも力がある大阪を、この日はわずか6本に抑えて、この金星に繋げた。前半で追いかける展開となったビーコルは、3Qの立ち上がりで6点ランを決めるなどしてリードを奪った。以降、4Qの終盤まで数度の同点とリードチェンジを繰り返しながら接戦を演じ、中盤5分でベクトンの3点バスケットカウントで逆転。以降で僅差のリードを死守した。3点差に迫られた最終盤残り11秒で、これがデビュー戦となった特別指定選手・青山学院大学3年の赤穂雷太が果敢なスティールからレイアップを決めて勝利を決定付けた。ビーコルはこれで9勝24敗になった。4位新潟が名古屋Dに敗れたために5位ビーコルとのゲーム差が「1.5」に縮まった。3位富山と2位三河は共に勝利。3位までのゲーム差「4.5」と、チャンピオンシップ出場圏2位までのゲーム差「6.5」は変わらずそのままになっている。
18チームの総合順位では、ビーコルの17位は変わらず。16位島根が敗れたためにビーコルとのゲーム差「1.5」は変わらず。15位新潟と島根のゲーム差は「1」ゲーム差に。ビーコルとは「2.5」差になった。15位新潟と残留プレーオフ圏外14位北海道は「0」ゲーム差、ビーコルと北海道のゲーム差は「2.5」のままになっている。
この試合で、前節富山戦当日に加入が発表され、同試合からベンチ入り登録が可能になっていた特別指定選手・赤穂雷太(青山学院大学3年)を初めてベンチ入り登録。ホール 百音 アレックスとハンター・コートが登録を外れた。外国籍選手では、ウィリアム・マクドナルドを外して、レジナルド・ベクトンとジェームズ・サザランドが起用された。1Q、先制を許したビーコルは、立ち上がりでシュートが決まらず追う展開になったが、中盤以降で徐々にオフェンスのリズムを取り戻して、同点とリードチェンジを繰り返した。残り2分で特別指定選手の赤穂雷太がデビュー戦のコートに立った。残り1分を切ったところでサザランドが3Pシュートを決めてビーコルが3点リード。このまま主導権を握りたいビーコルだったが、残り56秒から大阪に7点ランを決められて逆転を許し、5点差で最初のクォーターを終えた。2Qの開始8分で赤穂がBリーグ初得点・初シュートとなる3Pシュートを決めた。ビーコルは、執拗なダブルチームを仕掛けてくる大阪ディフェンスに苦戦しながらも、生原とサザランドが3Pシュートを決めて追撃。1分を切った残り35秒ではベクトンがダンクを決めた。2Qでの得点は14得点に留まったが、一方でディフェンスが機能。大阪の得点を15点に抑えて、5点差を維持した。後半に入った3Qの開始から、ビーコルはディフェンスのギアを数段上げて大阪の得点を、2Qからさらに下回る12点に抑えることに成功。オフェンスでは速いトランジションからベクトンがダンクとフェイダウェイを決め、さらにはチェンバースがレイアップで続いた6−0のランでリードを奪った。中盤ではチェンバースとサザランドが3Pシュート、残り4分では田渡が速攻から2Pシュートを決めるなどして、このクォーターで24得点を入れて7点のリードを奪った。4Q、大阪に追いつかれた6分以降でクロスゲームになったが、中盤の5分でベクトンが3点バスケットカウントを決めてビーコルがリードを奪い返した。さらにはベクトンと生原が成功率100%でフリースローを決めてそれぞれ3/3本ずつ計6点を入れてリードを守った。以降で大阪の猛追を受けて、残り14秒では橋本拓哉の3点バスケットカウントで1点差にまで迫られた。残り12秒でフリースロー2本を得たチェンバースが2本とも確実に入れてビーコル3点のリードに。ここで大阪はタイムアウトをかけた。福田HCはベクトンに代えて、アイラ・ブラウンを抑えていた赤穂を投入した。タイムアウト明けで大阪はセットプレーに持ち込んだが、中村がブラウンにスローインを出すと、このセットプレーを読み切っていた赤穂がスティール。そのまま速攻に持ち込んでレイアップを決めた。横浜国際プールは割れんばかりの大声援となり、これでビーコルの勝利が決まった。ビーコルは3選手が、ふた桁得点。レジナルド・ベクトンが今季初めての30点台、今季自己最多となる31得点(両チームを通じても最多)と爆発。リバウンドも15本を取ってダブルダブルをマークした。ジェームズ・サザランドが3Pシュート5/11本を含む15得点(9リバウンド)、アキ・チェンバースが3Pシュート1/4本を含む11得点を挙げた。デビュー戦を鮮烈なデビューで飾った赤穂雷太は、13分37秒をプレーして3Pシュート1/2本、2Pシュート1/4本で5得点(2リバウンド)を挙げた。また試合最終盤ではアイラ・ブラウンから殊勲のスティールを奪って、自身の試合を決定付けたレイアップに繋げた。《福田将吾HC 試合後会見》
「レジナルド・ベクトン選手が、前節の富山戦で早い段階からファウルが混んでしまったことで、コートにいる時間が非常に短くなりました。これについての話を彼として、ベクトン選手がいる時の得失点といない時の得失点をデータで見せました。『これだけ、あなたがコートにいることは大きいんだよ』という話をしました。彼も理解してくれて、今日の試合で遂行してくれました。彼はスマートな選手です。今日は前半で0ファウル、後半では必要なところでファウルをしていました。非常に上手いゲームマネージメントをしてくれて、これがキーになりました。ベクトン選手には非常に感謝をしています」「前半で我々は得点も含めて、伸び悩んだのですが、ディフェンスのところでアグレッシブさがありませんでした。もっとボールマンに対してのディナイでギアを上げていこう。ウチはそこから走るバスケットボールをしたいんだ。これを突き通せば、必ず勝てるからという話をハーフタイムで選手たちにしました。(大阪を12点に抑えた)3Qで、このことを見事に実戦して、ひっくり返してくれました。4Qでは、少しバタバタしてしまった時間帯がありましたが、これは経験を積んでいくことで、良くなっていくと思います。大阪さんは西地区1位のチームで非常に経験があり、天日HCも非常にキャリアがあるヘッドコーチなので、非常に勉強になりました」
「今日勝って、明日負けたら、成長に繋がらないと思っています。選手たちにも話したのですが、明日も全力で、且つ全員バスケットボールで闘いたいと思います」「(4Qの赤穂のスティールについて)あのスティールの前のポゼッション(残り16秒で71−67の場面)で、ウチが4点リードしていたので、大阪さんが3点を狙ってくると思っていたのですが、逆にウチがスイッチすることを読まれました。橋本拓哉選手が、ベクトン選手とスピードのミスマッチが生じたことで早く2点を取りに来たんです。3点プレーになったのは計算外でしたけど、あれを見ていたので、次のポゼッションで、またベクトン選手を入れているとそこを突かれると思いました。赤穂選手がアイラ・ブラウン選手をいい形で止めていたので彼を入れる決断をすぐにして、ベクトン選手を下げて赤穂選手を入れたんです。結果的には、相手も予想外だったのか、あのスティールに繋がったんだと思います」「(赤穂はスティールのあとで試合を決める2Pシュートを決めた。赤穂の印象は?)非常にバスケットIQが高い選手ですし、コーチが言うことにも聞く耳を持っています。これから楽しみだと思います。B1のレベルで、西地区1位の大阪相手にも怯まず、自分のプレーを淡々とやれるところは、メンタル面においてもタフな選手だと感じています。このことは彼が初めて練習に来た時から感じていました。1Q5分の時点で起用することを決めていたので、彼にもそう伝えていました」
「(ディフェンスの手応えは?)今日の目標として、失点を73点以下に抑えることがありました。また大阪さんは、オフェンスリバウンドが非常に強いチームです。その大阪さんを7本以下に抑えることも目標でした。結果、70失点で、取られたオフェンスリバウンドは6本と全ての目標がクリアされました。こういったところでは、非常に手応えを感じています」「(機能しているゾーンディフェンスについて)トーマス・ウィスマンHCがやられていたゾーンとは、少しシステムを変えている部分もあります。まだまだアジャストしきれていない部分もありますけど、今日は、テンポを変えたいことからゾーンを使いました」
「前節で負けた富山戦ではファウルが多くなり、フリースローで非常に大きな差がついてしまいました。正直、不要なファウルも多くあって、そのためにディフェンスの強度が落ちることも多くありました。このことを昨日のミーティングで、私から伝えるのではなくて、選手たちを3つのグループに分けてミーティングをさせました。『僅差で負けた原因は何だと思う?』ということを各グループで考えてもらい、それぞれ出た答えを全員で共有しました。その結果、やはりファウルをしないこと、1Qで強度が落ちてしまう、セカンドユニットが出てきても強度を落とさない。ではそのためにどうやったら良いのか?『それは、やっぱりディフェンスだよね』『ディフェンスをしっかりとやればクロスゲームを勝てる』選手たちから出てきたこの答えは、私も思っていたことでした。これを今日やることにしたんです。結果的に勝ちにつながって良かったと思っています」
「(HC就任の初陣が大阪からの金星だった)新潟戦からの過去5試合でHC代行としてやらせていただいて、非常に僅差な展開で負けていました。形では初陣ではありますけど、私が指揮をしてから2勝4敗と負け越しているわけですから、素直に喜べない気持ちです。それよりも、自分の気を引き締めて、明日の試合にまた臨みたい。そう思っています」《赤穂雷太 試合後会見》
「前半は我慢の時間帯が長かったのですが、ハーフタイムでヘッドコーチが『もっとインテンシティを上げれば、追いついて逆転出来る』という話をされて、それを実行出来たので、良いゲームだったと思います」
「(いきなり西地区首位の大阪と対戦したデビュー戦の感想は?)特に他の地区の1位とかは、意識していませんでした。日頃の練習からハードワークがしっかりと出来ているので、どの相手が来ても関係ないと思っています。レベルが高い練習も経験出来ています。相手が首位だからといって、臆することなくプレーすることが出来たと思っています」「(2Q、3Pシュートで決めたBリーグ初シュートについて)あのシュートは、狙ったんですけど、打った瞬間に『あ、強い』と思ったんです。それが入ってくれて、まぁ、運を味方につけることが出来て良かったです」
「(持ち味のひとつディフェンスではアイラ・ブラウンに付いて抑えることが出来ていた)フィジカルの部分では、相手も強かったのですが、大学でも、この自分の身長の高さと手の長さを活かしたディフェンスをやっています。アイラ選手を完全に抑えられたわけではないですけど、そこまでやられていないイメージもあります。これは、自分の中で少し自信がついた部分だと思っています」「(勝負どころの4Qではプレータイムをもらった)今日はディフェンスを常に意識してやっていました。最後のディフェンスのポジションの時に出させてもらって、凄くありがたいというか、しっかりとやらないといけないという気持ちでコートに出ました。あそこで使っていただいて、凄くうれしかったです」
「(4Q最終盤では自身のスティールから勝利を決定付ける2Pシュートを決めた)うれしかったですし、あの観客の中で、自分も気持ち的に乗っていました。僕は、あまり感情を表に出すタイプではないですけど、今日は自分の中でも感情を表に出すぐらいうれしかったです。これが、応援の力なのかなと思いました」「(あのスティールは狙っていた?)確証はなかったのですが、相手のHCからしたら、自分が新しく入ったばかりなので、ミスをしてくると予想したかもしれません。でも、少なくとも、僕のことを狙ってくるなとは考えていました。スクリーンをもらって、上にあがった時点で『ああやっぱり』と思いました。あそこでディナイを張ってしまうと相手もパスをしてこないと思ったので、ある程度、届く距離でしっかりと付いていきました。その読みが当たりました。これは、コートに入った時から考えていたことです」
「(ビーコルファンへ)これから新人らしく、ハッスルして、もっともっと勝てるように、頑張っていくので、ぜひ応援をよろしくお願いします」GAME2は、翌2日に今回と同じ横浜国際プールで14時5分ティップオフでおこなわれる。
【取材・写真・記事/おおかめともき】