懸案のマンツーマンDF改善!マックレアが来日最多を更新する25得点で初ダブルダブル!
2018-19シーズン第6節・GAME1(10月27日 青山学院記念館)
サンロッカーズ渋谷 79-84 横浜ビー・コルセアーズ
21-19|21-17|12-21|25-27
横浜ビー・コルセアーズは、10月27日アウェー青山学院記念館で、サンロッカーズ渋谷と第6節GAME1を闘い、接戦の末に2連戦の初戦を勝利した。
またビーコルはこの日、前日に双方合意のもとで契約解除したチャールズ・ガルシアに代わる新たな外国籍選手プリンス・イベの獲得を発表している。
まさに獲物を追い詰める海賊の如し。4Qでの川村とエゲケゼが魅せた3P攻勢は実に鮮やかだった。ビーコルは、序盤ビハインドもじわじわと追い上げ、3Q終了間際にキャプテン細谷将司の3Pで逆転。ディフェンスでは後半に入ってからマンツーマンディフェンスを要所に使ってSR渋谷の得点を抑えることに成功。以降、緊迫したクロスゲームとなったが、4Q終盤で川村卓也、アマンゼ・エゲケゼの3Pシュート攻勢などでSR渋谷を突き放し、そのまま逃げ切った。ジャボン・マックレアが前節に続いてスコアリーダー。果敢にインサイドにアタックして前節で挙げた自身の来日最多得点を更新する25得点を挙げ、また11リバウンドも記録して来日後初となるダブルダブルもマークした。
この試合のスターティング5は滋賀2連戦から3試合続く、川村、エゲケゼ、マックレア、田渡、帰化選手モリスのオンザコート3を入れた布陣。
1Q開始早々に川村の2Pシュートで幸先よく先制したが、元NBAのロバート・サクレとライアン・ケリーにインサイドでの得点を許す。ビーコルは、田渡、エドワード・モリスの2Pシュート、細谷の3Pシュートなどで得点して追撃。1Qを19-21で終える。
2Q開始早々にマックレアの2Pシュートで同点に追いついたが、ゾーンディフェンスが破られて二桁ビハインドに。オフェンスではシュートミスが続いた。SR渋谷が成功率52.9%でシュートを入れてきたのに対してビーコルは25.0%と苦戦したが、ファウルを10本と多く奪い、これで得たフリースローを11/15で決めて得点をカバーした。2Qは17-21。トータルスコア36-42で前半を終える。
3QでウィスマンHCは、2Q途中で起用していた40歳のベテラン竹田 謙を頭から投入。川村、エゲケゼ、マックレア、田渡、竹田の布陣を敷いた。またディフェンスではマンツーマンに変更。以降、要所でマンツーマンを積極的に使用し、竹田はこれに大きく貢献した。
アグレッシブに仕掛けたディフェンスでリバウンドを奪い流れを作ったビーコルは、田渡、マックレア、エゲケゼの2Pシュートでじわじわと詰め寄る。
残り5秒で細谷将司がマックレアのアシストから3Pシュートを沈めて逆転に成功する。
4Qの出だしで両チームは、激しい点の奪い合いとなり、スコアが行き来したが、中盤5分で川村がインサイドから沈めた2Pシュートで勝ち越しすると、エゲケゼが速攻からレイアップを決めて得点を追加。
4分、インサイドを突破されたサクレにダンクを決められて2点差に迫られたが、川村とエゲケゼの鮮やかな連続3Pシュートで突き放した。
SR渋谷は、長谷川の3Pシュート、広瀬のレイアップで追撃してきたが、2分にマックレアが3点バスケットカウントを決めて6点差。勝利への流れを大きくする。
終盤残り1分を切って、SR渋谷は数回のファウルゲームを仕掛ける執念をみせたが、ビーコルはフリースローを高確率で決めてリードを許さない。
残り30秒にベンドラメに2Pシュートと、フリースロー後に3Pシュートを続けて決められたが、ビーコルは、落ち着いた試合運びでリードを死守。このまま逃げ切って5点差で勝利した。
ビーコルは、これで3勝6敗。中地区5位はそのまま。SR渋谷は6連敗となり、この試合からヘッドコーチ昇格となった伊佐 勉HCの初勝利を飾れなかった。
ビーコルのスコアリーダーは、自己最多を更新する25得点を挙げたジャボン・マックレア。マックレアは11リバウンドも記録して来日して初めてダブルダブルをマーク。
2番手は19得点を挙げたアマンゼ・エゲケゼ。以降は、川村卓也19得点、田渡 凌15得点と続いた。試合後、マックレアはこのように語っている。
「今日はタフな試合でした。本当にフィジカルな試合で、相手選手の多くが身長が高く、ゴール下が本当に重要でした。1Qで相手がリードを奪いましたが、それでも自分たちがゲームプラン通りにプレーしていって、最後に勝利出来た。明日もこれを続けていきたいと思っています」
「先週負けていたので、今週は本当に勝ちたかった。エナジーを全開でやったことがこのスタッツに繋がりましたね」
「明日の試合もこのパッションでいく。前半たとえ負けていたとしても、しっかりと走って、ゲームプラン通りに遂行して、後半で勝ち切れるようなバスケットボールをしていきます」
「ビーコルブースターの皆さんを愛しています!」
試合後、トーマス・ウィスマンHCはこの勝利をこう振り返っている。特に大きな課題があったマンツーマンディフェンスが機能したことを評価した。
「勝つことは本当に気持ちがいい。このリーグで1勝することは容易ではない。今日のこの勝利は自分たちで勝ち取った勝利だと思っている。渋谷もいい試合をしてきた。前半で我々のゾーンディフェンスを攻略してきた。リードを奪われて後半をスタートしたが、ハーフタイムのロッカールームでマンツーマンディフェンスをステップアップしようと話した。これが良い結果を生んでくれた。後半3Qで相手を12点に抑え、相手よりも多い8本のリバウンドを取ることが出来た。これまで出来ていなかったマンツーマンディフェンスが出来たこと。これがこの勝ちに繋がった。明日もこれをしっかりと継続して勝っていきたい」
「オフェンスでは、前半で3Pシュート1本でフィールドゴール成功率32.3%だったが、後半でシュート確率を上げていき、4本の3Pシュートを決めた。この3Pシュートが入ったことも大きな勝因だ」
「今日のマンツーマンは良かった。大事な時間帯でしっかりとディフェンスをして、必要な時に相手をストップ出来た。ディフェンスが本当に大切だと思っている。明日も継続して勝つことにこだわっていく」
「そして、今日の立役者は竹田 謙選手だ。彼が試合に入ってきて、ディフェンスにエナジーを吹き込んでくれた。彼は40歳だが、まだこれが出来る選手。彼のことは本当に尊敬している」
勝てたことはもちろんだが、懸案のマンツーマンディフェンスが改善されてステップアップ出来たたことは大きな収穫だ。
ウィスマンHCのもとで、1試合、1試合、確実な歩みで進化成長を続ける新生ビーコル。シーズン中には、落としてはならない試合がいくつか出てくるが、今節はまさにそれだ。海賊たちは、明日のGAME2を全力で獲りにいく。
【取材・写真・記事/おおかめともき】