第28節 vs川崎ブレイブサンダース 横浜 74−100 川崎


ガード陣不足。前節、前々節で東西首位チームを苦しめたDFを再現できず

2020-21シーズン第28節(3月24日横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 74-100 川崎ブレイブサンダース
14-25|21-23|20-30|19-22

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 3.24 [WED] 横浜ビー・コルセアーズ vs 川崎ブレイブサンダース】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=6307&TAB=B

横浜ビー・コルセアーズは3月24日、ホーム横浜国際プールで同じ東地区3位の川崎ブレイブサンダースと闘い、26点差で敗れた。琉球2連戦から5連敗で14勝31敗になった。

この試合でビーコルは、普段アウェー戦で着用するSAIL WHITEユニフォームでプレーした。また前節に続いて、生原秀将が欠場。アキ・チェンバースと須藤昂矢はベンチ入り登録されたがプレータイムはなかった。

普段はアウェーで着用するSAIL WHITEユニフォームでプレーした横浜ビー・コルセアーズ【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


ビーコルはアウダ、カーター、モリスのビッグラインナップでスタート。カーターの2Pシュートで先制したが、3Pシュート攻勢を仕掛けてきた川崎に逆転を許し、以降で追いかける展開になった。オフェンスで14得点と伸びず、ディフェンスでも1Q終盤で20点台の失点を許し、立ち上がりから二桁ビハインドを背負うことになった。

2Q開始から反撃に転じたビーコルは、ベクトンの2Pシュートとカーターが内外から決めた連続シュートで差を5点に縮める。しかし、ゾーンディフェンスの裏をかいたファジーカスに外角からのシュートを多く決められ、再び点差が開き13点差で前半を終えた。

川崎・ニック・ファジーカス(右)にディフェンスを仕掛ける横浜ビー・コルセアーズ#2ケドリック・ストックマン・ジュニア(中央)左は横浜ビー・コルセアーズ#25竹田 謙【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


ビーコルは3Qで森川が二桁10点を入れるなどして20得点を入れたがディフェンスで川崎の勢いを止めることが出来ず、このクォーターだけで30点を失ってしまい23点差と離されてしまう。それでも4Qでアウダと森川を起点に食らいついたが、点差を詰めるまでには至らず、100点ゲームを喫する26点差で敗れた。

川崎からボールを奪い、得点につなげた横浜ビー・コルセアーズ#1パトリック・アウダ【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


ビーコルの二桁得点は4人。森川正明が3Pシュート2/5本を含む21得点を入れてチーム最多。パトリック・アウダが3Pシュート1/2本を含む19得点。ロバート・カーターが18得点11リバウンドでダブルダブル。レジナルド・ベクトンが12得点をそれぞれ記録している。

18得点11リバウンドでダブルダブルをマークした横浜ビー・コルセアーズ#4ロバート・カーター【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


【カイル・ミリングHC試合後会見コメント】

「川崎とは4回目の対戦。過去3回のうち2回は惜しくもブザービーターで負けてしまい、勝てたはずの試合があった中で、今日は難しい試合になった。前節、前々節とリーグトップ勝率のチームと対戦し、試合には負けてしまったものの、パフォーマンスはとても良かった。その時のエナジーを今日は出せず、ディフェンスもうまくいかなかった。怪我人も多く、相手にタフなディフェンスやエナジーで上回ったプレーをされて、自分たちのバスケができなかった。結果的に焦ってプレーをしないといけなくなり、ゲームプラン通りにいかなかった。まだ試合も続くので、怪我人の復帰が一番だが、まずは今週末に向けて準備をしていきたい」

横浜ビー・コルセアーズ カイル・ミリングHC【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


◇ ◇ ◇

前節と前々節で東西首位の琉球と宇都宮を苦しめたディフェンスがことごとく突破された。川崎はファジーカスを中心に琉球戦と宇都宮戦で多用したゾーンディフェンスの裏をかいた3Pシュート攻勢を仕掛けてきた。外角からのショットが増えることはゾーンの泣き所だが、強豪たちを苦しめたあのディフェンスでは2−3ゾーン、1−3−1ゾーン、マンツーマンを細かく織り交ぜたチェンジングディフェンスでこれを防ぎ、なおかつ外角からのショットを多く誘発させることでリバウンドを大きくさせ、得点機につなげていた。そのことを川崎は入念にスカウティングしたのだろう。完全に裏をかかれていた。

悔やまれるのは、宇都宮2連戦で乗りに乗った活躍で攻守の起点になっていた須藤昂矢が出れなかったことだ。生原秀将とアキ・チェンバースが出れない上に須藤も欠くことになったビーコルはガード陣の不足に陥った。この試合でのポイントガードは森井健太とケドリック・ストックマン・ジュニアの2人だけであり、シューティングガードは17分プレーした竹田 謙と秋山皓太だけで、秋山はプレータイムが12分に留まっていた。1Qのスローインではポイントガードにボールを出さず、アウダ、カーターのビッグマンに1番をさせる奇策もあったが、ガード不足から打った苦肉の策だったのかもしれない。

1Qで1番のポジションにつきボールを運んだパトリック・アウダ。奥はパスを待つポイントガード森井健太【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】


竹田は「(ガード不足は)当然あったと思うが、プレーの部分でもかなり修正しないといけない部分が多かった」と悔しさを滲ませながら語った。「最初の出だしでエナジーがないまま入ってしまった。それで完全に川崎のペースになってしまい、ゾーンもしっかりと攻略されてしまった」と敗因を語る。これが復帰3戦目のレジナルド・ベクトンは「彼らが良い試合をして、自分たちのディフェンスが足りなかった。相手はボールをよく動かしていたし、自分たちはやりたいことが出来なかった」と語り、無念の表情を浮かべていた。

次節は今回と同じホーム横浜国際プールでおこなわれる2連戦だが、また中2日後と厳しいスケジュールが続く。相手は前回41点差の大敗を喫した富山グラウジーズだ。竹田とベクトンは「前回大差でやられた相手。今日出来なかったディフェンスのインテンシティをしっかりと上げて試合に入れるようにすることが大事(竹田)」「とにかくディフェンス。エナジーも120%出し切って自分たちのディフェンスをやればオフェンスにもつながる(ベクトン)」とリベンジを誓う。

試合後、無念と悔しさを浮かべる竹田、森井、森川(左から)。右端はベンチ入りも出場がなかった須藤【写真提供©B-CORSAIRS/T.OOkame】

 

怪我人が中2日でどこまで回復するかだが、苦境にこそファン・ブースターのあと押しが必要だ。海賊たちはあと2カード3試合になった横浜国際プールでのホーム戦で意地を見せてくれるはず。選手とファンが共に闘い、海賊一丸でグラウジーズにリベンジだ。

【記事/おおかめともき・写真提供/©B-CORSAIRS/T.OOkame】


Written by geki_ookame