第20節 vs京都ハンナリーズGAME2 京都 78−83 横浜


カーター不在で結束。ビーコルのプレー取り戻してタフゲームを制す

2020-21シーズン第20節GAME2(2月7日 ハンナリーズアリーナ)
京都ハンナリーズ 78-83 横浜ビー・コルセアーズ
18-25|23-20|16-16|21-22

【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 2.07 [SUN] 京都ハンナリーズ vs 横浜ビー・コルセアーズ】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=6187&TAB=B

横浜ビー・コルセアーズは2月7日、アウェー・ハンナリーズアリーナで京都ハンナリーズと2連戦のGAME2を闘い、終盤の接戦を制して5点差で勝利した。敵地での第20節は1勝1敗。ここまでの通算対戦成績を12勝22敗とした。

ビーコルは、前節広島戦GAME2での2度のアンスポーツマンライクファウルで1試合の出場停止を科されていたアキ・チェンバースがこの試合で復帰して先発。一方でロバート・カーターが欠場し、代わってレジナルド・ベクトンが先発した。

横浜ビー・コルセアーズ#7レジナルド・ベクトン。両チーム最多の22得点を挙げ、リバウンドでも10本を記録してダブルダブルをマークした【写真提供©B.LEAGUE】


試合は、前日同様に立ち上がりから両チームが点を奪い合う一進一退の展開でスタート。残り3分からはビーコルがチェンバースの3Pシュート2本などで10点ランを決めてリードを奪い、7点をリードした。

2Qに入ってもビーコルは順調に得点。アウダの2Pシュート、須藤の3Pシュートで加点した。京都も松井、ハーパー、サイモンのシュートで追い上げたが、生原の2Pシュート、アウダとベクトンのフリースローの得点などでリードを守った。4分、河村のアシストから森川が3Pシュート、3分には河村が3点バスケットカウントを決めてスコアを40点台に乗せた。終盤で京都が寺嶋の連続2Pシュートなどで追い上げ、リードは4点になった。

レイアップを打つ横浜ビー・コルセアーズ#30須藤昂矢。前日でプロ初先発だった地元横浜出身の須藤はこの試合で5得点をマークした【写真提供©B.LEAGUE】


3Q開始早々にビーコルは河村がレイアップを決め、京都はかつてビーコルでプレーした満田が2Pシュートを続けて追い上げた。5分で京都がリードしたが、アウダがこの試合2本目の3Pシュートを沈めてすぐさまリードを奪い返した。以降で一進一退の展開になったが、残り3分で秋山が3Pシュートを沈めてビーコルが再びリードを奪うと、チェンバースの3Pシュートなどでリードを伸ばした。3Qは16−16と互角。ビーコルは4点のリードを守って最終クォーターに突入した。

4Qでビーコルは、立ち上がりでモリスが2Pシュートを決めた。8分で松井とライスに3Pシュートを続けられて同点にされたが、ベクトンのレイアップでリードを奪い返す。以降で両チームはリードチェンジを繰り返し、6分からは京都がリードした。中盤5分で河村がファウルアウトし、流れを取り戻したいビーコルは、アウダがレイアップを決めて反撃。残り3分には温存していたベクトンを投入した。

終盤で試合は接戦になったが、これを制したビーコルが勝利した【写真提供©B.LEAGUE】


ここから両チームの争いは再び一進一退になり、残り1分でビーコルがアウダの連続2Pシュートで勝ち越し。残り1分でリードを4点に伸ばした。残り1分を切ってから2点差に迫られたが、生原が得たフリースロー2本を確実に仕留めて再び4点差に戻し、残り8秒ではファウルを奪った森川がフリースロー1本を入れて5点差にした。

残り3秒で京都がフリースローの得点で3点差にまで迫ると、ビーコルは竹田を投入。京都は残り1秒でファウルゲームに打って出たが、チェンバースが得たフリースローを2本とも決めて勝利を決定づけた。

ビーコルの二桁得点は3人。レジナルド・ベクトンが両チームを通じて最多となる23得点。リバウンドでも10本を記録してダブルダブルをマークした。パトリック・アウダも18得点10リバウンドでベクトンと共にダブルダブル(3Pシュート2本)をマーク。アキ・チェンバースが3Pシュート3本を含む11得点(7リバウンド)を挙げた。

アシストでは生原秀将と河村勇輝がそれぞれ5本(共に7得点)を記録している。

オフェンスに転じる横浜ビー・コルセアーズ#46生原秀将。勝負所でのフリースロー2本を確実に仕留め、7得点5アシストを記録。ボールムーブでも貢献した【写真提供©B.LEAGUE】


【カイル・ミリング試合後会見コメント】

「試合全体を通して、昨日と比較するといいリズムで試合ができていて、スピード感も昨日とは違っていた。インサイドでアタックするのか、バランスを考えて交互にうまく使いなさいと試合前に選手に話していた。前半でアシストが13本だったのは、ボールを良く動かせていた証拠だと思う。ボールを動かせていた分、ワイドオープンでシュートを打て、そのシュートも決めきることができた。 昨日はファウルを誘うことができなかったが、今日は全体で23本を得て、全員がフリースローをしっかりと決めてくれた。今日闘ってくれた選手みんなをとても誇りに思っている」

◇ ◇ ◇

今季で一番だったかもしれないタフゲームを全員バスケで闘い、見事な逃げ切りで勝利をつかんだ。

激闘を終えたカイル・ミリングHCは試合後のインタビューで神妙な面持ちだった。「カーターを欠き、怪我人も出ていた中で難しい試合だったが、エナジーとスピードを上げて闘ってくれた選手たちを誇りに思う」と語り、選手たちを讃えた。ひと通りの質問が終わるとインタビュワーは締めかけたが、指揮官は応援してくれたビーコルファンにメッセージを送ることを忘れなかった。「応援ありがとう」と日本語で感謝を伝えると、今やトレードマークになった勝利の“YOKI YOKI YOKI”を送って喜びを分かち合った。

東西8位同士の対戦で初戦を落としていたビーコルは負けるわけにはいかなかった。1試合の出場停止だったチェンバースが戻ったものの今度はカーターが欠場。この逆境の中でチームはひとつに結束した。

前日の悔しさに加え、カーターの不在がチームを奮起させたのだろう。前日に4得点5リバウンドのロースコアに終わったベクトンがインサイドでの奮闘をみせて両チーム最多の23得点10リバウンドのダブルダブルを挙げて起点になった。

オフェンスではシステムも変更した。この日チーム2番手となる18得点を挙げたアウダは、カーター出場時には主にインサイド中心の起用になっていたが、この日は1Qと3Qの要所で3Pシュートを沈めてカーターの不在を補った。もともと内外に打てるアウダだが、「(シュートで内外の)バランスを保った」というカイルHCの采配も当たった。

外角からシュートを打つ横浜ビー・コルセアーズ#1パトリック・アウダ。カーターの不在を埋めたチェコ代表選手アウダは、3Pシュート2本を含む18得点10リバウンドでベクトンと共にダブルダブルをマークした【写真提供©B.LEAGUE】


中2日後の水曜日からは2カード3試合のホーム平塚シリーズが待つ。自分たちのバスケットボールを取り戻した敵地での1勝を引っさげて、まずは富山グラウジーズとの1戦に挑む。

【記事/おおかめともき・写真提供/©B.LEAGUE】


Written by geki_ookame