約30分間にわたって主導権 CS進出決定がかかる千葉にあと一歩の惜敗
2020-21シーズン第35節GAME2(4月25日千葉ポートアリーナ)
千葉ジェッツ 70-63 横浜ビー・コルセアーズ
12-18|19-17|17-16|22-12
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 4.25 [SUN] 千葉ジェッツ vs 横浜ビー・コルセアーズ】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=6417&TAB=B
横浜ビー・コルセアーズは4月25日、アウェー千葉ポートアリーナで千葉ジェッツと2連戦のGAME2を闘った。先制を許したビーコルはすぐさまリードを奪い、以降4Q7分まで主導権を握り、リードを守り続けたが、終盤の接戦に敗れ7点差で惜敗した。ここまで16勝39敗。チャンピオンシップ進出決定がかかる千葉は勝利したが、A東京が勝利したために今節での進出決定はならなかった。
先制は千葉。ビーコルはすぐさまカーターが外角2Pシュートを決めて同点にすると8分40秒にベクトンが2Pシュートを決めてリードを奪った。千葉は先制点を決めてから得点が停滞。その間でビーコルは古巣凱旋のチェンバースが2Pシュートを決めるなどしてリードを伸ばした。中盤以降で千葉がシュートを決め始めたがビーコルもストックマン・ジュニアが3Pシュートを決めてリードを維持。ディフェンスではマンツーマンからスタートさせ、千葉の得点を残り1分までひと桁に抑えることに成功する。残り2分からはゾーンディフェンスに変更して主導権を握り続け、6点のリードを持って最初のクォーターを終えた。
2Qに入ってもビーコルは流れを維持。立ち上がりで須藤の3Pシュート、ベクトンの2Pシュートでリードを二桁に伸ばした。8分でショーターが3Pシュートを決めて千葉に流れが傾き、6分に富樫の3Pシュートで1点差にされたが、カーターが3Pシュートでやり返し、さらにはベクトンがオフェンスリバウンドから2Pシュートを決めてリードを守った。千葉は3Pシュート攻勢を続けたが成功に苦戦。ビーコルはディフェンスリバウンドで奮闘してオフェンスのリズムを作り、スコアを30点台に伸ばした。終盤で原の3Pシュートで2点差に詰められたが、アウダがフリースロー2本を確実に仕留めて引き離し、4点のリードを持って前半を折り返した。
3Qの立ち上がりで富樫に2Pシュートを許したが、森川が3Pシュートを沈めてリードを守った。ディフェンスでリズムを作ったビーコルは速いペースでオフェンスを展開し、7分からはベクトンが3本の2Pシュートを決めてリードを伸ばした。残り2分には好スティールを決めたアウダが速攻からダンクを決めて二桁10点差したが、ショーターに2Pシュートを続けられて千葉に流れがいき、残り1分ではエドワーズの3Pシュートで3点差に追い上げられた。ビーコルは残り1分を切ってから須藤が3Pシュートを決めて引き離しにかかるが、田口に3Pシュートを決められてリードは3点になった。
4Qの立ち上がりで1点差にされたビーコルはベクトンのバスケットカウント(フリースローは失敗)、アウダの2Pシュートで逃げたが、3Pシュートで差を詰めてくる千葉の追撃を受け、7分に決められた西村の3Pシュートで1Qから守ってきたリードを明け渡してしまう。さらにはショーターにも3Pシュートを続けられて流れが千葉にいった。6分にはエドワーズに2Pシュートを決められ、6点差を追いかける展開になったビーコルは、強度を上げた千葉ディフェンスに苦戦しシュートが決まらなくなる。
残り4分でアウダがインサイドを切り裂いた2Pシュートで4点差にするとディフェンスもゾーンプレスに変更して反撃に打って出た。これが奏功して流れが生まれ、残り3分でカーターが3Pシュートを沈めて1点差にすると、森川が好スティールから決めたレイアップでリードを奪い返した。同8秒、サイズの2Pシュートで千葉が再逆転。粘るビーコルはインサイドを攻め続けてファウルを誘発。残り2分にはチェンバースのフリースロー1点で同点にした。しかし、残り1分で富樫とショーターに3Pシュートを決められて千葉が再々逆転して6点差に。何とか差を詰めたいビーコルだったが、シュートが決まらず7点差での敗戦となった。
ビーコルの二桁得点は3人。レジナルド・ベクトンが19得点を挙げてチーム最多(7リバウンド・2アシスト)。パトリック・アウダが11得点(1リバウンド・2アシスト・2スティール)。ロバート・カーターが10得点10リバウンドでダブルダブル(1アシスト・1スティール・2ブロックショット)を挙げている。
【カイル・ミリングHC試合後会見コメント】
「リーグトップクラスのチームを接戦で70点台に抑えられたディフェンスができた点はとても良かった。終始接戦だったが、富樫選手やショーター選手にビッグショットを決められてしまった。結果を振り返ると40分間集中して闘えていたと思う。最後に出たわずかな気の緩みをつけ込まれてしまったが、最後まで闘い抜いてくれた選手を誇りに思う。
今シーズン私の合流が、新型コロナウイルスの影響で、開幕してからの合流になり、本来であればプレシーズンで築きあげたかったものを形にできるまでに時間がかかってしまった。さらにシーズン当初から怪我人も多く、難しい状況が続いていたが、そんな中でも13人の選手たちは闘い抜いてくれていた。全員とても真面目で、努力し続けられる選手だ。接戦で負けてしまう結果が続いていても、全員が前向きに集中してプレーしてきた結果が実を結び、成長し続けている。
残りの4試合で選手に自信をつけられるように、そして、チームとしていい形で終われるようにしたい。選手たちが今まで頑張ってきてくれていることはとても嬉しく思うし、高く評価している」
◇ ◇ ◇
A東京から挙げた初勝利に続く金星が目前だったが叶わなかった。だが、胸を張っていい惜敗だ。勝っていれば、あのA東京戦初勝利を上回る大勝利になっていただろう。
ビーコルは、1Qの8分40秒でリードして以来4Qの7分46秒までリードを守り続け、2位千葉相手に30分54秒間にわたって主導権を握り続けた。 4Qでリードされてからの粘りも素晴らしかった。A東京を苦戦させ、前日のGAME1でも使ったゾーンプレスをここぞで敷いて流れを手繰り寄せ、リードを奪い返してみせた。
ゲーム最終盤の接戦を守り切れなかったのは、これだけの闘いが出来ていただけに、悔しさがこみ上げるが、この試合を何としても取らねばならない千葉の底力が勝ったのだろう。
この試合で、千葉にはチャンピオンシップ進出決定がかかっていた。その条件は千葉が勝利してA東京が敗れる場合だった。結構としてA東京が勝ったために進出決定はならなかったが、千葉にはこのプレッシャーがあったのではないかと思う。
ビーコルは、2位千葉を敵地でとことん苦しめた。この惜敗でチームはまたひとつ自信をつけ、A東京から挙げた勝利が決してフロックではなかったことを証明した。
残り4試合。カイル・ミリングHCとの闘いも、今季限りで引退する竹田 謙のプレーもあと4試合になった。チームには、Bリーグになってからのクラブ最多勝利18勝を超える19勝がかかる。現在16勝、目標を達成させるためには、あと3つ勝たねばならない。
次節はまた中2日でのアウェー戦で、今度は西地区2位の大阪と対戦する。大阪とは今季初対戦だが、A東京に勝利し、千葉に善戦しているだけに期待が高まる。
【記事/おおかめともき・写真提供/©B.LEAGUE】