田渡 凌が自身初のダブルダブルをマーク!プリンス・イベが先発デビュー。4得点もディフェンスで可能性を見せる。
2018-19シーズン第7節・GAME1(11月3日 横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 72-79 新潟アルビレックスBB
15-18|17-23|27-19|13-19
横浜ビー・コルセアーズは、11月3日ホーム横浜国際プールで第7節新潟アルビレックスBB戦GAME1を闘い、7点差で2連戦の初戦を落とした。
勝てなかった。しかし、前回16点差で敗戦した新潟に対して粘りは見せた。悔しくもどかしい敗戦の中にあってもチームは着実に成長を続ける。オフェンスでは何度も僅差にまで追い詰め、ディフェンスではゾーンとマンツーマンを織り交ぜて3Qと4Qを10点台の19点に抑えることも出来た。しかし、大事な勝負どころの4Qで自分たちのバスケをコントロール出来ず、ディフェンスのビーコルがオフェンスの新潟に付き合ってしまったことが敗因となってしまった。
この試合で、10月27日に獲得が発表されていたプリンス・イベが、前日の練習で足のコンディションを悪くしていたジャボン・マックレアに代わってベンチ入り登録されて先発デビュー。スターティング5は、川村、エゲケゼ、イベ、田渡、モリスの布陣となった。
新潟は、前回の対戦で負傷したラモント・ハミルトンがこの試合で復帰して先発した。
1Q、エドワード・モリスの2Pシュートでビーコルが幸先よく先制したが、パスミスが多発して思うようにオフェンスの流れを作れず追う展開に。それでもアマンゼ、川村、田渡のシュートなどで追撃して僅差のビハインドを守り1Qを15-18で終える。
2Qは、川村が開始早々に沈めた2Pシュート、エゲケゼの3点バスケットカウントと2Pシュート、高島のセカンドチャンスから沈めた2Pシュートなどで追撃。
2分には田渡と細谷の2ガード勢が連続して3点バスケットカウントを決めたが、ディフェンスの隙きを突かれて柏木に3Pシュートを5本、さらには怪我から復帰したハミルトンにも2本の3Pシュートを許してしまい新潟を逃した。2Qは17-23。トータルスコアは32-41でビハインドが9点に増えた。
この試合は「産業能率大学スペシャルゲーム」としておこなわれ2,536人が来場した。
3Qでビーコルはじわじわと追い上げた。開始早々にプリンス・イベがダンクを入れて来日初得点。8分と7分には川村が連続して3Pシュート、さらにはエゲケゼも3Pシュートを沈めてビハインドを縮める。
川村は4分にも2本の3Pシュートを沈めて、このクォーターで3Pシュートが4本。1点差にまで肉薄した。
ビーコルは、ハミルトン、柏木、ガードナーらに得点を許したが、すぐさま田渡がアウトサイドから2Pシュート、モリスが連続で2Pシュートを沈めてビーコルが遂に逆転したが、リードした時間は短く、五十嵐に2Pシュートを入れられ再逆転を許した。
残り55秒、田渡がアウトサイドから2Pシュートを沈めて59-58とし、ビーコルが再々逆転に成功。しかし、このリードも短かく直後にディフェンスが突破されてハミルトンに2Pシュートを許し新潟が再びリードした。3Qは3Pシュート攻勢からビーコルが27得点。ディフェンスも機能して失点を10点台の19に抑えた。3Qは27-19。トータルスコアは59-60となり、ビハインド1点で最終クォーターに突入した。
勝負どころの4Qで、ビーコルは3Pシュートを計7本打ったが全てを外してしまいリバウンドから失点。得点も13点と停滞してしまった。ディフェンス重視のビーコルがオフェンス重視の新潟に付き合う形となり失速の原因を生んだ。6分にディフェンスで貢献していたイベがファウルアウト。これでインサイドが手薄になってしまいガードナーとハミルトンに失点を許した。
結局3Qで再び奪われたリードを取り戻すことが出来ず、4Qは13-19。ファイナルスコアは72-79となり、7点差で2連戦の初戦を落とした。
ビーコルはこれで3勝8敗。三遠が北海道に勝って4勝7敗としたことで中地区の順位を6位に下げた。
ビーコルのスコアリーダーは、26得点(5リバウンド3アシスト)を挙げた川村卓也。
以降はアマンゼ・エゲケゼの18得点(5リバウンド)。田渡 凌は13得点10アシストを挙げて自身初めてのダブルダブルをマークした。
デビュー戦となったプリンス・イベは4得点4リバウンド1ブロックショットだった。来日して間もない状態で、チーム連携、慣れない日本のレフェリーの判定に苦戦したがディフェンス面で存在感を示して貢献。ショットブロッカーの片鱗は見せた。
1000得点がかかる細谷将司は3得点。記録達成まであと「21」とした。
試合後、トーマス・ウィスマンHCはこの敗戦をこう振り返っている。
「今日は自分たちがスマートにプレーしないといけない試合だった。相手は3年間の長い間、メンバーが変わっておらず、何をやりたいかが分かっていた。オフェンス重視の相手に対して、我々も付き合ってしまいシューティングコンテストにしてしまった」
「全体的なシュート確立を見るとウチのほうが3Pシュートを打っている。オフェンスのチームである新潟よりも自分たちのほうが3Pシュートを多く打って失敗した。試合をコントロール出来ず、自分たちがやりたい(ディフェンス中心の)バスケットボールが出来なかった」
※3Pシュートのスタッツでは、ビーコルが7/27で成功率25.9%、新潟が9/26で成功率34.6%だった。 特に4Qでのビーコルの3Pシュートは、新潟の1/3対して0/7で成功率0%と完全に打たされてしまっていた。
「前半は間違いが多かった。自分たちがやらなければいけないことが出来ていなかった。後半で修正出来たが、それでもまだ間違いが多く目立っていた」
「前半での間違いは、相手に3Pシューターがいるのにもかかわらずオープン3を打たれてしまったこと。そして、前後半通してリバウンドで負けていたこと。この2点が敗因だと思っている」
「前半で8/19あった相手の3Pシュートを後半では1/7に抑えた。後半で外のシュートを抑えられたことは、ディフェンスが上達していることを示している。しかしファストブレイクポイントで相手に負け、セカンドチャンスとターンオーバーからの得点が相手よりも少ない。これらは試合前から、自分たちがプライドを持ってやっていこうとしていたポイントだったが、相手のほうが上回ってしまった」
またジャボン・マックレアに代わってプリンス・イベを起用したことについてはこう語っている。
「今日、マックレア選手を使わなかった理由は、前日の練習で足のコンディションを悪くしたからだった。ケアを施していたが、ゲーム前にトレーナーが今日はいけないと判断した。それでイベ選手を使ったが、日本のバスケにすぐアジャストすることはやはり難しい。このリーグのレフェリーの判定は世界中の基準とはまた違ったもので、それに対応するには時間がかかる。彼にとって、今日は学びの経験だったと思う」
2連戦の初戦は自分たちのバスケットボールが出来なかったが、後半で機能したディフェンス。幾度となく肉薄した粘りのオフェンスはGAME2に繋がる。ウィスマンビーコルの修正と巻き返し、今度こそのリベンジに期待したい。
【取材・写真・記事/おおかめともき】
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY】11.03 [SAT] 横浜ビー・コルセアーズvs新潟アルビレックスBB
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=3084&TAB=P