来季広島へ。チーム創設から7年に亘ってチームを支え続けた海賊戦士の新たなる旅立ち。

6月26日、横浜ビー・コルセアーズは山田謙治の退団を発表した。地元横浜出身であり、ビーコルの創設時からチームを支えた海賊戦士が新たな航海に出ることになった。翌27日、広島ドラゴンフライズは山田謙治との契約合意を発表した。

7年間に亘って在籍した横浜ビー・コルセアーズを退団することになった山田謙治

山田は、ビーコルがbjリーグに参入した2011年にドラフト1巡目1位でビーコルに入団。2年目の2012-13シーズンではチームの初優勝に大きく貢献した。以来、2016−17シーズンまでキャプテンを務めチームを支え続けた。

しかし、Bリーグ初年度の2016－17シーズンに14時間52分34秒あったプレータイムが、今季は4時間25分4秒と激減。シーズン当初は古田悟前HCが掲げたタイムシェアの方針で、開幕から11試合連続で出場したもののシーズンが進むごとに出場機会が減っていった。それでもベンチでチームメイトを鼓舞し続け、コートに立てば、ここぞで存在感を発揮し、チームに流れをもたらした。

ベンチでチームメイトを鼓舞する山田謙治

9月30日開幕節滋賀戦GAME2での山田謙治

特に、4月7日トッケイセキュリティ平塚総合体育館での西宮戦では、インフルエンザで細谷将司、田渡凌の二人のポイントガードとベテラン竹田謙を欠いたチームの非常事態で唯一のポイントガードとして、今季初めてスターティング5でコートに立った。

4月7日西宮戦GAME1で山田は今季初めてのスターティング5でコートに立った

山田は水を得た魚のように前半から躍動。3本の3Pと2本の2P、シュート成功率100％で11得点を挙げてチームに大きな勢いをもたらし、チームを起死回生の圧勝劇に導いた。

4月7日と8日の西宮戦でチームに残された唯一のポイントガードとして奮闘した山田謙治。連日の活躍でチームの窮地を救った。特にGAME1での活躍は圧巻だった。写真はGAME1で沈めた3Pシュート

その躍動と活躍ぶりは、山田がまだまだ闘えることを大きく示した。山田は、来季広島ドラゴンフライズに移籍する。苦渋の決断の末に、7年間に亘って闘ったビーコルから旅立つことを決めた。次なる新天地広島で、もう一度、花を咲かす。

4月7日西宮戦GAME1で、この試合3本目の3Pシュートを沈める山田謙治

山田は、ビーコルを通じて退団コメントを発表している。

「この度、6月30日をもって横浜ビー・コルセアーズを退団することとなりました。チーム関係者の皆様、スポンサーの皆様、ブースターの皆様、チーム立ち上げから7年間という本当に長い間、応援していただきありがとうございました。この7シーズン、自分なりに地元選手としてやってきたつもりです。今回の決断は本当に辛い決断でした。色々な経験を横浜でさせていただきましたが、この横浜での経験や沢山の方に出会えたことは僕の財産です。後は残るメンバーに全て託したいと思います。横浜は絶対にB1に居なくてはいけないチームです。次こそはCHAMPIONSHIPに出場し、そして優勝争いできるチームになれると信じています。さよならは言いません。引退する訳ではないので。またどこかで皆さんに会えることを楽しみに頑張っていきます。これからも横浜ビー・コルセアーズをよろしくお願いします！本当に7年間お世話になりました！ありがとうございました！」

7年間ビーコルを支え続けた海賊戦士、山田謙治は新たなる航海に出る。

また横浜ビー・コルセアーズ岡本尚博CEOは、クラブを通じて山田謙治退団へのコメントを発表している。

「神奈川県初のプロバスケットボールチームとして誕生した横浜ビー・コルセアーズが、bjリーグに参入した2011年。ドラフト1巡目1位指名で獲得した選手が地元横浜出身の山田謙治選手でした。初年度からコート内外でチームを牽引し、2年目はbjリーグ優勝というタイトルをクラブにもたらしていただきました。その後チーム存続の危機の中でも、キャプテンとして、横浜の顔としてクラブを支え、B.LEAGUEが誕生後も個性溢れる海賊たちの舵取り役として、B1残留に貢献していただきました。ビーコルの歴史は山田選手とともに歩んだ歴史とも言えます。この横浜の地で、また山田選手と共に大海原を航海するその日まで、しばらくのお別れです。7シーズンに亘り、横浜ビー・コルセアーズを支えていただきありがとございました」

【記事・写真/おおかめともき】

横浜ビー・コルセアーズ『山田謙治選手退団のお知らせ』
https://b-corsairs.com/news/team_20180626-1.html

広島ドラゴンフライズ『山田謙治選手契約合意（新規）のお知らせ』
https://hiroshimadragonflies.com/news/detail/id=8081